建設物価とは?積算で活用する方法やメリット・Web版などを解説

建設物価とは

建設業界で働く積算担当者の方は、正確な見積作成のために日々奮闘されていることでしょう。市場価格を把握し、適切な価格設定をするためには、信頼できる情報源が不可欠です。そこで重要な役割を果たすのが、建設物価調査会が発行する「建設物価」です。この記事では、建設物価の概要や積算での活用方法、メリット、Web版の特徴などについて解説します。ぜひ参考にしてください。

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建設物価とは

建設物価は、建設業界における資材や労務費の市場価格を知るための重要な指標です。ここでは、建設物価の成り立ちや特徴について説明します。

建設物価調査会の月刊誌で発表される物価

建設物価は、一般財団法人建設物価調査会が毎月発行している物価資料です。建設工事で使用される各種資材の価格や労務費、建設機械のリース料などが、全国の主要都市ごとに掲載されています。

建設物価調査会

建設物価調査会は、1947年に大阪で設立された物価調査会が前身です。当時は戦後の混乱期で、ヤミ値による取引が横行する中、聞き取り調査により実勢価格を収集し「諸物価調査報告書」を発行しました。

その後、公的な調査機関としての公正性を保つため、1955年に財団法人建設物価調査会となり、現在は一般財団法人として活動しています。

市場単価

市場単価とは、建設工事における労務費や資材費などを含めた総合的な取引価格のことです。建設物価調査会は、調査員による聞き取りやアンケートなどを通じて、実際の取引価格を調査しています。つまり、市場単価は机上の計算ではなく、実勢を反映した価格といえます。

建設資材物価指数

建設資材物価指数は、建設工事で使用される資材の価格変動を指数化したものです。一定の数量・規格の資材を対象に、基準時点からの価格変化率を表しています。この指数により、資材価格の時系列的な推移や地域差を知ることができます。

建設資材物価指数と建築費指数の違い

建設資材物価指数が資材のみを対象とするのに対し、建築費指数は資材だけでなく、人件費や諸経費なども含めた建築工事全体のコストを指数化したものです。したがって、建築費指数は建設資材物価指数よりも包括的な指標といえます。ただし、建築費指数は構成要素が複雑なため、5年ごとに改定が行われています。

諸経費についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

工事見積書の諸経費とは?内訳や説明するときのポイントなどを解説

建設物価を積算で活用する方法

建設物価は積算業務に欠かせない資料ですが、具体的にどのように活用すればよいのでしょうか。ここでは、建設物価を積算に役立てる方法を3つ紹介します。

  • 積算価格を市場単価方式で算出する
  • 建設物価指数を使用し今後の建設物価を予測する
  • 積算ソフトを利用し見積もりを作成する

順に解説します。

積算価格を市場単価方式で算出する

従来の積算では、資材費や労務費を詳細に積み上げる方式が主流でした。しかし、近年は市場単価方式も広く採用されるようになりました。市場単価方式では、建設物価に掲載された市場単価を使用して積算を行います。実勢価格をダイレクトに反映できるため、より現実に即した積算が可能になります。

建設物価指数を使用し今後の建設物価を予測する

建設物価指数は、過去の価格変動を時系列で表したものです。これを分析することで、今後の建設物価の動向を予測することができます。

例えば、資材価格の上昇傾向が続いている場合、今後の工事コストを見積もる際にその影響を加味する必要があります。建設物価指数を参考にすることで、より精度の高い価格予測が可能になるでしょう。

積算ソフトを利用し見積もりを作成する

多くの積算ソフトには、建設物価のデータを取り込む機能が備わっています。ソフト上で建設物価の単価を呼び出せば、自動的に見積もりに反映されるため、作業効率が大幅に向上します。ただし、建設物価の単価と自社の実績単価に乖離がある場合は、適切な補正が必要です。安易なシステム任せは避け、積算担当者の知見を活かすことが肝要でしょう。

建設物価を積算で活用するメリット

建設物価を積算に活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは3つの観点から説明します。

  • 社会的潮流に合わせた価格設定ができる
  • 効率的に積算できる
  • 積算の根拠を明確にできる

順に解説します。

社会的潮流に合わせた価格設定ができる

建設物価には、資材価格や労務単価の最新動向が反映されています。これを参考にすることで、社会情勢に即した適正な価格設定が可能になります。

例えば、資材の需給逼迫から価格が高騰している場合、それを積算に反映させることで、適正な利益を確保しつつ、無理のない価格提示ができるでしょう。

効率的に積算できる

建設物価を活用することで、積算業務を大幅に効率化できます。市場単価方式を採用すれば、1つひとつの単価を積み上げる手間が省けます。

また、積算ソフトと連携することで、自動的に単価を反映できるため、人的ミスも防げます。積算の手間を減らすことで、より戦略的な業務に注力できるでしょう。

積算の根拠を明確にできる

建設物価は公的な調査機関が発行する客観的なデータです。これを積算の根拠とすることで、価格の妥当性を説明しやすくなります。受注者と発注者の間で価格交渉が発生した際にも、建設物価を参照することで、合理的な説明が可能です。積算の透明性を高めることは、健全な取引関係の構築にもつながるでしょう。

積算で活用できる物価資料

建設物価以外にも、積算に役立つ物価資料があります。ここでは代表的な3つを紹介します。

  • 建設物価
  • Web建設物価
  • 積算資料

建設物価

月刊の建設物価は、先述の通り建設物価調査会が発行する物価資料です。全国の主要都市における建設資材や労務費、建設機械のリース料などの価格が掲載されており、積算業務に広く活用されています。紙媒体だけでなく、Web版もあり、利便性が高いのが特徴です。

Web建設物価

Web建設物価は、月刊の建設物価をWeb上で閲覧できるサービスです。紙媒体と同等の情報に加え、Web ならではの検索機能や過去データの参照など、利便性に優れています。また、同時アクセス数や閲覧者数に応じたプランが用意されているため、企業の規模や用途に合わせて選択できます。

積算資料

積算資料は、一般財団法人経済調査会が発行する月刊の物価資料です。資材価格や労務単価、市場動向など、建設物価と類似の情報が掲載されています。全国主要都市の調査価格に加え、物価指数や統計資料なども充実しており、積算業務に役立つ情報が幅広く得られます。

おすすめの原価管理システム

積算や原価管理、見積もりは会社の利益を残すためにも非常に重要です。計算ミスをせず効率的に算出するためにはシステムの導入が必須となります。原価管理システムは様々なものがありますが、大きく2つに分けることができます。

1つ目はクラウド型です。インターネットにつながっていればどの端末からでも使うことができ、導入費用も比較的安いのが特徴です。
2つ目はオンプレミス型です。セキュリティ面に強く、不正アクセスなどのリスクからも守ることができます。 それぞれのタイプでおすすめのシステムは以下です。どちらも見積書や工程表作成機能もあります。

それぞれの特徴を把握し、自社にあったものを導入しましょう。

クラウド型アイピア 機能や料金などの詳細はこちら
オンプレミス型MIYABI 機能や料金などの詳細はこちら

その他のおすすめの原価管理システムはこちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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【まとめ】建設物価は積算に欠かせない資料!業務に取り入れ精度の高い見積書を作成しよう

建設物価は、建設業界における資材や労務費の適正価格を知るための重要な指標であり、積算業務に欠かせない存在です。建設物価を市場単価方式による積算や将来の価格予測、積算ソフトとの連携などに活用することで、効率的かつ精度の高い見積作成が可能になります。また、価格の適正性や透明性の向上にもつながるでしょう。

建設物価以外にも、Web建設物価や積算資料など、積算に役立つ物価資料は複数存在します。それぞれの特性を理解し、用途に合わせて使い分けることが重要です。ぜひ建設物価を積極的に業務に取り入れ、精度の高い見積書作成に役立てましょう。適切な価格設定は、貴社の利益確保だけでなく、建設業界全体の健全な発展にもつながるはずです。

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