アイアンショックとは?現状や原因・今後の見通しなどを解説

アイアンショックとは

昨今の建設業界において、「鉄鉱石価格の急騰で予算が圧迫されている」、「資材不足で工事の進行が遅れている」といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、アイアンショックの原因や影響、そしてその対策について詳しく紹介していきます。

アイアンショックとは

アイアンショックとは、鉄鉱石価格が上昇しそれによって鉄筋や鉄骨などの鋼材価格が高騰することを指します。

近年では、輸入木材の供給不足による建築資材の価格が高騰するウッドショックが起こりました。同様に、アイアンショックと呼ばれる鋼材の価格高騰も注目されています。

2021年には、コロナウイルスの影響で鉄鉱石価格が一時的に下落しましたが、中国の景気回復によって需要が急増し、価格は上昇しました。その結果、鉄の価格はわずかな時間で約2.5倍にまで上がりました。

アイアンショックの現状

アイアンショックにより、2021年以降鋼材価格が上昇し、2024年の現在でもその高騰が続いています。具体的な数値を見てみると、
この鋼材価格の上昇は建築コストの増加につながります。とくに工務店やビルダーにとっては、住宅商品価格の上昇や受注件数の減少などの影響が懸念されています。

アイアンショックの原因

アイアンショックの原因の1つは、鋼材の急激な需要拡大です。日本は鉄鉱石を含む鉱物資源の大半を海外から輸入しており、新型コロナウイルス感染症の影響で鋼材の需要が一時的に減少しました。特に中国やアメリカなどの経済大国の需要が急増したことで、世界的な鉄鉱石の供給不足が顕在化しました。
日本は鉄鉱石のほとんどを輸入に頼っているため、世界的な供給不足の影響は避けられませんでした。また、日本国内ではデフレが続いており、世界の物価上昇との格差も拡大しています。

アイアンショックによる建設業への影響

アイアンショックが建築業へ与える影響には以下のようなことが挙げられます。

  • 希望の工事を行えない
  • 建築資材の価格が上昇する

ではさっそくみていきましょう。

希望の工事を行えない

日本では鉄鉱をほぼ100%輸入に頼っています。そのため、アイアンショックで鉄の価格が高騰すると、工事に必要な資材を十分に確保することが難しくなりました。また、たとえ購入できるお金があった場合でも、他の国でも鉄が必要なことは変わりないため、簡単には手に入らないでしょう。

こうした影響で鉄を使った建物の建設や希望する工事が行えないなどの可能性が出てきます。

建築資材の価格が上昇する

アイアンショックのほかにも、ウッドショック、ロシア・ウクライナ戦争、円安など様々な問題が重なり短期間に解決できない状態にあります。

木材や鉄など、建築に必要な資材の価格上昇によって、資材確保にかかる費用が多くなり建設業者としては赤字となる恐れも大いにあります。

住宅価格が上昇する</h3
鉄骨や鉄筋などの住宅建築に必要な建材の高騰がすることで、住宅自体の価格が上昇することも考えられます。現在では、広告や経費、住宅メーカーの利益を削ることで住宅価格の急激な上昇を抑えているところも多いです。
アイアンショックにより鉄の高騰が続くと、住宅価格を上げざるを得ないこともあるでしょう。

アイアンショックを建築業が乗り越える方法

鉄鉱石価格の変動に対するリスク管理が不可欠です。具体的な方法は以下の3つが挙げられます。

  • 付加価値をつける
  • コストの見直し・削減に取り組む
  • リフォームやリノベーション業務に取り組む

それぞれ詳しくみていきましょう。

付加価値をつける

他社にはないような、自社の価値を提供することが大切です。例えば、高品質な材料の提供や、高いデザイン・機能性などです。顧客の要望を汲み取り、それに応えるサービスを提供することで、競合と差別化できるようになり、価格競争にも巻き込まれにくくなります。
また、価格設定の根拠や、自社の強みを明確に示すことも重要です。価格設定の妥当性や、他社との差別化ポイントを説明することで、顧客からの信頼感にもつながり、成約率も上げることができます。

コストの見直し・削減に取り組む

材料の発注には十分に注意して行わなければなりません。余分な材料を発注してしまうとその分大きな損害となります。また、鉄鋼価格が高騰したため一か所に限らずいくつかの入手元を考える必要があります。

リフォームやリノベーション業務に取り組む

リフォームやリノベーション業務に取り組むことも良いでしょう。中古住宅をリノベーションして住むという人も増えてきているため、リフォームやリノベーションの需要も多くあります。今までリフォームやリノベーションの施工を請け負ってこなかった場合には、これを機に事業を多角化することで、資材の高騰などのリスク対策にもなります。

アイアンショックの今後の動向

この状況は今後も継続する可能性が高く、鉄の価格が一時的に下落する見込みは立っていません。建設業界においては、このアイアンショックの影響を受けることは避けられませんが、その影響を最小限に抑えるためには、適切な対策が必要です。
今後は他社との差別化や社内でのコスト削減、事業の見直しなどを行うなどの対策を検討していくとよいでしょう。

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【まとめ】アイアンショックは鋼材価格が高騰する現象!付加価値をつけるなど上手に乗り越えよう

現在も鉄鋼価格が高騰しており、、世界的なインフレーションの影響や需要低迷の可能性があります。また、日本の円安傾向も鉄の価格が即座に安くなる見込みを減少させています。このような状況下では、鉄の価格が安定するまでには時間がかかると考えられます。
建設業界においては、鉄の価格の高騰による影響を十分に理解し、鉄以外の材料の活用や、リフォームやリノベーション市場への参入など適切な対策をしていきましょう。

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