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建設工事において、決められたとおりに施工されているかを証明するために、黒板を使った工事写真の撮影は欠かせません。しかし、書き方がわからず写真撮影に手間取ってしまう方もいるのではないでしょうか。
今回は、工事写真を撮影する際の黒板の書き方について解説します。書き方や撮影時の注意点を解説しますので、見やすい工事写真を撮影するための参考にしてください。
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工事写真における黒板の役割
工事写真を撮る際になぜ黒板を入れるかというと、進捗状況や作業のポイントをわかりやすく伝えるためです。ただ写真を撮影しただけでは、作業風景の記録でしかありません。
しかし、黒板に必要事項を記載して一緒に撮影することで、発注者や施工管理者が工事の状況を把握しやすくなります。現場での作業状況や規定の品質を満たしているかをチェックできるため、工事写真における黒板は情報共有に有効なツールの1つです。
工事写真における黒板の書き方の注意点
工事写真で黒板を入れる際、書き方に注意する必要があります。ここでは、そうした黒板の書き方の注意点を解説します。工事写真に黒板を入れる際は、以下のポイントに注意してください。
- 5W1Hが分かる内容にする
- 丁寧な文字で記入する
- 黒板の書き方は統一する
- 写真でも分かりやすい文字で記入する
- 黒板は撮影場所が分かりやすい位置に置く
5W1Hが分かる内容にする
工事写真で一緒に撮影する黒板には5W1Hが分かるように記載しましょう。工事写真における5W1Hとは、撮影日や撮影時間、撮影者や撮影対象などを指します。加えて、寸法などを撮影する際は撮影対象の寸法も記載が必要です。
撮影する工事写真が何を記録しているのかを黒板に記載することで、写真が記録資料としての機能を果たします。撮影する状況ごとに、何を記録しているのかが分かる内容を記載しましょう。
丁寧な文字で記入する
黒板に記載する内容は、丁寧な字で記入しましょう。どのような文字でも、汚いと読みづらく、記載内容を理解されないこともあります。工事写真は作業状況や品質を証明する資料にもなるため、理解できないような文字では意味がありません。
工事写真を見て黒板の内容が理解できなければ意味がないため、見やすく綺麗な字で記入しましょう。
黒板の書き方は統一する
黒板の書き方は統一することが重要です。工事写真を撮る際、黒板を書く人がバラバラになることもあります。そのようなときに、書き方が統一されていないと見づらく記録のための資料として利用できない恐れがあります。
しかし、書き方を統一することで見やすくなり、資料としてまとめやすくなります。フォーマットなどをあらかじめ用意しておくとスムーズなため、工事が始まる前に準備しておきましょう。
写真でも分かりやすい文字で記入する
黒板に書く際は、写真でも分かりやすい文字で記入する必要があります。なぜなら、丁寧に書いても写真で見た際に分かりづらければ、何を写している写真か判別できないからです。
工事写真を撮る際、黒板に記載する内容が多過ぎて文字が小さくなってしまうことがあります。不要な情報を消して、必要な内容だけを記載して写真で見やすいように工夫してみましょう。
黒板は撮影場所が分かりやすい位置に置く
工事写真を撮影する際は、はっきりと内容が確認できる位置に黒板を置きましょう。黒板が見切れていたり、何かで隠れてしまっては意味がありません。そのため、黒板がはっきりと画面の中で見える位置に調整することが重要です。
屋外工事では日光の反射などにより、黒板が見えづらいこともあります。そのような場合には、黒板の周りで日光を遮ったり角度を変えたりして、写真で見た際に分かりやすいように調整しましょう。
工事写真における黒板の種類
工事写真を撮影する際に使う黒板には、通常の工事用黒板と電子黒板の2つがあります。それぞれにメリットとデメリットがあり、特徴も異なります。ここではそれぞれの特徴とメリット・デメリットを解説しますので、違いを把握して適切な方を選べるように知識を身に着けてください。
工事用黒板
工事用黒板は、建設現場で多く使われる一般的な黒板です。工事写真を撮影する際、最低限必要な項目があらかじめ枠として用意されています。もともとある項目に加えて必要な情報を記載し、作業現場に設置して写真を撮影します。
自由度が高いため、どのような内容でも書きやすく、あらゆる工事現場での写真撮影に使用可能です。
メリット
工事用黒板のメリットは、自由度が高く状況に応じて柔軟に使用できることです。あらかじめ用意されている枠の部分以外は広いスペースとなっており、記載内容は状況に応じて変更が可能です。そのため、場所や状況を選ばず使えます。
また、ただ黒板に書くだけのため、誰でも使えます。破損しない限り使い続けられるため、1つあれば何年にもわたって使用可能です。
デメリット
工事用黒板のデメリットは、天候や時間など状況によって使いづらくなることです。一般的な工事用黒板は、チョークで記載します。しかし、雨が降ったり水滴が付いたりすると、文字が書けなくなります。
また、光の当たり方によっては、写真で見た際に黒板に記載してある内容が判別できないことも珍しくありません。そのため、工事用黒板を使用する際は、どのような状況でも使用できるように工夫することが重要です。
電子黒板
電子黒板とは従来の工事用黒板をデジタル化したもので、あらかじめ設定することで撮影された写真に黒板が挿入されます。黒板に記載する内容をデジタルで入力できるため、補足情報などの追加も可能です。
近年ではスマートフォンにインストールするアプリも多く、そのようなツールを利用して工事写真を撮影する建設会社も増えています。
おすすめの電子黒板アプリについてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
工事黒板アプリおすすめ7選!メリットや選ぶときの注意点などを解説メリット
電子黒板のメリットは、物理的な黒板を携帯しなくて良いことです。一般的な工事用黒板は、写真撮影のために持ち歩かなければいけません。しかし、電子黒板であればスマートフォンなどで良いため、黒板を持ち歩く必要がありません。
また、物理的な黒板では、現場の状況によって使いづらい場面があります。しかし、電子黒板であればそのような不便な点を解消できるため、手軽に黒板を入れた工事写真の撮影が可能です。
デメリット
電子黒板のデメリットは、慣れるまで時間がかかることです。一般的な工事用黒板とは違い、電子黒板は電子機器のため、使い方に慣れる必要があります。そのため、すぐには使いこなせない方も少なくありません。
また、電子黒板はデジタルツールのため、激しい雨の中や粉塵が多く発生する現場では故障することも想定しておく必要があります。使えなくなった場合の予備や代替手段を用意しておきましょう。
工事写真を撮るときの注意点
先ほどは黒板の書き方の注意点を解説しましたが、ここでは工事写真を撮影する際に注意すべきポイントを解説します。工事写真を撮影する際は、次の4つのポイントに注意しましょう。
- 事前に写真の撮影計画を立てる
- 写真は編集できないことを意識する
- 黒板の文字が見えるよう撮影する
- 自治体のルールを守る
- 同じアングルで撮影する
事前に写真の撮影計画を立てる
工事写真は、作業中に撮影しなければいけないことも珍しくありません。しかし、撮影を優先して作業が止まったり、作業員の邪魔になってはいけません。そのような事態にならないように、事前に写真撮影の計画を立てることが重要です。
どの作業でどういった写真を撮るかを計画し、写真撮影が必要な作業がある日の朝礼などで周知します。こうすることでスムーズに工事写真の撮影が可能です。
写真は編集できないことを意識する
工事写真は、基本的に編集できないことを意識しておきましょう。公共工事を発注する国土交通省は、信憑性の観点から工事写真の編集は認めていません。この方針を受けて、民間の工事でも工事写真の編集は認められないケースが多くあります。
そのため、工事写真を撮影する際は写り方に注意をし、誰が見ても内容を判別できるように場所や撮り方を工夫しましょう。
黒板の文字が見えるよう撮影する
先ほど、写真は編集できないと解説しましたが、自治体によっては多少の編集を許容していることがあります。そういった点を踏まえて、自治体が定めたルールを守ることが重要です。例えば、富山県では回転やパノラマ、明るさの補正程度は認められています。
自治体が定めたルールを守らなければ、成果物として認められないこともあります。写真に関する自治体のルールを事前に確認し、決められた内容の遵守に努めましょう。
同じアングルで撮影する
工事写真を撮影する際は、同じアングルで撮影しましょう。工事写真の中でも現場の状況を撮影する場合は、施工前と施工後の2回に分けて写真を撮ります。その際、同じ作業場所でも撮影する角度が異なると、正しく施工が完了したか判定できない場合もあります。
その場合、トラブルになることもあるため、施工状況に関する写真は同じアングルから撮影して作業前後の違いが一目で分かるようにしましょう。
工事写真台帳の作成手順
ここまで、黒板の書き方や撮影に関する注意点を解説してきました。ここからは、工事写真台帳の作成手順を解説します。工事写真台帳を作成する際は、次の手順を参考にしてみてください。
- 写真を用意する
- 工事写真台帳の表紙を作成する
- 必要な情報を記載する
- 写真を並べ替える
- 補足情報を追記する
1.写真を用意する
工事写真台帳を作成する際は、なにより写真の用意が重要です。作成する台帳により必要な写真は異なりますが、基本的には以下の種類が必要です。
- 既済部分写真等含む着手前及び完成写真
- 施工状況写真
- 使用材料写真
- 安全管理写真
- 出来形管理写真
- 品質管理写真
- 事故写真
- 災害写真
工事ごとにどのような写真が必要かあらかじめ計画しておきましょう。
2.工事写真台帳の表紙を作成する
工事写真台帳を作成するにあたり、表紙を作成しましょう。表紙にはどのような工事だったかが一目で分かるように、必要な情報を記載する必要があります。一般的に工事写真台帳の表紙に記載する項目は以下の4つです。
- 工事名
- 場所
- 工期
- 施工者名
表紙の記載内容に過不足がないか不安な場合は、発注者に確認してみましょう。
3.写真を並べ替える
写真の用意と表紙の作成が終わったら、写真を並べ替えます。並べ方は、各作業や施工箇所の施工前と施工後を横や縦で並べると分かりやすくなります。施工中の写真を入れる際は、施工前と施工後間に挟み込みましょう。
国土交通省では写真管理基準を定めているため、公共工事ではこうした基準に沿う必要があります。発注者や元請会社によって写真の並べ方にルールがある場合もあるため、作業の前に確認しておきましょう。
4.補足情報を追記する
写真の並び替えまで完了したら、補足情報を追記しましょう。写真や黒板だけではわからない場合、必要な情報を記載します。また、似たような写真が連続する場合は、順番に番号を振ることで分かりやすくなります。
補足情報は写真や黒板の内容だけで理解できれば、記載する必要はありません。補足情報の追記が必要か迷う場合は、台帳の提出前に発注者や元請に写真を確認してもらいましょう。
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この記事では、工事写真と撮影に欠かせない黒板について解説しました。近年は電子黒板を採用する会社も多くなり、書き方や撮影の際にそこまで注意する必要がない現場も増えています。しかし、まだまだ一般的な工事用黒板を使用する現場は数多くあります。
どのような現場でも対応できるよう、今回解説した内容を参考に工事写真の撮影方法や黒板の書き方をマスターしてください。
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