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建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録を躊躇している方も多いでしょう。実際に、建設キャリアアップシステムの利用にはいくつかのデメリットがあります。しかし、登録しないと仕事を受注できなくなるかもしれません。
本記事では、建設キャリアアップシステムのデメリットや、デメリットをカバーする方法、登録しないと起こることを解説します。ぜひ本記事を参考にして、建設キャリアアップシステムを登録する準備に取りかかりましょう。
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建設キャリアアップシステム(CCUS)のデメリットは?
建設キャリアアップシステム(CCUS)には、いくつかのデメリットがあります。
- コストがかかる
- 手間がかかる
- 使いこなすのが難しい
- トラブルが多い
それぞれの内容を解説します。
コストがかかる
建設キャリアアップシステムを利用するためには、コストがかかることがデメリットのひとつです。具体的には、事業者登録料、技能者登録料、ID利用料、現場使用料、カードリーダー料が必要です。
さまざまな場面でそれぞれ費用がかかるので、コストの総額がかさむ傾向にあります。また、登録申請手順が煩雑であるにもかかわらず、コールセンターが廃止されました。PC操作が苦手な方や、何度も窓口に出向く時間がない方が申請代行サービスを利用する場合は、さらにコストがかかります。
事業者登録料
事業者が建設キャリアアップシステムを利用するには、以下の表のように、資本金額に応じて登録料を支払う必要があります。登録の有効期間は5年です。
資本金 | 事業者登録料(税込) |
一人親方 | 0円 |
500万円未満(個人事業主含む) | 6,000円 |
500万円以上1,000万円未満 | 12,000円 |
1,000万円以上2,000万円未満 | 24,000円 |
2,000万円以上5,000万円未満 | 48,000円 |
5,000万円以上1億円未満 | 60,000円 |
1億円以上3億円未満 | 120,000円 |
3億円以上10億円未満 | 240,000円 |
10億円以上50億円未満 | 480,000円 |
50億円以上100億円未満 | 600,000円 |
100億円以上500億円未満 | 1,200,000円 |
500億円以上 | 2,400,000円 |
技能者登録料
建設キャリアアップカードを発行するためには、以下の表のように、技能者登録料がかかります。年齢や本人確認書類提出の有無などで異なりますが、有効期間は約10年です。
インターネットであれば、簡略型と詳細型のどちらかで、認定登録機関の窓口であれば、詳細型のみで申請できます。カードの紛失、破損、券面書換の際には、再発行手数料に1,000円かかります。
申請方法 | 技能者登録料(税込) |
インターネット | 簡略型:2,500円 |
詳細型:4,900円 | |
認定登録機関の窓口 | 詳細型:4,900円 |
ID利用料
事業者が建設キャリアアップシステムで情報を管理する際には、利用料を支払ってIDを発行する必要があります。ID1つにつき11,400円(税込)かかります。一人親方の場合は、2,400円(税込)です。有効期間は1年です。
現場使用料
元請事業者は、現場での技能者就業履歴情報の登録回数(カードタッチ数)に応じて、使用料金を支払います。技能者は、現場に入退場するたびに就業履歴情報の登録(カードタッチ)をしなければなりません。現場1つあたり、1人につき1日10円かかります。
例えば、技能者20人が50日間就業すると、現場使用料は、20人×50日×10円=10,000円です。1人が1日に同じ現場に数回入場しても10円のままですが、1人が1日で複数の現場に入場すると、10円が現場の数だけかかります。
カードリーダー料
現場で技能者就業履歴情報を登録するためには、キャリアアップカードを読み取るカードリーダーが必要です。有線・無線、内蔵バッテリーの有無などで異なりますが、およそ3,000~30,000円かかります。
現場ごとに、カードリーダーと、カードリーダーをつなぐPCが必要です。カードリーダーやPCは、水濡れや振動によって動作が不安定になったり故障したりする恐れがあります。場合によっては、設置場所を整備するのに費用がかかるかもしれません。
手間がかかる
手間がかかることも、建設キャリアアップシステムのデメリットのひとつです。インターネットで利用申請するためには、膨大な量のガイダンスを読みながら、本人確認書類や保険加入証明書などを一つひとつ電子化して添付し、情報を入力する必要があります。
登録申請や利用に不明点があっても、コールセンターがないので、公式サイトの「よくある質問」ページで解決方法を探すか、メールで問い合わせなければなりません。その他に、システムの使い方の習得、カードリーダー購入や設置、システムエラー時の対応などにも手間がかかります。
使いこなすのが難しい
建設キャリアアップシステムのデメリットには、使いこなすのが難しいことも挙げられます。2020年の全国中小建設業協会の調査によると、「システム習得が困難で使いにくい」という声が67%にも上りました。
システムを十分に使いこなすには、マニュアルの熟読が必要ですが、膨大な量のマニュアルがあるため、習得に時間がかかります。不明点を調べるためにはインターネットの利用が必須なので、インターネットが苦手な方は非常に苦労するでしょう。
参考:建設資料館
マニュアルの多さ
建設キャリアアップシステムを適切に利用するには、多くのマニュアルを十分に読んで内容を把握する必要があります。準備書類や入力方法について解説された登録申請マニュアル、施工情報登録や就業履歴登録に関する現場運用マニュアルが膨大にあるため、目を通すだけでも時間がかかるでしょう。
不明点があったときは、公式サイトの「よくある質問」ページを確認するよう求められますが、FAQが数千件あるので、解決方法を探すことにも時間がかかります。
インターネット上や認定機関のみの対応
建設キャリアアップシステムの登録申請は主にインターネットで実施します。認定登録機関の窓口でも申請できますが、多くが関東地方に偏在しており、認定登録機関が設置されていない地域の事業者はインターネットで申請するしかありません。
電話相談できるコールセンターは廃止されてしまったので、不明点を解決するにはインターネットが必須です。不明点を解決するためには、公式サイトの「よくある質問」ページで調べる、解説動画を見る、メールで問い合わせる必要があります。
トラブルが多い
建設キャリアアップシステムは、システムの不具合が少なくないといわれています。過去には、就業履歴が登録されない、事業者名に一部誤りがある、ログインできないといった障害が発生しました。
不具合発生時やメンテナンス中は建設キャリアアップシステムを利用できないため、事務作業が止まってしまいます。不具合からの復旧後やメンテナンス後は、アクセスが集中して回線がつながりにくくなり、事務作業が滞ることもあるでしょう。
デメリットをカバーする方法
デメリットをカバーするために、以下の方法を利用しましょう。
- 代行申請を利用する
- 助成金で費用負担を軽減する
- システム自体の改善
方法をそれぞれ解説します。
代行申請を利用する
建設キャリアアップシステムのデメリットをカバーする方法のひとつが、代行申請の利用です。2022年2月から、行政書士による代行申請が可能になりました。近年は、実務講習を受講した、登録申請を代行してくれる行政書士が全国各地に多くいます。
費用はかかりますが、代行申請を利用すれば、多くのマニュアルを読んだり、書類を電子化したりする手間を減らせます。行政書士によっては、登録後の操作サポートもしてくれるので、操作に不安を感じる方は利用しましょう。
参考:建設キャリアアップシステム登録行政書士について
助成金で費用負担を軽減する
建設キャリアアップシステムに関する助成金が3種類あります。
「人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等普及促進コース)」は、事業者登録や技能者登録、レベル判定などの申請手続きの支援を実施する際に助成されます。
「人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース)」は、建設キャリアアップシステム普及を目的とした研修会・講習会を実施する際に利用可能です。
「人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)」は、技能者に技能講習や特別教育を受講させるときに利用できます。
システム自体の改善
建設キャリアアップシステムのサポート体制が改善されつつあります。オンラインで受講できる「CCUSサテライト説明会」に参加すれば、「よくある質問」ページや解説動画ではわからなかった点を口頭で質問できます。
建設キャリアアップシステムの専門知識を習得した「CCUS認定アドバイザー」も増えており、一部のアドバイザーは電話相談も可能なので、インターネットが苦手な方は特に頼れるでしょう。
建設キャリアアップシステムのモデル工事を受注した企業は、運用説明会や情報交換会といった「CCUSモデル工事サポート」も利用できます。
キャリアアップシステムに登録しないとどうなる?
建設キャリアアップシステムに登録しないと、以下のことが起こる可能性があります。
- 公共工事の入札で不利になる可能性
- 経営事項審査で加点されない
- 案件受注数の減少、現場に入れない
- 事務の業務負担が増える
内容をそれぞれ解説します。
公共工事の入札で不利になる可能性
建設キャリアアップシステムに登録していない場合、公共工事の入札で不利になる可能性があります。建設キャリアアップシステムのさらなる普及を目指すため、公共工事の総合評価落札方式や入札参加資格の審査で、建設キャリアアップシステム登録事業者への加点が検討されています。
建設キャリアアップシステムに登録していないと加点がなされず、登録している同業他社が受注を獲得するかもしれません。未登録の方は、自社の地域の動向をチェックして、あらかじめ登録を準備しておきましょう。
経営事項審査で加点されない
建設キャリアアップシステムに登録していないと、経営事項審査で加点されません。経営状況、経営規模、技術力などで点数付けされる経営事項審査は、公共工事を請け負う際に必ず受ける必要があります。2023年1月の改正により、建設キャリアアップシステムに関する審査項目が追加されました。
「建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況(W10)」として、直近の公共工事案件すべてにおいて建設キャリアアップシステムを導入していれば10点、民間工事も含めた工事案件すべてに導入していれば15点が加点されます。
建設キャリアアップシステムを導入していないと、評価点が大きく下がり、受注に不利となるでしょう。
案件受注数の減少、現場に入れない
案件受注数の減少や現場に入れないといったことも、建設キャリアアップシステムに登録していないと起こるかもしれません。建設キャリアアップシステムへの登録が、国から元請企業に要請され、さらに元請企業から下請業者に要請されるケースが多くあります。
要請に従わない業者は、案件を受注できなくなる恐れがあります。また、建設キャリアアップシステムの活用を進めている現場では、キャリアアップカードをカードリーダーにタッチしないと入場できないかもしれません。
事務の業務負担が増える
建設キャリアアップシステムを利用すると、社会保険や年金加入状況の確認がカードタッチのみで完了するので、紙の証書のコピーは必要ありません。建退共(建設業退職金共済制度)の掛金管理もできるので、煩雑な証紙発行の事務作業を削減できます。
人の手で実施されていた事務作業をシステムに置き換えることで、記入漏れや記入誤りといったミスも減らせるでしょう。しかし、建設キャリアアップシステムを利用しないと、こうした事務の業務負担が多いままとなってしまいます。
建設キャリアアップシステムの技能者登録方法は?登録に必要な料金や書類などをご紹介!
建設キャリアアップシステムの加入は義務化となった?
2023年度中に建設キャリアアップシステムの利用の義務化が計画されています。義務化の背景には、社会保険や年金加入状況の把握、建退共の掛金未納解消・加入促進、建設技能者の能力に応じた賃金支払といった目的があります。詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
建設キャリアアップシステムの代行申請についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
建設業キャリアアップシステムの代行申請とは?費用や流れを解説
【まとめ】建設キャリアアップシステム(CCUS)はデメリットもある!コストや手間をしっかり考えて登録しよう
建設キャリアアップシステムのデメリットや、デメリットをカバーする方法、登録しないと起こることを解説しました。建設キャリアアップシステムには、コストや手間がかかる、使いこなすのが難しいといったデメリットがあります。
しかし、代行申請や助成金制度が整備されつつあるので、デメリットをカバーできるでしょう。登録しないと、入札で不利になったり、経営事項審査で加点されなかったりなどして、案件を受注できなくなる恐れがあります。ぜひ本記事を参考に、建設キャリアアップシステムへの登録を準備してください。
建設キャリアアップシステムは無駄だったのかについてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
普及に失敗?建設キャリアアップシステム(CCUS)は無駄だったのかについて解説
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