工事見積書の諸経費とは?内訳や説明するときのポイントなどを解説

見積書には諸経費が必ず示されていますが、

  • 諸経費とは具体的にどんなものなのか分からない
  • 諸経費の内訳を知りたい
  • 施主に見積書の諸経費について説明するとき、どう説明したらいいか分からない

という方もいらっしゃると思います。そこでこの記事では、工事見積書の諸経費とはどんなもののことをいうのかや、諸経費の内訳、施主に見積書の諸経費を説明するときのポイントなどについて詳しく説明していきます。

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工事見積書における諸経費とは

まず初めに、諸経費の概要について確認しておきましょう。ここでは、工事見積書における諸経費について解説します。

諸経費とは

諸経費とは諸経費とは、直接工事費以外にかかる経費のことを指します。人件費や通信費、事務所家賃などが該当します。受注した案件に直接つながる項目ではありませんが、会社運営のために必要不可欠な費用です。

工事見積書の諸経費とは、会社経営のために必要不可欠な費用のことです。工事見積書の諸経費には、人件費や通信費、移動費などの工事と直接関係のないものも含みます。

諸経費の割合は会社によって違いますが、一般的には工事と直接関係する費用の5〜10%が相場です。会社の規模の大きさによって諸経費の割合が変わることも多く、規模が大きくなると諸経費の割合も高くなる傾向があります。

諸経費に含まれる項目

先ほど見積書における諸経費とは何かについて説明しましたが、具体的にはどんな費用が諸経費に含まれるのでしょうか。
工事見積書の諸経費に含まれる主な項目は、以下の通りです。

項目名費用の詳細
労務管理費作業員の安全や衛生に関わる費用。作業着代など。
保険料保険に加入するための費用。工事保険、労災保険など。
福利厚生費従業員の福利厚生にかかる費用。雇用保険、健康保険など。
通信交通費通信と交通に関わる費用。携帯電話料金やガソリン代など。
従業員給料手当現場作業員や雇用している労働者への給与、賞与。
地代家賃会社として支払う家賃。事務所の家賃など。
動力用光熱水費工事現場で使用する電気、水道にかかる費用。
広告宣伝費広告宣伝にかかる費用。看板の設置やホームページ制作の費用など。
交際費来客の接待や慶弔見舞などにかかる費用。
機材損料建設機材の修理、メンテナンスにかかる費用。

見積書へ諸経費を書きこむ主な業種

見積書へ諸経費を記載する主な業種と、それぞれの諸経費の内容は以下の通りです。

業種諸経費の内容
建設業労務管理費・通勤交通費・事務用品費・地代家賃など
不動産業仲介手数料・住宅ローン関連費用・登記費用・火災保険料など
自動車業自動車税・軽自動車税・車両登録の代行費用など

諸経費の内訳

見積書における諸経費の項目は、「現場経費」と「一般管理費」に分かれています。ここでは、「現場経費」と「一般管理費」の内訳をそれぞれ詳しく解説していきます。

現場経費

現場経費は、工事が完了するまでに必要となる費用のことです。以下のようなものが現場経費に該当します。

労務管理費作業着のクリーニングにかかる費用、打ち合わせの際に使う費用など
保険料労災保険、火災保険、工事保険など
補償費工事の際に発生する騒音によるトラブルが起きたときに支払われる費用
施工図作成費施工図を外注した際にかかる費用

 

一般管理費

一般管理費とは、会社の経営や管理のために必要となる経費のことをいい、具体的には以下のようなものが一般管理費に該当します。

広告宣伝費チラシやホームページ制作費など
福利厚生費従業員の慰安や娯楽にかかる費用
事務用品費会社の備品や参考図書などの費用
動力用水光熱費事務所の電気・ガス・水道代
雑費打ち合わせの際にかかる費用

工事における一般管理費については、こちらの記事でも解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
一般管理費とは 工事工事における一般管理費とは?現場管理費との違いも解説

工事費や諸費用との違い

工事費や諸費用は、諸経費と混同されることがありますが、厳密に言うと意味合いが異なります。まず、諸経費は工事を行うときにかかった費用のうち、工事費を除いた費用のことをいいます。

つまり、諸経費と工事費は別のものであり、諸経費と工事費を合わせた金額が見積金額となるのです。また、諸費用という言葉は諸経費とよく似ていますが、諸費用は住宅ローンや引越しにかかる費用のことをいうのに対して、諸経費は直接工事に関わる費用のことをいいます。つまり、諸費用と諸経費は厳密には異なるものなのです。

見積書への書き方

ここでは、見積書への書き方を、「諸経費の内訳を書くケース」と「諸経費の内訳を書かないケース」に分けて解説していきます。

諸経費の内訳を書く場合

諸経費の見積書への書き方は企業ごとに異なるので、明確に決まっているものではありません。以下のように内訳を記載すると、どんなものにいくらかかっているのかが一目でわかるので、顧客も理解してくれて、顧客からの信頼も得られるでしょう。

名称摘要金額
諸経費
人件費
保険料
建設資材費
税金
手数料
その他
小計

諸経費の内訳を書かない場合

先ほど諸経費の内訳を書く場合の見積書の書き方を紹介しましたが、見積書に諸経費の内訳を書くことはどちらかというと少ないです。

一般的には諸経費の内訳は記載せず、「諸経費一式 ○○円」などのように、総額だけを記載することが多いです。顧客は諸経費の詳細を把握できないので、諸経費の内訳について疑問を持つこともあるでしょう。顧客から質問されたときに答えられないと顧客から不信感を持たれてしまう可能性もあります。そのため、諸経費の内訳を書かない際にも、諸経費の詳細を把握しておくことが必要です。

諸経費の相場

諸経費は具体的にどの程度かかるのでしょうか。ここでは、諸経費の相場について解説します。

諸経費の目安

前述のとおり、諸経費の目安は工事全体の5〜10%です。例えば、200万円の工事の場合、諸経費の相場は10〜20万円となります。しかし、諸経費には幅があり、諸経費を20〜30%程に設定している企業もあります。そのため、施主に見積書を見せたときに諸経費率に疑問を持たれることもあるでしょう。施主との信頼関係を築くためにも諸経費の内容を明確に把握し、諸経費の根拠を示せるようにすることが必要です。

諸経費に幅がある理由

諸経費に幅がある理由は、以下のとおりです。

  • 運営方法により異なる
  • 見積もり形式により異なる
  • 現場の規模や工期により異なる
  • 地域性により異なる

運営方法により異なる

それぞれの企業によって運営方法に違いがあることは、諸経費に幅がある理由の1つです。現場監督などの人数は、同じ規模・同じ種類の工事だったとしても企業によって異なります。

なので、その人数によって諸経費は変わってきます。また、工事保険に関しても年間契約か現場単位での加入かによって金額が異なるので、諸経費も異なるのです。

見積もり形式により異なる

見積もり形式が異なることも、諸経費に幅がある原因となります。前述のとおり、諸経費に含まれる項目にはある程度決まりがありますが、見積もり形式は会社によって異なるケースがあるのです。

例えば、工事に使用する建材や運搬費を工事費に入れる会社もあれば、諸経費に入れる会社もあるでしょう。すると、全体での見積もり金額は同じになりますが、諸経費の割合には差が出てきます。

現場の規模や工期により異なる

直接的には工事に関与しないスタッフの人件費も諸経費に含まれるため、現場の規模や工期の長さによっても諸経費が大きく変化します。現場の規模が大きいと、関わるスタッフの人数も多くなるので諸経費の割合も大きくなるのです。

また、現場の規模が大きくなればなるほど工期も長くなるので、その分人件費も高くなり、諸経費が膨らむ傾向にあります。

地域性により異なる

諸経費は、地域性によって変化することもあります。例えば、現場が都市部のときは地方よりも地代家賃が高いので、諸経費に差が出てしまうのです。また、駐車料金も地域性によって異なります。

都市部は地方よりも駐車料金が高いので、工期が同じだった場合でも諸経費が膨らみます。そのため、都心に位置する会社と地方に位置する会社では、諸経費に差が生まれるでしょう。

諸経費の安い会社がいい会社なわけではない

諸経費が安い方がいい会社だと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうとも限りません。現場経費は現場の安全性を守り、スムーズに工事を進めるために必要不可欠な費用なので、安く設定しすぎるとトラブルが起きる可能性も高くなってしまいます。

また、一般管理費も会社の経営や管理のために必要不可欠な費用です。そのため、一般管理費が安すぎると会社を存続させるのが難しくなったり、メンテナンスや保証を受けられなくなったりするかもしれません。重要なことは諸経費を安くすることではなく、諸経費の必要性について施主に納得してもらうことです。

諸経費を施主に説明する際のポイント

前述のとおり、施主に諸経費が必要不可欠な費用であることを理解してもらうことは非常に大切です。ここでは、諸経費を施主に説明する際のポイントについて解説します。

諸経費の内訳を説明する

工事見積書を提示する際、諸経費の内訳について細かく説明するとよいでしょう。工事費用は高額なため、施主はできる限り不明瞭な出費を避けたいと感じます。諸経費の内訳の説明に納得できなければ不信感を抱き、契約を成立できないリスクが生じます。そのため、人件費が〇円、保険料が〇円など、諸経費の内訳や計算方法を丁寧に説明しましょう。

また、前述したとおり、諸経費は現場の規模や工期、運営方法などにより幅がある点を伝えることも大切です。施主の納得を得られるよう根拠をもって説明しましょう。

諸経費の重要性を説明する

施主は、「工事をする際にかかる費用は工事に使用する材料だけ」と考えている場合もあります。そのため、諸経費は「工事を安全に、そしてスムーズに進めるためには諸経費が必要不可欠である」ということを施主に伝えるとよいでしょう。

また、人件費を削減すると工期が守れないなど、諸経費を削減した際に生じる施主へのデメリットを説明することも大切です。諸経費が工事する際に重要な費用であると理解してもらえることで、トラブルになるリスクを下げましょう。

見積書の作成はBPOサービスの活用もおすすめ

見積書を作成する際は、BPOサービスを活用することもおすすめです。BPOとは、業務プロセスの一部を専門業者に外部委託するサービスです。現場作業に加えて見積書を作成する必要がある場合は、手間や負担がかかり残業につながる可能性が高いです。

そのような場合、BPOサービスを活用することで現場作業に集中できます。業務を効率化して残業時間を減少できるでしょう。また、専門的な知識を持っているため、ミスのない見積書作成を実現できます。

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【まとめ】工事見積書の諸経費は必要!内容を理解して丁寧に説明しよう

この記事では、工事見積書における諸経費の概要や内訳、見積書の諸経費について施主に説明するときのポイントなどについてお伝えしてきました。

工事見積書の諸経費は必要不可欠なものであるということが分かっていただけたと思います。諸経費の内容について施主に納得してもらうことが重要なので、諸経費の内容をしっかりと理解し、丁寧に説明するようにしましょう。

工事見積書の書き方や作成方法・注意点についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

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