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建設業におけるCADは建築物の設計には欠かせないツールです。ところが、インターネット上では様々な発言が飛び交っており「CADはいらない仕事」といったコメントを見かけることがあります。
CADオペレーターの仕事がAIにとって代わるのではと懸念を抱いている方も多いでしょう。
今回の記事では「CADオペレーターがいらない仕事なのか」について見解を示したうえでCADオペレーターの役割や将来性について解説します。現在CADを扱っている技術者の方や、CADオペレーターを目指している方は参考にしてください。
CADオペレーターがいらない仕事は誤解
インターネット上で見かける「CADオペレーターはいらない仕事」という発言は事実ではありません。CADオペレータの実情を見ればわかります。
CADオペレータは建築物や建築機械などを設計したり3Dシミュレーションするうえで欠かせない人材です。
確かにAI技術やCADソフトの進歩により定型的で単純な設計は自動で作業できるようになりました。ただし、CAD設計にはより良いデザインにするための創造性が求められます。
設計を完成させるまでにはクライアントや協力会社、社内の他部門とのコミュニケーションも必要です。創造性やコミュニケーションはCADオペレーターでなければこなせません。
CADオペレーターの役割
ここからはCADオペレーターの仕事について深く掘り下げていきましょう。
この項目ではCADオペレーターの役割について解説します。ここで挙げるCADオペレーターの役割は次の4点です。
- 図面を作成する
- 3Dモデルを作成する
- チームとの連携を取る
- 最新技術を身につける
以下、それぞれの役割について詳細に説明します。
図面を作成する
図面の作成はCADオペレーターとして最も重要な役割です。
図面には、初期段階で基本的な骨格を表す基本設計図や、詳細な設計情報が書き込まれた実施設計図などがあります。
図面を基に施工されるので、記載された寸法や材料、組み立て手順などの情報は正確かつ高精度でなければなりません。
CADソフトウェアを使うことで、高精細な作図が可能になるだけでなく、設計ミスのリスクを軽減してプロジェクトの効率化が可能です。
CADオペレーターによる設計作図は幅広い分野で重要な役割を果たしています。
3Dモデルを作成する
CADオペレーターの重要な役割の1つに「3Dモデリング」があります。
3Dモデリングとは平面上に設計した図面を3次元に拡張して立体的(3Dモデル)に表現することです。
立体的に表現されることにより、施工業者や施工主は視覚的に構造物を捉えられます。
施工業者としては建築施工前に立体像を見ることで建築物の構造が理解しやすい点がメリットです。施主も完成した建築物がイメージしやすいので建築デザインに対してより具体的に意見・要望できます。
設計者が設計の問題点に気づきやすいのもメリットです。
チームと連携を取る
CADオペレーターには、プロジェクトチームと密接に関わりチームの意見を反映させた設計を担う役割があります。
建築設計を完遂するには、基本となる施主(発注者)の要望を大前提に意匠設計者や設備設計者との情報交換が大切です。
CADオペレーターはチーム内の意見を聞き入れてプロジェクトの根幹となる具体的な設計図に落とし込みます。
プロジェクトをスムーズに進め効率的かつ効果的な設計をするにはチームとのコミュニケーションが大切です。
最新技術を身につける
CADソフトウェアに関する最新情報を常に収集することもCADオペレーターの大事な役割です。
CADソフト業界の技術は日進月歩で進化しています。新しいCADソフトにバージョンアップすることでより効率的な設計が可能です。最近では、AI技術の導入による自動設計支援やリアルなレンダリング技術、効率的なデータ管理機能も導入されています。
最新機能を効果的に使用すれば、設計プロセスの加速やミスの減少でより効率的な設計が可能です。
CADオペレーターは最新技術を身につけることで需要が維持できスキルも向上します。
CADオペレーターの職種
CADオペレーターの職種について解説します。今回はCADオペレーターの職種を次の5つに分類しました。
- 建築CADオペレーター
- 内装CADオペレーター
- 土木CADオペレーター
- 設備CADオペレーター
- その他CADオペレーター
以下、分類した職種のそれぞれについて詳しく説明します。
建築CADオペレーター
建築CADオペレーターは、建築物の設計図面を作成する職種です。
建設会社や建設設計事務所で従事することが多く、設計者のコンセプトに基づいた複雑な構造設計図の作成が求められます。
また、建築基準法などの法規制に準じた設計作図が必要です。
主な業務 |
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必要なスキル |
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内装CADオペレーター
内装CADオペレーターは、室内空間のデザイン図を作図する職種です。
インテリアデザイン会社や家具メーカーで従事することが多く、内装デザイナーの設計コンセプトに沿った室内デザインや家具の配置などを作図します。
クライアントの要望に応えられるよう、具体的な室内空間図を完成させる業務でクリエイティブな作業がほとんどです。
主な業務 |
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必要なスキル |
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土木CADオペレーター
土木CADオペレーターは、道路や橋梁、ダムやトンネルなど大型インフラの設計作図を行なう職種です。
大手ゼネコンや土木設計事務所、建設コンサルタント会社などに従事して設計業務をします。
大規模なプロジェクトに関わる機会が多いことが特徴です。安全性や耐久性に重点を置いた設計が要求されます。
主な業務 |
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必要なスキル |
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設備CADオペレーター
設備CADオペレーターとは建築物の空調や電気、給排水設備などの設計図を作図する職種です。
設備設計事務所や建設会社などに従事し、設備設計技術者が作成した設備の計画書や設備機器のリストを基に図面を作図します。
主な業務 |
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必要なスキル |
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その他CADオペレーター
その他のCADオペレーターとは、建築関係の一般的なカテゴリー以外の特殊な設計に携わるCADオペレーターを指します。
具体的には船舶や航空機、玩具、家電、自動車部品などの設計です。高い専門性から各分野での深い専門知識が求められます。ニッチな分野でCADオペレーターとして働く人も増えています。
主な業務 |
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必要なスキル |
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CADオペレーターの仕事はいらないといわれる未来が来る?
将来「CADオペレーターの仕事がいらない」といわれる時代が来るのではないかと心配される方もおられるでしょう。
結論としてはCADオペレーターの仕事は将来性があり需要が継続すると考えられます。
この項目では、CADオペレーターの需要が継続する根拠について解説します。ここでは将来性を語るうえで重要な3つのポイントを以下に挙げました。
- 複雑な設計はAIでは難しい
- カスタマイズ製品の需要が増加傾向にある
- 技術は進化している
以下、各項目について詳細に説明します。
複雑な設計はAIでは難しい
最近ではAI技術が目覚ましい進歩を遂げており、CAD設計作業も一部自動化されています。
ただし、CADオペレーターの仕事すべてがAIに代わることはありません。建設業界では複雑で独創的なデザインを必要とするCAD設計が多いためです。
AI技術は同じことを繰り返す単純なタスクや同じものを大量に生産する作業に適していますが、1つひとつの細かい作り分けや複雑な設計に対応できません。
独創的で微妙なニュアンスを取り入れた設計にはCADオペレーターの創造力と判断力が必要です。AI技術ではCADオペレーターの創造性や人間としての判断力は代替できません。
カスタマイズ製品の需要が増加傾向にある
昨今の建設業界ではカスタマイズ製品の需要が増えています。
住宅やビルなどの建築物でも太陽光発電をはじめとした環境への配慮や、自由で独創性のあるデザイン空間を要望する案件が増えてきました。
高齢者や身障者に対応するバリアフリー住宅への対応も増加しています。
前述したようにAIや自動設計ではデザインの独創性や個別対応への作り分けができません。今後もカスタマイズ製品の需要は増加すると考えられ、CADオペレーターの創造力をいかした設計能力は必要不可欠です。
技術は進化している
CAD設計の技術は目覚ましい勢いで進歩しています。
建築物を立体的に表示できる3DCADや仮想空間で建築物をイメージできるバーチャルリアリティ(VR)技術の進歩もそのうちの1つです。
3Dプリンターではよりリアルに造成物が視認できます。新しい技術を導入すればより革新的なCAD設計が可能です。CADのトレンドは2DCADから3DCADへ移行しています。しかし、3DCADを使える人材はまだまだ少ないのが実情です。
3DCADのスキルを身につけ、VRや3Dプリントも扱えるようになればCADオペレーターの付加価値はさらに高くなり将来に渡って需要が継続できます。
CADオペレーターの仕事がいらないといわれなくなる方法
前項ではCADオペレーターの将来性について解説しました。
この項目ではCADオペレーターの需要を継続するために心がけておきたい事柄について解説します。ここでは4つのポイントを挙げました。
- 設計力を強化する
- AIに関する知識を身につける
- 3DCADスキルを習得する
- スキルアップできる企業に転職する
以下、各ポイントについて詳しく説明します。
設計力を強化する
CADオペレーターとして将来も需要を継続するためには、設計力を強化することが重要です。
設計力を身につけることでCADオペレーターとしての付加価値を高く保つことができます。設計力を身につけるために専門学校や通信教育などで設計スキルを磨くのも1つの方法です。
AIでは過去事例の少ない案件や過去に例のない独創性のある設計には対応できません。
設計力を強化してCADオペレーターとしての独自性を磨くことで仕事の需要を継続することが可能です。
AIに関する知識を身につける
CADオペレーターとしての需要を継続するために、AIの強みや弱みを知ることも重要です。
AIをうまく活用することでCADオペレーターのスキルは向上します。繰り返し作業や規則的な単純作業はAIに任せて、オリジナリティのあるデザインやカスタマイズ案件に注力すれば効率の良い設計が可能です。
クライアントの要望に応えた独創性のあるデザイン案件もこなせるでしょう。
AIの知識を身につけて効率的に活用できればCADオペレーターとしてのスキルも向上します。
3DCADスキルを習得する
これからの建設業界では3DCADの需要が加速すると予想できます。
CADオペレーターの中でも3DCADのスキルを身につけた人材はまだまだ少数です。現在、2DCADソフトを専門に扱っているのなら、今のうちに3DCADソフトの操作方法を身につけましょう。
3DCADで平面図を立体的に表示できれば、クライアントや施工技術者が受ける情報量は格段に増えます。設計の問題点も早くから対応できるため効率の良い設計ができます。AIは3DCADによる設計に対応できません。
3DCADスキルを今のうちに身につけて将来に備えましょう。
スキルアップできる企業に転職する
現在の職場や会社の環境ではCADオペレーターとしてのスキルが向上できないのなら、さらにスキルの磨ける会社に転職する方法もあります。
職場が求める業務が単純な作図作業の連続や図面のトレースに終始している場合スキルアップは望めません。残念ながら、多くの職場環境がスキルアップに適していないのも事実です。
前述したようにCADオペレータとして働く環境は多岐にわたります。「このままでは将来が不安だ」と思われる方は、スキルアップが望める会社や職場に転職しましょう。
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【まとめ】CADオペレーターの仕事はなくならない!高度な技術を活用し新たなものを生み出そう
建設業界ではCADオペレーターの需要が高まっています。一方でインターネットなどで「CADオペレーターの仕事がなくなる」というネガティブな発言があるのも事実です。
確かにAIの進歩は目覚ましいものがあり自動設計も可能になりました。しかし、CADオペレータ―の創造性をいかした独創性のあるデザインやカスタマイズ仕様にAIは対応できません。
CADオペレーターの仕事は今後も継続した需要があります。
新しい3DCADやVR技術など高度な技術スキルを身につけ付加価値の高いCADオペレーターを目指しましょう。
CADを使う仕事についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
