積算代行とは?依頼できる業務とメリットや注意点を徹底解説!

積算代行

建設業において、費用の積算は手間のかかる業務です。材料の拾い出しや人件費の計算など細かく数字を積み上げていくためには、少なくない時間をかけなくてはいけません。そうした、積算業務の効率を大幅に向上させる鍵となるのが積算代行サービスです。

本記事では、積算代行の具体的な業務内容や費用、そして信頼できる5つのおすすめサービスをご紹介します。積算業務の効率化を考えている人はぜひ最後までご覧ください。

積算業務とは

積算代行について見ていく前に、積算業務について把握しておきましょう。積算業務は建設工事に必要な費用を算出する業務です。まずは、積算業務について以下の点から解説していきます。それぞれの点を理解して、積算業務の意義と重要性を理解しましょう。

  • 業務内容
  • 見積りとの違い
  • 積算が必要な理由

業務内容

建設業における積算業務とは、土木や建築などの工事で必要な費用を予測し、全体の金額を算出することです。図面や工事仕様書、調査書類などから必要な材料を拾い出し、工事にかかる作業員の人件費などを計算します。

受注する上で積算金額を参考に工事を請け負うかを検討するため、積算業務には正確な計算が求められます。こうした特性から、積算業務には細かい金額を間違えることなく計算する能力が必要です。

見積りとの違い

積算と似た言葉に「見積り」があります。一見同じように見えますが、両者には大きな違いがあります。積算と見積りの違いは、利益を計算するかどうかです。積算はあくまで工事にかかる費用を計算するため、工事を請け負った会社の利益を含みません。しかし、見積りは積算の金額に管理費や利益を上乗せした金額を提示します。

積算が必要な理由

建設工事における費用は、常に一定とは限りません。材料費が値上がりすることもあれば、人件費の算定基準が変わることもあります。そのため、全く同じ工事内容でも、積算金額が変わることも珍しくありません。

こうした理由から、積算では常に状況に合わせた正確な計算が求められます。正しい工事費用を把握することで無理のない金額で工事を受注し、発注者からの信頼獲得にもつながります。

積算の流れ

続いては、積算業務の流れを見ていきましょう。積算業務の流れとは、基本的に必要となる費用を1つずつ計算し、積み上げていくだけです。ここでは、費用を積み上げる流れの中で、重要な以下の3つの点について解説します。それぞれの計算方法や注意点を把握して、正確に費用を算出する参考にしましょう。

  • 人件費の計算
  • 資材の計算
  • 総工費の計算

人件費の計算

積算を行う際の人件費の算出は、1日8時間の人工(にんく)を基本として計算します。費用項目としては、「労務費」として記載します。1日あたり何人工がかかるかを計算し、工事日数をかけることで算出が可能です。

ただし、人工は作業員の種類によって異なるため、一律に同じ金額で計算すれば良いわけではありません。どの作業をどういった作業員が行うかを把握して、積み上げていくことが重要です。

資材の計算

人件費の計算と同時に、工事に必要な資材にかかる費用も計算しなければいけません。過去に似たような工事を請け負ったことがあっても、工法が異なると使用する資材や数量は異なります。

そのため、工事の仕様書や図面から正確な資材と数量を拾い出すことが極めて重要です。国土交通省が、資材の計算の参考となる「土木工事標準歩掛」を公開しています。資材を計算する際は、参考にしてください。

総工費の計算

人件費と資材を計算したら、それぞれに直接経費を加えることで、工事に必要な費用である直接工事費が算出できます。直接工事費に間接的に必要な費用である間接工事費を加えることで、総工費が計算できます。

総工費まで計算が完了したら、内訳明細書を作成しましょう。工事ごとの規格や数量、単価を記載し、全て入力できたらミスがないかチェックします。作成した内訳明細書に誤りがないことが確認できたら、積算業務の完了です。

積算代行とは

積算代行とは、文字通り建設業における積算業務を代行してくれるサービスです。積算代行では、積算業務に必要な専門知識や技術を持ったスタッフが、依頼者である建設会社に代わって計算します。場合によっては自社で計算するより正確な費用を計算できる場合もあります。

ただし、積算代行が算出した金額を鵜呑みにしてはいけません。なぜなら、自社で計算する場合と大きく離れた金額を算出する可能性もあるからです。そのため、積算代行が算出した金額を自社で検討することが重要です。

積算代行の利用をおすすめする会社

積算代行は、上手く活用すれば業務の効率化や工事費用の最適化といった効果が期待できます。特に次のようなパターンに当てはまる会社は、積算代行の利用をおすすめします。自社が当てはまるかどうかを含めて、積算代行の利用を検討してみてください。

  • 積算担当者がいない会社
  • 積算業務に労力をかけられない会社
  • 積算担当者を育成できない会社

積算担当者がいない会社

積算担当者がいない会社では、積算代行の利用をおすすめします。積算担当者がいなければ、雇えばいいと考える人もいます。しかし、積算業務のためだけに担当者を雇うことは効率的とは言えません。そこで、積算代行を利用することで最低限の費用で積算業務を委託できます。

積算担当者がいない会社は、将来的な積算担当者の雇用も踏まえつつ、積算代行を利用してみましょう。

積算業務に労力をかけられない会社

積算業務に労力をかけられない会社も、積算代行を利用してみてください。先ほど解説したとおり、土木や建築工事にかかる費用項目を1つずつ算出し、積み上げていく業務は労力がかかります。積算業務に専念した結果、他の業務に支障をきたすということも考えられます。そうした状態を防ぐためにも、積算代行を利用して効率的な業務運営を目指してみましょう。

積算担当者を育成できない会社

積算担当者を育成できない会社も、積算代行の利用を検討してみてください。積算担当者を配置したくても、育てる余裕がない会社や教育をできる人がいない会社もあります。

そのような場合は、積算代行を利用しつつ積算業務の担当者を育成することを検討してください。積算担当者が経験を積み、知識を身に着けたタイミングで積算代行の利用を終了するという方法もあります。

積算代行を利用するメリット

ここでは、積算代行を利用するメリットを見ていきましょう。積算代行を利用することで、次のようなメリットがあります。それぞれのメリットを把握して自社の現状を考慮し、積算代行の利用を検討してみてください。

  • 積算業務の省力化
  • 積算の精度向上
  • 属人化の防止

積算業務の省力化

積算代行を利用する大きなメリットとして、「積算業務の省力化」が挙げられます。細かな項目の拾い出しと計算を行う積算業務は、1件の工事でも大きな労力を割かなければいけません。積算代行を利用することで、積算業務を全面的に手放せるため、その分の労力を別の業務へ配置できます。外注できる部分を切り離すことで、注力すべき業務に労力を割き、業績の向上も見込めます。

積算の精度向上

積算代行を利用するメリットとして、「積算の精度向上」もあります。積算業務には専門的な知識と技術が必要なため、中途半端な知識や技術を持つ人では正確な計算が行えません。

積算代行では、積算業務に取り組むスタッフは全て、専門的な知識と技術を持っています。スタッフが積算を行うことで精度が向上し、見積りもより正確に計算できます。

属人化の防止

積算代行を利用すれば、「積算業務の属人化」を回避できます。積算業務は、業務内容の特徴から少人数の担当者に偏りがちです。そのため、担当者しか業務の進め方がわからないといった建設会社も珍しくありません。しかし、積算代行を利用すれば外部の専門家に業務を委託できるため、属人化する心配はありません。担当者の不在や急な退職といったトラブルにも対処しやすくなります。

積算代行が提供しているサービス

続いては、積算代行が提供しているサービスを解説していきます。次に挙げる積算代行が提供している業務を把握して、利用を検討してみてください。

  • 建築など民間工事における積算の代行
  • 土木など公共工事における積算の代行
  • 書類作成・一部代行

建築など民間工事における積算の代行

積算代行では、建築など民間工事の積算業務を請け負っています。住宅の建築や宅地造成といった民間工事では、平面図を1枚提供するだけで必要な費用を計算するサービスもあります。

民間が発注する工事でも、人件費や資材の拾い出しにかかる手間は少なくありません。そこで、積算代行を利用することで大幅な業務の公理化が期待できます。

土木など公共工事における積算の代行

道路や河川といった公共工事の積算業務の代行は、積算代行が得意とする分野です。公共工事への入札では、予算や見積りの提出が必要です。

予算や見積りを提出する際、積算代行を利用することで正確な金額を算出できます。正確な積算金額の算出は、競合他社との差別化につながり、受注できる可能性の向上につながります。

書類作成・一部代行

積算代行では、書類の作成や積算業務の一部だけ代行するサービスを行っている場合もあります。書類作成は、文字通り見積りや契約などで工事に必要な書類の作成を支援してくれるサービスです。一部代行は、積算業務の中で資材の拾い出しやデータの集計などを部分的に請け負うサービスです。自社の業務の状況に合わせて積算代行を利用することで、効率的かつ費用を抑えた積算が可能です。

積算代行を利用する費用

ここまで、積算業務と積算代行について解説してきました。積算代行の利用を検討する中で、費用はどの程度かかるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。積算代行サービスは日本中で多種多様な会社が提供しており、費用も異なります。多くの積算代行サービスでは工事価格ごとに目安を定めており、工事の規模によって利用料金も高くなります。

例えば、工事価格が500万円未満の場合、積算代行の費用は数万円程度です。しかし、工事価格が1億円を超えるような場合は、数十万円となることもあります。こうした費用感を念頭に置いて、利用を検討しましょう。

おすすめの積算代行サービス5選

ここでは、おすすめの積算代行サービスを5つ紹介します。次に紹介する積算代行サービスの特徴を解説しますので、内容を踏まえて利用を検討してみてください。

  • 日本積算センター株式会社
  • WIREBASE
  • EmpowerUs
  • アイリサーチ
  • CORDER

日本積算センター株式会社

日本積算センター株式会社は、公共工事や民間工事で幅広く積算業務を請け負う会社です。参照する歩掛が多いため、あらゆる工事の積算に対応が可能です。コンサルタント会社向けの積算補助や下請会社向けの積算代行も請け負っています。

ホームページでは、過去の実績や価格表も掲載しているため、利用を検討しやすい会社です。

WIREBASE

WIREBASEは、500名の経験豊富なスタッフが積算業務を代行している会社です。積算に対応するスタッフは、社内テストや面談を通じて選抜したプロフェッショナルです。

WIREBASEでは、独自の品質管理体制を構築しているため、算入漏れや見落としを徹底的に回避しています。さらに、最短2日で納品するため、急いでいる場合でも安心して依頼できます。

EmpowerUs

EmpowerUsは、低価格と短納期が特徴の積算代行サービスです。他社よりも費用を抑えることで継続して利用するハードルを低くしています。費用が安くて納期が短くても、積算を行うのは経験豊富なスタッフです。

そのため、品質や精度を不安に思う必要はありません。複数の案件をまとめて依頼できるため、コストを抑えつつ業務の効率化を図れます。

アイリサーチ

アイリサーチでは、公共工事も民間工事も問わず幅広く積算を請け負っています。積算の基本的な業務はもちろん、逆算や検算を行い、精度の高い積算が可能です。

さらに、質問書や積算根拠データなどの資料作成や資材メーカーとの交渉も請け負っています。そのため、積算以外の業務支援も可能です。最短で中3日で納品できる場合もあるため、条件が整えば急ぎの積算にも対応可能です。

CORDER

CORDERでは、工種や工法、資材を問わず幅広い工事の積算が可能です。工事全体の費用計算はもちろん、材料の拾い出しのみといったサービスも提供しています。

積算に対応するスタッフには、一級建築士や一級建築施工管理技士などの有資格者も多く在籍しています。そのため、長年の経験と豊富な知識で精度の高い積算業務の代行が可能です。

積算代行を利用する際の注意点

ここでは、積算代行を利用する際に、注意すべき点を解説します。積算業務をいずれかの会社に依頼する場合は、次の3つの点に注意しましょう。

  • 自社の工事との相性を確認する
  • 担当者の能力によって精度が変わる
  • 費用は事前に見積りしてもらう

自社の工事との相性を確認する

積算代行に依頼する際は、自社の工事との相性を確認しましょう。多くの積算代行サービスは幅広い工事に対応しています。しかし、あまり専門的過ぎると対応できない場合もあります。

依頼後に対応できないといったトラブルを避けるためにも、まずは自社の工事の積算に対応できそうか確認してください。そして、自社と相性の良い会社に依頼しましょう。

担当者の能力によって精度が変わる

積算代行も担当するスタッフによって、精度が変わる点に注意しましょう。積算代行サービスに在籍する専門スタッフは、知識と経験が豊富なベテランが中心です。

しかし、スタッフの経験が浅かったり知識が不足していたりするケースも皆無ではありません。そういった担当者の場合、ベテランと比べて精度が甘くなる可能性もあります。確かな精度で積算してもらうためには、担当者の能力を確認しましょう。

費用は事前に見積りしてもらう

積算代行を利用する際は、事前に費用の見積りを依頼しましょう。先ほど、費用の部分で解説したとおり、積算代行の利用料金は会社によってバラバラです。目安を公開している会社もありますが、特殊な作業や計算が加わることで利用料金が高額になる可能性もあります。想定外の費用請求で驚くことの内容に、事前に費用の見積りを依頼しておきましょう。

 

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【まとめ】積算代行を利用して業務の効率化と精度の高い積算を実現しましょう

積算業務は専門的な知識と経験が必要なため、専任の担当者を配置しづらい会社もあります。そのような場合には、積算代行サービスを利用して正確な積算を外部に委託しましょう。

積算代行も多様な会社が提供しているため、自社との相性を確認することが重要です。今回解説した内容を参考に、自社の工事と相性の良い積算代行サービスを検討し、効率的な業務運営に努めてください。

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