工事写真の撮り忘れを防ぐ5つの方法や撮り方の注意点などを解説!

工事写真 撮り忘れ

建設業における工事写真は、工事の進捗を記録したり、竣工後の保証や保全に関わる重要な資料です。しかし、現場は常に工期に追われ多忙な状態なので、撮り忘れてしまうこともあります。今回は、工事写真の撮り忘れを防ぐ5つの方法を中心に解説します。工事写真の重要性や、写真撮影のポイントや注意点などにも言及しますので参考にしてください。

工事写真の重要性

工事写真の重要性について、写真撮影の目的を踏まえながら次の3項目にフォーカスして説明します。

  • 工事の進捗確認
  • 品質・出来高の確認
  • トラブル防止

以下、順に説明します。

進捗確認

工事写真は、施工記録として進捗状況の確認に役立ちます。当初の計画に対する遅れやリカバリーするための方策について検討するときに工事写真は欠かせません。建設工事の場合は、完成後に資材などで見えなくなることがあります。その場合でも工事写真があると施工の状況が後から確認できるため、アフターフォローや修繕が必要になった場合でも工事写真があると具体的な計画立案が可能です。

品質・出来高の確認

工事写真は品質管理に役立ちます。竣工後、施主への引き渡しの際は当初の設計通りに施工され、一定の品質基準を満たしているかの確認が必要です。工事写真を記録することで寸法・材質・機能・強度が確認でき、品質が確保されている証拠となります。また、工程毎に写真を撮ることで、各段階での出来形・出来高を確認することも可能です。

トラブル防止

工事写真は建設現場でクライエントや事業者間でトラブルが発生した際にも役立ちます。工程の各段階で定点観測した写真は、明かな施工時の証拠として事実確認が可能です。また、大規模修繕などでは施工後しばらくたったときに不具合が発生することがあります。その場合も、施工当時の写真で仕様どおりに工事が行われていることが証明できるので、トラブルのリスクが低減できます。

工事写真の撮り忘れで発生するトラブル

工事写真を撮り忘れると工事の進捗が正確に確認できません。施工計画とのずれが生じた場合には原因の特定や対処が遅れて工期に支障をきたすこともあります。また、後工程で問題が発覚して工事のやり直しを余儀なくされるなどのリスクもあるため注意が必要です。定期的に工事写真を撮影することでこれらのリスクを低減できます。

撮り直しは難しい

後で工事写真の撮り忘れに気がついた場合は再撮影が必要です。ただし、撮り直しに余計なコストがかかったり撮り直し自体が困難な場合があります。翌日の撮り直しになると写真帳の提出の遅れは免れません。また、工事が進行して撮り忘れた当該箇所が隠れてしまうと再撮影は困難です。現場が遠方なら移動コストがかかります。写真の撮り忘れはこれらのリスクを伴うので注意が必要です。

信頼関係がなくなる場合も

工事写真の撮り忘れはクライアントとの信頼関係の低下をまねきかねません。クライアントは工事写真をとおして作業の進捗状況を確認します。工事写真を撮り忘れることでクライアントとのコミュニケーション不足から関係悪化につながるだけでなく、クライアントからの将来的な仕事の受注にも影響を与えかねません。

金銭トラブルがあった場合、証拠不足になる

工事写真の撮り忘れは最悪の場合、クライアントとの金銭トラブルにつながりかねません。工事ではしばしば施工箇所の詳細を巡ってクライアントとの間でトラブルが生じます。工事写真は、施工が事前の計画通りに実施されていることを証明する証拠となるため、撮り忘れのないように注意しましょう。

資料の共有が遅れる

工事写真は工事の進捗の確認や共有に欠かせない大事な資料です。仮に工事写真を撮り忘れると現場やクライアントとの施工状況確認、資料共有に遅れが生じる可能性があります。

工事写真を撮り忘れてしまった時の対処法

続いて工事写真を撮り忘れてしまった場合の対処法をご紹介します。工事写真を撮り忘れた際は下記の4つの対処法を試しましょう。

過去の写真を確認する

工事写真を撮り忘れた場合は、過去の工事写真のなかから工事状況を補完できる資料や写真があるかどうか確認してみましょう。

ヒアリング

工事では工事写真の担当者以外が施工のために写真を撮影しているケースがあります。工事関係者にヒアリングして、当該箇所の写真を持っている人がいるかどうか確認してみましょう。

再度写真を撮る

撮影し忘れた工事写真が施工台帳などに必須のものである場合、写真の再撮影を検討しましょう。場合によっては工事を差し戻す必要がありますが、すべての工程を完了したあとに再度施工するよりも時間とコストがかかりません。

説明を行う

仮に工事写真を準備できない場合でも、補足資料を用いた説明を行うことで代替できることがあります。工事写真の撮り忘れはミスにあたるため、誠実に状況を説明しましょう。

工事写真の撮り忘れを防ぐ5つの方法

前述したように、工事写真の撮り忘れは様々なリスクを伴います。そこで、撮り忘れを防ぐ方法を紹介しましょう。ポイントは以下の5つです。

  • 作業スケジュールに撮影を取り込む
  • 撮影担当者を明確にする
  • チェックリストを作る
  • 撮影のタイミングにアラームを設定する
  • 工事写真の重要性をチームで把握する

以下、順に説明します。

作業スケジュールに撮影時間を組み込む

1日の作業スケジュールに工事写真を撮影する時間を組み込むことで撮り忘れを防止できます。撮影するタイミングはその日の作業の中で区切りの良い時間帯を定期的に決めておくと良いでしょう。例えば、始業時やお昼休みの前後、作業終了後などです。現場の担当者や作業者に周知しておくと、互いのフォローし合えるので撮り忘れのリスクはかなり低減できます。

撮影担当者を明確にする

工事写真の撮影責任者をあらかじめ指定するのも撮り忘れを防ぐ手段の1つです。一貫した管理ができるように責任者には撮影計画の立案から撮影した写真の管理までを一任しましょう。責任者は工事計画書や工程管理表を基にしながら、撮影のタイミングやポイントを計画します。作業の進捗状況や変化をしっかりと把握しておけば撮り忘れのリスクが軽減できます。

撮影チェックリストを作成する

写真撮影のためのチェックリストを作成して活用すると、必要な情報をもれなく撮影して管理できます。チェックリスト項目は、特定された施工箇所や、使用する資材、安全対策の確認状況などです。担当者は、チェックリストを基に工事写真を撮影し管理することで撮り忘れや撮影漏れのリスク軽減が可能です。工事写真が工程ごとに管理されていると、閲覧した際に変更点や進捗状況が明確に理解できます。

撮影タイミングに合わせアラームを設定する

工事写真の撮影時間を決めたとしても、実際の現場では複数のタスクを抱えて多忙な場合には撮影を忘れてしまうこともあります。予防策としてアラームやリマインダーを設定すると効果的です。最近では写真撮影にスマートフォンやタブレットを利用する人が増えています。現場の端末にアラームやリマインダーを設定するだけでもリスクの軽減につながります。

撮影の重要性をチームで共有する

工事写真の重要性を現場の作業員全員に共有しておくことも撮り忘れを防ぐ手段です。施工状況の把握や効率的なプロジェクト進行に工事写真が役立つことを良く知ってもらいましょう。作業員個々に重要性が共有できれば、工事写真に対する意識が向上して優先度も上がります。撮影に対する意識向上がチーム全体で撮影をフォローしあえる環境につながり、撮り忘れのリスク軽減が期待できます。

工事写真の撮り方のポイント

ここからは、工事写真の撮影のポイントについて説明します。ここで着目するのは次の6つです。

  • 施工前に撮影計画を立てる
  • 5W1Hを意識して写真を撮る
  • 完成形をイメージしながら撮影する位置を決める
  • 黒板の位置や読み取りやすさを確認する
  • 撮影機材を確認する
  • 撮影した工事写真はその場で確認する

以下、順に説明します。

施工前に撮影計画を立てる

工事写真を撮影するには、施工前の計画立案と作業員への情報共有が重要です。施工を始めた後に突然写真撮影を申し出ると、作業を中断しなければならないなど効率が悪くなります。計画が十分共有されないまま施工が進んで、必要な撮影箇所が隠れてしまうと撮影できません。コンクリート打設前に撮影が必要な配筋検査の証拠写真などは注意が必要です。施工前に撮影計画を立案し必ず作業員に情報を共有しましょう。

5W1Hを意識して写真を撮る

工事写真を施工後の証拠写真とするには次に示す5W1Hが写真から汲み取れることが大事です。

  • When(いつ)・・・撮影時期・施工前後の工程名
  • Where(どこで)・・・撮影箇所(施工部位)
  • Who(誰が)・・・受注者・請負業者・立合者
  • What(何を)・・・工事名や工事種目・分類
  • Why(なぜ)・・・施工目的や寸法・規格
  • How(どのように)・・・施工方法や施工状況

上記の項目や情報が十分に伝わらないと思われる場合は、補足事項を記載した黒板や、添尺を一緒に撮影して補填します。

完成形をイメージしながら撮影する位置を決める

写真を撮るときには、撮影する位置や角度、光の加減も考慮しましょう。前述したように工事写真からは5W1Hが汲み取れる必要があります。重要なのは写真の完成形をイメージしながら撮ることです。撮影位置が対象物に近すぎると必要な情報が写真枠内に入らない可能性があります。遠すぎると細かい箇所が確認できません。太陽の位置にも注意しましょう。太陽を背に受けると自分の影が対象物に入る可能性があります。

黒板の位置や読み取りやすさを確認する

黒板は対象物の補足説明をする役割があり、工事写真を撮影するうえで欠かせないパーツです。黒板に記載する文字や書き方について注意する点は以下の4点です。

  • 適切な文字の大きさと濃さ
  • 記載内容に間違いや過不足がない
  • 太陽光などの反射や影がない
  • 対象物を隠していない

撮影時には、黒板の位置や向き、記載内容について十分に確認しましょう。

撮影機材を確認する

撮影前に必要な機材を確認するのも大切です。施工計画を邪魔しないように事前にチェックしておきましょう。主な機材は次のとおりです。

  • カメラ
    ・・・鮮明な画像を取得するためにデジタルカメラが主流です。解像度の高いスマートフォンやタブレットを使用する現場も増えています。
  • 三脚
    ・・・手振れ対策や撮影位置の固定に使用します。
  • 計測器具
    ・・・添尺などの計測器具は工事写真で工事の品質確認に必要です。
  • 黒板・ホワイトボード
    ・・・工事写真の情報を補完するために筆記用具とともに準備しましょう。

撮影前に付属品のチェックも必ず行いましょう。カメラのバッテリーや保存容量も確認が必要です。最近のタブレットには、小黒板の機能を持つアプリに対応しているものもあります。アプリに文言を打ち込むだけで黒板の代わりになるため便利です。

工事写真はその場で確認する

撮影した工事写真は必ずその場で確認しましょう。施工箇所や対象物のピントがズレていないか、鮮明に写っているかチェックが必要です。確認をしないまま施工が進んで対象箇所が隠れてしまうと重要な情報の撮り直しができません。撮影後に確認するときは、前述した5W1Hに従って行いましょう。後々の証拠写真として必要な情報が汲み取れるかが重要です。

工事写真の撮り方の注意点

最後に工事写真を撮影するときに気を付けることを解説します。写真撮影時の注意点は次の3点です。

  • 写真の補正や加工をしない
  • トリミングしない
  • 写真のバックアップは必ず保存する

以上の注意点について以下に詳しく説明します。

補正などの加工をしない

国土交通省の「デジタル写真情報管理基準」によると、工事写真の補正や加工はすべて禁止されています。撮影した写真に補正や加工を加えると工事の証拠写真として提示できません。現場が暗かったとしても明るさやコントラストなどの調整ができないので注意しましょう。環境に十分気をつけ、撮った写真はその場で必ず確認することが必要です。

トリミングしない

デジタル写真情報管理基準では、工事写真に写り込んだ不要なものや人物をトリミングで切り取ることも禁じています。対象物が小さく写ってしまったために拡大して良く見えるようにすることもトリミングです。また、対象物が大きいためにパノラマ写真にして全貌を撮影することもできません。工事写真撮影時には、周囲の状況に注意を払って不要なものや人物が写り込まないようにしましょう。

写真のバックアップを保存する

撮影した工事写真は必ずバックアップを取っておきましょう。デジタルカメラで撮影した画像ファイルは間違って消去してしまうことも考えられます。万が一のときに備えて外付けハードディスクや共有サーバなど複数の媒体への保存がおすすめです。

クラウドを利用して保存しておくと、現場の工事写真が社内外で共有できるので様々な場所からアクセスできます。

十分な容量があるか確認する

工事写真は細かな施工箇所を含めて多くの枚数を撮影します。スムーズな工事写真撮影のために、カメラに写真を保存する十分な容量があるかどうかを確認しましょう。

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【まとめ】工事写真の撮り忘れを防止するためにもチームで重要性やスケジュール共有をしっかり行おう

工事写真は施工履歴を確認したり、問題が発生した時の迅速な対応に利用できる重要な書類です。クライエントとのトラブルが発生した場合の証拠書類にもなります。そのため、撮り忘れがないように注意しなければなりません。時間を決めて定期的な撮影をしたり、撮影スケジュールを現場の作業員に周知させることで撮り忘れのリスクを軽減できます。チーム全体で工事写真の重要性を共有して抜けのないように撮影を実行しましょう。

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