建設業におけるVEとは?VAとの違いやメリット・手順などを解説

ve 建設

建設業界では、コストを抑えつつ品質を維持・向上させるための手法として、VE(バリューエンジニアリング)が注目されています。しかし、VEとはどのようなものなのか、どのようなメリットがあるのか、具体的な手順はどのようなものなのかなど、疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、建設業におけるVEについて、VAやCDとの違い、メリットや手順、実現させるためのポイントなどを解説します。

建設業におけるVEとは

VE(バリューエンジニアリング)とは、製品やサービスの価値を高めるために、機能を維持または向上させながらコストを削減する手法のことです。建設業におけるVEは、建築物の品質や機能を維持したまま、コストを最適化することを目的としています。

建設業におけるVEの目的は、建築物の機能や品質を維持しながら、コストを最適化することです。

建設業におけるVEに似た言葉との違い

建設業におけるVEに似た言葉との違いについて解説します。

VEとVAの違い

VA(バリューアナリシス)は、既存の製品やサービスを対象に、品質を維持しながらコストダウンを図る手法です。一方、VEは、新しい製品やサービスの開発段階から、品質とコストの最適化を目指す手法です。つまり、VAは既存のものを改善する手法であるのに対し、VEは新しいものを創造する手法だと言えます。

VEとCDの違い

CD(コストダウン)は、品質や機能を下げることでコストを削減する手法です。一方、VEは、品質や機能を維持または向上させながらコストを削減する手法です。

CDは短期的なコスト削減には効果的ですが、長期的には品質の低下などのデメリットがあります。VEは、長期的な視点に立ったコスト削減手法だと言えます。

建設業におけるVEのメリット

建設業におけるVEには、様々なメリットがあります。ここでは、その中でも特に重要な3つのメリットについて解説します。

必要な品質の保持がしやすい

VEは、品質や機能を維持または向上させながらコストを削減する手法です。そのため、必要な品質を保持しながらコスト削減を図れます。これは、建築物の安全性や耐久性を確保する上で非常に重要なポイントです。

顧客の満足度向上を期待できる

VEによるコスト削減は、建築物の価格を下げることにつながります。これにより、顧客の満足度向上を期待することができます。また、VEによって品質や機能が向上すれば、さらに顧客の満足度アップにつながるでしょう。

高評価の口コミを獲得できる可能性が高い

VEによるコスト削減と品質向上は、顧客からの高評価につながります。特に、SNSの普及によって、良い評判は瞬く間に広がる時代です。高評価の口コミを獲得できれば、新規顧客の獲得やブランドイメージの向上など、様々なメリットが期待できます。

建設業におけるVEの手順

建設業におけるVEは、以下の4つの手順で進められます。

1.情報収集

VEを行う上で、まず必要なのが情報収集です。対象となる建築物の図面や仕様書、施工方法などの情報を収集し、現状を把握します。また、類似案件の事例や新しい技術・材料などの情報収集も重要です。

情報収集の際は、発注者や設計者、施工者など、関係者から幅広く情報を収集しましょう。また、現地調査を行うことで、建設予定地の特性や周辺環境などの把握もできます。

2.定義決め・整理

収集した情報を基に、VEの対象範囲や期間、体制や目的などを決定します。情報を整理して課題を明確化することで、VEの方向性を定めます。

定義決めの際は、発注者の要望や予算、プロジェクトの特性などを考慮することが重要です。優先順位の高い課題から順にVEを進め、効果的にコストダウンしましょう。

3.分析

情報収集と定義決めを踏まえ、具体的なVE案の検討を行います。コスト削減効果や品質への影響など、様々な観点から分析・評価します。また、実現可能性や施工性なども考慮し、最適なVE案を選定します。

分析の際は、建築物のライフサイクルコストを考慮することが重要です。初期コストだけでなく、維持管理コストや修繕コストなども含めて評価することで、長期的な視点でのコスト削減を実現できます。

4.提案

選定したVE案を、発注者や関係者に提案します。提案に際しては、VE案の内容だけでなく、コスト削減効果や品質への影響などを数値化し、わかりやすく説明することが重要です。また、VE案の採用によるメリットやデメリットも明確にし、合意形成を図ります。

提案の際は、発注者の理解を得ることが重要です。VE案の内容だけでなく、その背景や目的、期待される効果なども丁寧に説明することで、発注者の理解を得やすくなります。

建設業におけるVEのタイミング

建設業におけるVEは、設計段階から施工段階まで、様々なタイミングで実施できます。ここでは、各段階におけるVE提案の特徴について解説します。

設計段階のVE提案

建築物の基本的な構造や機能を見直すことで、大きなコスト削減効果が期待できます。例えば、構造計画や設備計画の見直し、材料の変更などが挙げられます。ただし、設計変更に伴う手戻りが発生する可能性もあるため、慎重な検討が必要です。

工事発注段階のVE提案

工事発注段階でのVE提案は、施工方法や使用材料などを見直すことで、コスト削減を図ります。発注者の要求品質を満たしつつ、施工者のノウハウを活かしたVE提案が可能です。ただし、発注者との合意形成が必要となるため、説得力のある提案が求められます。

施工段階のVE提案

現場の状況に応じて、施工方法や使用材料を変更することで、コスト削減を図ります。しかし、設計変更が必要となる場合もあり、手戻りが発生するリスクがあります。そのため、施工段階でのVE提案は慎重に検討する必要があります。

建設業におけるVEを実現させるポイント

建設業におけるVEを実現させるためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、その中でも特に重要な3つのポイントについて解説します。

初期段階のVE検討で大きなコスト削減を狙う

VEは、建築プロジェクトの初期段階で実施するほど、大きなコスト削減効果が期待できます。基本設計段階や実施設計段階で、構造や設備、材料などを見直すことで、大幅なコスト削減が可能です。

初期段階から関係者が一体となってVEに取り組むことで、より効果的なコストダウンを実現できます。

VE提案するときはランニングコストを考慮する

VE提案を行う際は、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストも考慮する必要があります。例えば、安価な材料を使用することでイニシャルコストは削減できても、耐久性が低くメンテナンスコストが増大する可能性があります。

長期的な視点に立ち、トータルコストを意識したVE提案が求められます。建築物の用途や規模、想定される使用期間などを考慮し、適切なランニングコストを設定することが重要です。

専門知識を持っているプロと協力する

VEを効果的に実施するためには、専門知識を持ったプロとの協力が不可欠です。例えば、コストマネジメントの専門家やバリューエンジニアリングの専門家と連携することで、より高度なVE提案が可能になります。社内に専門知識を持ったプロがいない場合は、外部の専門家に相談することも検討しましょう。

建設業におけるVEの注意点

建設業におけるVEを実施する際は、いくつかの注意点があります。特に重要なのは、実際に作業している人の声を聞くことです。現場の作業員は、施工方法や使用材料について、独自のノウハウを持っています。VE提案を行う際は、こうした現場の声を積極的に取り入れることが求められます。

現場の声を取り入れるためには、作業員とのコミュニケーションが重要です。作業員の意見や要望を丁寧に聞き、VE提案に反映させましょう。また、作業員の安全や作業効率にも配慮することが重要です。

ただし、安全性や品質を損なうような提案は避けなければいけません。VEは、あくまでも品質を維持または向上させながらコストを削減する手法であることを忘れないでください。安全性や品質を犠牲にしてまでコストダウンを図ることは、長期的には得策ではありません。

VE提案を行う際は、関係者との調整も重要です。VE提案によって設計変更や工程の変更が必要になる場合があります。こうした変更を円滑に行うためには、発注者や設計者、施工者など、関係者との調整が不可欠です。

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【まとめ】建設業におけるVEについて理解を深めてわかりやすい提案を行おう!

建設業におけるVEは、品質を維持または向上させながらコストを削減する手法であり、建築プロジェクトの価値を高めるために非常に重要な取り組みです。VEとVAやCDの違いを理解し、VEのメリットや手順、実現させるためのポイントを押さえることで、効果的なVE提案が可能になります。

VEを実施する際は、建築プロジェクトの初期段階から取り組むことが重要です。初期段階でのVE検討は、大きなコスト削減効果が期待できます。VEを実施する際は、専門知識を持ったプロとの協力も重要です。専門家の知見を活かすことで、より効果的なVE提案を行うことができます。建設業におけるVEについて理解を深め、わかりやすく説得力のある提案を行うことで、建築プロジェクトの成功につなげていきましょう。

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