独立し我が身一つで仕事をこなす一人親方は、かっこいいという印象を受ける方も多いのではないでしょうか?独立した後は一人だからこその心配事、勉強しておかなければならないことがたくさんありそうですよね?今回はその中からピックアップして労災保険について解説していきたいと思います。一人親方が労災保険に加入する際に必要な費用は?何かと経費や日々の出費がかさむ中、どうにか試行錯誤して保険料を安く抑えたいと頭を悩ませるかも知りませんが一人親方の労災保険の場合、そのような必要はありません。それは労災保険は、国が管理している『労働者のための保険』なので保険料は変わらないためです。一人親方が労働保険に入る際にかかる費用には労災保険料、組合費、その他費用の3種類あります。以下それぞれ詳しく紹介します。「労災保険料」に違いはある?まず「労災保険」について掘り下げていきましょう。 労災保険料は、国に対して支払う保険料のことを差し、その金額は法律に基づき決められています。どの特別加入団体を通じて加入したとしても、給付基礎日額が同じであれば労災保険料は変わりません。給付基礎日額(保険料や保険給付を決める際に基準となる金額)に比例し、労災保険料も同時に高くなってくるという仕組みです。「組合費」に違いはある?続いては「組合費」についてです。組合費とは特別加入団体(〇〇土建組合や〇〇事業連合会といったもの)に対して支払う金額を差します。こういった団体の運営、維持を目的として支払う金額となります。支払い方法も加入団体によっては様々で、通常は労災保険料と組合費を含めて一括払いですが、中には年3回払いといったものもあるので自分にあったものを調べてみてください。なるべく安く済ませたいといった方は、初回入会費や月額の保険料と組合費の合算によって割り出す必要もあるのでそこも合わせて調査するのも手です。「手続き費用」に違いはある?一口に労災保険料といっても、別途支払う費用も発生します。加入団体と組合費、それに伴う手続き費用です。一人親方の場合は労災保険の加入団体に入会し組合員として労災に加入する必要があります。先程の組合費は、一人親方としてこの費用を安く済ませたいと思っている方が注意しなければならない点です。あくまで目安ですが大まかな費用を以下にまとめます。入会金の相場 1000円〜3000円程度 (加入時にのみ発生)組合費の相場 500円〜4000円程度 (毎月発生する金額)なるべく労災保険の費用を安くしたいと思っている方はこの2点に注意しながら加入団体を選びます。また団体によっては、申請の度に手数料が別途必要な場合もあるため、労災に入っていて怪我をした際にその申請の度に手数料が発生してしまうということもあります。労災保険は現在加入が必須になっており、労災隠しも問題視されているためなるべくスムーズに労災申請をしなければいけません。組合費が安いと思い加入しても手数料が取られてしまい結果的に高くなってしまうといった場合もあるため、支払い総額が増えてしまうということも考えられます。手数料に関しては後ほど触れますが、以上の点から自分に適したものを選ぶ必要があります。労災保険料の支払いを抑えるためのポイントは?一人親方として独立し仕事を受けたはいいものの労災保険に入っていなければ、受注することのできない仕事、入場することすらできない現場というものがあります。でも始めたばかりで労災保険に入る余裕がない、そもそも入る必要があるのか?と思ってしまう方もいると思います。そう思う方でも怪我の補償は必要ですよね?そんな方のためにも今回は労災保険の加入を「一番安く」抑える方法についても書いておきます!ズバリ一人親方を営む方が費用を安くする手段は組合費(もしくは年会費)と入会金の安い加入団体に加入する。加入期間中の給付基礎日額費用を抑える。ということを意識してください。この2つを掘り下げていくと「組合費」を抑える各地域の労災保険加入団体に直接問い合わせ、安い加入団体に加入します。「給付基礎日額」を抑える加入時、基礎給付日額も提示するのですがなるべく安い金額で提示しましょう。例えば3500円で提示した場合は、22995円で済ませられるのでここに入会費と組合費を足すだけです。ただし注意しなければならないのは、2年目以降の組合費です。 1年目は初年度ということで安く設定されていますが、2年目からは値段が上がるということもあるので加入の際には必ず確認しましょう。また当然ですが基礎給付日額が抑えられるということは、万が一怪我をした場合の補償も少なくなるということは理解しておきましょう。この場合休業補償も日額3000円しか発生しないのでは、休業中の生活も難しいですよ ね?安く抑えることも可能ですがそれなりのリスクもあるので、各個人の収入面の実態も把握した上で、基礎給付日額を選択するようにしましょう。労災保険料を安く抑える際に気をつけるポイントは?昨今の日本の情勢は決して良いと言えるものではありません。そんな中で労災保険ではなるべく費用を抑えたものを選ぶといった気持ちもわかります。ですが世の中には「安かろう悪かろう」といった言葉もあるように、一人親方として独立し、今現在加入団体選びに悩んでいるあなたにも当てはまる言葉です。ただ安いという理由だけで加入し、不慮の事故、怪我が起きてしまった時に対応が雑だったり、連絡がなかなかつかないといった状況になってしまう団体もあります。会費ばかりに気を取られるとその分受けられるサービスも限られてしまうので、安さを優先している分、サービスに期待しすぎるのはやめましょう。一人親方として活躍していく上では、労災保険とはなくてはならないもの「命綱」です。支払う金額だけで判断するのではなく、何かあった時にきちんと対応してくれる命綱選びを心がけましょう。以下、労災保険料を安く抑えたいときの注意点を説明します。社会保険労務士によるサポートがあるかどうか加入団体選びにおいて、社会保険労務士のサポートを受ける内容も確認しておかなければなりません。社会保険労務士の方が常駐していて迅速で正確な労災保険給付手続きをしてくれる特別加入団体選びを心がけましょう。業務中に万が一怪我、事故が起こった場合、なるべく早く給付が必要ですよね?そんな時のためにも書類作成を迅速に行い、手続きを進めていくことが重要なポイントです。万が一の時に安心するためにも、迅速に手続き処理を行えるように社会保険労務士が常駐している加入団体を選びましょう。承認された一人親方団体の場合は、労災保険の加入、給付申請に限っては社労士は必要ありません。むしろ社労士がいるから安心というよりも、一人親方の給付申請の実務経験が豊富な加入団体を選んだ方が安心して加入できるという方もいるかもしれません。しかし、社労士は社会保険関連の知識、実務経験も豊富ですので労災保険以外の相談がある場合は強い味方になってくれるので、常駐している加入団体だと安心できます。事務手数料が高額ではないか 手続きをする際には事務手数料が発生する特別加入団体もあります。特に確認すべき項目を以下にまとめておりますので、手数料の有無や金額をしっかり確認しておきましょう。更新手続きする際の更新手数料労災事故の際の手続きに係る手数料退会を申し出た際の脱退手続きの費用組合員証の再発行の際の手数料上記のように、一口に事務手数料といっても様々なものが挙げられます。保険料が安くても事務手数料が高額であれば、結果的にトータルの金額は高くなる可能性も覚えておきましょう。サポート体制は充実しているか特別加入団体に加入する際は、その団体のサポート内容もしっかりと確認しておかなければなりません。特に確認すべき項目を以下にまとめておりますので一緒に確認していきましょう。電話で問い合わせをした際、担当者の方がスムーズに応対してくれるかメールで問い合わせをした際、返信までの時間がかかりすぎないかチャットツール、LINEアカウントなどすぐに質問できるツールがあるか公式WEBなどの公式FAQ(よくある質問)を見れば、大体のことが解決できるかなど、万が一の時にも心強いサポートを取ってくれる加入団体もありますので、確認しておきましょう。【まとめ】労災保険料は「安さ」だけではなく保証内容も確認しよう建設業で一人親方として独立する、したい方が労災保険に加入する時確認すべきポイントは加入団体の入会金と組合費で差がつくことです。国が保険料は定めているので、どの加入団体に加入しても大して差はうまれません。入会金等を抑えられる加入団体を見つけることで労災保険を安くする方法があります。ただし「安かろう悪かろう」という言葉もあるように加入後のサービスによっては、多少組合費の高い団体を選んだ方が良いパターンもあります。ですが各個人がどのサービスを重視するのかを確認し加入するようにしましょう。また団体の種類にもよるのですが短期加入、長期加入の有無は各団体によって取り扱いが違いますので注意が必要です。加入団体を変えて短期で見れば以前の団体の方が安かったとしても変更の際に係る事務手数料などを考えれば長期の方がお得になるといったこともあります。安く抑える方法もたくさん紹介してきましたが、良し悪しは各個人によって違いますので内容をしっかり確認した上で加入団体選びをしてくださいね。