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建設工事を仕事として行う場合、建設業許可が必要になってくることがあります。しかし、建設業許可の取得方法について調べても難しい言葉ばかり。自分で申請してみようと思っても「自分に出来るのかな?」と不安になってしまうこともあるかもしれません。
今回は、塗装工事業の種類、そして建設業許可を取得するためのさまざまな要件について詳しく解説していきます。お悩みの人はぜひ参考にして頂けたら幸いです。
塗装工事業とは
塗装工事業とは、塗料または塗材等を工作物に塗装する工事のことを指します。塗り付けだけではなく、吹き付けやはり付けといったさまざまな方法が用いられています。
塗装工事業は、主に6つの種類に分かれており、その内容は国土交通省が例示している建設業許可事務ガイドラインに例示されています。ここから、6つの内容について詳しく説明していきます。
塗装工事業の種類
国土交通省が例示している建設業許可事務ガイドラインによると、塗装工事業には以下6つの種類があります。
- 塗装工事
- ライニング工事
- 鋼構造物塗装工事
- 溶射工事
- 布張り仕上工事
- 路面標工事
例をあげると、道路を舗装する場合は舗装工事業に該当しますが、道路に車線を引くのは塗装工事業に該当します。ここからは、塗装工事業の内容をそれぞれ解説していきます。
塗装工事
塗装工事とは、塗料を塗ったり吹き付けたりする工事のことを指します。ただ塗装するだけではなく、雨風に備えて防水加工を行ったり、火災などから建物を守るために耐火性をあげたり、さまざまな目的に対応しながら工事が進められます。使用する塗料は、水性から溶剤までその特性はさまざまで、顧客とよく相談しながら、ニーズに合う最適な塗料を決めていきます。塗装は時間の経過とともに劣化していくので、定期的な確認と塗り替え工事を行うことも、大切なこととなります。
ライニング工事
ライニング工事とは、マンションやビルといった建物の給排水管の内側から専用塗料を流す工事のことを指します。それによって新管のようにきれいになり、建物や配管の寿命を延ばすことができます。配管が破損や腐敗している場合本来は取り替えることが望ましいですが、工事の規模やコスト面などから取り替えを控えたいというオーナーや管理会社も少なくないでしょう。このような場合に、取り替えを行わずに配管を再生させられるライニング工事が選ばれています。
鋼構造物塗装工事
鋼構造物塗装工事とは、防錆塗膜を鋼材の表面に作ることで、錆や腐食から守るための工事のことです。鋼構造物とは、道路橋や歩道橋、橋梁などといった鋼材でできた大型構造物のことで、私たちが生活する上で欠かせないものです。しかし鋼構造物は時間の経過とともに、錆が発生し劣化していくため、そのまま放置してしまうと、腐食により鋼材が崩壊し、大事故に繋がる危険があるのです。そのためにも、防錆塗膜を鋼材の表面に作り、鋼構造物を錆や腐食から守る必要があります。錆止め塗料は油性系とエポキシ樹脂系があり、用途とニーズに合った最適な塗料が選ばれます。
溶射工事
溶射工事とは、基礎となる金属などに、加熱した溶射材を吹き付けることで、金属の特性を付加させる表面処理工事のことを指します。
鉄鋼構造物の防錆性や防食性を向上させること、有機溶剤やガスから金属を守ること、また、耐蝕性、耐摩消等の性能を上昇させることなどが溶射工事の目的としてあげられます。
フレーム溶射、プラズマ溶射、アーク溶射と溶射法の種類はさまざまで、溶射する金属や目的に応じて、使い分けていきます。
布張り仕上工事
布張り仕上げとは、布地を建物の壁面に張り付け、それに着色して生地が見えるように仕上げる工事のことを指します。亀裂防止のために行う布張りとは異なるので注意をしてください。
使用する布地は、寒冷紗・レース地・ヘッシャンクロスなどが推奨されています。これは、丈夫で壁面に張りやすく、着色により仕上げ効果のあがるものであり、その中で建物のイメージと合致した布が選ばれます。2種類ある布地の張り方のうち一つはそのまま貼る突き付け張りと、一部を重ねて貼り付ける重ね張りという方法があります。突き付け張りは、ヘッシャンクロスなどの厚い布地が、重ね張りには、寒冷紗などの薄い布地が適しています。
路面標示工事
路面標示工事とは、専用塗料を用いて道路に横断歩道を引く工事のことを指します。道路に関連する工事であることから、舗装工事業と混同する場合もありますが、こちらは塗装工事業です。用いられる塗料は加熱されているもので、工事用の車両で道路の上を移動しながら塗装していきます。そのため、冷めないうちに素早く行う必要があり、機敏さや安全に対する注意深さなどが求められる工事です。
塗装工事業の建設業許可を取得するための5つの要件要件
「軽微な建設工事」以外の塗装工事を請け負う場合には、建設業許可(塗装工事業許可)を取得する必要があります。これは、公民工事・民間工事のどちらを請け負う場合も該当します。
- 経営業務の管理責任者がいる
- 専任技術者がいる
- 誠実性が認められる
- 財政要件をクリアしている
- 欠格要件に該当しない
許可を取得するためには、建設業法施工規則第7条に規定されている4つの「許可要件」を満たした上で、同法8条で定められている「欠格要件」に該当しないことを証明できなければなりません。
ここから要件について具体的に説明していきます。
経営業務の管理責任者がいる
建設業法施行規則第7条第1号によって、建設業許可を取得する場合には、経営事務の管理責任者を設置する必要があります。経営業務の管理責任者とは、安定して会社経営ができるよう組織体制を整えたり、また営業取引上の責任を負う役割を担っています。この要件が定められた理由は、適正な施工を行うために建設業経営事務について一定以上の経験を持ち合わせている人が最低限必要だと判断されたからです。詳しい要件などについては後ほど詳しく解説しますので、ご確認ください。
専任技術者がいる
建設業法第7条第2号ならびに同法第15条第2号によって、建設業許可を取得する場合には、専任技術者が必要になります。専任技術者とは、許可を受けた工事に関して、適切な契約内容で締結をし、その履行を確保しなければならない役割を担っています。一般建設業と特定建設業とでは、専任技術者の要件は変わってくるので注意が必要になります。詳しい要件などについては後ほど詳しく解説しますので、ご確認ください。
誠実性が認められる
建設業法施工規則第7条3号においての「誠実性」とは、許可対象となる法人もしくは個人が、工事請負契約の請負契約に関して不正、または不誠実な行為をする可能性が明らかである場合、建設業許可を取得することができないという規定です。
そのため、建設業許可を取得するためには、「誠実性」の証明が求められます。
これは、法人または個人だけではなく、営業取引をするにあたって重要な地位にある役員等についても同様のため、注意が必要となります。
財産要件をクリアしている
同法第7条第4号ならびに第15条第3号によって、建設業許可を取得するためには、規定された財産要件をクリアする必要があります。これは、建設工事を行うにあたって、最後まで完了できるだけの財政的基礎を確保していることを証明しなければならないためです。一般建設業許可の場合、財政的基礎を確保していると証明できる条件は,、「500万円以上の自己資本を保有している」、「500万円以上の資金調達能力がある」、「許可を受領し、継続営業をしていたた実績がある」の3つです。
特定建設業許可の場合は、「所得金額損金が資本金の20%を超えていない」、「資本金の額が2,000万円以上かつ、自己資本金が4,000万以上である」の2つです。いずれも条件をクリアすることにより、財政的基礎を確保しているという証明になります。特定建設業許可は、一般建設業許可と比較すると条件が厳しいため、そこは注意が必要です。
建設業許可に必要な500万円がない場合の対処法
「建設業許可を取得したいけど500万円も手元にない・・・」このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。そのような場合には以下のような対処法で解決できます。
- 複数の口座に入っているお金を1つにまとめる
- 入金のタイミングで残高証明書を取得する
- 資金を調達する
詳しい内容や、資金調達に関する注意点などは以下の記事で分かりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
建設業許可に必要な500万円がない場合はどうする?資本金が足りない場合の対処方法をご紹介!
欠格要件に該当しない
建設法第8条ならびに同法第17条(準用)によって、欠格要件が認められた場合は、建設業許可を取得することができません。欠格要件とは、許可申請書などに虚偽記載をした場合、または重要な事実を記載しなかった場合に、建設業許可を得ることができなくなるという規約です。
そのため、建設業許可を得るためには、「欠格要件に該当しない」ことが必要とな ります。
また、建設業許可を取得したあとに該当してしまった場合は、許可の取消処分を受 けることになるため、十分注意が必要です。
塗装業の建設業許可の経営業務管理責任者の要件
経営業務管理責任者の要件として、 法人の場合は、常勤役員の1人が、個人事業主の場合は、本人または支配人のうち1人が、下記いずれかの条件に該当する必要があります。
- 塗装工事業を5年以上、個人事業主として営んでいること
- 5年以上の役員経験が塗装工事業を営む会社であること
- 塗装工事業を除くの建設業を営む会社にて5年以上の役員経験があること
- 塗装工事業を除くの建設業を個人事業主で5年以上営んでいること
ここから要件について具体的に説明していきます。
塗装工事業を個人事業主として5年以上営んでいる
法人を設立せずに、個人で事業を営んでいるのが個人事業主です。本人、または支配人の1人が、その個人事業主として塗装工事業を5年以上営んでいなければなりません。証明するためには、塗装工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書等、および5年間以上の確定申告書(原本提示)などを用意する必要があります。
塗装工事業を営む会社で5年以上の役員経験がある
常勤役員のうち1人が、塗装工事業を営む会社で5年間以上の役員経験を積んでいなければなりません。証明するためには、建設業許可保有会社である場合、建設業許可通知書のコピー、および5年間以上の役員期間の記載されている登記簿膳本(履歴事項全部証明書)などを用意する必要があります。
建設業許可を保有していない会社の場合、電気通信工事とわかる工事請負契約書、注文書、請求書等、および役員期間の記載されている登記簿膳本(履歴書全部証明書)などを用意する必要があります。
塗装工事業以外の建設業を営む会社で5年以上の役員経験がある
常勤役員うち1名が、塗装工事業をのぞいた建設業を営む会社で5年以上の役員経験必要です。証明するためには、建設業許可保有会社の場合、建設業許可通知書のコピー、および5年間以上の役員期間の記載されている登記簿膳本(履歴事項全部証明書)などを用意する必要があります。
建設業許可を保有していない会社の場合、工事請負契約書、注文書、請求書等、および役員期間の記載されている登記簿膳本(履歴事項全部証明書)などを用意する必要があります。
塗装工事業以外の建設業を個人事業主として5年以上営んでいる
法人を設立せずに、個人で事業を営んでいるのが個人事業主です。本人、または支配人の1人が、その個人事業主として塗装工事業以外の建設業を5年間以上営んでいなければなりません。証明するためには、請負契約書、注文書、請求書等、および5年間以上の確定申告書(原本提示)などを用意する必要があります。
【一般建設業】塗装業の建設業許可取得の専任技術者の要件
専任技術者とは、工事の契約を適切な内容で締結し、その工事を契約通りに実行するための役割を担う、建設業許可に必要不可欠な技術者のことです。下記のいずれかの条件を満たしている人を専任技術者として配置することができます。また専任技術者は、営業所ごとに配置する必要があります。
- 塗装工事業での10年以上の実務経験
- 指定学科(建築学、土木工学)卒業+塗装工事の実務経験がある人
- 指定された国家資格がある人
- ここから要件について具体的に説明していきます。
塗装工事業での10年以上の実務経験
塗装工事での10年以上の実務経験がなければなりません。そしてその経験が建設業許可保有か、保有していないかで、用意するものが変わってきます。
保有経験がある場合は、建設業許可通知書のコピーおよび厚生年金被保険者記録照会回答表等で証明することができます。建設業許可を保有していない会社での経験である場合は、塗装工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書および厚生年金保険者記録照会回答表等で証明することができます。
指定学科卒業+塗装工事の実務経験がある
中等教育学校、高等学校および、専修学校の場合は5年以上、高等専門学校および大学の場合は3年以上の実務経験が必要です。
建設業許可保有会社での経験である場合は、卒業証明書+建設業許可通知書のコピーおよび厚生年金被保険者記録照会回答表で証明することができます。建設業許可を保有していない会社である場合は、卒業証明書+塗装工事と明確にわかる工事請負契約書、注文書、請求書等および厚生年金被保険者記録照会回答表等で証明することができます。
指定された国家資格がある
指定されている国家資格等は下記のとおりです。
- 一級土木施工管理技士
- 二級土木施工管理技士(鋼構造物塗装)
- 一級建築施工管理技士
- 二級建築施工管理技士(仕上げ)
- 職業能力開発促進法の路面標示施工
- 職業能力開発促進法の塗装・土木塗装・木工塗装工
- 職業能力開発促進法の建築塗装・建築塗装工
- 職業能力開発促進法の金属塗装・金属塗装工
- 職業能力開発促進法の噴霧塗装(二級の場合は3年以上の実務経験が必要)
【特定建設業】塗装業の建設業許可取得の専任技術者の要件
塗装業の建設業許可を特定建設業で取得する場合には、下記のいずれかの条件に該当する人を専任技術者として営業所ごとに常勤として置く必要があります。
- 一般建設業の要件1~2のいずれかに該当する人で、更に元請として4,500万円以上(消費税込)の工事について2年以
- 上指導監督的な実務経験を有する人
- 指定された国家資格を有している人
ここから要件について具体的に説明していきます。
一般建設業の要件1~2のいずれかに該当し、更に元請として4,500万円以上の工事について2年以上指導監督的な実務経験を有する
塗装工事業での10年以上の実務経験がある人、もしくは、指定学科卒業+塗装工事の実務経験がある人のいずれかに該当し、その上で元請けとして4,500万円以上の工事について2年以上指導監督的な実務を経験している人を営業所毎に常勤として置かなければいけません。そのため一般建設業の要件より厳しくなります。証明するためには、建設許可通知書のコピーと工事請負契約書、注文書、請求書などを用意する必要があります。
指定された国家資格を有している
下記の指定された国家資格を保有している人を営業所ごとに常勤として置かなければなりません。
- 一級土木施工管理技士
- 一級建築施工管理技士
国家資格で専任技術者の要件を満たしたい場合、その条件は一般建設業の要件よりも厳しくなります。一般建設業に比べて、特定建設業のほうが難易度の高い資格を保有していなければなりません。特定建設業では一級レベルの国家資格を有していなければならないことをぜひ覚えておいて下さい。
「国土交通大臣から1・2に掲げる人と同等以上の能力を有すると認められている」について
これは以前に行われていた特別認定講習や考査に合格した人が該当します。しかし現在は実施されていないため、要件の1もしくは2で条件を満たさなければなりません。
塗装工事業の許可申請にかかる申請手数料
塗装工事業の許可申請をするためには、申請手数料が必要となります。申請手数料とは、どんな許可申請をする場合も必要となるケースが多いですが、塗装工事業の許可申請を行う際もやはり発生してきます。申請区分、または知事許可、大臣許可によって、その手数料金額が変わってきますので、事前に金額を確認しておくことが大切です。
以下にまとめています。
区分 | 知事許可 | 大臣許可 |
新規 | 9万円 | 15万円 |
許可換え新規 | 9万円 | 15万円 |
般・特新規 | 9万円 | 15万円 |
業種追加 | 5万円 | 5万円 |
更新 | 5万円 | 5万円 |
申請から許可取得までにかかる期間
塗装工事業の許可申請を行っても、許可を取得できるまでには時間を要します。
申請後は、都道府県で申請内容を審査してもらいますが、その審査に、約30日~45日ほどかかります。(各地域によってその期間は異なります。)
そのため、許可申請は計画的に行わなければなりません。いつまでに許可が必要という具体的な期限が決まっている場合には、そこから逆算して最低でも1カ月以上前には、塗装工事業の許可申請を行う必要があります。
建設業許可申請の手順
建設業許可取得の要件を全て満たしており、実際に申請してみたいと思う方はこちらの記事で申請手順や必要書類、申請にかかる費用などを詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
建設業許可申請の流れとは?必要な理由や申請の手順を完全解説!
【まとめ】塗装業の建設業許可を取得して業務の幅を広げよう!
今回は、塗装工事業とはどんな種類があるのかという部分から始まり、塗装工事業の建設業許可を取得するためのさまざまな要件、更に許可を取得するために要する期間や手数料などについて詳しく解説してきました。
建設業許可を取得することで、大規模な建設工事を請け負うことができたり、社会的な信用を得ることができたりとさまざまなメリットを得ることができるのです。
ぜひ記事を参考にしていただき、建設業許可を取得して業務の幅を広げていきましょう。
塗装業に必要な資格24選!資格の必要性や重要な資格も紹介
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