鳥瞰パースとは?作り方や利用方法についてわかりやすく解説

建物や街並みを上空から描き出す鳥瞰パースは、建築や都市開発の世界で欠かせない表現技法です。

「開発プロジェクトを説明する時、もっと視覚的にわかりやすく伝えたい」
「専門家以外にも理解しやすい建築イメージの表現方法を知りたい」

今回は、そんな悩みを解決する鳥瞰パースについて、基本概念から作り方、さらに活用法まで、わかりやすく解説します。

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鳥瞰パースとは

鳥瞰パースとは、空から見下ろしたような視点で建物や街並みを表現した図のことです。「鳥瞰」という言葉は、鳥が高いところから地上を見下ろすように、上空から俯瞰的に見る視点を意味しています。

最大の特徴は、建物や周辺環境を含めた全体像を一度に把握できる点にあります。建物単体だけでなく、周辺との関係性や配置バランスも明確に示せるほか、敷地の形状や建物の配置、外観デザイン、緑地の割合など、プロジェクト全体の調和を視覚的に伝えられる利点があります。
近年ではCG技術の発展により、手描きの鳥瞰図から3DCGを用いた鳥瞰パースへと進化しました。現代の鳥瞰パースは、建築プランの提案やプレゼンテーション、不動産広告などで広く活用されています。

鳥瞰パースの作り方

鳥瞰パースを作成するにはいくつかの段階を踏む必要があります。図面準備から始まり、モデリング、カメラ設定、照明設定など、各工程で適切な知識と技術が求められます。

ここでは各ステップの内容と重要な点を詳しく解説します。

1.図面を準備する

鳥瞰パース制作の第一歩は、図面の準備から始まります。基本となるのは配置図や平面図、立面図など、建築物の正確な形状と寸法を示す資料です。周辺環境の情報も含めると、より現実的な鳥瞰パースが制作できます。

デザインが確定していない段階でも概略の図面から作業を始め、後から修正を加えていくことも可能です。データを用意する際は、基本的なCADファイル形式であるDXFやDWG、またはJWW形式とする必要があります。

2.モデリングを行う

図面を準備したら、次は3Dモデリングの段階に入ります。3Dモデリングソフトを使い、建物や周辺環境の形状を立体的に作成していきます。

高度な表現を求める場合は、外装材のテクスチャなど細部にわたるモデリングも行います。また、樹木や自動車、人物などのオブジェクトも配置すると、スケール感や生活感が生まれます。

モデリングの精度は最終的な鳥瞰パースの品質に直結するため、主要な部分は正確に作り込むことが大切です。

3.カメラを設定する

3Dモデルが完成したら、視点となるカメラの設定を行います。鳥瞰パースでは視点の高さと角度が表現効果に大きく影響するため、慎重に調整する必要があります。

プロジェクトの特性や伝えたい情報に応じて、最適なカメラ設定を探ることが大切です。

4.照明を設定する

照明設定は鳥瞰パースの雰囲気を決定づける重要な工程です。自然光の表現のため、太陽光の方向や強さ、空の状態などを設定します。建物に適度な陰影がつく光の向きが選ばれることが一般的です。

メインの光源である太陽光に加え、環境光や間接光の設定も重要です。季節や時間帯、天候などによって光の質は大きく変わるため、プロジェクトのコンセプトに合わせた光の設定が求められます。

5.レンダリングを行う

モデリングと光源設定が完了したら、レンダリング作業に入ります。レンダリングとは、3Dデータをもとに光や影、素材の質感などを計算して2次元の画像として出力する処理です。

レンダリングの設定では、解像度や画質、レンダリングエンジンの選択などを行います。印刷したい大きさに合わせた設定でレンダリングするよう注意が必要です。レンダリングにかかる時間は、コンピュータの性能や設定の複雑さによって大きく変わります。

6.修正と調整を行う

レンダリング後の画像は、画像編集ソフトを使って最終調整を行います。色調補正やコントラスト調整、不要な要素の除去などの基本的な調整に加え、空や雲の合成、人物などの追加も行われます。

修正と調整の作業は細部にわたる繊細な判断が求められますが、この工程での仕上げが最終的な鳥瞰パースの品質を大きく左右します。建築物の特徴を効果的に伝えられるよう、調整を加えていくことが重要です。

鳥瞰パースの利用方法

鳥瞰パースは様々な場面で活用できる万能なビジュアルツールです。単なる図面にとどまらず、プロジェクトの価値を高める重要な要素になります。

どのように活用すれば効果的なのか、各シーンでの活用法を見ていきましょう。

プレゼンに活用する

鳥瞰パースはプロジェクトのプレゼンにおいて強力なビジュアルツールとなります。言葉だけではイメージが伝わりにくい内容も、鳥瞰パースを使えば一目で理解してもらうことが可能です。

特に、複数の建物が関係する大規模プロジェクトでは、個々の建物だけでなく全体のバランスや配置関係も重要になります。鳥瞰パースは建物間の関係性や動線計画などを視覚的に表現できるため、プロジェクト全体の魅力を効果的に伝えられます。

マーケティングに活用する

鳥瞰パースは建築や不動産のマーケティングにおいても重要なツールです。特に分譲マンションや商業施設などの広告では、完成前の物件の魅力を伝えるために広く活用されています。

パンフレットやウェブサイト、広告看板などに掲載される鳥瞰パースは、見る人に物件の全体像や周辺環境との関係性を直感的に伝え、興味を引くきっかけを作ります。販売促進や顧客獲得のためのビジュアルツールとして、鳥瞰パースの価値は今後も高まっていくでしょう。

コミュニケーションツールとして活用する

鳥瞰パースは、関係者間のコミュニケーションを円滑にするツールとしても重要な役割を果たします。鳥瞰パースを活用することで、細かな設計内容や空間構成を視覚的に伝達でき、関係者間で共通の認識を持てます。

また、複数の案を比較検討する際も、鳥瞰パースを用いることで違いが明確になり、議論がしやすくなります。

地域全体の景観維持を強調できる

鳥瞰パースは建築物単体だけでなく、地域全体の景観や環境との調和を示すのにも適しています。新しい建物が周辺環境にどのように溶け込むか、地域の景観にどう貢献するかを明確に表現できる重要な資料です。

特に歴史的な街並みや自然環境が豊かな地域での開発では、環境への配慮や景観との調和が求められます。鳥瞰パースを使って建物と周囲の関係性を視覚化することで、行政や住民の理解を促進できるでしょう。

デザインの改善ツールとして活用する

鳥瞰パースは建物のデザイン面における重要な検討ツールでもあります。設計チームが鳥瞰パースを使ってデザイン提案を行うことで、平面図や立面図だけでは見落としがちな課題が浮き彫りになります。

建物の影響による日照条件の変化や、周辺からの視線の抜け方、建物同士の圧迫感など、鳥瞰パースによって初めて把握できる要素も多くあります。さらに、敷地の特性を活かしているか、周辺環境との調和が取れているかの確認ができる点も重要です。

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【まとめ】鳥瞰パースは全体を見渡せる!上手に活用しプロジェクトのイメージをわかりやすく伝えよう

鳥瞰パースは建築や都市計画において上空からの視点で全体像を表現する手法です。建物単体だけでなく周辺環境との関係性も含めて一目で把握できる特長があります。

制作には図面準備、3Dモデリング、光源設定といった段階的な作業が必要です。完成した鳥瞰パースはプロジェクトの提案資料や販売促進ツール、関係者間の認識共有など多様な場面で役立てられています。

デジタル技術の進化により表現力が格段に高まった現在、鳥瞰パースは建築プレゼンテーションや不動産マーケティングにおいて欠かせないツールとなっています。プロジェクトの価値を最大限に引き出す効果的な表現方法として、積極的に活用しましょう。

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