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鉄筋の積算は、建築工事を行う際に欠かせない作業のひとつです。コンクリートの中に組み込む鉄棒の量を、あらかじめ計算します。しかし鉄筋を積算しようとしても、数量を拾い出したり、大量の数値を扱って計算したりする作業は難しいと感じる方も多いと思います。
そこで今回の記事では、鉄筋の積算ソフトのおすすめを4つご紹介します。積算のポイントやソフトを導入するメリットも解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
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鉄筋の積算とは
鉄筋の積算とは、建設工事で使用する鉄筋の数量や費用を正確に算出する作業のことです。
工事費用を明確にし、予算管理や発注計画を円滑に進めることが主な目的です。
鉄筋は建物の安全性を左右する重要な部材であり、必要量を正確に把握するのが欠かせません。
積算を行うことで過不足のない発注が可能となり、余剰資材や不足による工期遅延を防げます。
さらに、積算結果は見積書や施工計画の基礎資料となり、工事全体の品質と効率を支える役割を果たします。
このように、鉄筋の積算はコストと安全の両面を支える重要な工程であり、施工の信頼性を高めるうえで不可欠です。
鉄筋の積算方法
鉄筋の積算は建設工事に欠かせない作業です。積算を正確に行うことで、工事を効率的に進められます。ここでは、鉄筋の積算方法を詳しく解説します。
積算の数量拾いとは
鉄筋の積算を行う際、初めに「数量拾い」という作業が必要になります。数量拾いとは、設計図から必要な数量を拾い出す作業です。
工事に必要な材料の数量は、推測ではなく確実な数字を使って計算することが重要になります。コスト削減のためにも、正確に数量を見出して計算しましょう。
数量拾いは、設計図や平面図・断面図・仕様書などを用いて行います。設計図などに記載されている寸法や面積の数量を見ながら、基準書に書かれている単価を使って費用を算出します。
所要数量
所要数量とは、工事を完成させるために実際に必要となる鉄筋の数量を示すものです。
図面や仕様書に基づき、施工に必要な寸法や本数を算定することで明確になります。
所要数量の算定は鉄筋発注の基準となり、資材の不足や過剰を防ぐ効果があります。
正確に算出することで現場での資材管理や搬入計画がスムーズに進み、無駄なコストを抑えることが可能です。
さらに、所要数量は施工計画や工程管理とも直結し、作業効率を高める役割を果たします。
正確な所要数量を把握することは、建設工事を安全に進めるための基本であり、積算業務の根幹を成す重要な要素です。
設計数量
設計数量とは、設計図や構造計算に基づいて算出される鉄筋の理論的な数量のことです。
建物の強度や耐久性を確保するために設計者が必要と判断した値であり、工事における基準数量として用いられます。
設計数量は理想的な条件を前提に算出されるため、実際の施工現場では加工や組立の段階で誤差が生じる場合があります。
しかし、設計数量を明示することで施工者は必要資材を把握でき、工事全体の信頼性を高められるのです。
さらに、設計数量は発注や積算の基準資料ともなり、工事費用や資材調達の精度向上にもつながります。
このように、設計数量は建築の安全性を担保するために欠かせない基準値です。
計画数量
計画数量とは、設計数量や所要数量を踏まえ、実際の施工に必要となる鉄筋の数量を現場の状況に合わせて算定した数値のことです。
施工中には加工時のロスや余剰部分が発生するため、設計数量そのままでは対応できない場合があります。
計画数量を設定することで資材不足による工事の停滞を防ぎ、安定した進行を確保できます。
また、計画数量は発注数量の基準となり、余剰在庫や追加発注によるコスト増加を抑える効果があるのです。
さらに、計画数量を適切に算定すれば施工管理や工期短縮にもつながり、現場の効率を高める要素となります。
そのため、計画数量は設計と施工をつなぐ重要な指標といえます。
図面から基礎の長さを拾う方法
はじめに、図面から基礎の長さを拾い出します。基礎は地面と建物のつなぎとなる、とても重要な部分です。
基礎の長さを拾う際の注意点は、ベース長さと立ち上がり長さに誤差がある点です。基礎工事は誤差が出てしまう場合があります。誤差も想定しながら基礎の長さを拾いましょう。
鉄筋の長さ・重さを拾う方法
次に、鉄筋の長さ・重さを拾い出します。工事で用いる鉄筋の長さや重さは設計図に予め記載されています。ほとんどの場合、1mあたりの鉄筋の重さである「単位重量」を表記しているので、単位重量を元に算出しましょう。
鉄筋の積算を行う際は、重さを用いて行います。単位重量を導き出す作業は大変重要なので、長さや数量拾いの段階でミスをしないようにしましょう。
鉄筋数量の算出方法
最後に、鉄筋の数量を計算します。鉄筋の積算は、コンクリート数量と鉄筋数量を使用して行いましょう。例をあげて計算方法をご紹介します。
1辺1mの立方体コンクリートに、直径1cm・長さ2mの鉄棒が30本入っている設計の場合は、
- コンクリート数量…1m×1m×1m=1㎥
- 鉄筋数量…1m×30本×500g=15,000g(0.015t)
以上の式から、1mあたりの鉄筋の単位重量は0.015tと求められます。
設計図から面積を拾い、単位重量と合わせて計算すると鉄筋の積算が行えます。
梁に使用される鉄筋の積算ポイント
鉄筋が使用されるのはコンクリート内だけではありません。梁にも細かい鉄筋が使われています。ここでは梁に使用されている鉄筋を積算するときのポイントを3つご紹介します。
材料を拾う方法
梁の鉄筋は8種類あり、複雑な構成になっています。梁の鉄筋を積算する場合は梁の種類を理解しておきましょう。
- 上主筋
- 上宙吊筋
- あばら筋(スターラップ)
- 腹筋
- 下宙吊筋
- 下主筋
- 中子
- 巾止筋
また、追い出し筋・中間材(あんこ)・追い終い筋とよばれる3つの梁があり、この3種類をメインに組み立てが行われています。
計算方法が特殊
梁の積算は通常の鉄筋の積算とは異なる計算方法が求められます。鉄筋コンクリートの針には、あばら筋(スターラップ)という材料が使われており、専用の比率を使用して算出しなければなりません。
あばら筋は、せん断力による破壊防止のために一定間隔で使用されています。適正な配置率が定められてるため、RC計算基準の0.2%以上の数値を使い、梁に使用されている鉄筋の積算を行う必要があります。
圧接を行うときの注意点
梁の鉄筋の圧接を行う際の注意点をご紹介します。圧接を行う際は、追い出し筋川と追い終い筋川のそれぞれの柱面から、L/4を基準にした範囲内でなければなりません。
また、圧接位置は継ぎ手部分から500mmずつずらして、せん断力へ対抗するようにします。最後に、調節できるように追い出し筋を設置しましょう。
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積算代行サービスおすすめ4選!種類や選び方・メリットを解説
鉄筋の積算を効率化するポイント
鉄筋の積算を効率化するには、いくつかのポイントがあります。
ここでは、鉄筋積算を効率化するポイントについて、詳しく解説します。
チェックリストを活用する
積算作業の精度を高めるには、チェックリストを取り入れましょう。確認項目をあらかじめ明確にしておけば、作業の抜けや漏れを防げます。
例えば、図面ごとに鉄筋の種類や寸法、必要本数を整理しておくことで、積算をスムーズに進められます。
リストを共有することで、担当者が変わっても同じ基準で作業でき、品質のばらつきを抑えることにもつながります。
さらに、定期的に内容を見直せば、過去のミスや改善点を反映でき、実務に即した精度の高いリストへと育てられるでしょう。
チェックリストの活用で積算の正確性と効率性の向上が期待できます。
ミスを減らす工夫をする
鉄筋の積算は数値や条件が複雑で、わずかな誤りでも全体に大きな影響を及ぼします。だからこそ、日常的にミスを減らす仕組みを整えることが大切です。
作業を分割し、それぞれの段階で確認するステップを設ければ、精度は格段に高まります。
例えば、数量を拾う作業と単価を算定する作業を分け、それぞれで検証するようにすると効果的です。また、ダブルチェックを導入すれば人為的な見落としを防げます。定型フォーマットを活用することで、入力や計算のばらつきを抑えられます。
このように、工夫を積み重ねることで、積算業務全体の信頼性が向上し、無駄な修正作業の削減にもつながります。
複数人で積算を担当する体制を整える
鉄筋の積算を一人で抱えると、作業が属人化しやすく、判断の偏りや効率低下につながります。
そこで、複数人で担当する体制を築くことが重要です。
理由は、作業を分担すればチェックの機会が増え、誤りを早い段階で発見できる可能性が高まるからです。
例えば、一人が数量を拾い、もう一人が計算や検証を担うと、精度の確保に効果的です。
さらに、手順を標準化し、共有マニュアルを整備しておけば、担当者が交代しても一定の品質を保てます。
組織的な体制づくりは、効率化と品質向上を両立させるための有効な方法です。
鉄筋の積算ソフトを導入するメリット
鉄筋積算に専用ソフトを導入した場合、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。ここでは、鉄筋積算に専用ソフトを導入するメリットを解説します。
作業効率を向上できる
積算ソフトを使用すると、作業効率が大幅に向上します。積算ソフトのほとんどは、設計図や断面図などから材料の数量を自動で拾い出してくれます。材料ごとの単価をあらかじめ設定していれば、費用の算出も一気にできる点がポイントです。
大規模な工事になると積算に時間がかかってしまいますが、積算ソフトを使えば、作業時間が大幅に短くなるメリットもあります。積算に費やしていた時間を工事の別作業に充てられるため、工事全体の効率化に繋がります。
人的ミスを防止できる
積算ソフトを使用すれば、積算時の人的ミスを防止できます。積算は多くの数字を設計図から読み取るだけでなく、複雑な計算も多いです。
すべて手作業で行うと、数字の拾い忘れや計算漏れなども発生し、見積もりに影響がでてしまいます。鉄筋の単価は決して安いものではないため、ソフトを使って小さなミスを減らしていくことが大切です。
正確な見積もりを算出できる
鉄筋の積算ソフトを使用すれば、正確な見積もりを算出できる点もメリットのひとつです。積算ソフトは、利益率を明確に算出してくれるものがほとんどです。ミスがあるまま工事を進めて赤字になるトラブルを回避できます。
積算ソフトのほとんどは利益率を前もって設定できるので、鉄筋の原価を入力すると自動で見積もりを算出してくれます。
鉄筋の積算ソフトおすすめ4選!
当社がおすすめする鉄筋の積算ソフトを4つご紹介します。それぞれのソフトの特徴も合わせて解説していますので、選ぶ際の参考にしてください。
鉄之助ソリッド

引用元:株式会社アーキテック
特徴
株式会社アーキテックが提供している鉄之助ソリッドは、鉄筋の積算による重量や鉄筋の集計はもちろん、三次元モデリングを通して配置や必要本数を実際に目視できる点が魅力です。3Dで鉄筋の長さやアンカ向きなども自由に調節できます。
また、他社ソフトデータもインポート・エクスポートできるため、他ソフトから引出したい情報を入力することなく作業を継続できます。
ジェム鉄筋積算システム

引用元: 株式会社ジェム
特徴
ジェム鉄筋積算システムは、スピードとコスパを重視する方におすすめのソフトです。初期費用がかからず、使用中のバージョンアップも無料で行える点が魅力的です。
また、シンプルで見やすい配筋図なので、数値の入力や登録も簡単に行えます。配筋も自由に編集できるため、編集後に数値を修正したい場合や再計算もあっという間にできるメリットがあります。
DINCAD100

引用元:株式会社キュウプレ
特徴
株式会社キュウプレが提供しているソフト「DINCAD100」は、DINCAD30・50の機能を含めた全ての機能が使用できる商品です。自動材料計算はもちろん、梁計算機能・図面の自動制作なども行えます。
さらに、壁や梁の躯体情報を自動取得して、開口やアンカなども自由に調整できます。
鉄筋圧接集計表

引用元:株式会社ベクターホールディングス
特徴
鉄筋圧接集計表は、エクセルを使った自動集計ソフトです。階別・部位別で鉄筋圧接箇所を自動計算し、鉄筋の本数を自動で計算してくれます。集計表と入力シートが1シートにまとまっており、積算全体の数値が見やすいこともメリットです。
解体工事の積算や直接工事費についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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【まとめ】鉄筋の積算ソフトを導入して作業の効率を向上させよう!
鉄筋の積算について、おすすめのソフトや積算方法を紹介してきました。鉄筋の積算は工事に欠かせない作業ですが、扱う数字や鉄筋の種類も多いため複雑な作業になってしまいます。鉄筋の積算ソフトをうまく活用し、作業効率を向上させて円滑に工事を進めましょう。
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