建設業では若者離れが当たり前?理由や人手不足の現状・対策を解説

建設業の3Kイメージや少子高齢化の影響で、建設業界は慢性的な人手不足が続いています。

特に建築業の若手離れは顕著に現れています。しかし、どうしてそこまで若者が建築業から離れていくのでしょうか。

若手不足は人が足りないという問題だけではなく、技術継承や伝統継承に大きな影響を与えます。

本記事では、建築業の若者離れの原因とその対策について解説します。建築業に就職を考えている若者や人手不足に悩まされている企業は、参考にしてみてください。

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【最新】建設業の人手不足の現状について

まずは、2025年2月に公表された「建設労働需給調査結果」より、建設業の人手不足の現状について確認しましょう。

画像引用元:建設労働需給調査結果(令和7年1月調査)

この調査では、型わく工(土木)・型わく工(建築)・左官・とび工・鉄筋工(土木)・鉄筋工(建築)・電工・配管工の8職種を対象としています。
全国における8職種の過不足は、1月は0.6%の不足、前月(2024年12月)は0.6の不足となり、前月と同水準です。前年同月(1.6%の不足)と比べ1.0ポイント不足幅が縮小していますが、依然としてすべての職種で不足しています。

この人手不足の大きな原因は建設需要の拡大です。2024年8月に国交省により発表された「令和6年度(2024年度)建設投資見通し概要」によれば、2015年度以降、建設投資額は年々増加傾向にあり、今後も増加していくことが考えられます。

さらに、2025年問題もあります。2025年問題とは、いわゆる団塊世代が75歳以上の後期高齢者に達することで起こる、極端な少子化と超高齢化です。この問題により、建設業ではベテラン世代が一気に退職すると心配されています。

建設業での若者離れの現状

建設業での若者離れの原因や対策について考える前に、建設業での若者離れの現状について解説していきます。

建設業に従事している人の年齢構成は以前と比べてどのようになっているのでしょうか?

建設業就業者の高齢化率の推移

まずは、建設業就業者の高齢化率推移について解説していきます。

平成9年のピーク時には、29歳以下の割合が22%でした。その後29歳以下の割合は減少していき、令和3年の段階で29歳以下の割合は12%となっています。

業界別での29歳以下の就業者の割合平成9年令和3年
建設業24%12.0%
全産業21%16.6%

全産業で29歳以下の就業者割合は減少しているものの、建設業は特に高齢化率が高い業界となっています。

高齢化率が高くなってしまっているため、これまで蓄積されていた技術の承継ができなくなってしまうことが大きな課題となっていきます。

建設業の3年以内離職率

これからの建設業界を支えていく世代である若者離れは深刻です。就職者数も年々減少しており、建設業の労働力不足は数値にも表れています。

若者離れが進んでいる建設業界の現状について、データから分かる数値も確認しましょう。

ここでは、以下の数値を見ていきます。

  • 高校卒の3年以内離職率
  • 大卒の3年以内離職率

高校卒の3年以内離職率

令和5年に厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、令和2年3月に高校を卒業した建設業就業者のうち、3年以内の離職率は42.4%です。約5人に2人は離職していることとなります。

また、全産業の離職率は37.0%です。全産業と比較しても、建設業界の離職率が高い水準であることが分かります。

大卒の3年以内離職率

大学卒の3年以内離職率も、令和5年に厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況」から確認しましょう。

令和2年3月に大学を卒業した建設業就業者のうち、3年以内の離職率は30.1%です。

また、全産業の離職率は32.3%です。大卒の場合、建設業の離職率は特別高い水準とはいえません。

しかし、平成31年度の28.6から確認しても離職率は上昇傾向にあります。

このようなデータから見ても、建設業の若者離れは深刻です。このまま進むと、建設業の将来の担い手を確保できない恐れもあります。

建設業での若者離れが当たり前とされる理由

日本の総人口は、2008年に1億2,808万人をピークに減少傾向にあり、高齢者の割合も世界でも最も高く、29.1%に達しています。

少子高齢化の影響もあって、建設業界では人材不足が深刻化しています。
建設業界全体における55歳以上の就業者の割合は約36%で、一方で29歳以下の若手就業者は約12%と、就業者の高齢化や若者離れが進行しています。

若者離れが進行している原因は、建築業特有の労働形態や賃金形態などです。ここでは、若者離れが当たり前とされる理由について解説します。

労働環境が悪いイメージがある

建設業界は昔から、きつい、汚い、危険と言われてきた業界です。そのため、他の産業と比べて、まだまだ3Kなイメージがついているのは事実です。さらに、以下のような悪いイメージを持っている若者も少なくありません。

  • 肉体労働がキツそう
  • 上下関係が厳しそう
  • ブラック労働
  • ガラが悪い

建設業界も改善に向けて努力していますが、近年では仕事内容よりもワークライフバランスを重視する若者が増えています。そのため、他の業界に比べて労働環境が悪いイメージは、若者離れが進行する原因の1つとなっています。

働く条件が厳しい

建設業の働く条件の厳しさから若者の離職率が高まっています。厚生労働省の調査によると、建設業の月間労働時間は165.3時間で、他の産業に比べて30時間以上も多いとされています。

さらに、建設業は長時間労働が一般的で、週休2日制を採用している企業が少なめです。建設工事全体のうち、4週4休以下の就業形態が約4割であり、週休2日制を導入している企業はおよそ2割しかありません。

近年、長時間労働や違法な残業が問題視され、働き方改革関連法が施行されました。これにより、時間外労働の罰則付き上限規制が始まっています。また、適切な工期設定による週休2日制の実現が推進されているなど、労働環境の改善が求められています。

人間関係が築きにくい

建設業界だけでなく、どの業界でも、先輩たちの趣味や話が理解できず、職場で孤立してしまうことがあります。とくに高齢者が多い建設業界では、若者と趣味が合わないことが多く、孤立することが起こることがあります。

このような場合、年長者が若手に寄り添うことはもちろん大切ですが、最も有効な手段は、同世代の複数人を同時期に採用することです。

しかし、採用が難しい時代に複数の新人を採用することは容易ではありません。そこで、面接時に人柄を見極め、教育係として性格が合いそうな先輩をつけることで、まずは相談できる相手をつくり、その後会社になじんでもらうことが現実的な対策方法といえます。

業界の空気が肌に合わない

建築業界には、古い考え方や慣習が根強く残っています。例えば、年功序列の文化や厳しい上下関係などです。さらに、デジタルツールの導入など新しい技術の活用や、柔軟な働き方への理解が不足していると感じる若者も多くいます。

また、技術や知識を伝える方法が昔ながらの「見て覚えろ」といった点も時代に沿っていない考え方の1つです。このような考え方・空気感が、現代の若者の価値観やライフスタイルと合わないため、若者離れが当たり前とされる一因となっています。

建設業界で若者離れを防ぐための対策

若者離れが進行している建築業界ですが、現状では人手不足による労働時間のしわ寄せや生産性の低下につながります。

若者離れが深刻化すると技術継承にも影響が出始め、建築の技術が次世代に受け継がれなくなってしまいます。建築業はマンパワーが重要な業界なので、人材が不足してしまうと受けられる仕事も受けられなくなってしまうでしょう。

そこで、人手不足を感じている会社では今すぐにでも若者離れを防ぐ対策が必要です。
ここでは若者離れを防ぐための具体的な施策について、詳しく解説します。
まずはできるところから、若者離れの対策を講じていきましょう。

残業時間の規制

2024年4月より、建設業にも残業時間の上限規制が適用され、違反した事業者は罰則の対象となります。

建設業界内では、「建設業の2024年問題」として注目されており、これを機に古い組織風土や企業文化を脱却し、ワークライフバランスを重視する絶好の機会といえます。

働き方改革を進め、労働環境を改善すれば、「きつい」「危険」「汚い」といった建設業のイメージを払拭し、若者離れを防止することができるかもしれません。

建設業での働き方改革についてはこちらの記事で解説しています。

2024年から始まる建設業の働き方改革とは?国土交通省のガイドラインや現在の動きについても解説!

業務のデジタル化

近年は、働き方改革の推進や新型コロナウイルスの感染拡大などの影響もあり、テレワーク制度が様々な分野で導入されています。

テレワークは、時間や場所に縛られることなく働けるため、出産や育児、介護などの事情に合わせたワークスタイルを確立できるとともに、通勤時間の削減やコスト削減にもつながります。

建設業のような現場作業が主体の業界では、テレワーク環境の整備は困難ですが、施工管理や経理業務など、一部の業務については対応可能です。これらの業務については、テレワークを可として募集することで、多様な人材の確保につながるといえます。

他にもドローン技術やDXを取り入れて業務をデジタル化すれば、労働時間に余裕ができます。さらに、業務の効率化を実現することで作業負担の軽減が可能です。業務のデジタル化による労働環境の整備は、若者離れの防止につながるでしょう。

悪いイメージの払拭

建設業界の若者離れを防ぐには悪いイメージを払拭する対策も有効です。建設業界の平均年収は511万円であり、国内全体の平均年収が443万円であることを考慮すると、決して低い金額ではありません。さらに、建設業界は給料が上がりやすい点も魅力です。

技術を身につけることでキャリアアップが可能であり、高収入を得られるチャンスが広がっています。また、建設業界は需要が安定しており、長期的な雇用が見込まれます。このような建設業界の魅力を正しく発信することで、悪いイメージを払拭できるでしょう。

自社の公式SNSアカウントを運用するなど、積極的に魅力を発信することは、若者離れを防ぐ対策として有効です。

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【まとめ】建設業の若者離れは深刻。すぐに対策をしよう

日本の建築業界は少子高齢化の影響もあり、慢性的な人手不足が深刻な問題として挙げられます。

特に若者離れは進行しており、労働者の高齢化につながっています。若者離れの原因は、人間関係・給与・特殊な働き方などさまざまです。

企業は業務のデジタル化や残業時間の縮小、雇用の安定など様々な対策を講じる必要があるでしょう。建築業界に就職を考えている人は現状を再確認し、企業側は求人や内部制度など若者離れを防ぐための対策を早急に行いましょう。

建設業の離職率が高い原因と解決策についてはこちらの記事でも解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

建設業の離職理由とは?離職率を下げる8つの解決案も解説