【PR】この記事には広告を含む場合があります。
解体業を始めようか検討している方の中には、どのような許可や資格が必要なのか気になる方も多いのではないでしょうか。必要な許可や資格を取得していないと、違法業者やもぐりの業者として認知されてしまうため注意しなくてはなりません。
現在、解体業を始める際には、「建設業許可」または「解体工事業登録」のどちらかが必要となっています。この記事では、これらの許可や登録が必要な理由や、この2つの違いを解説します。
解体作業で必要となる資格も紹介するので、解体業を始めようと検討している方はぜひ参考にしてください。
ツクノビセールスは、建設業に特化した営業代行サービスです。御社の代わりに月間2,000社に営業を実施し、【効果が出なければ全額返金プラン】もご用意しております。累計で4000万円の受注ができた事例もありますので、ぜひお気軽にご相談ください。
解体業とは
解体業とは、解体工事を業として営んでいる会社を指します。
そもそも「解体工事」とは、戸建てやマンションなどの住宅やビル、公共施設、倉庫などの建築物を取り壊す工事のことをいい、建築物を建てる「建築工事」とは対になる工事です。
解体業者によって、得意とする建築物の種類は異なります。たとえば、鉄筋コンクリート住宅の解体を得意とする業者もあれば、木造住宅の解体を得意とする業者もあります。
解体業者の業務は、現場で建築物の解体を行うことで、廃棄物の運搬については必ずしも解体業者が行うとは限りません。
解体業を始めるために必要な許可・登録などの申請
解体業を始めるためには、「建設業許可」もしくは「解体工事業者の登録」が必須です。この2つは何が違うのかを解説します。
また、解体工事をするときに必須ではないものの、持っていると便利な許可として挙げられるのが、「産業廃棄物収集運搬業許可」「産業廃棄物処分業許可」「一般廃棄物収集運搬業許可」の3つです。
これら3つにはどのような違いがあるのか、それぞれ持っているとどのようなメリットがあるのかも併せて解説していきます。
申請1:建設業許可:工事費が500万円以上の場合必須
建設業許可とは、建設工事を請け負うことを営業するための許可です。
この後に紹介する「解体工事登録」をしていれば、原則として、建設業許可がなくても解体工事を行うことは可能です。ただし、工事費が500万円以上(税込)かかる場合は、建設業許可が必要になります。
許可の申請先は、営業所をどのように設置するかによって変わってきます。具体的には、2つ以上の都道府県に営業所を置く場合は国土交通大臣の許可が、1つの都道府県にしか営業所を置かない場合は都道府県知事の許可が必要です。
建設業許可の有効期限は5年間です。そのため、5年ごとに更新を受けなければ許可は失効します。
申請2:解体工事業者の登録:工事費が500万円未満の場合必須
解体工事業の登録とは、解体工事を行うために必要な登録制度です。
先ほど紹介したように、解体工事業の登録をしていれば、建設業許可がなくても解体工事を行えます。これは、軽微な建設工事のみを行う場合には、必ずしも建設業許可がなくてもよいと定められているからです。軽微な建設工事とは、工事費が500万円未満(税込)の工事を指します。
解体工事業者の登録は、都道府県知事によって行われます。
比較的規模が小さい解体専門業者が登録していることが多く、建設業許可に比べると、取得は容易です。
申請3:産業廃棄物集取運搬業許可:あると便利
産業廃棄物収集運搬業許可は、他人が排出した産業廃棄物の収集・運搬を業として営むための許可です。
解体業者が自社で解体を行い、自社で収集・運搬する場合は、この許可は必要ありません。しかし、自社以外の場所で解体を行い、そこで排出された産業廃棄物を解体業者が収集・運搬する場合は、この許可が必要になります。
解体業者がこの許可を持っていない場合、許可を持っている業者に委託しなくてはなりません。それに加えて、廃棄物が適切に処理されたかどうか確認するための書類「マニフェスト」を発行する必要もあります。
こうした工程を踏まえると、産業廃棄物集取運搬業許可があったほうが解体工事をスムーズに進められるでしょう。
申請4:産業廃棄物処分業許可:あると便利
産業廃棄物処分業許可は、他人が排出した産業廃棄物の処分を業として営むための許可です。
自社以外の場所で解体作業を行い、廃棄物を処分する際、この許可を持っていなければ、廃棄物処分が可能な業者に委託しなければなりません。一方で許可を持っていれば、自社での処分が可能になります。
自社で処分できれば、より合理的に解体工事を進められ、見積もり費用を他社よりも安めに設定できることもあります。
産業廃棄物処分業許可の有効期限は5年です。ただし、「ISO14001などの認証取得」「電子マニフェストの導入」など、一定の認定基準を満たし優良認定を受けた場合は、7年に延長されます。
申請5:一般廃棄物収集運搬業許可:あると便利
一般廃棄物収集運搬業許可は、産業廃棄物以外の廃棄物である「一般廃棄物」の収集・運搬を業として営むための許可です。
一般廃棄物の例として、冷蔵庫やベッド、タンス、テレビなどが挙げられます。
解体業者に戸建てやマンションなどの一般住宅の解体を依頼すると、解体は解体業者が行い、排出された一般廃棄物の収集・運搬は他の業者に委託することも多くなっています。しかし、この許可があれば、自社で収集・運搬でき、より合理的です。
「建築業許可」に必要な要件
先ほど紹介したように、工事費が500万円以上かかる場合に必要になるのが「建設業許可」です。
そもそも建設業許可には、「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の2つが存在します。発注者から直接請け負う工事1件につき、工事費が4,500万円以上になる場合は「特定建設業許可」が必要で、それ以外は「一般建設業許可」で問題ありません。
ここでは、建設業許可の中でも「一般建設業許可」を受けるために必要な4つの要件を見ていきましょう。
要件1:経営業務の責任者を配置する
まず、経営業務の責任者を配置する必要があります。具体的には、建設業の経営能力を持った人を、会社の常勤役員として配置しなくてはなりません。
建設業の経営能力を持った人とは、建設業に関し、5年以上の経営業務の管理責任者(役員や執行役員)としての経験がある人を指します。「建設業に関し」とは、すべての建設業の種類をいい、解体工事以外のとび・土木工事業などでも問題ありません。
経営業務の管理責任者に準ずる地位(部長職など)の場合は、6年以上の経験があれば要件は満たされます。
要件2:専任技術者を配置する
次に、解体工事を監督する専任技術者を、営業所ごとに配置する必要があります。
専任技術者になるためには、次のような要件を満たさなくてはなりません。
・土木工学科などの建築学科の高校・高専・大学を卒業し、3〜5年以上の解体工事の実務経験を有する者
・10年以上の解体工事の実務経験を有する者
・12年以上のとび・土木・建設工事の実務経験があり、そのうち8年以上の解体工事の実務経験を有する者
・解体工事施工技士や、2016年度以降に1級土木施工管理技士などの資格を取得した者
要件3:社会保険に加入する
次に、「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」といった社会保険について、適切な届出を行っている必要があります。
2020年に建設業法が改正され、社会保険への加入義務が新しく追加されました。
具体的には、健康保険と厚生年金保険については、法人の業者であれば加入が必須です。個人事業主の場合は、常時5人以上の従業員を雇用しているなら加入しなければなりません。
雇用保険については、従業員を雇用する場合は、法人・個人事業主にかかわらず加入する必要があります。
要件4:欠格要件に該当しない
最後に、法人の役員や支店長、5%以上の株式を有する株主などが、欠格要件に該当しないことが条件となっています。
以下の要件いずれか一つでも該当していれば、建設業許可を受けることはできません。
・営業の停止を命ぜられ、その停止期間が経過していない
・精神機能の障がいにより建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断および意思疎通を適切に行えない
・禁固刑以上の刑を受けており、刑の執行が終了、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年が経過していない
・許可申請書類中に重要な事項について虚偽の記載をしたり、重要な事実の記載をしていなかったりする
このほかにも、複数の欠格要件が定められています。
解体業において資格が必要な作業
解体工事で行う作業においては、資格の取得、もしくは技能講習・特別講習の受講が必要なものがあります。
資格の中には、更新期間が決められているものもあり、会社は従業員に対し、更新するようしっかりと指導する必要があります。
今回紹介する作業は「足場組み立て」「ガス溶接」「アスベスト使用」「3t以上の建設機械運転」「5t未満のクレーン操作」の5つです。
これら5つの作業において、それぞれどのような資格や講習が必要になるのかを解説します。
作業1:足場組み立て
解体作業の現場によっては、足場の組み立て作業が必要になることがあります。高さ5m以上の構造の足場の組み立てなどを行う場合は、「足場の組立てなど作業主任者技能講習」を修了した人が作業を指揮しなければなりません。
「足場の組立て等作業主任者」は、労働衛生法によって定められた国家資格です。高さ5m以上の構造の足場の組立て・解体・変更の作業を行う場合において、作業を指揮する役割があります。
講習を受けられる人は、足場の組立て・解体・変更に関する作業に3年以上従事した経験がある人です。2日間の日程で、作業方法や工事用設備などに関する講習を受講し、修了試験を受けます。
作業2:ガス溶接
解体工事では、アセチレン溶接装置などを使い、鉄筋や鉄骨などの金属の溶接・溶断作業が必要になることがあります。この作業をする際は、「ガス溶接作業主任者資格」を持っている人が、作業手順を決めて指揮する必要があります。
ガス溶接作業主任者は、ガス集合溶接装置などのガスを利用した溶接技術を使って、金属の溶接・溶断・加熱に従事するための国家資格です。
試験では、アセチレン溶接装置のほかに、ガス集合溶接装置についての問題も出題されます。
作業3:アスベスト使用
解体工事では、アスベスト(石綿)が含まれている建築物の解体工事を行うこともあります。こうした建築物の解体を行う際は、「石綿作業主任者技能講習」を修了した人が作業を指揮しなければなりません。
「石綿作業主任者技能講習」は、石綿もしくは石綿をその重量の0.1%を超えて含む物を取り扱う作業、または石綿などを試験研究のために製造する業務に選任する主任者に求められる講習です。
講習と修了試験は2日間にわたって実施されます。講習では、アスベストの健康被害の予防に関する知識や、関係法令、石綿作業環境の改善方法、保護具に関する知識などを学びます。
作業4:3t以上の建設機械運転(ショベル、ブルドーザーなど)
車両系建設機械の運転においても、技能講習を受講する規定が定められています。
たとえば、ショベルやブルドーザーなど、3t以上の車両系建設機械を運転する場合は、運転技能講習を受講する必要があります。3t未満の建設車両やブレーカーユニットを装着した場合に必要となるのは、別メニューの講習です。
また、国家資格である建設施工技士には「特定自主検査員資格」という資格が与えられており、建設機械に危険や異常がないか、自ら検査できます。作業指揮者を配置する必要がある、車両系建設機械のアタッチメントの装着や修理などの業務については、建設施工技士が対応することが可能です。
作業5:5t未満のクレーン操作
解体工事で移動式小型クレーンを運転する場合、5t未満のクレーンであれば、クレーン運転士免許を取らなくても講習を受ければ操作できます。
講習の内容は、学科と実技です。学科では、クレーンに関する知識や、クレーンの運転のために必要な力学に関する知識、関係法令などを学びます。
つり上げ荷重が1t未満の場合は、「移動式クレーン運転特別教育」を修了すると操作することが可能です。
このほかにも解体工事では、高所作業者の操作など、特別教育や技能講習の受講が義務付けられている作業があります。
解体工事にかかる期間の目安は?長引く5つの理由や対策法も解説
【まとめ】工事費500万円以上の解体業を始めるには「建築業許可」が必要!申請時の注意事項についても要チェック
「解体工事業の登録」をしていれば、原則として解体工事を行うことは可能です。ただし、これは工事費が500万円未満の場合に限り、500万円以上の解体業を始めるためには「建築業許可」が必要になります。
「解体工事業の登録」もしくは「建築業許可」のいずれかに申請・取得していることは、違法業者ではないことの証明になり、顧客からの信頼にもつながります。
申請にあたっては、さまざまな要件が定められているので、要件を満たしているかどうかをチェックしたうえで申請しましょう。
解体工事業者におすすめの保険の種類と注意点についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。