建設キャリアアップシステムの登録にかかる料金や抑える方法などを解説

建設キャリアアップシステムは、事業者と技能者どちらにも役立つ重要なシステムです。建設キャリアアップシステムの登録や利用などには、費用がかかります。

費用を抑えるために、システムの運用にかかる費用をあらかじめ把握することが大切です。

本記事では、建設キャリアアップシステムの登録や利用などにかかる費用、システムを利用するメリットなどを解説します。

建設キャリアアップシステムの利用を検討している人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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建設キャリアアップシステムとは

「建設キャリアアップシステム(CCUS)」は、建設業就業者の情報を一括で管理するシステムです。

技能者は、就業経歴、保有資格、社会保険加入状況などをシステムに登録し、客観的なデータをキャリアアップや処遇改善に活用できます。

事業者は、施工体制の管理や下請業者の社会保険加入状況の確認といった事務作業を効率よく実施できるでしょう。
2024年11月末で、技能者の登録数は150万人以上、事業者の登録は28万社以上と、利用者数は増加傾向にあります。

建設キャリアアップシステムの登録にかかる料金

建設キャリアアップシステムの登録にかかる料金を、技能者登録にかかる料金と事業者登録にかかる料金に分けて解説します。

技能者登録にかかる料金

技能者登録には、「簡略型登録」と「詳細型登録」の2種類があります。

  • 簡略型登録:技能者の基本情報のみの登録
  • 詳細型登録:基本情報と、能力評価制度(レベル判定)の申請に必要な保有資格情報の登録

技能者登録は、インターネットもしくは認定登録機関で申請できます。

インターネットで申請したい場合は、建設キャリアアップシステム公式Webサイトにアクセスしてください。認定登録機関で申請したい場合は、建設キャリアアップシステム公式Webサイトで最寄りの認定登録機関を検索し、予約したうえで訪問しましょう。

インターネットで申請する場合、「簡略型登録」と「詳細型登録」のどちらかを選べます。認定登録機関で申請できるのは「詳細型登録」のみです。

インターネットでの申請時にかかる料金と認定登録機関での申請時にかかる料金を以下で解説します。

インターネット申請

インターネット申請では、簡略型登録と詳細型登録のどちらかを選んで申請します。それぞれの費用は以下のとおりです。

  • 簡略型登録:2,500円(税込)
  • 詳細型登録:4,900円(税込)

新規登録時だけでなく10年ごとの更新時にも登録料の支払いが必要です。簡略型で登録してからカードが発行された後に詳細型に切り替える場合は、別途2,400円を支払う必要があります。

また、カードの紛失、破損、券面書換などで再発行が必要な場合は、1,000円かかります。

認定登録機関申請

認定登録機関では、詳細型登録のみ申請できます。詳細型登録は、本人の基本情報だけでなく保有資格も登録できる方式です。簡略型登録は申請できません。

認定登録機関は、2025年1月9日時点で全国に236個あります。事前に来訪予約をし、手書きで申請書に必要事項を入力して窓口に提出してください。

認定登録機関で詳細型登録を申請する際にかかる費用は、インターネットでの申請と同じく4,900円(税込)です。

事業者登録にかかる料金

事業者の登録料は、資本金の額によって異なります。資本金額ごとの事業者登録料は以下のとおりです。

  • 一人親方:登録料0円(税込)
  • 500万円未満(個人事業主含む):登録料6,000円(税込)
  • 500万円以上1,000万円未満:登録料12,000円(税込)
  • 1,000万円以上2,000万円未満:登録料24,000円(税込)
  • 2,000万円以上5,000万円未満:登録料48,000円(税込)
  • 5,000万円以上1億円未満:登録料60,000円(税込)
  • 1億円以上3億円未満:登録料120,000円(税込)
  • 3億円以上10億円未満:登録料240,000円(税込)
  • 10億円以上50億円未満:登録料480,000円(税込)
  • 50億円以上100億円未満:登録料600,000円(税込)
  • 100億円以上500億円未満:登録料1,200,000円(税込)
  • 500億円以上:登録料2,400,000円(税込)

建設キャリアアップシステムの運用にかかる料金

建設キャリアアップシステムの運用にかかる料金を以下の3つの項目に分けて解説します。

  • 管理者ID利用にかかる料金
  • 現場利用にかかる料金
  • カードリーダーの導入にかかる料金

管理者ID利用にかかる料金

事業者情報を建設キャリアアップシステムで管理するために、管理者IDを発行する必要があります。管理者IDの利用料は1件につき11,400円(税込)です。ただし、一人親方であれば管理者ID利用料は2,400円です。また、現場管理者として登録されたIDには、管理者ID利用料はかかりません。

管理者ID利用料は毎年支払う必要があります。支払いを怠ると管理者IDの利用が停止されるので注意しましょう。銀行振込(三井住友銀行)またはコンビニ決済で支払ってください。

現場利用にかかる料金

技能者が就業時に情報を登録した回数に応じて、元請事業者は料金を支払う必要があります。現場利用料は1人1日1現場あたり10円(税込)です。

現場利用料は以下の例のように計算されます。

  • 10人の技能者が同じ現場に30日就業した場合:10人×30日×1現場×10円=3,000円
  • 1人の技能者が同じ現場に午前と午後に2回入場した場合:1人×1日×1現場=10円
  • 1人の技能者が午前と午後で同じ元請事業者の異なる現場に入場した場合:1人×1日×2現場=20円

カードリーダーの導入にかかる料金

建設キャリアアップシステムを利用するためには、現場へのカードリーダーの設置が必要です。

カードリーダーの販売価格はおよそ3,000円~30,000円と、機能によって差があります。WindowとiOS両方に対応している製品、無線でPCに接続できる製品、山間部のような電波の届かないところでも利用できる製品などが高価な傾向にあります。

シチュエーションに適したカードリーダーを選定することが大切です。

建設キャリアアップにかかる料金を抑える方法

基本的に、登録料、管理者ID利用料、現場利用料の節約はできません。

建設キャリアアップシステムにかかる料金を抑えるためには、カードリーダーの選び方が大切です。前述したように、カードリーダーの販売価格の相場はおよそ3,000円~30,000円です。

ほかにも、カードリーダーを接続する端末、現場のインターネット回線、ソフトウェアのインストールなどに費用がかかることがあります。

自社の現場に必要な機能を把握し、適したカードリーダーを選ぶことで、費用を抑えられます。

建設キャリアアップシステムの登録方法

建設キャリアアップシステムの登録は、技能者と事業者どちらもインターネットもしくは認定登録機関で申請できます。

技能者の場合、本人確認書類の写しが必要です。審査完了後、ICカードが自宅に郵送されます。事業者の場合、建設業許可証明書や納税証明書などの証明書類の写しを提出してください。審査完了後、事業者IDがメールで通知されます。

また、技能者と事業者どちらも、雇用主や請負元の企業による代行申請を利用できます。

建設キャリアアップシステムを利用するメリット

建設業者側と技能者側それぞれにおける、建設キャリアアップシステムを利用するメリットを解説します。

建設業者側のメリット

建設業者側の建設キャリアアップシステムを利用するメリットは主に以下の3つです。

  • 出面管理を正確に行える
  • 入札加点につながる
  • 事業者の情報をスムーズに確認できる

それぞれの内容を解説します。

出面管理を正確に行える

建設業者側の建設キャリアアップシステムを利用するメリットに、出面管理を正確に実施できることが挙げられます。

入退場を正確に記録するシステムがないと、現場作業者がどのくらいの時間現場で働いていたかを把握することは困難です。建設キャリアアップシステムを導入し、ICカードで現場作業者の入退場を管理することで、現場作業者が働いた時間を正確に記録できます。働いた時間を正確に把握できれば、賃金の算出も円滑に進められます。

入札加点につながる

建設キャリアアップシステムの利用は、入札評価時の加点にもつながります。

2023年1月に、経営事項審査の改正により、「建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況」の審査項目が新設されました。建設キャリアアップシステムをすべての公共工事の現場で利用していた場合は10点、民間工事を含めたすべての現場で利用していた場合は15点が加算されます。

総合評定値算出係数も改正されたため、建設キャリアアップシステムの利用有無は総合評定に大きな影響を与えます。

事業者の情報をスムーズに確認できる

事業者の情報をスムーズに確認できることも、建設キャリアアップシステムを利用するメリットの1つです。

元請業者は、建設キャリアアップシステムの事業者情報を閲覧することで、下請業者の雇用者数、保有資格、社会保険加入状況などを把握できます。事業者情報を簡単に把握できるため、勤怠管理、施工台帳や作業員名簿などの作成といった事務作業を効率化できるでしょう。

施工体系図や下請負業者編成表といった書類もシステムを利用して簡単に出力できます。

技能者側のメリット

技能者側の建設キャリアアップシステムを利用するメリットに、以下の3つが挙げられます。

  • 待遇を改善できる
  • キャリアアップに活用できる
  • 確実に退職金を受け取れる

それぞれの内容を解説します。

待遇を改善できる

技能者側の建設キャリアアップシステムを利用するメリットの1つが、待遇を改善できることです。

建設キャリアアップシステムは、技能者の待遇改善に役立てるために作られたシステムです。技能者のスキルや経験を建設キャリアアップシステムに蓄積すれば、誰もが客観的に技能者を評価して、賃金や待遇に反映できます。

また、報酬の未払いがあった場合にも、技能者は建設キャリアアップの履歴を根拠に正確な報酬を算出して請求できます。

キャリアアップに活用できる

キャリアアップに活用できることも、技能者が建設キャリアアップシステムを利用するメリットの1つです。

前述したように、建設キャリアアップシステムに技能者のスキルや経験を記録して蓄積できます。蓄積した記録を利用することで、昇進や転職を目指す際に自分の強みを簡単にアピールできます。

キャリアアップに活用しない場合でも、スキルや経験が多ければ顧客からの信頼の獲得につながり、多くの仕事を受注できるでしょう。

確実に退職金を受け取れる

確実に退職金を受け取れることも、技能者が建設キャリアアップシステムを利用するメリットに挙げられます。

建設キャリアアップシステムを利用しない場合、共済手帳に証紙を貼り付けて管理しなければなりません。

建設キャリアアップシステムがあれば、入退場の際にカードリーダーに自分のICカードをタッチするだけで建設業退職金共済掛金を積み立てられます。共済手帳の管理の手間を省いて、適切に掛金を管理できるため、過不足なく退職金を受け取れます。

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【まとめ】建設キャリアアップシステムの料金は登録時と運用時に発生する!上手にカードリーダーを選び抑えよう

建設キャリアアップシステムの登録や利用などにかかる費用、システムを利用するメリットなどを解説しました。

建設キャリアアップシステムの利用には、事業者と技能者どちらにも様々なメリットがあります。建設キャリアアップシステムには、登録だけでなく管理者IDの利用、現場での運用、カードリーダーの導入にも費用がかかるため、あらかじめ把握しておきましょう。自社に合ったカードリーダーを選ぶことが、費用を節約するために大切です。

ぜひ本記事を参考に、建設キャリアアップシステムの登録を検討しましょう。

建設キャリアアップシステムのメリットデメリット義務化などについてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

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