安全書類の保管期間は?作成する目的や書式・種類などを解説

安全書類 保管期間

下請け企業が現場で作業する際には、安全書類の提出が欠かせません。しかし作成したもののいつまで保管
すればよいか分からず、事務所に大量の安全書類が眠っているという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、安全書類の保管期間や作成の目的、書式などを解説していきます。

安全書類とは

安全書類とは、下請け企業が建設工事を始める前に元請け企業に対して提出する書類一式のことを指し、グリーンファイルや労務安全書類とも呼びます。
およそ20もの種類があり、人員や施工、関連会社に関してまで幅広くカバーしています。施工管理者はどの現場においても必ず安全書類を作成し、着工前に提出しなければなりません。そのため、工事前に準備をしてから現場に臨む必要があります。

安全書類を作成する目的

安全書類を作成する目的は2つあります。1つ目は元請け企業が下請け企業の人員や施工手順、作業内容などの情報を把握するためです。工事現場は複数の下請け企業で作業分担するケースが多いため、安全書類をもとに元請け企業はどの企業がどの作業をいつ行うかを把握します。
2つ目は、現場で働く作業員の安全確保です。リスクに対するルールを安全書類に記載して可視化することで従業員に確認させることで、トラブルが起きた際の責任の所在を明確にします。現場作業をスムーズに安全に行うために、安全書類は不可欠な存在なのです。

安全書類の書式

安全書類に、法律で規定されたフォーマットはありません。しかし、元請け企業によってフォーマットを指定されたり、地域や事業者ごとに書き方が大きく異なることも珍しくなく、書類作成者にとって負担になるケースもあります。
もし事業者による指示がなければ、全国建築業協会で出された「全建統一様式」というテンプレートを使用しましょう。また、安全書類の作成から提出まで電子上で完了できる「グリーンサイト」を利用する業者も増えています。

安全書類の保管期間

安全書類の保管期間は建設業法第40条の3で、原則5年間と義務付けられています。しかし、全ての書類が5年保管というわけではありません。例えば、完成図書や施工体系図は10年保管が必要です。建設業法第31条で都道府県知事や国土交通省は必要に応じて工事の状況や帳簿を立ち入りで検査できると定められています。そのため、いつでも対応できるよう保管体制を整えておく必要があります。

安全書類の種類

安全書類は、以下の3つに大きく分類できます。

  • 労務安全関係
  • 人員や関係会社関係
  • 施工体制台帳関係

以下で詳細を説明しましょう。

労務安全関係

まず、現場の作業員の配置や重機や危険を伴う作業について把握するための、労務安全関係の書類があります。労務安全関係の書類には、以下の5つの種類があります。

  • 安全ミーティング報告書
  • 安全衛生計画書
  • 持込機械等使用届
  • 工事・通勤用車両届
  • 火気使用願

それぞれの書類の内容を、以下で説明します。

安全ミーティング報告書

安全ミーティング報告書とは、現場で行われる朝礼から続けて関係者で行う安全ミーティングの内容を記録したものです。
安全ミーティングは安全衛生責任者や各請負事業者の職長が中心となり、作業の危険リスクや安全保持のために守る事項などを作業員と話し合います。そして、ミーティング内の提案や意見を職長がとりまとめ、まとめたものが安全ミーテング報告書です。安全ミーティング報告書は事故を未然に防ぐだけでなく、有事の際に現場の安全保障の体制に不備がなかったことを証明するという大切な役割もあります。

安全衛生計画書

安全衛生計画書は、工事に関わる作業員の安全意識の向上を目的に作られる書類です。安心衛生の目標や方針を定め、危険性や有害性の特定をしています。安心衛生計画書は一般的には、一次下請け会社が二次下請け会社の分まで作成し、元請け企業に提出します。

持込機械等使用届

持込機械等使用届は、機械や工具などの作業に使用する機械や工具の安全を管理する目的で作成される書類です。「移動式クレーン/車両建設機械等」と「電気工具・電気溶接機等」の2種類に分かれており、作業に使う機械や工具は全て届け出る必要があります。移動式クレーンを使用する場合は、運転者や資格の有無なども記載しなければなりません。

工事・通勤用車両届

工事・通勤用車両届は、現場に出入りする車両の管理を目的とした書類です。トラックや生コン車などの工事に使用する車両だけでなく、事業所から現場への通勤に使用する社用車も記載しなければなりません。

火気使用願

現場で火気を使用する作業をする場合は、火気使用願を提出し許可を得る必要があります。
「火気」の定義は溶接などの工事に使用するものに限らず、現場内の事務所の湯沸かし器や従業員が暖を取るための火気も含まれます。火気を使う場所や火気の種類までを詳細に記載し、一次下請けは元請に、二次・三次下請けは一次下請けに提出します。

人員や関係会社関係

労務安全書類では、現場の人員だけではなく関係会社の人員についても報告します。人員や関係会社に関する書類は、次の4種類です。

  • 作業員名簿
  • 外国人建設就労者現場入場届出書
  • 下請負業者編成表
  • 再下請負通知書

各書類について、詳細は以下の通りです。

作業員名簿

現場で働く人員の把握のために作成されるのが、作業員名簿です。
ただ氏名を記載するだけではなく、どの作業員がいつどの作業を行うかを住所も併記し明確に記入します。さらに、資格を有する機械を使用する場合は資格証明書のコピーも添付しなくてはなりません。記入する箇所が安全書類で最も多いため、作成に時間がかかることを認識しておきましょう。

作業員名簿の書き方についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

作業員名簿 書き方作業員名簿の書き方をわかりやすく解説!作成の目的や注意点も紹介

外国人建設就労者現場入場届出書

一次下請以下の協力会社の外国人作業員が作業する場合は、外国人建設就労者現場入場届出書を提出しましょう。技能実習生だった外国人を雇用する場合のみに必要な書類で、パスポートの写しも併せて提出します。

下請負業者編成表

下請負業者編成表は一次下請け業者が作成する書類で、各工事の請負業者や現場ごとの責任者などを記載します。万が一のトラブルの際に迅速に対応できるように、各現場ごとの責任の所在を明確にしているのです。また、元請け企業は、この下請負業者編成表をもとに施工体系図を作成するので、抜け漏れなく記入する必要があります。

再下請負通知書

一次下請けが二次下請けや三次下請けに仕事を依頼する場合は、再下請負通知書を作成し元請けに申告する必要があります。工事途中で関係会社に変更があった際も、同様に作成が必要です。

施工体制台帳関係

工事をおこなう業者を管理するために業者の情報をまとめた施工体制台帳関係も、安全管理書類に含まれます。施工体制台帳関係に含まれる書類は、以下の3つです。

  • 施工体制台帳
  • 施工体制台帳作成通知書
  • 施工体系図

3つの特徴や詳細について、解説しましょう。

施工体制台帳

工事に関わる特定の工事に関わる元請〜下請までのすべての企業情報や関係を一つにまとめたものを、施工体制台帳と言います。各企業の住所や代表者、責任者をすべて記載しているため、有事の際はこちらを参考に連絡します。
施工体制台帳は公共工事または下請け契約総額4,500万円(建築工事一式の場合7,000万円)以上の際に作成が義務付けられており、原則元請け企業が作成します。

施工台帳の重要性や書き方・作成時の注意点は、こちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
施工体制台帳 書き方施工台帳の重要性や書き方・作成時の注意点をわかりやすく解説

施工体制台帳作成通知書

施工体制台帳作成通知書は、施工体制台帳を作成した際に元請業者から下請業者に対して通知するための書類です。
元請負業者は施工体制台帳を作成したことを口頭ではなく、必ずこの通知書を通して一次下請け業者に知らせなければなりません。仮に一次下請け業者が二次下請け業者と請負契約をする場合は、一次下請け業者が施工体制台帳作成通知書を作成、発行する必要があります。

施工体系図

施工体系図は、施工体制台帳を基に各下請け業者の分担関係を図にまとめた書類です。施工体系図を作成することで、建設工事の役割分担が一目で分かるだけでなく、技術者が適正に配置されているかも確認できます。施工体系図の作成は、原則として元請け企業が行います。

施工体系図の詳細や書き方についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

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建設業で必要な書類の保存期間について詳しく解説の記事はこちら

建設業 書類 保存期間建設業で必要な書類の保存期間について詳しく解説

【まとめ】安全書類の保管期間は建設業法で決まっている!

安全書類は工事前に必ず作成しなければならない、作業員や安全管理、施工体系についてまとめた各書類の総称です。保管期間は建設業法で5年と定められていますが、中には10年のものもあります。書類の作成・管理を適切に行うことは安全で確実な工事と企業の信頼につながります。書類の管理や作成を負担に感じている方は、電子サービスも普及してきているのでぜひチェックしてみてください。

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