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大規模修繕はと2回目以降で相違点も多く、注意しなければ失敗してしまう可能性があることをご存じでしょうか。今回は2回目の大規模修繕が予算オーバーした際の対策から、注意すべき点、成功させるためのコツなどを徹底的に解説します。2回目以降の大規模修繕に疑問点や不安を抱えている方や、マンション経営をご検討中の方はぜひご覧ください。
大規模修繕1回目と2回目の違い
前述したように2回目の大規模修繕工事は1回目とまったく同じように行なってはいけません。以下の2つに分けて1回目の大規模修繕工事と2回目の違いを説明しましょう。
- 2回目は1回目より修繕する場所が増える
- 2回目は1回目の経験を活かせる
2回目は1回目より修繕する場所が増える
2回目の大規模修繕は1回目より修繕箇所が増える傾向があります。1回目の修繕工事は築14年前後で行われるため、劣化していない設備も多く修繕を見送る箇所も少なくありません。しかし、築28年前後で行われる2回目の大規模修繕の際には劣化や不具合が起こっているケースが多いため、必然的に修繕箇所や規模が大きくなるのです。修繕費用は、3回目、4回目と回を重ねるごとに高額になっていきます。
2回目は1回目の経験を活かせる
2回目の大規模修繕は修繕箇所が増え費用が高額になりますが、1回目の修繕工事のノウハウを生かせるというメリットもあります。1回目の大規模修繕の時は何もかもが初めてなので、住民や管理会社との打ち合わせや業者の選定などに、時間がかかることが多く見受けられます。しかし、2回目になれば建築会社もある程度決まっており、手順も理解しているのでスムーズに進むケースが多いのです。ただし、1回目の大規模修繕後にフィードバックを怠ってしまうと、同じ失敗を繰り返してしまう可能性もあるので注意しましょう。
大規模修繕2回目の主な工事内容
2回目の大規模修繕工事では、1回目で行わなかった工事に着手するケースが多く見受けられます。代表的な工事の例を、以下で4つ紹介します。
- 屋上防水
- 金物類の交換
- エレベーターのリニューアル
- 貯水槽や消防設備などの取り替え
屋上防水
屋上防水とは、雨漏りを防ぐために屋上に防水加工を施すことです。屋上の表面に、浮きやひび割れ、水溜まりができるなどの症状が見られたら、経年劣化がしているのでメンテナンスが必要なサインです。屋上防水の耐用年数は、工法によって異なります。主な4つの工法の耐用年数は、以下の通りです。
- FRP防水 耐用年数 10~12年程度
- ウレタン防水 10~12年程度
- シート防水 10~15年程度
- アスファルト防水 15~25年程度
金物類の交換
マンションにおける金物類とは、郵便受けや掲示板、宅配ロッカーなどです。これらの耐用年数は24年ほどとされているため、多くの場合2回目の大規模修繕で交換が必要になります。もちろん、修繕時期を待たずに故障や不具合が見られたら、その都度交換や修理対応が必要です。もし宅配ロッカーが設置されていないマンションの場合、2回目の大規模修繕を機に設置するのも良いでしょう。不動産価値が上がり入居率がアップできる可能性があります。
エレベーターのリニューアル
2回目の大規模修繕工事の中で、最も高額な工事となるのがエレベーターのリニューアル工事です。エレベーターの一般的な耐用年数は20年〜25年ほどであるため、多くの場合2回目の大規模修繕工事で交換が行われます。費用は工事の方式や内容によって異なります。エレベーターの状態と予算を照らし合わせ、適切な工事を行いましょう。
- 制御部品型リニューアル方式(制御部品の実の交換) 500~700万円
- 準撤去型リニューアル方式(主要部以外の取り替え) 700~1,000万円
- 全撤去型リニューアル方式(エレベーターを丸ごと入れ替え)1,200~1,500万円
貯水槽や消防設備などの取り替え
マンションの貯水槽や消防設備の耐用年数も、20~25年となっているため2回目の大規模修繕工事のタイミングで取り換えるケースが多く見受けられます。貯水槽のメンテナンスは、災害や事故が起きた際の備えとして非常に大切です。1回の大規模修繕で工事を行わなかった場合は、2回目のタイミングで必ず交換しましょう。
大規模修繕2回目にかかる工事費用の相場
2回目の大規模修繕は工事箇所が増えるため費用が高額になる傾向があります。1回目の大規模修繕工事と比較すると、一般的に2割ほど増えています。一戸あたりの負担額は約90〜120万円ほどと言えるでしょう。しかし、これらを見込んで修繕費を積み立てたとしても、想定外の出費があり資金が不足するケースも珍しくありません。資金が不足してしまった際には、どのようにすればよいのでしょうか。
資金が不足しているときの対処法
2回目の大規模修繕工事で資金が不足するケースは多いため、定期的にマンションの劣化状況を確認し、修繕計画を見直さなければなりません。もし修繕費用が不足してしまったら、以下のいずれかの方法で資金を調達しましょう。
- 居住者から一括で集金する
- 月々の修繕積立金を値上げする
- 金融機関から借入する
居住者から一括で集金する
最もシンプルで分かりやすいのは、不足額を一括で居住者から徴収する方法です。修繕費用で不足している額を世帯数で割り、個々の住宅に一括で請求します。利子もなく短期間で不足金を集められ、居住者の入居継続率が上がる、非常に合理的な方法です。
しかし、居住者からの不満や反対の声が上がる可能性が非常に高いというデメリットがあります。この方法を利用するのであれば「修繕積立金が不足している場合、一括で請求する可能性がある」という旨を入居時から伝えておく必要があります。
月々の修繕積立金を値上げする
事前に修繕費が足りないと分かっている場合は、月々の修繕積立金を値上げするという方法があります。この方法のメリットは、時間をかけて修繕金を徴収するため既存の居住者の毎月の負担が少ないことです。
しかし、修繕積立金が高いことから新規入居者の確保が難しくなるというデメリットがあります。修繕積立金の値上げは安易に行わず、近隣のマンションの積立金の相場を見る、相見積もりを取り、少しでも安価に修繕を行える業者を探すなどして慎重に行いましょう。
金融機関から借入する
居住者からの一括請求や積立金の値上げによる対応が難しい場合、金融機関から借り入れるという方法があります。すぐに金額を用意できるというメリットがありますが、利息が発生するために本来の修繕費用よりも返済金額が高額になることです。そうなると必然的に次回からの修繕積立金も返済に充てなければならなくなるため、次回の修繕の際にに費用が不足します。その際にまた金融機関から借り入れなければならないという悪循環が発生するのです。実際に借入で対応するオーナーは3.5%ほどと少なく、メリットよりデメリットの方が大きい方法であることが分かります。費用不足に陥らないように定期的に修繕計画を見直しましょう。
大規模修繕2回目以降の工事を行う時期
大規模修繕2回目以降の工事を行う時期は、いつ頃が適切なのでしょうか。「築年数」と「修繕周期」という2つの視点から解説しましょう。
参考:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」
築年数
前述したように国土交通省の調査によると、大規模修繕工事が実施される建物の築年数の割合で最も多いのが、築26~30年です。中央値で考えると、築28年程と言えるでしょう。築30年を迎える前には、2回目の大規模修繕工事を終えている住宅がほとんどでした。
修繕周期
大規模修繕を行う周期は、回数を重ねるごとに短くなる傾向があります。国土交通省の調査によると、1回目の修繕周期はが15.6年ですが、2回目になると14.0年、さらに3回目になれば12.9年と、毎年1年ほど短くなっていっているのが分かります。
修繕周期が短くなることは、積立期間が短くなることも指しています。修繕費が上がるのに積立期間が短くなるため、毎月の修繕費を上げなければならなくなるでしょう。
大規模修繕2回目以降を成功させるポイント
2回目以降の大規模修繕工事は、費用の工面が難しくなるケースが多いため難航する可能性があります。トラブルなくスムーズに工事を終わらせるために、以下の4つのポイントを心がけましょう。
- メンテナンスをこまめにする
- 長期修繕計画を見直しておく
- 入居者のニーズを汲み取る
- 設備のグレードを上げる
メンテナンスをこまめにする
大規模修繕の時期を待たず、小さな不具合や不調が見つかったら日常からメンテナンスを行いましょう。発見時は小さな不調でも、放置すれば大規模な故障に繋がり高額な修繕費用や、交換作業が必要になるケースもあります。
前述したように、大規模修繕工事は回数を重ねるごとに積立期間が短く費用が高額になるため、資金繰りが困難になります。日ごろから不具合がないか点検し、その都度対応していくことで大規模修繕工事の際の負担を軽減できるでしょう。
長期修繕計画を見直しておく
2回目の長期修繕計画は、早い段階で計画を見直し無理のない資金計画をしておくようにしましょう。
例えば、比較的メンテナンス箇所の少ない1回目の大規模修繕工事の予算をなるべく抑え、修理箇所の2回目の大規模修繕工事に費用を持ち越す方法は良く見受けられます。そうすることで、2回目の大規模修繕工事の際費用が不足した際、一括集金や積立金の値上げなどで居住者に負担がかかるリスクを軽減できます。
入居者のニーズを汲み取る
2回目の大規模修繕工事の計画を立てる前に、居住者のニーズをアンケートなどでくみ取ることも大切です。2回目の大規模修繕工事は、築25年ほどの年月が経っており、居住者も高齢化しているか入れ替わっているため、入居当初と大きく異なる可能性があります。そのため居住者が大規模修繕工事に求めるものが何か、ヒアリングするとよいでしょう。例えば、高齢者が増えているのであればバリアフリー工事の需要が高い可能性もありますし、ファミリー層が多ければ子どもの安全に配慮した設備が好まれるでしょう。
設備のグレードを上げる
2回目の大規模修繕工事の際に、設備のグレードをアップさせることをおすすめします。築年数が上がるにつれ不動産価値は下がっていきますが、最新の設備は不動産に付加価値を与えるだけでなく、居住者の満足度も向上させ入居率もアップします。1回目の大規模修繕で高額で導入を見送った設備も、価格が下がり予算内で購入できるようになっているかもしれません。
大規模修繕2回目以降の注意点
2回目以降の大規模修繕工事を行う際に考慮すべきなのは、予算だけではありません。注意すべき点を以下の3つにまとめました。
- 建物診断は専門業者へ依頼する
- 工事の優先順位を決める
- 修繕を先送りにしないようにする
建物診断は専門業者へ依頼する
大規模修繕工事の前に、建物診断をプロに依頼しましょう。建物診断を行うことで、建物の経年劣化の状況や耐震性能を的確に把握でき、必要な工事が明確になります。また、建物の状態が分かることで、適切な修繕時期が分かるだけでなく、長期修繕計画の見直しにも大きく役立ちます。
5年に1度ほどのペースで建物診断を行うことで、大規模修繕工事に向けて修繕金の積み立てやことで工事計画を適切に行えるようになるのです。
工事の優先順位を決める
前述したように、2回目以降の大規模修繕工事では修繕箇所が増えるため費用が高額になる傾向があります。予算内に収まらなかった時に備え、工事の優先順位を決めておきましょう。しかし、安易に判断すると後に大きなトラブルにつながるケースもあるため、先ほど紹介した建物診断の業者などに相談してから優先順位は決めましょう。
修繕を先送りにしないようにする
やむを得ず次回の大規模修繕工事に持ち越すケースもありますが、なるべく修繕は先送りにしないようにしましょう。2回目の大規模修繕工事を迎える頃には、多くの設備が耐用年数を迎えています。メンテナンスを怠ると、事故やトラブルの原因になる可能性があります。居住者の安全のためにも多少予算を超えてでも、耐用年数を迎えた設備は必ず交換しましょう。
【まとめ】大規模修繕2回目の工事費用は1回目より高くなる!余裕をもって計画しよう
2回目以降の大規模修繕工事は、1回目と比較すると積立期間が修繕箇所が増えるため、費用が高額になり予算をオーバーするケースが多く見受けられます。適切な修繕計画に基づき積み立てをしないと、修繕金が足りなくなり住民に請求しなければならなくなります。
定期的に建物診断などを行ない修繕計画を見直し、入居者のニーズと向き合うことで適切な工事計画が立てられます。余裕をもって計画に臨んでください。
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