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建設業を始めるには、建設業許可の申請が必要です。ただし、その申請には多くの書類が必要で、新規で申請する場合は30種類以上もの書類を提出する必要があります。事業の状況に合った建設業許可を取得しなければならず、必要な書類は都道府県によって異なります。
提出後にミスや修正が発生すると、建設業許可の取得に時間がかかるでしょう。そのため、早く営業を始めたい場合は、必要書類の確認が非常に重要です。この記事では、建設業許可を申請するために必要な書類と注意点について解説します。
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【添付書類一覧表】建設業許可に必要な書類は?
ここでは、建設業許可を申請する際に主要な必要書類について解説します。申請書類に加えて、必要に応じて提出しなければならない確認資料や証明書も多くあります。
提出部数が多いため、申請書類の一覧を確認すると整理しやすくなります。国土交通省のホームページでも確認できますが、各都道府県の提出官庁が提供する建設業許可申請の手引きを参考にすると良いでしょう。
申請に必要な書類は、様式第1号から第20号まであり、その雛形は国土交通省のホームページで公開されています。
様式番号 | 申請書及び添付書類 |
---|---|
第1号 | 建設業許可申請書 |
別紙1 | 役員等の一覧表※法人のみ |
別紙2 | 営業所一覧表 |
第2号 | 工事経歴書 |
第3号 | 直前3年の各事業年度における工事施工金額 |
第4号 | 使用人数 |
第6号 | 誓約書 |
第7号 | 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書 |
別紙 | 常勤役員等の略歴書 |
第7号の2 | 常勤役員等及び当該常勤役員等を直接に補佐する者の証明書 |
第7号の3 | 健康保険等の加入状況 |
第8号 | 専任技術者証明書(新規・変更) |
第9号 | 実務経験証明書(必要に応じて卒業証明書を添付) ※専任技術者を実務経験で申請する場合 |
第10号 | 指導監督的実務経験証明書 ※特定建設業で専任技術者を実務経験で申請する場合 |
第11号 | 建設業法施行令3条に規定する使用人の一覧表 ※支店を設ける場合 |
第12号 | 許可申請者(法人の役員等・本人・法定代理人・法定代理人の役員等) の住所、生年月日等に関する調書 |
第13号 | 建設業法施行令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する 調書 |
第14号 | 株主(出資者)調書※法人のみ |
※法人の場合 第15号・第16号・第17号・第17号の ※個人の場合 第18号・第19号 | 財務諸表 ※直前1年分 |
第20号 | 営業の沿革 |
第20号の2 | 所属建設業者団体 |
第20号の3 | 主要取引金融機関名 |
また、建設業法施行規則の一部改正により、令和3年1月1日からは必要書類に押印が不要になりました。
1.建設業許可申請書
建設業許可申請書(様式第1号)を使用して建設業許可の申請を行います。この申請書には、申請する会社の情報を各項目に沿って記入します。
この用紙は電算入力用紙であり、機械で読み取る形式です。記号やマークを使って記入する箇所が多く、空欄にも細かいルールがあります。この申請書は建設業許可の重要な書類ですので、記入漏れがないように説明をよく読み、記入方法を理解したうえで作成してください。
2.工事経歴書
工事経歴書(様式第2号)は、建設業許可の申請に必要な書類です。この書類には、許可申請を行う年度とその前年度の一定期間における工事の実績を記載します。記載するのは、高額な工事の実績で、軽微な工事の場合は最大10件まで記載できます。また、公共工事の入札に必要な審査でも提出が求められます。
工事経歴書には、工事金額を税抜きで記載し、決算期間内の総売上高を下請けと元請けに分けて内訳を記載するなど、細かい作業が必要です。不備があると修正に手間と時間がかかり、審査手続きも遅れる可能性があります。提出時には不備がないよう、丁寧に記載することが重要です。
工事経歴書の書き方についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
工事経歴書の書き方は2通りある?工事経歴書を作成するときの注意点や準備などを徹底解説!
3.直近3年間の施工金額
直近3年間の施工金額(様式第3号)は、申請者が過去3年間に完成した工事の実績金額を記載する書類です。実績がない場合でも作成が必要です。工事経歴書の内容と一致させる項目があるため、両方を同時に作成すると効率的です。
金額は、税込みや税抜き、建設工事の種類ごとに区分して記載する必要があります。記載要領をよく理解した上で、正確に記入してください。
4.使用人数
使用人数(様式第4号)には、各営業所ごとに従事する役員や従業員を専任技術者、その他の技術者、事務関係者に区分して記載します。ここでの「使用人」は、従業員だけでなく、役員や職員も含まれます。つまり、雇用期間を問わず雇用された者すべてを指します。
そのため、代表取締役や役員、個人事業主も人数に含めて記載する必要があります。ただし、法人が複数の事業を行っている場合は、他部門の従業員は記載不要です。
5.誓約書
誓約書(様式第6号)は、申請者である会社の役員や個人事業主が、建設業許可を取得するための欠格要件に該当しないことを誓う書類です。この書類は、誰が責任を負うのかを明確にするものです。
提出後に欠格要件に該当すると罰則が科せられる可能性があります。記入は簡単ですが、欠格要件をよく理解し、虚偽の内容にならないよう注意して作成してください。
6.管理責任者証明書
管理責任者証明書(様式第7号)は、「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書」に変更されました。
建設業許可を取得するには、経営業務の管理責任者を置く必要があります。管理責任者の要件としては、常勤役員が5年以上の建設業経験を持っていること、または5年未満でも常勤役員を補佐する者がいれば認められます。
ただし、常勤役員自身も最低2年以上の建設業での経営経験が必要です。この証明書は、その経営経験を証明するための書類です。現職で経験年数が足りない場合は、以前の職場から経験を証明する書類を取得する必要があります。
7.専任技術者証明書
専任技術者証明書(様式第8号)には、対象者の氏名や生年月日などの情報を記載します。さらに、現在担当している工事の種類や今後予定されている建設工事の種類も記入する必要があります。
この書類は、建設業許可申請書と同じく数字やマークでの記入が多いので、注意が必要です。特に、数字を記入する部分は書き方を理解しないと混乱することがあります。記載要領を確認して、マークの漏れやミスがないように作成しましょう。
8.申請者の住所、生年月日等に関する調書
許可申請者の住所、生年月日等に関する調書(様式第12号)には、申請者本人とすべての役員の情報を記載する必要があります。
役員等の一覧表(様式第1号別紙1)に記載した役員全員について、1人ずつ1枚の調書を作成します。この際、情報の整合性を保つように注意してください。法人の場合は、記載要領に基づいて該当する役員の情報を記載します。
ただし、常勤役員等の略歴書(様式第7号別紙)を作成している者については、この調書の提出は不要です。
9.株主調書
株主(出資者)調書(様式第14号)は、株主名簿と同様に作成します。この書類には、株主または出資者の情報を記載します。
申請者が法人の場合にのみ提出が必要で、個人の場合は不要です。この調書には、株式の保有が5%以上の株主や、出資総額の5%以上を出資している者を記載します。
10.財務諸表類
財務諸表類には、貸借対照表(様式第15号)、損益計算書・完成工事原価報告書(様式第16号)、株主資本等変動計算書(様式第17号)、注記表(様式第17号の2)などがあります。個人事業主の場合は様式が異なり、(様式第18号、様式第19号)を使用しますので注意が必要です。
また、株主総会や税務申告で使用した書類は、建設業法で定められた様式に合致しない場合があるため、必ず指定の様式で提出してください。
まだ一度も決算をしていない場合は、年度の初めから貸借対照表を作成し、簡単な書類として純資産の部に資本金等、資産の部に現金等を記載します。
11.営業の沿革
営業の沿革(様式第20号)は、申請者の沿革を記載する書類です。創業以来の沿革を記入する欄には、創業からの商号や名称の変更、合併や分割などの組織変更、資本金額の変更を記載します。
また、営業の休止や再開についても記載してください。賞罰の欄には、行政処分などの詳細を記入します。
12.所属建設業者団体
所属建設業者団体(様式第20号の2)は、申請者が所属している建設業者団体について記載する書類です。
ここでいう建設業者団体とは、建設業法第27条の37で定められている団体を指します。団体に所属していない場合でも、「該当なし」と記載して提出が必要です。
また、所属している場合は、団体名と所属年月日を記載します。所属団体に変更があった場合も、更新時に提出が必要ですので、注意して記録しておいてください。
13.健康保険等の加入状況
健康保険等の加入状況(様式第7号の3)は、事業所ごとに作成して提出します。健康保険、厚生年金、雇用保険の各社会保険の区分ごとに加入状況を記載します。
14.法定書類
建設業許可の申請には、様式の他に多くの添付書類が必要です。以下に、必要な法定書類や取得場所について解説します。
まず、法務局では商業登記簿謄本または履歴事項全部証明書(直近3か月以内)を準備します。これは会社の存在を証明する書類です。
また、納税証明書も必要です。これは税金を払っていることの証明です。知事の許可か大臣の許可かによって取得場所が異なるため、事前に確認してください。創業してから決算期が来ていないため納税証明書が提出できない場合は、法人設立届または個人事業開業届の写しが必要です。
500万円以上の残高証明書は取引銀行から取得します。経営業務管理責任者や専任技術者には住民票の写しが必要です。法人の場合は、定款の写しも準備してください。
15.証明のための書類
証明が必要な資料には、経営業務の管理責任者や専任技術者に関するものがあります。これらの要件を満たすための資料を準備する必要があります。
まず、管理責任者と専任技術者のどちらも常勤であることと実務経験期間を証明する資料を用意します。例えば、原本証明された健康保険証の写し、その他の常勤を証明できる書類、所得税確定申告の写しや源泉徴収票の写しなどです。専任技術者については、資格証の原本も必要です。
さらに、営業所の状況を確認するための書類も準備します。これには、営業所の案内図、建物の写真、内部の写真など、業務を行っていることが分かる資料が含まれます。また、健康保険の確認として保険料領収書の写しも必要です。
【まとめ】建設業許可の申請時の必要書類は多数!不足しないようしっかりと事前準備をしよう!
ここまで、建設業許可の申請時の必要書類について解説してきました。主要な申請書類について書き方や注意点があり、記載要領の解釈を間違えてしまうと記入漏れやミスに繋がります。
建設業許可には多くの申請書類と公的証明書、確認書類を作成、収集、準備しなければなりません。提出するまで時間がかかる大変な作業となります。申請の必要書類について事前に提出官庁に相談すると良いでしょう。
申請時には不足がないようしっかり準備しましょう。
建設業の事業年度終了届はこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。