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家や建物の解体を計画中の方にとって、アスベストの存在は大きな悩みの種ではないでしょうか。健康への悪影響が知られるアスベストの処理には特別な方法が求められ、通常の解体工事より高額な費用がかかります。
しかし、実は多くの自治体がアスベスト解体に関する補助金制度を用意しています。この制度を利用すれば、調査費用から除去工事費用まで、かなりの部分をサポートしてもらえる可能性があります。
この記事では、アスベスト解体の補助金について基本情報から申請方法、実際の事例まで幅広く紹介します。
アスベスト解体費用に活用できる補助金制度
アスベスト解体には特別な処理が必要なため、費用が高額になりがちです。しかし、各地域で用意されている補助金制度を利用すれば、費用負担を抑えられる可能性があります。
まずは補助金制度の全体像について見ていきましょう。
補助金の種類
アスベスト解体に関する補助金は大きく分けて「調査費用の補助金」と「除去費用の補助金」の2種類があります。
調査費用の補助金は建物内のアスベスト含有材料を調べる際の費用を援助するもので、除去費用の補助金はアスベストを安全に取り除く作業にかかる費用を援助します。
各自治体によって補助金の名称や条件は様々なので、該当する制度を確認することが重要です。
支給する機関は自治体
アスベスト関連の補助金は国ではなく、各自治体から支給されるのが特徴です。都道府県や市区町村が独自に制度を設けており、地域によって補助内容や金額が大きく異なります。
住んでいる地域や建物の所在地によって利用できる補助制度も変わってくるため、まずは地元の自治体に問い合わせることが第一歩です。自治体のホームページで「アスベスト 補助金」で検索すると関連情報が見つかることが多いでしょう。
年度ごとに予算が決まっているため、申請時期によっては予算切れで利用できないケースもある点に注意が必要です。
アスベスト調査費用に活用できる補助金制度
建物を解体する前に、まずアスベストが含まれているかどうかの調査が必要となります。この調査費用をサポートする補助金制度について知っておくと安心です。
対象資材
アスベスト調査の補助金対象となる資材は主に「吹付けアスベスト」や「アスベスト含有吹付けロックウール」など吹付け材が中心です。これらは飛散性が高く健康への影響が大きいため優先的に調査対象となります。
特に1995年以前に建てられた建物は使用されている可能性が高いため、調査が推奨されています。建物の用途や規模、建築年によって対象資材の範囲が変わることもあるため、事前確認が欠かせません。
補助額
アスベスト調査に関する補助金額は自治体によって違います。一般的には調査費用の2分の1から全額までを補助するケースが多いですが、調査業者を無料で派遣する自治体もあります。
また、上限が設定されている場合も多く、自治体によって5万円、10万円、25万円など幅があります。
補助対象となる建物の種類によっても金額は変動し、民間住宅より集合住宅や事業用建物の方が補助率や上限額が高く設定されていることが多いです。調査前に自治体へ相談し、正確な補助額を確認しておくことがおすすめです。
アスベスト解体費用に活用できる補助金制度
アスベストが見つかった場合は、適切に除去する必要があります。その費用負担を軽減する補助金制度について見ていきましょう。
対象資材
アスベスト除去に関する補助金の対象資材も、調査と同様に、主に吹付けアスベストやアスベスト含有吹付けロックウールです。
ただし、自治体によってはアスベストの含有率や建築時期、建物の規模による制限が設けられています。また、工事完了後、一定期間は建物を使い続けることも条件となる場合があります。
調査に比べ、解体費用への補助金制度は自治体による差異が大きいので、事前にしっかり確認しましょう。
補助額
アスベスト除去に関する補助金額も自治体によって大きく異なります。除去費用の2分の1から3分の2程度を補助する制度が多く、さらに上限が設定されているのが一般的です。
建物の用途や規模によっても補助率や上限額が変わり、多くの人が利用する建物ほど手厚い補助が受けられる傾向にあります。中には立体駐車場が対象となる自治体もあるため、どの程度の補助が見込めるかを自治体に問い合わせるとよいでしょう。
アスベスト除去は高額になりやすいため、補助金を最大限活用したいものです。
アスベスト解体費用に活用できる補助金を受け取る手順
補助金を実際に受け取るには、一定の手順を踏む必要があります。基本的な流れを見ていきましょう。
1.自治体に相談する
補助金申請の第一歩は、建物が所在する自治体への相談から始まります。まずは役所の環境課や建築課などアスベスト関連の窓口に問い合わせましょう。
自治体によって担当部署は異なりますが、「アスベスト補助金について知りたい」と尋ねれば適切な部署を案内してくれます。窓口では現在実施中の補助制度の内容や対象条件、申請に必要な書類について詳しく説明を受けられます。
この段階で重要なのは、工事着手前に相談することです。多くの場合、工事開始後の申請は補助対象外となるため注意が必要です。
また、建物の築年数や用途、規模などの情報を事前に整理しておくと相談がスムーズに進みます。不明点はこの段階でしっかり確認しておきましょう。
2.解体業者を探す
アスベスト解体を行うには、専門知識と資格を持った業者選びが重要です。一般の解体業者ではなく、「特別管理産業廃棄物管理責任者」の資格を持つ担当者がいる業者や「石綿作業主任者」を配置できる業者を選ぶ必要があります。
複数の業者から見積もりを取り、費用面だけでなく、実績や対応の丁寧さ、安全対策なども比較検討しましょう。中には補助金申請の手続きをサポートしてくれる業者もあります。
見積書には「アスベスト除去費用」が明確に区分されているか確認することも大切です。補助金申請には詳細な見積書が必要となるケースが多いため、項目別に細かく記載されたものを用意してもらいましょう。信頼できる業者と出会えれば、その後の工事もスムーズに進みます。
3.補助金を申請する
業者選定後、正式に補助金の申請手続きを行います。申請には「補助金交付申請書」をはじめ、必要書類を揃えて提出する必要があります。
一般的に必要な書類としては、建物の所有権を証明する書類(登記簿謄本など)、建物の図面、アスベスト含有調査結果報告書、除去工事の見積書、工事計画書などがあります。
申請書類は自治体の担当窓口に直接持参するか郵送で提出します。この際、書類に不備があると再提出を求められ手続きが遅れるため、事前に担当者に確認してもらうとよいでしょう。申請時期は各自治体の予算枠内での先着順となることが多いです。
4.審査を受ける
申請書類を提出すると、自治体による審査が行われます。審査期間は自治体や申請件数によって異なりますが、数週間程度かかるケースが多いようです。
審査に通過すると「補助金交付決定通知書」が発行されます。この通知書を受け取るまでは工事に着手できないケースがほとんどなので、工程表作成の際には審査期間も考慮に入れる必要があります。
交付決定後に計画変更が生じた場合は速やかに届け出ることも重要です。
5.工事を実施する
補助金交付決定通知を受けた後、いよいよ工事に着手できます。通知を受ける前に契約や着工をすると補助金が受けられなくなる可能性が高いので、注意してください。
アスベスト除去工事は法令に基づいた厳格な手順で行われます。まず、工事着手前には各種届出を自治体などに提出します。さらに、工事中は周辺への飛散防止対策として、作業場所の隔離や負圧の維持、集じん・排気装置の設置などが徹底されます。
施工中に計画変更が生じた場合は早急に自治体に連絡し、変更申請が必要かどうか確認しましょう。
6.完了報告し補助金を受け取る
工事完了後は速やかに自治体へ完了報告を行います。報告には「完了実績報告書」「工事写真」「領収書」などの提出が必要です。
提出書類を基に自治体による完了検査が行われ、計画通りに工事が実施されたか確認されます。場合によっては現地検査が実施されることもあります。
検査に合格すると「補助金確定通知書」が発行され、これを受けて補助金の請求手続きを行います。補助金は指定口座への振込みで支給されるのが一般的で、請求から入金までには1〜2ヶ月程度かかることも珍しくありません。
アスベスト調査の補助金事例
東京都千代田区では「アスベスト含有調査助成」制度を実施しています。この制度は区内の民間建築物におけるアスベスト含有建材の調査費用を助成するものです。
調査費用の全額(上限25万円)が助成され、調査対象は吹付けアスベストやアスベスト含有吹付けロックウールといった飛散性の高い建材が中心です。
申請するには附近見取り図、配置図、写真、登記事項要約書、2社以上の見積書の写しを準備します。また、マンションなどの場合は理事会または役員会議事録などの写しが必要です。
アスベスト解体の補助金事例
堺市では「住宅・建築物吹付けアスベスト対策事業補助金制度」を実施しています。この制度は堺市内の民間建築物に使用されている吹付けアスベストやアスベスト含有吹付けロックウールの除去工事費用の一部を補助するものです。
この制度では、除去等工事に要する費用の3分の2以内(上限100万円)が補助されます。補助を受けるには事前に分析調査が必要で、この調査費用についても別途補助制度があります。
アスベスト解体に補助金を活用する際の注意点
補助金を活用する際には、いくつか押さえておくべき注意点があります。トラブルなく補助金を受け取るためのポイントを解説します。
資金計画をきちんと立てる
アスベスト除去工事の補助金は後払い方式が一般的です。つまり、工事費用はいったん自己負担で支払い、工事完了後に補助金が支給される仕組みになっています。このため、工事費用全額を一時的に用意しておく必要があります。
例えば、100万円の工事で3分の2の補助が受けられる場合、最終的な自己負担は約33万円ですが、いったん100万円を工事業者に支払わなければなりません。
工事完了から補助金受取りまでには1〜2ヶ月かかるケースもあるので、資金繰りに余裕を持たせておくことが大切です。
申請期限や条件を確認しておく
補助金申請には期限があり、多くの自治体では年度内(4月から翌年3月まで)の申請となります。特に年度末近くになると予算枠が埋まりやすいため、早めの申請がおすすめです。
また、申請条件も自治体によって異なります。建物の用途や規模、築年数などによって補助対象かどうかが決まるケースが多いため、事前確認が欠かせません。注意すべきは条件が変更される可能性です。
年度が変わると補助内容や対象条件が変わることがあるので、最新情報を入手することが重要です。
解体業者選定も重要ポイントで、多くの自治体では一定の資格や許可を持つ業者による施工が条件となっています。適切な資格を持たない業者に依頼すると補助対象外となる恐れがあります。
募集状況を確認しておく
補助金制度は各自治体の予算内で運用されているため、予算上限に達すると、その年度内は新たな申請を受け付けないケースがあります。
特に、人口が多い地域やアスベスト対策への関心が高まっている地域では、募集開始からすぐに予算枠が埋まることもあります。このため、アスベスト除去工事を計画している場合は、早い段階で自治体の募集状況を確認することが重要です。
多くの自治体では年度始め(4月以降)に新たな募集を開始しますが、自治体によっては随時募集や複数回募集を行っているところもあります。自治体のホームページで募集状況を定期的にチェックしたり、担当窓口に電話で問い合わせたりして最新情報を入手しましょう。
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【まとめ】アスベスト解体費用の補助金制度は自治体によって異なる!事前の相談・確認が大切
アスベスト解体における補助金制度は、調査から除去工事まで幅広くサポートしており、自治体によっては相当な額の援助が受けられます。補助金を活用すれば、安全対策に必要な費用負担を抑えながら、適切なアスベスト処理が可能になるでしょう。
申請の際は工事前に必ず手続きを行い、専門資格を持つ業者に依頼することが条件となる点に気をつけてください。多くの場合、補助金は工事完了後の支給となるため、一時的に全額を支払う準備も必要です。また、自治体の予算には限りがあり、申請が集中する年度末は予算切れになる可能性もあります。
アスベスト解体は健康と安全に直結する重要な工事です。補助金制度を活用して、負担を減らしながら適切な対応を進めていきましょう。
建設業の人手不足が当たり前といわれる5つの理由についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
