建設業での週休2日制はいつから義務化される?上限規制の内容や対策を解説

建設業での週休2日制はいつから義務化される?上限規制の内容や対策を解説

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さかづめ@NITACO
さかづめ@NITACO
ツクノビ運営局

ツクノビを運営。東証プライム企業に新卒入社し法人営業を経験後、SEOコンサルティング会社に入社しSEO対策支援に携わる。2020年に株式会社NITACOに入社し、建築建設領域にて累計100社以上の法人営業支援を行う。業務改善やリード獲得などの業務範囲に対して知見を持つ。

近年、建設業界では週休2日制度の導入に注目が集まっています。週休2日制度を導入することにより、従業員の健康面やプライベートな時間の確保、採用課題の解決などが期待できるためです。しかし、建設業界では独自の課題があるのも事実です。

本記事では、「週休2日制度がいつから始まるの?」という疑問や「どんなメリットがあるの?」等についての解説と、週休2日が難しい理由やその対策についても深掘りしていきます。ぜひ今後の参考にしてみてください。

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建設業での週休2日制の義務化とは

2024年4月から施行される労働基準法により、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されます。建設業界では長い間、長時間労働が当たり前といった風潮があったため、週休2日制は実現困難と考えられていました。

しかし、近年では人手不足や労働環境の改善意識が高まり、働き方改革に取り組む風潮が加速しています。そして、2024年4月から施行される時間外労働の上限規制は、労働者の健康確保とワークライフバランスの実現を目指すものです。

この規制により、建設業界でも労働時間の是正が求められるようになりました。そのため、従来の「残業は当たり前」といった風潮から「仕事は効率的に行い、定時で帰宅する」といった新しい働き方が浸透することが期待されています。

建設業での週休2日制の義務化はいつから?

建設業に従事されている方で、2024年からの働き方が大きく変わっていくことに不安を感じている方は多いのではないでしょうか?公共工事での週休二日制の導入や工期の短縮など、もうすでに働き方の変化を感じている方もいるかもしれません。

この章では、今後建設業で起きる働き方の変化について具体的に解説していきます。

建設業での週休2日制は義務ではない

まず、週休2日が義務化されるのでは?とよく間違えられますが、建設業界の週休2日については義務化はされません。現状は、週休2日にしていなかったとしても、罰則はありません。

ただ、週休2日とは別に、建設業では2024年4月1日から時間外労働に対して上限が適用されます。時間外労働の上限を超えてしまうと、罰則が科されることもあるため、注意が必要です。

時間外労働の上限規制は、「改正労働基準法」によって定められた、時間外労働の上限に対する規制制度です。

平成31年4月1日から時間外労働に対して上限が設定されました。規制の適用は段階を追って進められており、大企業は2019年4月から適用、中小企業は2020年4月から適用されました。

参照元:時間外労働の上限規制 | 働き方改革特設サイト | 厚生労働省

2024年4月1日から時間外労働の上限規制が適用

画像引用元:時間外労働の上限規制 | 働き方改革特設サイト | 厚生労働省

建設業では、上限規制の適用が5年間猶予されていました。そのため、これまでは36協定を結んだうえであれば、残業時間に上限はなく、罰則もありませんでした。しかし、2024年4月1日から建設業でも時間外労働の上限規制が適用されます

適用される上限規制の具体的な内容は以下の通りです。

  • 年720時間以内
  • 複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
  • 月100時間未満(休日労働を含む)

ただし、時間外労働の残業規制は、復旧・復興の事業を除きます。災害の復旧・復興の事業に関しては、「年720時間以内」の規制のみ適用されます。

これらの規制に違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されることもあるので注意が必要です。

また、厚生労働省労働基準局から、「建設業の時間外労働の上限規制に関するQ&A」が公開されています。気になる点がある方は目を通しておくとよいでしょう。

参照元:時間外労働の上限規制わかりやすい解説|厚⽣労働省・都道府県労働局・労働基準監督署

建設業での週休2日制への取り組み

画像引用元:日本建設業連合会HP

建設業での週休2日制は義務ではないものの、今後業界全体で取り組まれていくテーマとなります。建設業における週休2日制度への取り組みについても把握しておきましょう。

日本建設業連合会は2017年12月22日に週休二日実現行動計画を策定しました。

この行動計画は、本社、支店、全ての工事現場を対象に、土曜日と日曜日の2日間を休業日とするというものでした。2019年度末までには1ヶ月あたり6日の休業日を確保し、2021年度末には1ヶ月あたり8日の休業日を確保することを目指すものでした。詳しくは、日本建設業連合会HPをご覧ください。

2023年、2024年度と更に建設業の週休2日制度は定着が図られていくことになります。今のうちに準備を進めておくとよいでしょう。

建設業での週休2日制の導入が難しい理由

建設業が週休2日にするにはハードルももちろんあります。具体的には、下記の4つです。

・人材が不足しているため
・コストが増えてしまうため
・工期の調整が難しいため
・従業員の給料が下がってしまうため

などです。これらを踏まえ、週休2日制度の導入に向けて対策を講じる必要があります。それぞれについて詳しく解説します。

1.人材が不足しているため

週休2日制を導入した場合、これまで通りの工事を決められた期間内で完了させるためには、人員を増やす必要があります。休みが増えた分、必要な作業が実施できなくなるためです。

決められた期間内で工事を完了させるためには、工事に携わる人員の採用が必要となります。しかし、建設業での就業者数は年々減少しているというのが現状があります。平成9年に685万人いた建設業就業者は、令和4年には479万人となっているのです。

画像引用元:建設業を巡る現状と課題|国土交通省

週休2日制を進めるためには、業界全体として建設業就業者を増やしていくための動きが必要となるでしょう。

2.コストが増えてしまうため

建設業の週休2日制度の導入によって工期が長くなることから、人件費や重機のレンタル代など、コストが上昇する可能性があります。

利益率がもともとそこまで高くない建設業界にとって、コストの増加は経営上インパクトの大きい問題です。従業員の教育や訓練、労働時間の見直し、技術革新など、積極的に業務生産性を上昇させ、コストを抑えていくことが必要になります。

3.工期の調整が難しいため

建設業で週休2日制度が導入されたとしても、人手不足やかけられるコストなどの問題から、工期の調整が難しい場合もあります。また、天候による影響で、工事の進捗が遅れる場合もあります。

その場合、休日は増えたものの業務と工期が変わらず、結果的に1日当たりの業務が増えて、激務化してしまう可能性があります。

こうなると従業員への負担が増えて意味がありません。週休2日制度を導入する際には、工期の設定方法の見直しや、業務効率の改善など、労働時間が減るための工夫が必要となります。

4.従業員の給料が下がってしまうため

建設業における週休2日制度の導入は、日給月給制の場合などは就業時間に対して直接影響があるので、従業員にとっては給料が減ることに繋がるケースがあります。

というのも、建築現場で働く職人の給料は日当制となっている場合が多いです。休みが増えるということは、給料が下がるということを意味するのです。

対策として時間当たりの給料を増やすという手もありますが、そうなると会社側が損をしてしまうため、工事費用の値上げに繋がり、受注が出来なくなってしまう等の影響が発生します。

建設業が週休2日を導入するために必要なこと

建設業が週休2日制度を導入するためには、いくつかの取り組みが必要になります。具体例では、以下のような取り組みです。

・ITの活用
・工期を見直す
・外部に業務を委託する
・給与形態を見直す

先述した通り、建設業における週休2日制度の導入にはメリットもありますが、導入におけるハードルもあるとご説明しました。弱点を補い、課題に対応していくために、自社で活用できる取り組みは積極的に取り入れていきましょう。以下、具体的な対策を紹介していきます。

1.IT活用/DX化による生産性向上

IT技術を活用することで、業務の効率化が期待できます。

例えば、データの入力、情報共有、案件の進捗管理、資料の作成など、様々な業務に対して現在はクラウドサービスが存在します。

それらを活用することによって、無駄な情報入力時間の削減や、共有にかかる時間の圧縮など、作業時間の短縮につながります。

その他にも現場での作業においては、スマートフォンやタブレット端末を活用することで、情報共有、作業指示などの業務を効率化することができるでしょう。

2.外部に業務を委託する

週休2日制を導入することで、今まで残業や休日労働で対応していた業務ができなくなることもあります。そんな時には、業務の一部を社外に依頼することも検討しましょう。外部に委託することで効率よく業務をこなせるだけでなく、業務の質も改善できます。

弊社でも建設業の営業業務の代行をしております。月に2000社の企業様への案件獲得のための営業代行をしておりますので、「営業まで手がまわらない」「営業人材が足りない」とお悩みの方はお気軽にこちらからからご相談ください。

3.工期設定を見直す

工期設定を見直すことは、建設業の週休2日制度の導入にあたって、重要な対策です。

週休2日制度を導入することは、事業の作業時間が減少するため、工期が変わらず激務化する可能性があります。そのため、工期設定を見直し、週休2日制度に適応できる工期設定を行うことが必要です。

4.給与形態を見直す

週休2日制度を導入することで日給月給制の場合などは稼働時間が減ってしまい従業員の給料が減るケースが発生する可能性があります。

従業員の生活に直接影響を与える給料については、慎重に対策をしていくことが必要です。

月給制への移行なども含め、給与形態の見直しだけをすると単純なコスト増になってしまう可能性があるので、生産性維持のための施策や、業務の外部委託等も含め、様々な観点から対策が必要です。

建設業の生産性向上にはBPOの活用がおすすめ

建設業従事者の残業時間の上限が設定され、就業時間の管理が厳しくなっていくなかで、工期通りに工事を進めることの難易度は高いです。そのなかで、業務の生産性を上げることの重要度が今後さらに高まっていくことでしょう。

建設業の生産性向上のためには、BPOサービスの活用がおすすめです。BPOとは、業務プロセスの一部を専門業者に外部委託するサービスです。

そのようなとき、BPOサービスを活用することで現場作業に集中でき、業務を効率化できます。また、専門的な知識を持っているため、正確な書類作成をスムーズに行えるでしょう。

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【まとめ】建設業界の週休2日は義務化されないものの、メリット面を考慮すると導入がおススメ

本記事では、建設業界でも注目が集まる、週休2日制度について解説してきました。週休2日制度は政府が推進する働き方改革に沿ったものとして、従業員の健康面やプライベートな時間の確保が期待されています。

しかし、コストが増えてしまったり工期の変化による激務化など、ハードルも確かに存在します。したがって一部業務の外部委託や、DX化など、対策が必要です。

様々な施策を取り入れ、メリットをうまく享受できるよう、早めに対策をしていきましょう。

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