今後建設業の一人親方はどうなる?方向性やインボイス制度についても

「一人親方の将来が不安」「インボイス制度が導入されたら一人親方はどうなるの?」「一人親方として働き方は大丈夫?」と心配されている方はいませんか。なかには一人親方そのものが無くなってしまうのでは…と不安な方もいるかもしれません。今回は建設業の一人親方の今後について詳しく解説しました!現在の課題や今後の方向性、インボイス制度の導入なども含めて説明します。ぜひ最後までお読みいただき、今後の参考にしてみてください。

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一人親方とは

一人親方とは、建設業において労働者を雇用せず、自ら工事の請負や施工を行う職人のことです。 一人親方の仕事のパターンは、以下の2種類です。

・1つの企業(元請)から仕事を請け負う 塗装や足場設置など限定的なスキルの一人親方の場合、企業の一員として工事の一部を請け負います

・複数の企業から請け負う 大工など自分のスキルで工事を完了できる場合、複数の企業と契約します。 良く個人事業主と混同されますが、個人事業主が従業員を雇用するケースがあるのに対し、一人親方は専従者のみ、あるいは家族だけで経営を行っているという違いがあります。

建設業の一人親方が現状抱えている課題

現在、建設業の一人親方が抱えている課題は何でしょうか。社会状況に応じて一人親方のあり方も変化しています。まず一人親方とは技術者が労働者を雇用せずに一人で働く個人事業主のことです。一人親方は自分の裁量で自由に働ける一方、一人親方ならではの問題やリスクもあります。ここでは一人親方の課題について三つ紹介します。

偽装請負・偽装一人親方

実際は労働者として働いているのに、一人親方として扱われることがあります。事業者が従業員を一人親方に偽装し、社会保険料や労働保険料を支払わないケースです。これは「偽装請負」と呼ばれ、法律でも禁止されています。違反した場合、罰則を受けるほか建設業許可が取り消される可能性があります。本来、一人親方は企業と雇用契約を結ばずに、独立して業務を行います。たとえ雇用形態が請負や委任だとしても、労働者と同等の働き方をしていれば一人親方とは認められないことになっています。請負契約と雇用契約が曖昧になっていないか注意が必要です。偽装一人親方のように悪用される場合もあるので、十分気をつけましょう。

2024年問題への対策

「2024年問題」とは、2024年4月から建設業において時間外労働の上限規制が適用されることで想定される問題の総称です。 時間外労働の上限規制が行われることで、以下の上限が設けられます。

・残業は1か月36時間まで(1年間360時間まで)
・時間外労働と休日出勤は1ヵ月100時間まで
・時間外労働は1年間720時間まで

これらの規制が設けられることで、一人親方が短時間で集中して作業を行えるようになるため、ケガや事故の防止につながるというメリットがあります。しかし、一人親方の意思に反して働く時間や休日が法律で定められるため、思うように収入を維持できなくなる可能性が高いというデメリットがあります。

建設業許可を未取得で大規模な工事を受ける

請負工事費が500万円以上の場合、一人親方は建設業許可を受けなければなりません。逆にいえば建設業許可が未取得の場合は500万円未満の工事しか受けられないことになっています。もし大規模な工事で無許可の一人親方と契約してしまうと、法律違反となり相応の処分が課せられるでしょう。一人親方との契約には建設業の許可を得ているか事前に確認してください。

労災未加入による損害賠償請求

企業は雇用している従業員に労災保険の加入および、保険料の支払いが求められます。一人親方の場合、企業とは契約していないので労災保険の加入は任意です。そのため労災保険に未加入の一人親方もいます。もし労災事故が起きたら、労災保険の補償が受けられず多額の損害賠償が発生する可能性があります。労災保険の加入は任意であっても入っていた方が安心です。

今後の建設業の一人親方として活躍するポイント

上記のような一人親方にならないためにはどうしたら良いでしょうか。今後、建設業で適正な一人親方として活動する際に気をつけるポイントを三つ紹介します。

内容が伴った請負契約をし、偽装一人親方とならない

まずは偽装一人親方にならないことです。必ず内容が伴った請負契約をしましょう。一人親方は労働者とは異なり、自由な働き方や技能に応じた報酬など相応の処遇が求められます。企業側だけでなく一人親方自身も、請負契約が内容に伴っているかどうか判断しましょう。

建設業許可を取得した上で大規模な工事を受ける

前述したように建設業許可を取得せずに大規模な工事を受注するのは法令違反になります。建設業の許可がなければ、500万円未満の工事しか受けられません。こうした請負金額に制限があるだけでなく、偽装一人親方にならないためにも建設業の許可は取得した方が良いでしょう。

労災保険に加入し、元請けと自分双方にとっての不安を取り除く

一人親方は労災保険の加入をおすすめします。労災保険の加入は任意となっていますが、やはり多額の賠償金が発生するリスクを考えると入っていた方が安心です。建設業は高所での作業や重い荷物の運搬を伴う仕事も多いと思います。万一の際は一人親方の備えになりますし、元請け企業にとっても安心して仕事を任せられます。双方の不安を取り除くためにも、労災保険の加入はぜひ検討してみてください。

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一人親方は廃止される?

結論から言うと、現時点で一人親方は廃止されません。しかし、2024の働き方改革で時間外労働が減り、建設業のDX化が進むことから作業の量が減り、今まで以上に質が重視されるようになると予想されます。

2024年の新制度導入から、一人親方も厚生労働省の新しい保険制度の対象となるため、社会保険のメリットを享受できるようになりました。そして、社会保障が強化されたことにより、収入の安定や新規参入のチャンスが訪れることも予想されます。一人親方の将来性は、明るいと言えるでしょう。

話題になっているインボイス制度について

インボイス制度を導入すると、一人親方にどのような影響が出るのでしょうか。インボイス制度は2023年10月から施行予定です。今までは年間の売上高が1,000万円以下の場合、消費税の申告が免除されていました。しかしインボイス制度が導入されると、売上高に関わらず課税事業者となり消費税の申告が必要です。つまり個人事業主である一人親方にも当然影響が出るでしょう。非課税事業者の一人親方は2023年10月以降、次のようなケースが予想されます。

①課税事業者としてインボイスを発行する
②取引先の企業に消費税分を代わりに支払ってもらう
③上記の①②が難しい場合、取引が中止になる

当然ながら③は絶対に避けたいですよね。今後インボイス制度が導入されたら、仕事の減少や取引が停止する可能性があります。もし何も準備せず課税事業者になってしまうと、変化に対応できないかもしれません。導入前にインボイス制度の知識を深め、今のうちから準備しておくことが大切です。

インボイス制度の一人親方への影響についてはこちらの記事で解説しています。

一人親方や大工へのインボイス制度の影響とは?対策や人工代の消費税についても解説

インボイス制度で一人親方が廃業の危機といわれる理由や対策を解説!

【まとめ】一人親方として公正に安全に仕事をしよう

いかがだったでしょうか。今回は建設業の一人親方について詳しく解説しました。一人親方が現状抱えている課題には偽装一人親方や建設業の未許可、労災保険の未加入が挙げられます。適正な一人親方になるために契約内容や建設業許可の有無、労災保険の加入を改めて見直すと良いでしょう。またインボイス制度が導入された際には、どのような変化があるか考えていく必要があります。一人親方として公正に働くためにも、現状だけでなく今後の方向性を見極めることが大切です。

インボイス制度による建設業の一人親方への影響と、制度導入のリスクや今やるべきことについてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

インボイス制度による 建設業の一人親方への影響とは?制度導入のリスクや今やるべきことを 徹底解説!