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工事見積書は建設工事の項目や合計金額、諸経費などの内訳が記載されている重要な書類です。
- 工事見積書って何?
- 工事見積書に記載する諸経費って何?
- 作り方は?
こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は工事見積書について詳しく紹介していきます。また、工事見積書の構成や作成ポイントなども詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
工事見積書とは
工事見積書とは、建設工事をする際に発生する金額や工事場所などが書かれている書類です。工事見積書には、工事費用のほかにも工事が完成するまでの期間やそのほかの工事内容などが記載されています。
工事見積書の役割
工事をするときの設計図や工事現場の状況を確認しながら工事見積書を作成します。建設工事は、工事を依頼してきた発注者が建設会社に図面や条件などを提示します。作業員はその工事見積書を確認しながら、新しく建物を建設します。工事見積書は書かれている内容やページ数が多いですが、工事の内訳を確認するための大切な書類です。
工事見積書の構成
工事見積書を作るときの構成について紹介します。
- 見積書表紙
- 見積内訳書
- 見積条件書
上記内容をそれぞれ見ていきましょう。
見積書表紙
見積書の表紙には工事の内容が分かる項目を記載します。
- タイトル(御見積書)
- 名前(依頼主の名前)
- 金額(見積金額)
- 日付(見積書を作った日付)
- 工事の名前、場所、概要など
- 法定福利費
- 工期や支払い条件
- 担当者の名前
- その他
書き方が分からないときは、国土交通省のホームページで工事見積書の書式があるので参考にしましょう。
合計金額
合計金額は見積書表紙の中で最も重要な部分なので、表紙の中央に太文字で記載されます。記入するときは、消費税と製品金額を分けて記入し、さらに外税と内税が分かるようにしましょう。また、改ざんを防止するために合計金額のところに「-」記号を記入しましょう。
法定福利費
法定福利費は従業員が加入している社会保険のことを言います。
- 厚生年金
- 雇用保険
- 介護保険
- 健康保険
- 児童手当拠出金など
国土交通省では、見積書に法定福利費の明記が定められており、依頼主は会社の従業員が加入している法定福利費を正確に記載するようになりました。
工事に関する項目
見積書表紙には工事に関する情報を記載します。
- 工事名
- 工事場所
- 工事の概要
- 有効期限
- 工期
- 支払い条件など
「工事名」は工事の件名を記載し、官公庁の工事のときは決められた工事の名前を書きます。「工事場所」は工事を行い場所を記入しますが、住所で書くこともあります。
「有効期限」「工期」「支払い条件」などは見積書の有効期限や工事の納期、契約のときに決めた支払い条件などを記入します。
作成者に関する項目
見積書を作った人の名前、会社名、電話番号、住所などを記入します。記入した横には、会社の印鑑や担当者の名前が入った印鑑を押します。インターネット上で見積書のやり取りをするときも、見積書を一度印刷して押印、そのあとに再度パソコンに取り込んでから渡します。
見積内訳書
見積内訳書には、個別の工事名や内容が記載されています。設備工事や仮設工事、躯体工事などが記載されており、費用や材料費、単価が書かれています。見積内訳書に記載されている単価は、材料費や労務費などが一緒になった複合単価が掲載されています。
工事費・工事価格の構成
工事費や工事価格は、個別工事で発生する費用と経費が一緒になった金額です。建築工事、外構工事、設備工事などの工事費用に経費が一緒になった金額が工事価格として計上されます。各種費用は以下の通りです。
- 直接工事費
- 現場管理費
- 共通仮設費
- 一般管理費
「直接工事費」は建築工事、設備工事などの個別工事をすべて合わせた費用のことをいいます。工事に直接かかる費用なので、職人さんの労務費や材料費なども計上します。
「現場管理費」は工事現場を管理する人にかかるお金で、現場監督の交通費や給与などを計上します。「共通管理費」は、間接的に工事に関わる費用のことで、仮設事務所のフェンスや水道電気代などが含まれます。
「一般管理費」は、建設会社で働く従業員の給与やオフィスの家賃、水道光熱費などが当てはまります。
費用計上するときは、どれに対してお金がかかったかを明確にしましょう。
見積条件書
見積条件書とは、どこからどこまでを工事範囲にするかを記載する項目です。依頼主がどのような条件で見積書を作成したかが分かります。施工範囲や工期などが記載されています。
- 一般的な記載内容
- 記載する必要がある8項目
上記内容をそれぞれ見ていきましょう。
一般的な記載内容
一般的な条件書には、様々な決まりごとが記載されています。
- 工事を始める時期や完成の時期
- 工事内容
- 請負代金について、または支払い時期や方法
- 工事着手の延期や中止があったときの金額変更および算出方法
- 天災やその他で工期が変更になったときの負担額および算出方法
- 値段の変動や変更に対する請負代金、工事内容の変更など
- 第三者が被害を受けた時の賠償金について
- 建設機械の貸与、材料の提供をしたときについて
- 工事の一部完成または全部完成をしたときの検査および引き渡し時期について
- 工事完成後の支払い方法や時期
- 当事者が不履行をした場合の延滞利息や違約金について
- 契約の紛争を解決する方法
上記以外にも細かく条件が書かれているので、1つひとつ確認しましょう。
記載する必要がある8項目
見積条件書には必ず明記する内容が8つあります。
- 施工場所
- 設計図
- 工事の名前
- 見積条件やそのほかの関係部位、特殊部位について
- 下請工事の工程、全体像
- 施工環境や制約
- 下請けの負担費用
- 産業廃棄物や材料費について
上記を明確に記載すると、依頼主側と工事現場側の両方が同じ認識で確認でき、トラブルを回避できます。しっかり記載しましょう。
工事見積書の諸経費について
工事見積書に記載する諸経費について紹介します。
- 諸経費の内訳
- 諸経費を見積内訳書へ記載する方法
- 諸経費を見積内訳書へ記載しない方法
上記内容をそれぞれ見ていきましょう。
諸経費の内訳
諸経費とは、工事と直接関わる費用ではないが、工事完成に必要な費用のことをいいます。諸経費の相場は、工事と直接関わる費用の5〜10%といわれています。
現場管理費
現場管理費とは、工事で働く人や現場でかかる費用のことです。
- 従業員の給与手当(給与、交通費、賞与など)
- 労務管理費(ミーティング費用、クリーニング代など)
- 法定福利費(雇用保険や健康保険など)
- 保険料(火災保険、工事保険など)
- 通信交通費(ガソリン代、携帯電話料金など)
- 機材損料(機材の修理や管理費)
- 施工図作成費(図面の外注費)
- 近隣対策費(カラーコーンや囲いなど)
- 補償費(騒音や振動などを対策するための費用)
- 地代(現場の仮設事務所の地代)
- 租税公課(印紙代、手続き費用など)
以上のような項目が現場経費として扱われます。
現場管理費の詳細についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
現場管理費とは?一般管理費との違いや内訳、計算方法も解説!一般管理費
- 法定福利費(従業員の雇用保険料など)
- 労務費(本店や支店従業員の給与や賞与)
- 福利厚生費(本店や支店の従業員の娯楽費用)
- 広告宣伝費(広告や宣伝に使う費用)
- 事務所家賃(事務所の家賃)
- 調査研究員(研究や調査の費用)
- 水道光熱費(事務所の水道や電気、ガス代)
- 減価償却費(建物や機材などの減価償却費)
- 雑費(その他の費用)
- 租税公課(固定資産税など)
以上のような項目は会社に使う費用となり、一般管理費として扱われます。
諸経費を見積内訳書へ記載する方法
見積内訳書に諸経費を記載するときの決まりはありません。会社ごとによって異なりますが、一般的には名前、概要、金額に項目を分けて記入します。
- 名称(諸経費)
- 概要(人件費)
- 金額(〇〇円)
テンプレートなどはありませんが、表を使って記入すると分かりやすく作れます。
諸経費を見積内訳書へ記載しない方法
見積書には会社で算出した合計金額のみを記載するケースもあります。ただし、諸経費の合計金額だけを記載すると細かいことが分からないため、依頼人が疑問に思うかもしれません。依頼人から内訳の質問をされたときにすぐ答えられるよう、諸経費の内容はしっかりメモしておきましょう。
工事見積書の作成ポイント
工事見積書を作成するときは、階層分けをするのがおすすめです。階層分けとは、内訳の項目ごとにカテゴリーを作って記載することです。例えば、住宅工事の場合、「設備工事」「電気工事」「建築工事」と3つのカテゴリーに分けられます。そこから枝分かれのように項目を記載していきます。ただし、あまり細かく記載すると、見づらくなるので気をつけましょう。
工事見積書を作成するツール
工事見積書は最初から作るとかなりの時間がかかります。エクセルや見積作成ソフトなどの工事見積書ツールを使えば簡単に作れます。
エクセル
工事見積書はエクセルでも作れます。エクセルには関数が設定されているテンプレートがあり、エクセルを使ったことがない人でも工事見積書の作成が可能です。インターネット上にあるエクセルテンプレートが無料で使えることが多いので、お金が発生しません。工事見積書を手軽に作りたい人はエクセルのテンプレートがおすすめです。
見積作成ソフト
工事見積書の作成に時間がかかる人は見積作成ソフトがおすすめです。見積作成ソフトを使うと階層分けが簡単に作れます。また、見積もりから発注までソフト1つでできるため仕事の効率化が図れます。
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引用元:アイピア公式サイト
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建設業の見積ソフトについてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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【まとめ】工事見積書は依頼主が発注するか判断する材料の1つ!抜け漏れなく作成しよう
工事見積書には金額のほかにも工事内容や工期など様々な情報が掲載されており、発注者、受注者どちらにも必要な重要書類です。どちらにとっても重要な書類なので、抜け漏れなくしっかり作りましょう。
工事見積書の書き方や作成方法・注意点についてや、電気工事での見積ソフトについてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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