工事報告書とは?作成方法や活用できるテンプレート4選などを解説

工事報告書

工事報告書は、顧客とのトラブルを防ぐためにも重要な報告書です。しかし、

  • 工事報告書にはどんな内容を記載すればいいのか分からない
  • 工事報告書の作成方法が分からない

などとお悩みの方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、工事報告書の概要や作成方法、活用できるテンプレートなどについて解説していきます。工事報告書を作成するときのポイントや提出する手順などについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

工事報告書とは

工事報告書は、工事が終わったときに工事を実施した会社が提出する書類のことです。工事報告書を工事を行った業者が提出することによって、契約通りに工事が完了したことを元請業者に報告できます。工事報告書の様式は業者によって異なりますが、基本的には以下のような項目を記載しています。

  • 工期
  • 現場名
  • 工事箇所
  • 工事費用と明細

工事報告書の必要性

工事報告書が必要である理由はふたつあります。ひとつ目の理由は、工事報告書を提出することで工事が無事に完了したことを元請業者に報告できるからです。後にトラブルが発生した際の証明書類になることもあるでしょう。

ふたつ目の理由は、工事報告書は元請業者にとって固定資産に計上する時期を示す書類になるからです。例えば、一般企業がオフィスを建てた際に、工事報告書の作成日をもとにして、固定資産や減価償却へと計上できるでしょう。

工事報告書の作成義務

工事報告書の作成は、法律で義務化されているわけではありません。しかし、工事の後にトラブルが発生することを防止するためにも工事報告書は作成しておいた方が安全でしょう。

なお、官公庁から受注するケースでは、工事報告書の作成が義務付けられていることがほとんどです。制定の書式などは、各自治体のホームページから確認しておきましょう。

工事報告書に記載する項目

工事報告書に記載する項目は、主に以下のふたつです。

  • 基本的な記載項目
  • 必要に応じて記載する項目

基本的な記載項目

ここでは、工事報告書に記載する基本的な項目について解説していきます。様式がどのようなものであったとしても、以下のような項目は必ず記載する必要があります。

  • 題名
  • 作成日
  • 宛先
  • 工事業者の情報
  • 現場名
  • 施工期間
  • 請負金額
  • 工事内容
  • 担当者名

題名

題名には、「工事報告書」と記載します。

作成日

工事報告書を自社で管理するために、作成日を記載します。

宛先

宛名の項目には、請負元の業者名を記載します。必要なときには、住所や電話番号も記載するようにしましょう。会社名を記載するときには、省略せずに記載する必要があります。

例えば、株式会社は(株)と省略せず「株式会社」と記載し、有限会社も(有)と「有限会社」と記載しましょう。

工事業者の情報

工事業者の情報の項目には、工事業者と担当者の名前、そして自社の正式名称を記載します。ここでは、工事業者と担当者の名前の他に、会社印や個人印が必要な場合もあるので、注意が必要です。

また、必要に応じて住所やメールアドレス、電話番号、FAXなどを記載しなければならないこともあります。

現場名

現場名には、工事をしたビルの名前や店舗名など、現場の名称を記載しましょう。実際に工事を実施した箇所には、どの部分をどのように工事したのか、具体的に記載する必要があります。

また、特定の箇所のみの工事を実施した場合には、工事場所まで記載するようにしましょう。例えば、システムキッチン取りつけ工事、ベランダリフォーム工事などです。

施工期間

施工期間の項目には、工事を実施した期間を記載します。長期間に及ぶ工事のときには、工事を開始した日と工事が完了した日の両方を記載するようにし、どの期間に施工したのか明記するようにしましょう。

請負金額

契約のときに決められた請負金額を記載します。請負金額に含まれている場合も、別途費用が支払われる場合も、材料費にかかった金額とその明細を記載するようにしましょう。記載欄がない場合は、材料を購入した際の領収書や納付書のコピーを添付するとよいでしょう。

また、ガソリン代や有料道路の利用料金もここに含まれるので、明細をなくしてしまわないように注意する必要があります。ただし、工事に伴って発生した人件費はここには含まれません。

工事内容

工事内容では、工事に関する内容や取引に関する内容を記載します。どこをどのように施工したのかを分かりやすく端的に伝える必要があるので、例えば、「キッチン周りの防水工事」や「店舗内客室の防水工事」など、工事内容が一目でわかるように記載しましょう。

担当者名

会社名はもちろん、工事を担当した人の名前を書くことも必要です。そのため、担当者名の項目では、工事の担当者名とお客様の名前を記載します。また、複数人で現場を管理している場合には、現場責任者の氏名を記載するようにしましょう。

担当者名の項目では、会社印と個人印の捺印も必要です。捺印がないと書類として認められない可能性もあるので、必ず印鑑を準備するようにしましょう。

必要に応じて記載する項目

場合によっては、上記で解説した項目以外にも記載が必要な項目があります。ここでは、必要に応じて記載する項目について解説していきます。必要に応じて記載する項目は、以下のふたつです。

  • 素材の詳細
  • 工事完了写真

素材の詳細

工事に使用する指定の商品や材料はあらかじめ準備されているケースもあります。しかし、そのほかに必要な細かい材料や道具などがある場合は、購入しなければなりません。材料や道具を購入したときにかかった費用を素材の詳細の項目に記載しましょう。

また、工事報告書では材料や素材の品質を報告することが求められる場合もあります。そのため、出荷証明書を取り寄せておいたり、写真を撮っておくと安心でしょう。

工事完了写真

責任を持って工事を実施したことを証明するために、工事完了写真の提出を求める元請業者もいます。

新築工事の場合は工事完了後の写真のみでよいですが、修繕工事や改修工事を実施する場合は工事前と工事後の両方の写真を提出する必要があります。そのため、工事写真が必要かどうかを、工事が始まる前に確認しておくとよいでしょう。

工事報告書の作成ポイント

ここでは、工事報告書の作成ポイントを3つ解説していきます。工事報告書の作成ポイントは、以下の通りです。

  • 通し番号をつける
  • 請負金額について確認しておく
  • 工事の内容・条件は具体的に記載する

通し番号をつける

工事報告書を作成するときには、通し番号をつけておくことがおすすめです。例えば、「○○邸の工事報告書についてお聞きしたいことがあるのですが〜」などというお問い合わせがあった場合、通し番号を付けていなかったら当該書類を探すのに時間がかかってしまいますが、通し番号をつけておくと当該書類を滞りなく探し出せるでしょう。

請負金額について確認しておく

請負金額に対する認識の違いが、トラブルの原因になる可能性があります。トラブルの発生を防ぐため、請負金額にはどこまで含まれているのか、契約の際に確認しておくようにしましょう。請負金額に材料費が含まれる場合、明細も記載する必要があります。

また、交通費など別途支払われるものがあるならば、その明細も記載しなければなりません。なお、現場名を記載していない領収書を添付しても、認められないことがあります。そのため、領収書や明細をもらうときには必ず現場名を記載してもらうようにしましょう。

工事の内容・条件は具体的に記載する

工事報告書は、読んだ人がすぐにイメージできるような記載方法を心がけることが大事です。読んだ人がイメージしやすい工事報告書を作成するためには、工事の内容や条件はできる限り具体的に記載する必要があります。

例えば、「○○様邸ベランダリフォーム」などのように、どの場所にどのような施工を実施したのか、具体的に記載することを心がけるようにしましょう。

工事報告書を作成方法

工事報告書の様式が定められている工事もありますが、様式が決まっていない場合はテンプレートを使用したり、ExcelやWordで自作したりする必要があります。ここでは、工事報告書の作成方法について解説していきます。工事報告書の作成方法は以下の通りです。

  • テンプレートを活用する
  • 元請業者が用意した書式を使用する

テンプレートを活用する

工事報告書の様式を一から作成するのは、少々手間がかかります。そこで、より簡単に工事報告書を作成するために、テンプレートを活用する方法があります。市販の工事報告書を購入し、必要な項目を埋めていくことで簡単に作成できるでしょう。

また、工事報告書は、MicrosoftofficeのWordやExcelを使用することでも簡単に作成できます。WordやExcelで工事報告書の入力枠を作成しておくことで、業務案件ごとにテンプレートを使いまわせます。

元請業者が用意した書式を使用する

先ほどはテンプレートを活用して市販の書式やExcel、Wordなどで工事報告書を作成する方法を紹介しましたが、元請業者によってはあらかじめ専用の書式を用意しているところもあります。この場合はテンプレートなどは使用せず、元請業者から受け取った工事報告書の書式に沿って記載し、提出するようにしましょう。

工事報告書のテンプレート4選

工事報告書のテンプレートを活用することで手間をかけず、簡単に工事報告書を作成できます。ここでは、工事報告書の作成に活用できるおすすめのテンプレートを4つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。

  • マネーフォワード
  • アイピア
  • フリーテンプレート
  • テンプレート倉庫

マネーフォワード

マネーフォワードクラウド経費では、工事報告書のテンプレート・ひな型を提供しています。マネーフォワードでは、様々なビジネスシーンで活用できるエクセル形式の工事報告書のテンプレートを無料でダウンロードできます。

シンプルな仕様のほかに、工期入力欄があるものや経費内訳があるものなど、様々な種類のテンプレートがあるので、必要に応じて使い分けることが可能です。

参照:https://biz.moneyforward.com/expense/templates/settlement/construction-completion-report/

アイピア

アイピアは、建築・リフォーム業向け管理システムです。アイピアには、「間合いから引き渡しまで工事に関するあらゆる情報を一括で管理できる」、「工程や写真、書類の管理や共有が簡単かつスピーディーにできる」、「現場の進捗状況をどこでも確認できる」などという便利な点がたくさんあります。

また、必要な項目がシンプルにまとまっているので、見やすい工事報告書を作成できるでしょう。さらに、工事内容に番号を付けて記載するため、工事内容を分類して詳しく報告できます。

参照:https://aippearnet.com/single-post/construction-completion-report/

フリーテンプレート

フローテンプレートは、Excel・Wordで作成した幅広いジャンルのテンプレートが揃っているサイトです。フリーテンプレートの工事報告書は、基本項目の他に施工図を描く欄もあるので、工事内容をより詳しく報告できます。また、「お客様確認」の欄もあり、トラブルが発生することを事前に防止できるという点でも非常に便利です。

参照:https://www.feedsoft.net/template/tplate/kouji.html

テンプレート倉庫

テンプレート倉庫は、Wordで作成した報告書のテンプレートを登録なしで無料でダウンロードできるサイトです。テンプレート倉庫の工事報告書はデザインがシンプルなので、自分でカスタマイズしやすいという特徴があります。

また、工事のみならず、あらゆる作業の報告にも活用できます。ただし、このようなWordやExcelの報告書は作成するたびにファイルを作ることが必要です。そのため、管理が煩雑になりやすいというデメリットもあります。そこで、フォルダごとに報告書を一元管理できるツールを使用することがおすすめです。

参照:https://www.template-soko.com/business-word/sagyokanryo-w.htm#google_vignette

工事報告書を提出する手順

建設業者が工事報告書を提出するときの手順は、以下の通りです。

  1. 工事を請け負う
  2. 工事が完了する
  3. 工事報告書の作成をする
  4. 作成した工事報告書を元請業者に提出する

なお、工事報告書を提出する際には、建物引渡しに関する書類や建物完成状況に関する書類も元請業者に提示する必要があります。そのため、必要な書類をすぐに提出できる状態で、適切に管理することを心がけましょう。

提出方法・提出期限

工事が完了した後には、工事報告書を作成して元請業者に提出することが提出方法として一般的です。官公庁や大手建設業者の場合は、それぞれが定めた制定書式での提出が求められる可能性があります。また、前述の通り、工事報告書の提出は義務ではないので法律上では提出期限が定められていません。そのため、元請業者に提出期限を確認しておくようにしましょう。

工事報告書の保存期間

提出した工事報告書の控えを準備しておくと、工事報告書を提出した後にも内容を確認できるので便利です。なお、控えの保存期間は明確には決まっていません。ただし、建設業法施行規則第28条では、「建設業者は営業所ごとに帳簿を備え付け、5年間保存しなければならない」という規定があるので、5年間を目途に保存しておくとよいでしょう。

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【まとめ】工事報告書に作成義務はないがトラブルを防止するため作成しよう!

この記事では、工事報告書の概要や作成方法、活用できるテンプレートなどについて解説してきました。工事報告書に作成義務はありませんが、トラブルを防止するためにも作成することがおすすめです。今回紹介したようなテンプレートを活用すれば手間を取ることなく簡単に工事報告書が作成できるので、ぜひ導入を検討してみてください。

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