安全ミーティング報告書とは?作成する目的や書き方などを解説

安全ミーティング報告書

建設現場では毎日の作業に潜む危険性をあらかじめ把握し、事故を未然に防ぐために安全ミーティングが行われています。その内容は安全ミーティング報告書にまとめられますが、適切に作成されていないケースも見受けられます。そこで、この記事では安全ミーティング報告書の目的や意義、具体的な書き方について解説します。

安全ミーティング報告書とは

安全ミーティング報告書とは、建設現場で毎日行われる安全ミーティングの内容を記録し、安全管理に役立てるための重要な書類です。建設現場では作業開始前に、現場で働くすべての作業員が参加する安全朝礼が行われます。その後、職種や作業内容ごとに分かれて、より詳細な打ち合わせを行うのが安全ミーティングです。各事業者の職長や安全衛生責任者が中心となり、当日の作業内容や留意点、危険予知活動(KY活動)の内容などを確認し合います。

安全ミーティングは、建設現場における安全施工サイクルの中で重要な位置を占めています。ミーティングで出された意見や改善点は、安全ミーティング報告書にまとめられ、翌日以降の作業に活かされます。職長らが報告書を作成して適切に管理・保管することで、日々の安全活動の記録を残せます。

作成する目的

安全ミーティング報告書を作成する主な目的は以下の3つです。

  • 当日の作業に潜む危険性を事前に洗い出し、具体的な対策を立案・実行することで労働災害の発生を防ぐ
  • ミーティングで出された意見や対策を記録に残し、翌日以降の作業に役立てる
  • 安全管理活動の実施記録を残すことで、万が一の事故の際にも安全配慮義務を果たしていたことを証明できるようにする

安全ミーティング報告書は、建設現場での安全確保と、それを行っていることの証明の両方に重要な役割を果たします。報告書の作成は単なる事務作業ではなく、適切に行うことが現場の安全につながる意義のある取り組みです。

使用する書式

安全ミーティング報告書の具体的な書式は、建設業の団体が提供する統一様式が広く使われています。代表的なものは、建設業労働災害防止協会の「全建統一様式 第8号」です。

この書式は、全国の建設現場で広く使用されている標準的なフォーマットです。各現場の状況に合わせて一部変更を加えることもできますが、基本的な項目は網羅されているため、これをベースにして使うのがよいでしょう。ただし、元請け事業者によっては獨自の書式を定めていることもあります。その場合は、指定のフォーマットを使用する必要があるので、元請けの指示に従いましょう。

安全ミーティング報告書の記入項目と書き方

それでは次に、安全ミーティング報告書の具体的な記入項目とそれぞれの書き方のポイントを見ていきましょう。ここでは全建統一様式第8号をベースに解説しますが、他の書式でもおおむね共通する内容です。

一次請負会社名

一次請負会社の名称を記入します。一次下請けの場合は、自社の直接の発注者にあたる事業者名を書きます。記入する際は略称ではなく、正式な社名で書くのが原則です。

施工会社名

書類を作成する事業者の名称を記入します。一次下請けの報告書であれば、一次請負会社名と施工会社名は異なることになります。一次請負会社が報告書を作成する場合は、再度自社の名称を書く必要があります。

職長氏名

安全ミーティングを主催した職長の氏名を書きます。職長は、現場での作業を指揮・監督する立場の人物で、一般的に安全衛生責任者を兼ねることが多いです。職長の氏名は報告書の最後に自筆のサインとともに記入します。

元請確認欄

元請事業者が報告書の提出を受け、内容を確認したことを示す欄です。施工会社から提出された報告書に問題がないことを元請けが確認したら、元請けの担当者が氏名を記入します。提出時点では空欄のままですが、後日元請けによってチェックが入れられます。

作業日(いつ)

安全ミーティングが行われた日付を書きます。通常は朝礼の後に行われるため、実際の作業日と同じ日付になります。欄の左側に月、右側に日をそれぞれ数字で記入します。

作業場所(どこで)

作業が行われる場所を具体的に記入します。住所ではなく、現場内のどのエリアで作業するのかを書くのがポイントです。「1階スラブ」「荷下ろし場」「○○工区」など、作業する場所を特定できる言葉で表現します。

作業内容(なにを)

予定している作業の内容を簡潔に記入します。「型枠工事」「鉄筋組立」「コンクリート打設」など、行う作業を一言で表すことを心がけましょう。複数の作業を行う場合は箇条書きで列挙してもかまいません。

作業方法(どのようにして)

先の作業内容をどのように行うのか、使用する機材や手順なども含めて具体的に書きます。「ポンプ車を使用してコンクリートを打設する」「ラフタークレーンでユニットを揚重する」など、作業の方法をイメージできるように記述します。特に重機を使う作業では、その手順や安全上の留意点もしっかり書くことが重要です。

作業人数

その作業に何人の作業員を割り当てるかを数字で書きます。欄は左右に分かれており、左側に予定人数、右側に実際の人数を記入します。人員に変更があった場合は、右側の実績をもとに変更理由も添えて報告しましょう。

作業に必要な資格及び配置

作業を行う上で法令上必要となる資格をチェックし、有資格者の氏名を記入する欄です。クレーン運転や玉掛けなど、資格を必要とする作業に従事する作業員の氏名を書きます。また、各作業に必要な人員の配置についても記入します。

元請からの連絡調整事項

元請事業者から指示や連絡があった事項を書く欄です。「重機の旋回範囲に人を立ち入らせないこと」「共通仮設の使用ルールを厳守すること」など、元請け側から特に言及されたことを書き留めておきます。ミーティングの中で全作業員に周知し、確実に実行に移すことが求められます。

実施したリスクアセスメント

その日の作業について、安全ミーティングの場で行ったリスクアセスメントの結果を記入する重要な欄です。予想される危険とその対策、リスクの評価などについて、書式に従って記録していきます。

予定作業に対してこんな危険がある

「作業内容」や「作業方法」をもとに、起こりうる危険を書き出します。「〇〇の作業で足場から墜落するおそれがある」など、「誰が」「どこで」「何によって」危険な状態になるかを洗い出していきます。

危険の重大性と発生可能性を1〜3の数字で評価します。評価点(重大性+可能性)をもとに、リスクの大小を5段階で評価し記録に残します。

危険に対してこのようにする

上で挙げた危険に対して、どのような安全対策を講じるかをまとめます。足場の手摺を二段設置する」「安全帯の使用を徹底する」など、リスクを下げるために取る措置を具体的に書きます。

そして対策後の危険度を再評価し、リスクが十分に下がったかをチェックします。評価点が3以上の危険が残っている場合は、さらなる対策を検討しなければいけません。

所長の確認事項

職長による現場の状況確認の結果を記録する欄です。現場に異常や変化がないか、作業員の健康状態に問題はないかなどをチェックし、該当項目に○印を付けます。
高齢者や経験の浅い作業員への特別な配慮事項なども記入します。

安全ミーティング出席者サイン

最後に、安全ミーティングに参加した作業員全員の氏名とサインを記入します。ミーティングの内容を確認し理解したこと、安全作業の徹底を誓約する意味を込めてサインをします。本人による自署が原則で、欠席者の分も空欄にしておくのがルールです。また、各自の担当する作業に関する危険予知の番号を、サインの横に書き添えます。

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【まとめ】安全ミーティング報告書をきちんと作成して安全に作業できる環境を整えよう!

安全ミーティング報告書は、建設現場の安全を守る上で重要な役割を果たす書類です。毎日の作業に潜む危険を予知し、全員で対策を考え実行することが求められます。その活動の記録を残すことで、事故の防止と安全配慮義務の履行の両方につなげられます。

報告書の作成は単なる事務作業ではなく、安全第一の職場環境をつくる取り組みの一環だと言えます。ミーティングに参加した一人ひとりが、その意義をしっかりと理解することが大切です。

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