建設業で外国人労働者を雇用するメリット・デメリットとは?採用時の注意点も解説

昨今様々な業種で人材不足が嘆かれていますが、その中でも特に建設業界では人材不足の問題が顕著になっています。建設業経営者の方のなかには

  • 様々な求人媒体に広告を掲載しても、中々人が集まらない
  • いざ採用できても数か月でやめてしまう

このようなお悩みを抱えている人も多いでしょう。
そこで今回は外国人労働者を雇う上でのメリット・デメリットや採用時の注意点などをご紹介します。

建設業における外国人労働者の人数

2011年は12,000人ほどだった建設業の外国人労働者は、2021年には10倍近い110,000人にまで増加しています。直接的にコミュニケーションが不要であるなど、言語の壁を取り除けることが建設業において多くの外国人労働者が活躍している大きな理由でしょう。
今や建設業において外国人労働者を採用することは珍しいことではありません。むしろ今後主流になっていく可能性さえあります。

建設業で外国人労働者を採用する際の注意点

外国人を雇用する上で注意するべきは以下の4つです。

  • 外国人雇用状況を提出する
  • 在留カードの確認をする
  • 雇用条件を同一にする
  • 外国語マニュアルの完備や教育の充実

このような確認は、日本人を雇用する場合は特に必要ありませんので、忘れがちですが抜けがないようしっかりと確認しましょう。以下、それぞれご紹介していきます。

外国人雇用状況を提出する

実際に外国人を雇用した場合、厚生労働大臣に「外国人雇用状況の届出」を提出する必要があります。
それに伴い雇用する外国人労働者に関する情報を収集する必要があります。氏名、国籍、在留カード番号、雇用開始日、雇用終了予定日、職務内容、給与などが含まれます。ちなみに離職の際にも同様の届け出が必要になるので注意しましょう。
また元請け企業へ「外国人就労者建設現場入場届出」が必要な場合もあります。しかしこれは全ての外国人労働者に必要なわけではありません。状況に併せて届出を用意しましょう。

在留カードの確認をする

日本に在住する外国人を雇用する場合には、それに応じた適切な資格が必要になります。まずは在留カードの有無を確認し、それから建設業に就労できる資格を所持しているかを確認しましょう。また有効期限のチェックもしっかりと行いましょう。社会問題にもなっている偽造された在留カードを所有している可能性も考えて、原本の確認を行いましょう。
その他には、在留カード上の個人情報(氏名、生年月日など)が、雇用契約と一致することを確認しましょう。不正な在留カードの使用を防ぐために、個人情報が一致していることが重要です。

雇用条件を同一にする

外国人労働者を雇用する場合、日本国内の労働基準法や労働条件に関する法律に従う必要がありますので、注意しましょう。給与、労働時間、休暇、福利厚生などの労働条件は、他の日本の従業員と変えてはいけません。その他にも労働時間や残業時間の扱いは、日本国内の法律に基づいて設定されなければなりません。法定の労働時間外労働手当や休日出勤手当を支払うことも必要です。
外国人労働者の権利を保護するために非常に重要なポイントとなります。雇用条件が不適切である場合、労働基準監督署などから罰則を受ける可能性がありますので注意しましょう。

外国語マニュアルの完備や教育の充実

外国人労働者の教育は、労働者のスキル向上だけでなく、職場内での安全性と円滑な労働関係の維持に大きく影響します。また法的要件を満たすためにも労働者に対する適切な教育が提供される必要があります。
日本語のスキルが不足している場合、基本的なコミュニケーションができるように外国人労働者に対して日本語教育を提供することが必要です。建設現場では、安全上の理由から指示や警告が正確に理解されることが不可欠です。また職場内で円滑なコミュニケーションを促進するためにも言語の習得は非常に重要です。

外国人労働者が所持している在留資格の種類

在留資格は、外国人のスキルや経験に合わせられます。日本で働く上で、外国人労働者は特定の在留資格を持って働く必要があります。建設業においてもそれは同様です。まず外国人の身分、留学生、家族滞在、永住者など、外国人の身分に基づく在留資格が存在します。その中で技能実習と特定技能の在留資格は、建設業界で外国人労働者を受け入れる際に一般的に使用されています。
その中でもいくつかの種類に分かれているなどありますので、ここでは以下3つについてピックアップしてご紹介します。

技能実習

技能実習は、日本で外国人労働者が特定の技術やスキルを習得し、実務経験を積むための在留資格です。この在留資格は、日本の建設業界を含むさまざまな分野で活用されています。技能実習は、建設業界においても外国人労働者を受け入れる際に役立つ在留資格の一つです。技能実習生としての外国人労働者は、技術の習得と労働力の補充に貢献することが期待されます。
ただ、技能実習の在留資格は期間が限定されています。技能実習生は、習得すべき技術に応じて決められた期間滞在し、その後は帰国するか別の在留資格に切り替える必要があります。

特定技能

特定技能は、日本が深刻化する人材不足を解消するため、外国人労働者の受け入れを促進するために設けた在留資格の一つです。特定技能制度は、外国人が日本で一定の職種で働くために必要なスキルや知識を評価し、適切な技能を持つ外国人に日本での雇用を提供することを目的としています。
特定技能は大きく2つのカテゴリーに分かれています。特定技能1号は、建設業、農業、宿泊業、飲食業、清掃業、介護業などの産業での就労を対象としています。特定技能2号は製造業の一部など、一定の技術を要求する職種に焦点を当てています。

技術・人文知識・国際業務

技術・人文知識・国際業務という在留資格は、日本での高度な職種や専門的な業務を行う外国人労働者を対象としています。国際的なプロジェクトに貢献し、国際協力や文化交流などの分野で活躍しています。この在留資格は、日本の産業や文化の国際化に貢献する一環として重要な役割を果たしています。
技術・人文知識・国際業務という在留資格を所持する外国人材は単純労働に従事することができません。大学などでの専攻もしくは実務経験を積んだ分野と、職務内容が関連している必要があります。

身分に基づく在留資格

身分に基づく在留資格は、外国人労働者が日本で特定の目的や身分で滞在するための在留資格です。在留資格は外国人の滞在目的に応じて異なり、日本での滞在を合法的に行うためには、該当する在留資格を取得する必要があります。また、在留資格の取得には特定の条件や手続きが必要であり、日本の入国管理局によって規制されています。
イメージしやすいところでは留学です。留学在留資格は日本の学校や大学に在籍する外国人留学生に与えられます。この在留資格を持つ外国人は、学業や研究を目的として日本に滞在し、学びながら文化交流を行います。その他にも家族滞在や定住者などさまざまな身分に基づく在留資格があります。

建設業で外国人労働者を雇用するメリット

日本人を雇用するのに対し、外国人を雇用するとなると言語や文化の違いから、難易度が高そうな印象を受けます。しかしその分得られるメリットがあるのも事実です。主に以下の3つです。

  • 社内の士気が上がる
  • 若い人材が確保できる
  • 海外進出の可能性

それぞれピックアップしてご紹介します。

社内の士気が上がる

外国人労働者の多くは若い労働者です。そのような若者が社内に増えると活気が湧きます。日本での労働賃金は、外国労働者にとっては母国での賃金よりも高額なケースが多いです。また母国の家族への送金など、一家を背負っている場合もあり、労働へのモチベーションが非常に高く、社内の活性化に繋がります。
ただし、異なる文化や言語を尊重し、適切なサポートを提供することが大前提となりますので、その辺りの環境整備を行いましょう。

若い人材が確保できる

外国人労働者の雇用のメリットの一つに若い労働者の確保があります。昨今、肉体労働の過酷さなどから、建設業の若者離れが進んでおり、高齢化がささやかれています。しかし建設業にとって若い活発な労働力は欠かせません。
外国人労働者は若年層が多く、建設業の若者離れを阻止する大きな手段となり得ます。

海外進出の可能性

少し難易度が上がる話ですが、外国人労働者を採用することで海外進出への足がかりとなる可能性もあります。実際に海外進出を遂げた企業も存在します。
現在日本では建設業が飽和状態に近づいています。そのような中、海外への販路を確保することで新たなビジネスの切り口となる可能性も多いに考えられます。
外国人労働者の母国や地域におけるつながりができることで、新しいプロジェクトの機会や協力パートナーを見つけるための貴重な資産となります

建設業で外国人労働者を雇用するデメリット

外国人労働者を雇用する上でもちろんメリットだけでなくデメリットも存在します。これは外国人労働者の雇用を検討する際に考慮する必要があります。

  • 文化や価値観の理解が必要になる
  • コミュニケーションが取りづらいこともある

企業はこれらの課題に対処するための戦略を検討し、外国人労働者との円滑な協力を図るために努力する必要があります。
しかしこれらを解決することができれば、先にあげた大きなメリットを享受することができます。

文化や価値観の理解が必要になる

外国人労働者を雇用する場合、文化や価値観の理解が必要不可欠です。異なる文化や価値観を持つ労働者が集まる環境では、相互の理解が円滑な労働関係の鍵となります。
そもそも生まれた国が違い、全く文化が違います。また、もちろん言語も違います。その他にも宗教的な要因からくる特別な休暇や食事の提供に関する異なる要望などがあるかもしれません。これらの要求に対処し、労働環境を適切に調整するなどお互いを尊重することができれば、円滑な人間関係を築くことができ、大きなメリットを享受できます。

コミュニケーションが取りづらいこともある

どのような職種においてもコミュニケーションは非常に大切な要素です。その中でも建設業は少しのコミュニケーションミスが事故に繋がる原因となることもあります。そのためより一層円滑なコミュニケーションに向けての取り組みが必要になります。
まずは言語習得のためのセミナーや外国人労働者向けの基本的な職場用語や指示の翻訳をすると良いでしょう。その他にも外国人労働者が質問をしやすい環境を作り、それを受け入れる文化を作り上げる事でより円滑なコミュニケーションが実現できます。

建設業におけるそのほかの人材不足の解決策

建設業における人手不足の解決策は外国人労働者の採用だけではありません。そもそも人手が少なくても業務を回せるようにITを活用した業務効率化や離職率を下げることなども大切です。詳しくは以下の記事で紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

建設業界における人手不足の対策|人手不足の原因や政府の対応も解説!

建設業の求人応募数を増やす方法

「求人を出してもなかなか応募数が増えない」という場合は、
・広報・採用活動を行う
・ターゲットの閲覧数を増やす
・求人票の中身を見直す
といった方法を試しましょう。また新卒採用か中途採用かによっても応募数を増やすコツは違います。詳しくは以下の記事で紹介しいるので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

建設業 求人【建設業必見】求人に応募が来ない理由とは?人手不足の解決方法を徹底解説

【まとめ】外国人労働者を増やして建設業の人材不足を解消しよう!

いかがでしたでしょうか。今回は、外国人労働者の雇用のメリット・デメリットや外国人の在留資格についてご紹介しました。
昨今様々な業種で人材不足が嘆かれている中、特に建設業界では若手の人材不足が顕著になっているのではないでしょうか。
そのような中、外国人労働者を採用することで人材不足問題の解決に近づけます。しかし外国人労働者は、日本で生まれ育った日本人とは考え方や言語も違います。それらをお互いに理解しあうことができれば、外国人労働者を雇用することで日本の雇用問題の解決の一つの手段となります。

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