一人親方にとっての物損保険とは?加入する必要性や選び方を解説

一人親方物損保険

一人親方として働く中で、万が一の事故や物損によって損害賠償責任を負ってしまうリスクに不安を感じている方は少なくないでしょう。しかし、どのような保険に加入すれば良いのか、具体的な補償内容や必要性については分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、一人親方にとっての物損保険の意味や特徴、加入の必要性、選び方のポイントなどについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

一人親方にとっての物損保険とは

物損保険(請負業者賠償責任保険)とは、作業中や運転中などの物損に対する、損害賠償金などの備えのための保険です。一人親方にとって、仕事中の事故やミスによる損害賠償リスクは避けられません。

万が一の際に高額な賠償金を支払うことになれば、経済的に大きな負担となってしまいます。ここでは、物損保険の基本的な補償内容と一人親方にとっての意味について解説します。

補償内容

物損保険(請負業者賠償責任保険)の主な補償内容は以下の通りです。

損害賠償金被害者に支払う治療費や修理費
争訟費用裁判や弁護士費用
損害防止軽減費用事故による損害の拡大防止や軽減のために講じた措置の費用
緊急措置費用被害者の応急手当や病院への搬送にかかった費用
協力費用保険会社が事故対応や解決に協力するためにかかった費用
権利保全行使費用第三者に損害賠償請求できる場合、その権利の保全・行使のために支払った費用

事故の状況によっては、想定よりも多額の賠償金が発生する可能性があります。しっかりとした補償内容の物損保険に加入することで、そうしたリスクを軽減できるでしょう。

特約にも加入すれば補償の幅を広げられる

基本的な補償だけでなく特約に加入することで、補償の範囲をさらに広げることができます。例えば、損害賠償責任が発生しない場合でも保険金が支払われる特約などがあります。

充実した補償内容を確保するためには、基本プランに加えて、必要な特約にも加入しておくことがおすすめです。自分の仕事内容に合わせ、どのような特約が必要になるか検討しましょう。

物損保険と請負業者賠償責任保険

物損保険と請負業者賠償責任保険は、基本的には同じものを指します。どちらも業務中の事故により、他人の財物に損害を与えてしまった際に補償が受けられる保険です。

具体的には、作業中に誤って工事車両の一部が架空線に接触して切断してしまった、現場の移動中に資材が落下して通行人の車に傷を付けた、などの場合に保険が適用されます。

物損保険の特約の種類

物損保険にはさまざまな特約があり、補償の範囲を広げることができます。主な特約の種類と概要は以下の通りです。一人親方の業務内容に合わせて、必要な特約を選びましょう。

管理財物損壊補償特約

管理財物損壊補償特約は、保険加入者が管理している財物が破損し、損害が発生した場合に補償される特約です。例えば、工事中に誤って壁に穴を開けてしまった、工具を落として家具を破損させた、などの場合に適用されます。

補償の対象は、破損や汚損だけでなく、紛失や盗取による損害も含まれます。ただし、他人から一時的に借りている物は補償対象外となる場合があるため、注意が必要です。

借用財物損壊補償特約

借用財物損壊補償特約は、レンタルやリースなどで借りた物を破損させ、損害が発生した場合に補償される特約です。例えば、工事のために借りていた重機を誤って壊してしまった、といったケースが該当します。

ただし、補償の対象は破損や汚染のみで、紛失や盗難は含まれません。また、仕事のための作業場や施設内で発生した場合のみ適用され、移動中の事故などは対象外です。

支給財物損壊補償特約

支給財物損壊補償特約は、仕事で使う材料や商品といった支給された物を破損させて損害が出た場合に補償される特約です。例えば、取り付け工事中に誤ってエアコンを破損させた、などの状況で適用されます。

補償の範囲は、管理・借用財物特約と同様に破損や汚染のみです。紛失や盗難は補償されないので注意しましょう。

工事遅延損害特約

工事遅延損害特約は、保険の対象となる事故によって工事が遅延し、引き渡し期日から6日以上遅れることで損害が出た場合に補償される特約です。工事の遅延は発注者に余計な負担をかけるため、賠償責任が問われる可能性があります。そのようなリスクに備えるための特約だと言えます。

地盤崩壊危険補償特約

地盤崩壊危険補償特約は、主に地下工事や基礎工事、掘削工事などに伴う損害を補償する特約です。

不測事態により発生した地盤沈下

不測かつ突発的な事態による土地の沈下や隆起、地滑り、土砂崩れなどが原因となって、土地や工作物、植物などに損壊が生じた場合、補償が適用されます。

地下水の増減により発生した地盤崩壊

地下水の増減によって地盤が崩壊し、財物に損害が出た場合も補償の対象となります。ただし、河川や堤防の損壊など一部例外もあるので、契約内容を確認することが大切です。

建設業での保険の種類についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

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一人親方が物損保険に加入する必要性

一人親方の方にとって、物損保険への加入は非常に重要です。加入の必要性について3つの観点から解説します。

元請業者も下請業者も賠償金額は同額

事故による損害賠償請求の金額は、元請業者であっても下請業者であっても変わりません。つまり、下請の一人親方であっても、高額な賠償責任を負うリスクがあるのです。

大企業であれば自社の売上で対応できる額でも、一人親方にとっては支払いが困難なケースも少なくありません。リスクに備え、物損保険に加入しておくことが賢明だと言えるでしょう。

下請業者でも賠償請求される可能性がある

下請の一人親方の場合、元請の保険で補償されるから自分では加入不要と考えている方もいるかもしれません。しかし、実際には被害者から直接賠償請求されるリスクもあります。

また、元請が損害を補償した場合でも、事故の原因を作った下請業者に対して元請から求償されることもあります。万が一に備え、一人親方自身でも保険に加入しておくのがおすすめです。

労災では物損は対象外となる

一人親方の方の中には、労災保険に加入しているから物損保険は不要と考える方もいるかもしれません。しかし、労災保険の補償範囲は、業務上の事故による怪我や病気などが中心です。物損に関する補償は労災保険には含まれていません。
財物への損害に備えるためには、物損保険への加入が欠かせないのです。

一人親方が物損保険に加入する方法

一人親方向けの物損保険は、各保険会社の損害保険商品の一つとして販売されています。webサイトなどで商品内容を確認し、自分に合ったプランを選んで申し込むことができます。

物損保険は法律で加入が義務付けられているわけではありませんが、万が一に備えて任意で加入することを検討しましょう。補償内容や保険料といった複数の保険会社の商品を比較し、最適なものを選ぶことが大切です。

一人親方の物損保険の契約方式

物損保険の契約方式には、個別のスポット契約と年間包括契約の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、自身の業務形態に合った方式を選びましょう。

個別スポット契約

個別スポット契約は、請負工事ごとに保険を契約する方式です。工事の期間に合わせて、保険期間を設定することができます。スポット的な工事が中心の一人親方に適しています。

工事ごとに契約手続きが必要になるため、手間がかかるのがデメリットです。しかし、その分保険料を抑えられるメリットもあります

年間包括契約

年間包括契約は、1年間に請け負う工事をまとめて契約する方式です。保険期間は1年間で、その間に行う工事は基本的にすべて補償の対象になります。工事ごとの手続きが不要なため、保険の契約漏れのリスクを防げます。請負工事が多い一人親方におすすめの契約方式だと言えるでしょう。

一人親方の物損保険の選び方

一人親方にとって最適な物損保険の選び方については、以下の4つのポイントを抑えておくと良いでしょう。

  • 補償の範囲
  • 補償額、保険料
  • 補償期間
  • 特約や付帯するサービスの有無

順に解説します。

補償の範囲

物損保険の補償範囲は、保険商品によって異なります。自分の業務内容に合わせ、必要十分な補償が得られる商品を選ぶことが大切です。

補償の対象となる事故の種類や適用条件などを詳しく確認し、不足のない内容になっているかチェックしましょう。保険料の安さだけで選ぶと、肝心な事故が補償対象外になっているケースもあるため注意が必要です。

補償額・保険料

物損保険の補償額は、上限が設定されていることが一般的です。したがって、それを超える損害は、自己負担になります。業務内容や想定されるリスクを考慮し、十分な補償額が得られる商品を選ぶことが大切です。

ただし、補償額が高ければ保険料も高くなります。保険料は無理のない範囲で、補償とのバランスを考えて設定することが重要です。

補償期間

補償期間は保険商品によって異なるため、契約前に必ず確認をしましょう。基本的に、補償の対象となるのは契約期間中の事故のみです。自身の業務の特性を考え、十分な期間の補償が得られる商品を選びましょう。

特約や付帯するサービスの有無

特約や付帯サービスの内容は保険商品ごとに異なります。複数の商品で、特約などの内容を比較検討することが大切です。単独の保険に複数加入するより、お得になるケースもあります。

一人親方におすすめの労災保険

一人親方の場合、万が一に備えて労災保険にも入る必要があります。一人親方向け労災保険で一番おすすめなのは、一人親方労災保険組合の労災保険です。主な特徴は、以下の通りです。

  • 全国の加入組合数は90,000人と業界トップクラス
  • 月額組合費が500円と業界最安値
  • 組合員様限定の優待サービスが多数
入会費1,000円(初回のみ)
組合費500円/月

一人親方労災保険組合は業界No.1の加入者で実績のある労災保険です。さらにレストランやカラオケ、映画館など全国で20万ヵ所以上の施設のクーポンや割引などが適用される組合員様限定の優待サービスもあります。

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【まとめ】一人親方は物損保険に加入し損害賠償へのリスクに備えよう!

一人親方にとって、仕事中の事故やミスによる損害賠償リスクは避けられません。高額な賠償金の請求を受けた場合、経済的に大きな負担になる可能性があります。そうしたリスクに備えるために「物損保険」への加入が欠かせません。

物損保険は、業務中の事故により他人の財物に損害を与えた際の補償を受けられる保険です。建設業や工事業など、事故リスクの高い仕事に従事する一人親方は特に、物損保険への加入を検討すべきでしょう。

基本補償に加え、特約の活用で補償の範囲を広げることもできます。一人親方にとって最適な物損保険を選ぶためには、補償の範囲や補償額、保険料、補償期間などを総合的に判断することが大切です。自身の業務内容やリスクを考慮し、必要十分な補償が得られる商品を選びましょう。

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