DX化が進んでいない業界は?遅れている業界とその理由を解説

「自分の会社でもDXを進めたいと思っているけど、何から始めたら良いのか分からない」
「そもそも他の業界・他の企業でのDXの進捗状況はどんな感じなんだろう」
「同じ業種の他社の動きを知り、自社でもDXを進めていきたい」
などと考えたことはありませんか?

DXの導入によって企業競争の勝ち抜きを図ることができるのは事実ですが、多くの企業がDXの導入に苦戦しているのが現状です。

そこで今回は、業界ごとのDXの進捗状況を、DXが進んでいない業界・進んでいる業界に分けて紹介していきます。

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DXとは

DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略称で、デジタル技術を活用することで自社の製品やサービス、ビジネスモデル、組織の在り方を変革し、顧客に新しい価値を提供することを指します。

このDXを進めることによって企業の競争率を高め、勝ち残りを図るのです。

こちらの記事では、建設業のDX化についてより詳しく解説しています。

建設業のDX化とは?導入された背景や技術について解説!

建材 業界建材業界における現状や今後の動向は?課題の解決策なども解説

IT化との違い

DXとIT化は混同されることが多いですが、この2つの意味は異なります。ITとはInformation Technologyの略で、コンピューターとネットワーク技術の総称です。DXは社会や組織、ビジネスのシステム自体を変化させるものであり、IT化は既存の業務プロセスのまま業務効率化と生産性の向上を図るものです。

DXはシステム自体を変化させるので、企業全体に関わるような大きな変革と言えます。それに対してIT化は、例えば、これまでは連絡手段が電話であった企業が、チャットツールなどに切り替えることで業務の効率化を図るなど、既存プロセスの生産性を向上させるので、何がどのように変わるのかが分かりやすいのが特徴です。

こちらの記事では、建設業でIT化をするメリットやツールについて解説しています。

建築業でIT化をすすめるメリットとは?おすすめのツールやIT導入促進対策も紹介

デジタル化との違い

DXとデジタル化も混同されることがありますが、それぞれの言葉は同じ意味ではありません。デジタル化はデジタイゼーションとデジタライゼーションを日本語に直訳した言葉で、この2つはどちらもDX推進の手段ですが、言葉の意味が異なります。

デジタル化は、アナログをデジタルに変えて業務の効率化を図ることです。例えば、今までは対面で行っていた会議をオンラインで行うことなどが挙げられます。デジタル化は、業務の流れ全体または他社などの外部要因を含めた広い範囲をデジタルにして、業務の効率化を図ることを言います。

例えば、顧客からの質問などに自動で返信する、「AIチャットボット」の活用などです。先ほどもお伝えしたように、DXは企業全体に関わるような大きな変革です。それに対してデジタル化は、業務の効率化を目的としています。つまり、デジタル化はDXの入口に過ぎないので、この2つの言葉の意味は異なります。

日本におけるデジタル化の取組状況

DXは様々な業界に大きな変化をもたらしています。しかし、日本におけるデジタル化の取組状況は業種によって異なります。ここでは、日本におけるデジタル化の取組状況について解説します。

業種別でのDXの取組状況

デジタル・トランスフォーメーションの取組状況(日本)

画像引用元:「デジタル・トランスフォーメーションの取組状況(日本)
日本では、約6割の企業が「デジタル化を実施していない、今後も予定なし」と回答しています。

しかし、規模別に見てみると、大企業では約4割が「実施していない、今後も予定なし」と回答しているのに対して、中小企業では約7割と、意識の差がはっきりと表れています。

業種別情報通信業が先行していて、約45%の企業が既にデジタル化を実施していると回答しています。その他は、製造業、エネルギー・インフラ、商業・流通業が25%前後で、サービス業等では約16%にとどまっています。

デジタル・トランスフォーメーションの取組状況(日本:業種別)

画像引用元:「デジタル・トランスフォーメーションの取組状況(日本:業種別)
続いて、業種をより詳細に区分してDX化の取組状況を確認しましょう。情報通信業では全体的にDX化が進んでいるほか、商業・流通業のうち、金融業、保険業が45%となっています。

一方で、DXの取組が進んでいない業種として「医療・福祉」(約9%)、「運輸業、郵便業」(約17%)、「宿泊業、飲食サービス業」(約16%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(約18%)が挙げられます。

アメリカとの比較

DXの取組状況(日米)

画像引用元:「DXの取組状況(日米)

日本とアメリカのDX導入状況を比較してみると、DXに取り組んでいる企業は日本が約56%なのに対して、アメリカは約79%。

DXに取り組んでいない企業は日本が約34%なのに対してアメリカは約14%です。アメリカは日本に比べてDXの取り組みが進んでいますが、DXに取り組んでいない企業も14%存在します。このことから言えるのは、DXは万能ではなく、業界によっては受け入れられない場合もあるということです。

DXが遅れている4つの業界

建設業界や農林水産業・アパレル業界を含む6つの業界は、DXが進んでいないことが多いです。ですが、その業界全体でDXが進んでいないというわけではなく、企業によってはDXを進めることによって大きな成果を出しているケースもあります。

ここでは、これらの業界はなぜDXを進めにくいのか、DXが進んでいる企業はどのような取り組みをしているのかをご紹介していきます。

建設業界

建設業界がDXが進んでいない業界である理由は、仕事の特性上、機械を使う仕事ではなく、人が行わなければならない肉体労働が中心となっているからです。

建設計画や人員配置、費用計算など、デジタル化ができそうな部分もありますが、限界があります。また、建設には職人の方の肌感覚が重要視される傾向があるので、全ての業務をデジタル化することは難しいでしょう。

最近では、AIが人間の仕事を奪い、既存の職業が無くなり、新しい仕事が増えていくとも言われていますが、建設業界での人間の労働力の需要は高そうです。とはいえ、建設業界でも業務の効率化を図るために適切なデジタルツールの導入を検討することが必要になります。

農林水産業

農林水産業もDXが進んでいない業界の1つです。農林水産業は仕事内容の特性上、デジタル化が難しい部分があります。

一方で、農業ではドローンの活用による人件費の削減や、AIを活用した肥料や給水の効率化など、デジタルツールの活用が進んでいる面もあります。

しかし、農林水産業のDXにはまだまだ伸びしろがあると言えるでしょう。農林水産業では今後、高齢化や人手不足などへの対策のために、デジタルツール活用の推進が求められます。

アパレル業界

アパレル業界もDXが進んでいないと言われています。衣服などは実際に着てみないと、その商品が本当に自分の求めているものなのかが分かりにくいからです。
そのため、インターネットでの販売を行うと、

「思っていた色と違った」
「サイズが合わなかった」
「生地の質感が思っていたのと違った」

などという問題が発生する可能性があります。

ですので、実際にお店に行って自分の手で確認し、試着してから購入したいという消費者は多いでしょう。一方で、お店に行く時間がないので、お店に行かずに自分に合う衣服を購入したいという消費者もいます。

このようなニーズに応えるためにも、DXの推進が必要になってきます。アパレル業界でのDX推進の例として、ZOZOTOWNは、MSPというサービスを展開し、利用者は自分の身長と体重を入力するだけで自分にぴったりな商品を提案してもらえるようになりました。

教育業界

今も昔も教育の仕方に大きな変化がないことからも言えるように、教育業界は最も変化しない業界と言われれてきた業界の1つです。学習する内容が変わった部分もありますが、教育のスタイルそのものには大きな変化がないのです。

教育業界がDXの進んでいない業界と言われる理由の1つに、ICTをうまく活用できる人材が少ないことが挙げられます。したがって、ITリテラシーを高めていくことが教育業界全体のDX推進のために必要なこととなっています。

医療・福祉業界

医療・福祉業界は、業務の特性上、個人情報の扱いが難しい点がDX化を遅らせている理由の1つです。IT化やIoT化による業務効率化は魅力です。しかし、取得するデータのセキュリティや保管に細心の注意を払わなくてはいけません。

さらに、DX人材の確保が難しく、ITインフラとしてもDX化を進めにくいといった状況があります。病院の職員は多忙のため、ITスキルを向上する時間がないといった負の循環が起きています。

ただし、医療・福祉業界は、社会の高齢化が進むに従い需要の増大を見込める業界です。テクノロジーを駆使した業務効率化が期待されています。

運輸業界

運輸業界は、企業ごとにDX化に取り組んでいるものの、物流業界全体としては遅れている業界です。物流業は従来から「荷物を輸送すること」にかかわる業務が主体となっており、在庫管理や入出荷管理など情報管理業務は付帯作業として扱われる傾向にあります。

そのため、情報管理業務の変革に取り組むことに消極的です。さらに、現代の物流では、製造から運送までのサプライチェーン全体を通して、多くの企業が関わります。そのため、物流プロセスの一部にのみ関わる企業は情報処理の変革に取り組める範囲が限られてしまい、主体性を持って進められません。

しかし、コロナ禍で変化した生活様式により、通信販売が増加し取引量が大幅に増えました。それに伴う業務負担の増加に対応するため、DX化が急務となっています。

施工管理の働き方改革とは?進まない理由や改善ポイントはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

施工管理 働き方改革施工管理の働き方改革とは?進まない理由や改善ポイントなどを解説

DXが進んでいる5つの業界

金融業界・IT業界・物流業界・医療業界・タクシー業界はDXが進んでいる業界です。

消費者としての目線で見ても、「今までと利用方法が変わったな」と感じ、大きな変化が起きていることに気が付くのではないでしょうか。

予約からサービス利用、支払いまでオンラインで済むものも出てきており、急激に進むデジタル化によってデジタル格差も引き起こされています。ここでは、それぞれの業界はどのようにDXが進んでいるのかをご紹介していきます。

金融業界

金融業界は、「DXを実施して成果を出した」と答える企業の数が他の業界に比べて多いという特徴があります。金融業界は、「2025年の崖」問題を最も大きく受ける業界であると懸念されています。

「2025年の崖」とは、日本企業がDXの取り組みを十分に行わず、DXが遅れた場合、2025年以降に年間で最大12兆円の経済損失が発生し、国際競争に負けてしまうという状況が生まれることです。このこともあって、金融業界のDXへの意識は他の業界よりも高いです。

例えば、ネットバンクを普及させ、ATMの数を減らしていることはDXの一環と言えます。また、金融業界ではグループ会社を作っていることが多く、お互いに連携して顧客に関するデータを共有することができるので、ニーズの把握がしやすいこともDXが進んでいる理由の1つです。

IT業界

IT業界はDXに必要となる様々なアプリ開発やクラウドサービスを行っており、DXを牽引する業界の1つです。IT業界は自分たちだけのことを考えてビジネスをしておらず、
「どんなツールがあれば、ビジネスが加速するのか」
「他の業界では今後何が必要になるか」
を常に考えており、DXの推進はIT業界の力の見せどころでもあります。

IT業界はビジネスモデルの変革を目指した開発を進めているからこそ、日本企業のDXを牽引している立場だと言えるのです。

物流業界

2024年4月1日より、自動車運転業務については、年間で最大960時間までと法律で定められており、これは物流業界を騒がせています。
また、

  • 配送ルートが混雑しており、思ったよりも時間がかかった
  • 自宅まで運んだが、不在で再配達が必要になった

などということが原因で、ドライバーの労働時間を長くしてしまい、ストレスにつながるので、心身の健康状態に影響を与えてしまう危険性もあります。

これらの問題を解決するために物流業界では、

  • 物流のオート化
  • AIを活用した最短ルートの自動最適化
  • 在庫管理の自動ツールの導入

などのことに成功しており、DXが進んでいると言えるのです。

医療業界

医療業界は新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、人手不足が最も深刻な業界です。
また、診療所内での感染リスクの抑制や、働き方改革のためにも、デジタルツールを活用した安全・安心の確保や、効率化が必要となります。

これらの要因から、医療業界はDXを積極的に進めているのです。オンラインでの予約機能の充実やオンライン診療による感染リスク管理など、便利で効率的なツールはコロナ感染が落ち着いてきた今でも実施されています。

タクシー業界

コロナウイルス感染拡大によりタクシー利用者が急激に減ったことで、タクシー業界は大きなダメージを受けました。また、タクシー業界では高齢化が進んでいるので、人材不足も懸念されています。こういった問題を解決するためにも、タクシー業界ではDXが進んでいるのです。

通常、タクシーを利用する場合は、

  • タクシー乗り場で待つ
  • 送迎中以外のタクシーを拾う
  • 電話で住所を教えて送迎してもらう

の3パターンがあります。

しかし、配車アプリができたことによって利便性が格段にアップしました。配車アプリはスマホのGPS機能を使うので、住所が分からない場所に居たとしても、タクシー会社に正確な情報を伝えられます。また、アプリ内決済を使うので、タクシードライバーが現金を扱う機会もなくなります。

また、企業の役員に向けて専属の運転手を派遣するサービスもあります。現在の移動手段に不満を抱えている会社役員の方は利用を考えてみるとよいでしょう。

参考:東京の役員運転手派遣・請負『セントラルサービス株式会社』

DX化を成功させるポイント

これまで、日本におけるデジタル化の取り組み状況、日本とアメリカのDX導入状況の違い、DXが進んでいない業界・DXが進んでいる業界などのことについてお伝えしてきました。では、DXを導入し、成果を出すためには結局どんなことが必要なのでしょうか?

  • 「DXを進めたいけど、どのように進めたら良いのか分からない」
  • 「何から手を付ければ良いのか分からない」

という方のために、ここでは、DXを成功させるために必要なポイントを3つご紹介していきます。

DXの目的、目標を明確に

DXを進めるためには、DXの目的、目標の2つを明確にしなければなりません。経営層が目的となる最終到達点を示すだけでは、DXを成功させることはできません。

さまざまな性格の人や能力の違う人材が存在する組織で目的を達成させるためには、具体的な手段や目標を提示することが必要です。例えば、山登りをしようとする時、経営層がただ「頂上を目指そう!」と言っても、そのコミュニティーに山を登る体力のない人や高齢者、幼児などが居たら動揺を誘うだけです。

しかし、「車を使って登る」という具体的な手段を提示すれば、目的を達成するための見通しが付くので、それに向かって動くことができます。

つまり、DXを成功させるためには、社内のメンバー全員に目的、目標、手法を知ってもらうことが必要です。また、「DXを進めてなにを実現したいのか」というビジョンを明確にすることも大切になります。

経営層の覚悟と決断

前述したように、DXの導入は企業全体に関わるような大きな変革です。業務改善であれば、既存の経営スタイルに少し手を加えるだけで成立させることができます。

しかし、DX導入はこれまで作り上げてきた企業文化や古い風土を破棄し、新しいものを作らなければならないので、経営層の大きな決断と覚悟が必要不可欠です。

そのため、企業の経営層は率先して行動し、DXの導入に取り組まなければなりません。これまで作り上げてきた物を破棄しなければならないとなると、迷いが生じることもあるかもしれませんが、覚悟を決めることはDXを成功させるためにとても重要なことです。

デジタルに精通した人材の育成

DXを成功させるためには、デジタルに精通した人材の育成も必要になってきます。しかし、デジタルに精通した人材は不足する一方です。

また、単にデジタルに詳しいだけでなく、自社のビジネスをよく理解している人材でなければなりません。つまり、安易にデジタルに詳しい人材を社外から引き抜くのではなく、社内で人材を発掘し育成する必要があります。

これは人事や評価、教育制度とも関係するので、この点でもDXは短期的な施策ではなく、組織の存在意義に直結する経営課題だと言えるでしょう。

人材の育成には動画システムの活用がおすすめ

人材の育成を行う際には動画を活用するのがおすすめです。動画は場所を問わず研修を実施でき、一度作れば何度でも繰り返し使えます。

「いまいちどうやって動画を活用した社内教育を進めていけばいいのか分からない」という方には、動画システム構築・サポートを行っているnecfru(ネクフル)の利用がおすすめです。

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DX化が必要か・不要なのか見極める

ここまではDX化が遅れている業界、進んでいる業界についてそれぞれいくつかの例をご紹介してきました。各業界にはデジタルツールによって代替できる業務と代替できない業務があり、そのことがDX化の推進の度合いの差に表れているのです。この際に、事業のうちのどの部分をDX化するかに関しては慎重な検討が必要です。業界によってDX化と相性のよさに差があること、DX化することによってもともとのよさを損なってしまうケースがあるためです。効率よく無駄のないDX化を進めるために、自社や自社の業界においては何をDX化する必要があるのか、という分析を行いましょう。

【まとめ】DX化が遅れている業界は多数。DX化のためには根本的な改革が必要

この記事では、DXが進んでいない業界・進んでいる業界についてと、DXを成功させるために必要な事などを中心にお伝えしてきました。DXが求められているこの時代においても、DXが進んでいない企業は多数あることが分かっていただけたかと思います。しかし、業界全体ではDXが進んでいないように見えても、企業ごとに見ると、DXが進んでいる会社もあります。DXを成功させるためには業界全体の傾向を知り、自社ではどのようにすればDXを進められるのかを見極めることが大切です。

建設業で業務改善が必要な理由や進めるときのポイントはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

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