建築業でIT化をすすめるメリットとは?おすすめのツールやIT導入促進対策も紹介

建築業界では深刻な人手不足となっています。人手不足を補うために、建築業界のよくないイメージを払拭する、待遇や環境の改善を行うなど、さまざまな対策が行われています。しかし、それでも人材不足をすぐに解消するのは難しいでしょう。そこで建築業ではITを導入することにより、生産性の向上や作業の簡素化を目指しています。生産性の向上や作業の簡素化ができれば、省人化にもつながります。そこで今回は建築業でIT化をするためのメリットや導入促進対策について紹介します。

建設・建築業界のIT導入の現状

建築業界でも、現在ITの導入が進められています。IT化とは言っても、サービス内容は多岐に渡っていますが、建築業界ではクラウドサービスの利用を進めている企業が増えています。建築業界の企業で見てみると、クラウドサービスが導入されている割合は平成30年では65.1%でした。それが令和元年では71.7%まで増えています。今後もクラウドサービスを利用する企業は増加していくでしょう。

国が進める建設業のIT化促進対策

建築業界がIT化を進めているのにはさまざまな理由があります。人材不足の解消や生産性の向上、コスト管理の合理化などが挙げられます。また、国土交通省でも建設業のIT化促進対策が行われており、法改正や環境整備に取り組んでいます。例えば電子商取引の標準規格にCI-NETが認定され、情報化評議会や設計製造情報化評議会が中心となり、ITの活用が推進されるようになってきています。他にも建築業の生産高度化を目指し、パンフレットも作成されています。

ITとICT化との違いとは?

ITと同一視されていることもあるICTですが、大体同じではあるものの、異なっている点もあります。ITは「情報技術」という意味でInformation Technologyの略です。一方ICTは「情報通信技術」という意味で、Information And Communication Technologyの略です。ITは画像やデータなどを電子化し、業務の効率化などを図る目的で導入されています。それに対してICTは、Communicationという伝達や通信という意味が含まれています。簡単に言えば、ICTは端末を通じて情報を伝える目的で導入されています。

建築業界がITを導入するメリット

建築業界がITを導入することで、たくさんのメリットが得られます。具体的にどのようなメリットが得られるのか、導入するとどう変わっていくのかなどを紹介していきます。これからITの導入を検討したいと考えているのであれば、ぜひ参考にしてみて下さい。

資料整理が効率的になる

建築の仕事をする場合には、たくさんの資料や書類の作成が必要になります。また、作成した資料を下請けや元請けに手渡すことや、現場に持参することもあります。以前現場で使用した資料を使うこともあるので、わかりやすいように整理整頓もしなければいけません。資料整理はかなりの時間と労力を必要としますが、IT化することで簡略化が可能になります。多数の資料を現場に運ぶ必要もなくなりますし、紛失してしまう心配も減るので、かなり大きなメリットだと言えるでしょう。

情報の共有が簡単にできる

建築現場は1社だけで全ての作業を行うことは少なく、複数の会社が関係していることが多いです。また、同じ会社内でも情報の共有が必要になりますが、IT化すればアプリや専用ソフトなどで瞬時にかつ簡単に情報の共有が行えます。情報の共有が簡単にできれば、情報の伝達化がスムーズになります。その結果作業時間の短縮にも繋がりますし、ミスも少なくなるでしょう。IT化を行っていないと、電話や直接会って情報の共有をしなければいけないので、労力や手間がかなり掛かってしまいます。

携行品が少なくなる

今までは建築現場に赴く際に、図面や資料などを持っていく必要がありました。しかし、IT化することで資料や図面、写真などを現場に持っていく必要がなくなります。スマートフォンやタブレットがあれば、好きなときに資料を閲覧することができるからです。建築現場で使用する図面や資料、写真などは1種類だけではありません。現場によってはかなりたくさんの資料が必要になることもあるでしょう。それがIT化されれば、携行品が少なくて効率アップにも繋がります。

品質や施工の向上が期待できる

建築工事を行う際には、いろいろなデータが必要になります。紙媒体だとデータの管理は手間が掛かりますが、これをIT化してしまえば、管理は大幅に楽になるでしょう。膨大なデータがあっても、いつでも簡単に呼び出すことができます。データを活用して正しい数値を導き出す場合も、作業内容を簡略化できるため、施工や品質の向上にも繋がります。

コスト削減になる

図面や資料を作成したら、コピー用紙に印刷をするのが一般的です。さらに印刷した用紙を保管し、建築現場に持参して活用という形になります。印刷するためにはコピー用紙も必要ですし、印刷をするためにはインクも必要です。IT化すればコピー用紙も不要ですし、印刷するためのインクも不要なので、コストの削減にも繋がります。インクやコピー用紙はそれほど高価な物ではありませんが、この先何年も使用すると考えれば、大幅なコストの削減になるでしょう。

移動時間が減る

ITを導入すれば、移動時間を減らすことにも繋がります。例えば建築現場で問題点が発覚したとします。このような場合、関係者との話し合いが発生します。電話で話し合いをすることも可能ですが、実際に現場を見ないと判断できないこともあるのです。そうすると現場まで足を運ばなければいけませんが、IT化すればオンライン上で写真や動画を共有できます。その結果、現場に行く手間を省けるので、移動時間を減らせます。

安全面の改良がしやすい

建築現場は危険も伴うので、安全面や健康面を管理するのはとても重要です。今までは人が行っていましたが、これをIT化することで、より安全面や健康面の管理が行いやすくなります。またドローンなどを導入すれば従業員が危険な目にあうのを回避することにも役立ちます。専用ソフトなどを活用すれば誰がどのような仕事をしているのかもすぐに把握できます。建築工事の規模によっては、どうしても人数が多くなります。人数が多いと管理も大変になりますが、IT化していれば簡単に安全面や工程の管理などができるのもメリットです。

人手不足解消に繋がる

建築業は他の業種と比較して特に深刻な人手不足となっているので、ITの導入による省人化には大きなメリットがあります。建築業は業務内容が多岐に渡るので、ひとつひとつが複雑なのも特徴です。例えば会計処理について、会計ソフトを使い、アプリ上で自動処理できるようにすれば、会計作業や事務作業にかかる労力を大幅に減らすことができ、人手不足対策にもなるでしょう。

建築業界でITを活用するためのツール

これからIT化を進めていくためには、活用するツールが必要になります。何もない状態ではIT化できないので、何が必要なのかを知っておくことが重要です。ここでは、建築業界のIT化に必要なツールを6つ紹介していきたいと思います。

パソコン

建築業界のIT化で活用できるツールとしては、パソコンがまず挙げられます。事務所であればパソコン一択でしょうが、建築現場ではある程度スペースが確保できる場合に限られるでしょう。しかし、最近は小型のノートパソコンも販売されているので、ノートパソコンであればそれほど広いスペースは使用しません。容量も大きいので、工事関連の資料や図面を調べるだけではなく、インターネットを活用して調べ物までできるので、かなり便利なツールとなっています。

タブレット

容量ではパソコンに劣りますが、軽量かつ薄型のタブレットであれば、パソコンよりも持ち運びがしやすいというメリットがあります。しかも建築現場で仕事を行いながら使用が可能なので、効率をアップさせるのにはとても便利なツールです。IT化をするためのツールを初めて導入したいけれど、どれにするべきか迷った場合にもおすすめできます。スマートフォンのように指先で簡単に操作できますし、ある程度画面も大きいので見やすくなっています。

監視カメラ

監視カメラも建築業界のIT化に使用できるツールとなっています。監視カメラは本来人の出入りを確認するセキュリティ対策として使用されている物です。しかし、遠くから目の届かない場所を確認することができるので、作業が休みのときに現場を確認するのにも使えます。また、直接目の届かない工事箇所を確認することや、作業の進み具合、車両の搬入なども確認が可能です。最近ではWEBカメラを仮設の作業所などに設置する建築業者も存在しています。

グリーンサイト

建築現場では、依頼者などと打ち合わせをすることもありますし、作成したファイルなどの確認、作業員の入退場を記録することもあります。このような作業を簡略化できるのが、グリーンサイトになります。グリーンサイトは労務や安全管理などの書類を作成し、確認や提出までインターネットを使用して行えるサービスです。導入すれば作業を効率化できるだけではなく、ペーパーレス化を実現することもできます。

グリーンサイトとはどういったものかグリーンサイトのメリットと登録方法はこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

グリーンサイト とはグリーンサイトとは?加入するメリットや利用料金などを紹介 一人親方がグリーンサイトに登録する方法!メリット・デメリットも解説!

ドローン

建築現場の中には、人が侵入すると危険な場所もあります。危険な場所に立ち入るときは、十分注意して侵入しなければいけません。それでも事故が発生する可能性はゼロではないのですが、ドローンを活用すれば、危険な場所や人の目が届きにくい場所でも気軽に確認できます。人間よりも素早くいろいろな場所に移動ができるので、他のツールと同じく、大幅に作業の効率化ができるでしょう。しかも危険も少ないので、導入すれば大きなメリットがあります。

3Dプリンタ

IT技術は年月の経過とともに進歩していますが、中でも3Dプリンタは建築業界でも活用しやすいツールです。以前は型枠を使用して建材を作り出していました。現在では型枠を使わずに建材を作ることも可能です。時間もかなり短縮され、より短い時間で建材の作成ができます。時間を削減できるだけでなく、コストの削減や曲線構造にも対応が可能などメリットも多くあります。海外でも数多くの実績があるツールになります。

建設・建築業におけるIT化を促進させる方法

IT化をする方法は多数存在していますが、建築業に適しているツールを導入することが大切です。また、自社に適したツールを導入することも重要になります。では、建築業でIT化を成功させるにはどうすればよいのかを2つに分けて見ていきましょう。

IT化のメリットを現場に理解してもらう

現在建築業は高齢化が進んでいますが、中にはIT化に抵抗があるという人もいます。そこでIT化を行うことで、どのようなメリットがあるのか理解を求める必要があります。例えば図面や資料、写真などをファイルとして保存し、現場で自由に呼び出せるようにすれば、現場までたくさんの図面や資料を運ばないで済むなどです。きちんとメリットを説明して抵抗感を解消し、年代を問わずに理解を求めれば、今後もIT化を進めやすくなるでしょう。

使いやすいITツールを利用する

ITツールにはたくさん種類があるので、自社に適したツールを使用しないといけません。また、同じようなツールでも、種類によって使い勝手が変わってくることもあります。ITツールは経営者や重役だけが使用できればよいわけではありません。従業員全員が気軽に使用できなければ、いくらIT化を行っても業務を効率化することはできないでしょう。シンプルで過不足のないツールが使いやすくおすすめです。

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【まとめ】建築業でITを導入すると作業効率がアップする!積極的に導入しよう

建築業界でのIT化にはいろいろなメリットがあります。安全対策や業務の効率化にも繋がりますし、人材不足の解消にも貢献してくれます。さらに工事現場へ持っていく資料や図面などを減らせる点や、いつでも必要なときに資料を見られるのも大きなメリットでしょう。WEBカメラを使用すれば、目の届かないところを簡単に確認できますし、ドローンであれば人間が入りにくい場所でも安全に確認が可能です。たくさんメリットがあるITの導入は、今後欠かせなくなるでしょう。

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