建設業界で起きる可能性があるセキュリティリスクや対策方法を解説

建設 業 セキュリティ

ICT技術の発展により、建設業界でも書類の提出や施工管理などをシステムで行う機会も増えています。ICTによる技術を利用するうえで忘れてはいけないのが、情報セキュリティです。しかし、建設業を営んできて急に出てきた分野のため、戸惑っている人も多いのではないでしょうか。
今回は、建設業界で考えるべきセキュリティについて解説します。今後の業務に必ず活きてくる知識なので、ぜひ最後まで読んでみてください。

建設業界でもセキュリティ対策が必要な理由

情報セキュリティは、どの業務においても非常に重要な危機管理です。セキュリティ対策を何もしていないと、悪意の第三者によって、取引先から提供された図面や設計図書がインターネットに流出する恐れがあります。
そのような事態になれば、取引先からの信用を失い、取引中止といったことも考えられます。建設業の経営に大きな影響を及ぼさないためにも、情報セキュリティはしっかりと構築しなければいけません。

建設業界で起きる可能性があるセキュリティリスクとは

ここからは、建設業界で発生する恐れのあるセキュリティリスクを具体的に解説していきます。建設業界で起こりやすいセキュリティリスクは、主に以下の4つです。

  • PCやUSBなど機器の紛失による情報漏洩
  • 不正アクセス
  • ウイルス感染
  • SNSなど現場画像の漏洩

それぞれ、どういった危険性が潜んでいるかを見ていきましょう。

PCやUSBなど機器の紛失による情報漏洩

建設業界を含め、さまざまな業界で起こりやすいのが、機器を紛失することによる情報漏洩です。特に紛失しやすい機器は、外出先などに持っていくことも多い、ノートパソコンやUSBフラッシュメモリです。
しかし、現場管理などを行う職種の場合、このような機器を持ち歩くことは珍しくありません。そのため、万が一紛失した場合に備えて、パスワードロックをかけたり機器の管理を厳格にする必要があります。

不正アクセス

不正アクセスによる情報漏洩も、警戒すべきセキュリティリスクの1つです。不正アクセスとは、悪意ある第三者によってセキュリティを突破されて、社内にしかない情報が社外へ漏洩することです。また、データの改ざんといった危険性もあります。
こうした不正アクセスの手口は、ログイン情報の不正取得やセキュリティの脆弱性を狙われます。そのため、2つ3つと対策を重ねて社内の情報を守りましょう。

ウイルス感染

ウイルスに感染することで、社内情報の漏洩や流出といったセキュリティリスクがあります。近年では宅配業者や大手通販業者を装い、個人情報を盗み取るメールが送られてくることも珍しくありません。メールに記載されているURLをクリックすると、個人のさまざまな情報が抜き取られ、悪用されるケースがあります。
このような手段による情報の漏洩を防ぐためには、身に覚えのないメールは開かないことを徹底しましょう。また、送信者のアドレスをしっかりと確認することも有効です。

SNSなど現場画像の漏洩

SNSなどに現場の写真をアップすることで、情報の漏洩が起こる恐れもあります。これは悪意ある第三者ではなく、社内の人間による行為でも起こり得ます。万が一、顧客の重要情報が写り込んでいれば、大きな損害を与えかねません。
こうした事態を防ぐためには、社内でSNSを利用する際のルールを定めましょう。事前にルールを周知することで、SNSなどによる情報の漏洩を防げます。

建設業界のウイルス感染などによる被害の費用損害額

セキュリティを破られて業務に影響が出た場合、損害額が気になる方も多いのではないでしょうか。何らかの理由で社内にウイルスが侵入した場合、社内のネットワークで繋がる全ての機器を調査しなければなりません。建設業界でそうした調査を自社でできる会社は極めて稀なため、多くの会社では外部の専門業者に委託します。その場合、調査と復旧で数百万円規模の費用が発生するケースもあります。

また、調査中は社内のパソコンなどは全て使えないため、多くの業務を停止しなければなりけません。こうした事態による損失は、1日当たり数十万円ほどです。調査と復旧費用を合わせて1,000万円以上かかることもあるため、社内のセキュリティは費用をかけてでもしっかりと構築する必要があります。

建設業界で被害を防ぐためのセキュリティ対策

  • 建設業界で考えられるセキュリティリスクや損害を見てきたところで、次は被害を防ぐための方法を解説します。必ず行うべきセキュリティ対策は、以下の3つです。
  • 情報セキュリティ対策
  • 社内のルール設定
  • 使用ソフトのセキュリティ対策も確認

それぞれの対策内容を、詳しく解説します。解説する内容を参考にセキュリティ対策に取り組んでみてください。

情報セキュリティ対策

情報セキュリティ対策は、特に重点的に行うべきポイントです。社内の情報を守るためには、以下のポイントに絞って、対策を実施しましょう。

  • OSは常に最新の状態
  • ウイルス対策ソフトの導入・活用
  • ファイアウォールの設定
  • パスワードの使い回しに注意
  • PCやUSBなどへもパスワードを設定
  • 自社サイトの通信を暗号化

それぞれ詳しく解説します。

OSは常に最新の状態

パソコンを動かす根幹であるOSは、常に最新の状態にしておきましょう。Windowsを提供するマイクロソフトは、定期的にOSのアップデートを行っています。これにより、セキュリティが突破されにくくなります。

ただし、アップデートはあくまでパソコンを使う人間が行わなければなりません。Windowsのアップデートは、画面に通知されるため、表示が見えたら指示に従いアップデートを行いましょう。

ウイルス対策ソフトの導入・活用

ウイルス対策ソフトの導入と活用も、セキュリティ対策としては効果的です。ウイルス対策ソフトは、パソコンなどにウイルスが侵入した際に検知し、駆除する機能があります。パソコンなどがウイルスに感染しても気がつかないことも少なくありません。

その場合、気がつかないところで社内情報の漏洩や改ざんが行われる恐れもあります。このようなケースは対策ソフトを導入することで、被害の拡大を抑えられます。

ファイアウォールの設定

ウイルス対策にはファイアウォールの設定も欠かせません。ファイアウォールは、ウイルスや不正アクセスから社内のサーバーやパソコンを守る機能です。火災の時に火を遮断する防火壁のような役割を果たすため、ファイアウォールという名前がつけられています。
ファイアウォールは、パソコンなどに最初からインストールされていることもあれば、通信事業者から提供される場合もあります。設定を確認し、ファイアウォールを作動させて、不正アクセスなどから社内情報を守りましょう。

パスワードの使い回しに注意

情報セキュリティリスクを回避するためには、パスワードの使い回しに注意しましょう。業務にあわせて、さまざまなシステムを使うことがあります。複数のシステムを利用する際、パスワードを使い回す会社や人も少なくありません。
パスワードを使い回すと、漏洩した際に、さまざまな情報に不正アクセスされる恐れがあります。こうしたリスクを防ぐためには、パスワードはシステムごとに変更し、予測されにくい文字列などを使用しましょう。

PCやUSBなどへもパスワードを設定

セキュリティリスクを回避するためには、PCやUSBにもパスワードを設定しましょう。建設業で仕事をしていると、PCやUSBを社外に持ち出すこともあります。機器を社外に持ち出す際は紛失した場合を考え、万が一に備えてパスワードを設定することが重要です。

自社サイトの通信を暗号化

自社サイトの通信を暗号化することも、セキュリティリスクを回避するためには有効です。自社サイトのURLの冒頭が「http://」の場合、暗号化されていません。自社サイトが暗号化されていないと、悪意ある第三者が不正アクセスする危険性があります。
自社サイトの通信を暗号化するためには、SSLサーバー証明書が必要です。自社サイトがン合化されている場合は、「https://」となるため、まずは確認からはじめましょう。

社内のルール設定

セキュリティ対策として、社内のルール設定も重要です。どれだけ優れたセキュリティソフトを導入しても、運用するのは人間です。セキュリティを守るために運用しなければ意味がありません。
会社の情報セキュリティを守るためにも、社内でパソコンを使ったり、インターネットに接続したりする場合のルールを決めましょう。ときには社員向けの勉強会なども行い、セキュリティの重要性の周知なども必要です。

使用ソフトのセキュリティ対策も確認

会社の情報を守るためには、業務で使用するソフトのセキュリティ対策の確認も重要です。業務で使用するソフトで重要情報を見る場合のパスワード設定を行ったり、特定の人物にしか共有できないようにしたりといったセキュリティ対策も可能です。
業務で使用するソフトにはどのようなセキュリティ対策が施されているかを確認しましょう。もし、業務で使用するソフトにセキュリティ対策が全く施されていない場合は、別のソフトへの乗り換えも検討しましょう。

建設業界がサイバー保険加入により備えられる補償

重要情報の漏洩をはじめとする、セキュリティリスクが発生した際には、損害を補償する保険があります。大手損害保険会社が取り扱っており、情報漏洩などによって生じた損害を回復させるためのさまざまな費用を補償してくれます。このような保険に加入しておけば、万が一社内の重要情報が流出した場合でも、損害の低減が可能です。セキュリティリスクへの対策は、会社の評判にも繋がるため、加入を検討してみてください。

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【まとめ】建設業界もセキュリティ対策は必要!社内ルールなども整備しよう

急速なシステム化が進んでいる建設業界でも、セキュリティ対策は必要不可欠です。OSのアップデートなどの基本的な対策から、自社サイトの通信の暗号化など取れる対策はさまざまです。セキュリティリスクはどこに潜んでいるかわかりません。そのため、システム的な対策だけでなく、社内でルールなどを設けることも重要です。今回解説した内容を参考に、社内の情報セキュリティを見直しましょう。

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