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建設業許可を取得するため5つの要件が必要です。
- 建設業許可って何?
- 5つの要件とは?
- 手続きってどうやって行うの?
こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は建設業許可申請について詳しく紹介していきます。また、建設業許可申請を取得できる業種や申請する際の手数料についてなども詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
建設業許可とは
建設業許可とは、建設業を起業している経営者が取得する許可のことを指します。建設業許可には「知事許可」と「大臣許可」があり、営業所や事業所を構えるところによって分けられています。
- 知事許可
営業所や事業所が1つの都道府県内にある場合に適用されます。営業所などが複数あっても、同じ都道府県内であれば知事許可になります。 - 大臣許可
営業所や事業所が全国各地にある場合は大臣の許可が必要です。しかし、工場現場の仮事務所や材料を置いてある場所は含まれません。
建設業許可が不要な工事
建設業許可は工事を行うときに必要ですが、軽微な建設工事の場合は必要ありません。軽微な建設工事とは以下の通りです。
- 1つの工事に対して請負代金が1,500万未満の工事
- 金額に関わらず木造住宅の面積が150平方メートル未満の工事
上記のような工事は建設業法施行令により、建設業許可はいりません。
建設業許可が必要となる工事請負金額についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
建設業許可が必要な請負金額は500万円?計算方法の注意点も解説建設業許可を受けるための5つの要件
建設業許可を取得するためには、建設業法第7条に書かれている4つの許可要件と第8条に記されている欠格要件に当てはまらないことが重要です。
- 経営業務の管理責任者がいること
- 請負契約に関して誠実性があること
- 専任技術者が営業所ごとにいること
- 請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用があること
- 欠格要件などに該当しないこと
上記の要件内容をそれぞれ確認しましょう。
経営業務の管理責任者がいること
経営業務の管理責任者とは、建設業で経営業務が行える能力がある人のことをいいます。
経営業務の管理責任者は
- 経営業務としての経験年数
- 在籍しているか
- 社会保険に入っているか
上記3つをクリアしていることが条件です。法人の場合は在籍している役員(監査役や執行役員などは含まれません)、個人で経営している場合は、本人や登記済みの従業員が対象です。
建設業で役員としての経験年数
経験年数は、会社の役員または、個人事業主になって何年経過しているかが判断基準です。会社の役員の場合は登記簿謄本に書かれている就任期間を資料として扱い、個人事業主は、毎年行う確定申告書を提出する必要があります。経営業務の管理責任者は最低5年以上の経験が必要です。
適正な社会保険に加入している
2020年10月1日から建設業許可の要件に適正な社会保険の加入が追加されました。
- 法人の場合、役員は年金保険および医療保険の加入、従業員は第三保険の加入が必要です。
- 個人の場合、事業主は個人で保険に加入する必要があり、従業員(1人〜4人)は雇用保険、従業員5人以上は第三保険に入らなければいけません。
建設業許可を取得するには適切な保険に加入しましょう。
専任技術者が営業所ごとにいること
専任技術者とは、建設業を運営していく上で専門的な経験や知識を持っている人のことをいいます。別名「専技(せんぎ)」といわれており、建設業許可を取得する要件の1つです。
一般建設業許可の場合
一般建設業の許可は下記どれか1つの条件に当てはまる必要があります。
- 学歴は問わず建設業許可を申請する業種の実務経験が10年以上ある人
- 建設業許可を申請する業種の資格を持っている人。ただし、実務経験が1年以上必要な場合があります。
- 建設工事に関連する高校の学科を卒業し、5年以上の実務経験がある人
- 建設工事に関連する大学の学科を卒業(高専を含む)し、3年以上の実務経験がある人
特定建設業の場合
特定建設業の許可は、下記どれか1つの条件に当てはまる必要があります。
- 一般建設業許可の専任技術者要件を満たしており、なおかつ指導監督的な実務経験が2年以上ある人
- 国家資格を持っている人
- 国土交通大臣が認めた人
指導監督的な実務経験とは、建設工事で現場監督や工事現場主任など工事全体の指導や監督を行った経験のことをいいます。
請負契約に関して誠実性があること
誠実性とは、請負契約に対して不誠実や不正行為しないと判断されている人のことをいいます。請負契約する際に横領や脅迫、契約以外の工事内容を実行するなどを行った場合は免許取り消し処分を受け、5年経過しないと新たに許可を受けられません。
建設業許可を取得するには誠実性も重要です。
請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用があること
請負契約をするときに金銭的な信用、財産的基礎があることが必要です。一般建設業許可と特定建設業の場合両方を見ていきましょう。
一般建設業許可の場合
一般建設業の場合は下記どれか1つの条件に当てはまる必要があります。
- 500万円以上の自己資本額があること
- 資金を調達する力が500万円以上あること
- 5年間建設業許可を継続していて続けていた実績があること(建設業許可の更新)
自己資本額とは貸借対照表の純資産合計額のことをいいます。
特定建設業の場合
特定建設業の場合は下記すべての条件に当てはまる必要があります。
- 欠損の額が資本金の20パーセントを超えないこと
- 70パーセント以上の流動比率があること
- 資本金が2,000万以上あり、自己資本額が4,000万以上あること
欠損の額とは繰越利益剰余金の額がマイナスでも利益準備金や資本剰余金がその合計額を上回る金額のことを指します。
欠格要件などに該当しないこと
欠格とは、建設業法違反やそのほかの禁錮刑に当てはまることをいいます。欠格要件に当てはまる人は建設業許可の取得はできません。また、暴力団組員または関わりのある人はもってのほかです。建設業許可を申請する人やその役員、令第三条に規定する人、法定代理人などが該当します。
建設業許可の対象となる29の業種
建設業の許可は29の業種が対象です。
- 大工工事
- 左官工事
- 土木一式工事
- 建築一式工事
- 屋根工事
- 石工事
- とび・土木・コンクリート工事
- 電気工事
- 鋼構造物工事
- れんが・タイル・ブロック工事
- 管工事
- 板金工事
- しゅんせつ工事
- 鉄筋工事
- 舗装工事
- 防水工事
- ガラス工事
- 塗装工事
- 電気通信工事
- 内装仕上工事
- 熱絶縁工事
- 機械器具設置工事
- さく井工事
- 造園工事
- 解体工事
- 建具工事
- 水道施設工事
- 清掃施設工事
- 消防施設工事
建設業許可は建設工事の種類ごとに取得する必要があります。
熱絶縁工事業に必要な資格や建設業許可取得方法についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
熱絶縁工事業とは?熱絶縁工事業に必要な資格や建設業許可取得方法などをご紹介!
建設業許可を受けるために必要な手続き
建設業許可を取得するためには手続きが必要です。
- 申請先を確認する
- 許可申請区分を確認する
- 許可申請書と必要書類を用意する
- 手数料を納入する
建設業許可の申請時に不備がでないためにも、1つずつ確認しましょう。
1.申請先を確認する
建設業許可を申請する先が知事許可か大臣許可かによって違いがでてきます。知事許可の場合は各都道府県庁に申請し、大臣許可の場合は国土交通省が関わっている地方整備局へ提出します。
2.許可申請区分を確認する
建設業許可の許可を申請する場合は、
- 大臣許可もしくは知事許可
- 特定建設業もしくは一般建設業
- 建設業許可を申請する業種がどれか
など様々な申請区分があります。会社がどの許可申請区分に入るのかをしっかり確認しましょう。
3.許可申請書と必要書類を用意する
国土交通省のホームページでは、建設業許可のテンプレートと建設業許可を申請するときに提出する必要書類が確認できます。建設業許可を取得するための必要書類がかなり多く、取得する業種や会社によって違います。書類不備をなくすためにも提出する前に申請する場所に問い合わせるのがおすすめです。
4.手数料を納入する
建設業許可を申請するときは手数料の納付が必要です。大臣許可と知事許可どちらに申請するのかによって金額が変わります。また、特定建設業と一般建設業についても変わってきます。
【知事許可の場合】
- 一般建設業許可または特定建設業許可どちらか1つのみの場合9万円
- 一般建設業許可と特定建設業許可同時に申請する場合18万円
【大臣許可の場合】
- 一般建設業許可または特定建設業許可どちらか1つのみの場合15万円
- 一般建設業許可と特定建設業許可同時に申請する場合30万円
【まとめ】建設業許可の要件を確認して確実に申請を行おう
大きな工事の発注や請負の場合は建設業許可が必要です。しかし、建設業許可を取得するには様々な証明書類を用意する必要があります。建設業許可取得の要件を見て、自分がどれに当てはまるのかを確認してから申請を行いましょう。必要書類や申請場所など分からないことがある場合は、申請するところに問い合わせるのも1つの手段です。
個人事業主が建設業許可を取得する方法についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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