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少子高齢化によって生産年齢人口も減っていく中、人手不足に悩む企業は多くあります。なかでも建設業の人手不足は深刻な問題です。実際、人手不足で悩んでいてどうにかして解決したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、建設業が人手不足に陥る原因と若者が建設業に定着しない理由、人手不足の解決策について紹介していきます。
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建設業が人手不足の現状
企業が求人を出した際の競争率を示す指標として、「有効求人倍率」というものがあります。この数値が高ければ高いほど人手不足感が強いのですが、建設業は特に有効求人倍率が高くなっています。
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和5年11月分)」によると、全体平均が1.20倍であるのに対して、建設・採掘従事者が5.57倍、建設従事者(建設躯体工事従事者を除く)が5.18倍です。また、建設業関係者からは過重労働や品質の低下など、人手不足による深刻な問題も報告されています。
このように、深刻な人手不足に悩まされているというのが建設業の現状なのです。
建設業が人手不足な原因4つ
先ほどもお伝えしたように、建設業の人手不足が深刻であるのが現状なのですが、その原因とは一体何なのでしょう。
建設業が人手不足な原因には、
- 高齢化と若者不足
- 低賃金と労働条件
- 建設業の需要拡大
- 建設業に対する興味喪失
の4つがあります。
高齢化と若者不足
建設業が人手不足である最大の原因は、高齢化と若者不足です。国土交通省の「最近の建設業を巡る状況について」によると、建設業就業者の3割以上が55歳以上であるのに対して、29歳以下は1割しかいません。
建設業界では多くのベテラン層が引退を迎えようとしていますが、若者は今後も減っていくと予想されます。そのため、技術継承問題が生じ、即戦力となる人材もますます減少していくでしょう。
低賃金と労働条件
建設業が人手不足な原因として、低賃金で労働条件が悪いということも挙げられます。建設業界では日給制を採用しているところも多く、どうしても収入が安定しません。また、日本では建設業に関する公的な資格がほぼないので、給料が低くなりやすい傾向もあります。
さらに、建設業では長時間労働を強いられることも多く、低賃金な上に労働条件も決してよくありません。こうしたことから、建設業界で働こうと思う若者は減り、離職率も高くなってしまいます。
建設業の需要拡大
少子高齢化や低賃金、労働条件が建設業の人手不足の原因となっている中、建設業の需要拡大がより一層人手不足問題を深刻化させています。リーマンショックの後に建設業の需要がゆっくりと拡大しましたが、東日本大震災や東京オリンピックによってさらに需要が拡大しています。
建設業の需要が高まる中で人手不足問題が解決されないと1人当たりの負担が大きくなる一方なので、さらに離職率が高まることが予想され、悪循環に陥ってしまうでしょう。
建設業に対する興味喪失
建設業は肉体労働が多いので他の職業と比べるときついことも多く、作業場所が汚いことや、作業環境が危険なことも多いので、建設業に対して「きつい・汚い・危険(3K)」というイメージを持っている若者は多いです。そのため、そもそも建設業に興味を持たない人が増えています。このことも建設業が人手不足である原因となるでしょう。
建設業に若者が定着しない理由
建設業に若者が定着しない理由には、
- 雇用が不安定
- 遠方の作業場が多い
- 休みが取りづらい
という3つがあります。ここでは、建設業が若者に定着しない理由をそれぞれ詳しく説明していきます。
雇用が不安定
建設業に若者が定着しない理由として、雇用が不安定であることが考えられます。建設業では月給制ではなく、日給制を採用している企業が多くあるため、その日の天気や現場の有無によって収入が変動してしまいます。
そのため、将来のライフプランを立てにくくなってしまう可能性があるのです。また、道具代は自分持ちのため生活費を圧迫することも多く、待遇面を不安に思う原因となるでしょう。
遠方の作業場が多い
遠方の作業場が多いというのも、建設業に若者が定着しない理由の1つです。ここでの問題点は、ただ単に「現場が遠方にある」ということではなくて、「拘束される時間が伸びる」ということです。遠方の作業場だからといって作業開始時間が変わることはほとんどないでしょう。そうすると、現場が遠ければ遠いほど朝早くから準備を始めなければならなくなり、帰宅時間も夜遅くなるので不満につながります。
休みが取りづらい
休みが取りづらいというのは、建設業でありがちなことです。工事期間の長さはコストに直結するので、どうしてもハードスケジュールになってしまうことが多くなってしまいます。
国土交通省の「建設業の働き方として目指していくべき方向性」によると、23.5%の企業が「休みが取りづらい」ということを若者技能労働者が定着しない理由として挙げています。技術者・技能労働者問わず半数以上が完全週休2日または4週8休が望ましいと考えていますが、実際は15%程度しかとれていません。
建設業の若者離れが当たり前とされる理由についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
建設業では若者離れが当たり前?若者離れを防ぐ対策も紹介!建設業の人手不足を解決する方法
建設業の人手不足を解決する方法として、
- 若者へのイメージ向上
- 給与や福利厚生の改善
- 働き方改革
- 生産性の向上
- 女性の活躍推進
の5つが挙げられます。ここでは、建設業の人手不足を解決する方法5つをそれぞれ詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
若者へのイメージ向上
先ほどもお伝えしたように、建設業に対して「きつい・汚い・危険(3K)」というイメージを持っている若者が多いことが人手不足の原因となっています。ですので、若者へのイメージ向上は人手不足を解決するために有効な手段だといえます。例えば、
- 地域でイベントを行う
- デザイン性の高い作業着にする
- 重機の試乗会を行う
などのことを実施すると、若者の建設業に対するイメージを向上させられるでしょう。
給与や福利厚生の改善
建設業界には、社会保険未加入の労働者が多いという問題点があります。社会保険に加入できないというのは労働者にとって大きなデメリットとなるので、人手不足の原因となるでしょう。そのため、福利厚生の改善をすることで人手不足を解決できる可能性があります。
また、建設業は月給制が一般的ではなく、収入が安定しないという問題もあるので、給与の改善も建設業界全体で求められています。
働き方改革
前述のとおり、建設業の需要は拡大しており、長時間労働を強いられることが多くなっています。このことも人手不足の大きな原因となっているでしょう。これを解決し、人手不足を解決するためには、
- 週休二日制を取り入れる
- 工期設定を適切に行う
などのことを実施して「働き方改革」を進め、働きやすい環境作りをすることが大切です。
生産性の向上
生産性の向上を図ることで長時間労働も改善でき、人材不足の解決が可能になります。例えば、今まで人が手で行っていた作業をAIやICTで自動化すると、人数が少なくても業務を遂行でき、クオリティアップも期待できます。また、ロボットやドローンを利用すると人が行うと危険が伴う作業を代わりに行ってもらうことが可能です。
女性の活躍推進
女性の活躍推進は、建設業界の人手不足を解決するために非常に重要なことだといえます。なぜかというと、現場に女性職員が増えれば現場環境の変革も進み、建設業のイメージ向上にもつながるからです。
育休・産休制度やフレックスタイム制度を積極的に取り入れることで女性でも働きやすい環境を整えられ、女性の活躍を推進できるでしょう。
建設業のICT化とは
ICTは「情報通信技術」のことで、「Information and Communication Technology」の略称です。建設業のICT化の例として、画像や資料をデータ化してスマートフォンやタブレットで共有する、人の目で見ることが難しい高所の点検をドローンを用いて行う、遠くからでも現場を監視できるようにカメラを現場に置くなどのことが挙げられます。
ICTによってできること
ICTの導入によって、様々なことができるようになります。建設業では高齢化と若者不足によって技術の継承が難しくなっていますが、ICTを導入すれば職人にしかできなかった作業を機械化できるのです。また、人の手で作業を行うとどうしてもミスが発生してしまうことがあるでしょう。しかし、ICTを導入して複雑な作業を機械化すれば、ミスを防げます。このようにICTは人手不足の解決や業務の改善を可能にしてくれるのです。
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【まとめ】自社に合う方法で建設業の人手不足対策に取り組もう!
この記事では建設業が人手不足な原因や若者の離職理由、建設業の人手不足を解決する方法を中心にお伝えしてきました。建設業の人手不足は非常に深刻な問題であり、少子高齢化や低賃金、建設業の需要拡大などが人手不足の原因となっていることが分かっていただけたと思います。人手不足を解決するためには、給料や福利厚生の改善、ICTの導入などを積極的に行うことが重要です。ぜひ自社に合った人手不足対策に取り組んでみてください。
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