建設業における売上高の平均値や利益率の計算方法などを解説!

自社の経営状況を確認したい場合、基準が分からないと比較もできません。また、事業者の中には経営やその管理に対して苦手意識を持っている方もいるでしょう。そこで本記事は、建設業における売上高の平均値と利益率の基準値・その求め方をまとめました。

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建設業における売上高の状況

国土交通省発表の令和4年度の建築業活動実態調査によると、建築業の国内売上高総額は2年連続で減少となり、前年度比2.0%減の14兆7,243億円となりました。これは2年連続での現象となります。以下は事業別売上高の内訳をまとめたものです。

事業 売上高 前年比
建築工事 土木建築工事 10兆9,048億円 1.4%減
設備工事業 3兆1,534億円 5.4%減
設備工事以外 建設関連業 2,604億円 82.9%増
その他の事業
(不動産業・設備機器製造・販売等
4,058億円 18.6%減

表を見ると、建築関連業は増加していますが、それ以外の事業は減少していることが分かります。

建設業における売上高の平均値

次に、建築業における売上高の平均値を確認していきましょう。2020年4月時点の1企業あたりの売上高と営業利益は、以下のようになります。

  • 売上高:1億7,457万4,000円
  • 営業利益:937万円

これと併せて、企業の規模ごとの平均値をチェックしましょう。

スーパーゼネコンの平均値

スーパーゼネコンはすべての企業が1兆円以上の売上高を誇る企業です。2024年に資料から分かる内容をまとめたものが、以下の図になります。

企業名 売上高 前年比 経常利益
清水建設 2兆55億円 717億円 △198億円
鹿島建設 2兆6,652億円 2,736億円 1,501億円
大林組 2兆3,252億円 3,413億円 915億円
大成建設 1兆7,650億円 1,223億円 389億円
竹中工務店 1兆6,124億円 2,370億円 593億円

国内外の超大型プロジェクトを手がけられる規模の企業だけあり、平均売上高も他の規模の企業に比べて大きいことが分かります。

準大手ゼネコンの平均値

次は準大手ゼネコンです。

企業名 売上高 前年比 経営利益
長谷コーポレーション 1兆944億円 671億円 833億円
五洋建設 6,177億円 1,155億円 272億円
フジタ 5,808億円 1,079億円 158億円
戸田建設 5,224億円 △247億円 255億円
三井住友建設 4,795億円 209億円 63億円
熊谷組 4,432億円 397億円 130億円
西松建設 4,016億円 619億円 196億円
安藤ハザマ 3,941億円 220億円 185億円
前田建設工業 3,759億円 101億円 322億円
東急建設 2,857億円 △32億円 97億円

準大手ゼネコンは数千億円規模の年間売上高が一般的ですが、一部マイナスを記録しています。

中堅ゼネコンの平均値

中堅ゼネコンは年間売上高が数百億円から1線億円規模の企業の分類です。

企業名 売上高 前年比 経営利益
奥村組 2,881億円 387億円 149億円
鴻池組 2,747億円 73億円 133億円
東亜建設工業 2,710億円 678億円 147億円
東洋建設 1,868億円 184億円 101億円
鉄建建設 1,836億円 228億円 23億円
大豊建設 1,632億円 72億円 13億円
福田組 1,622億円 79億円 55億円
淺沼組 1,527億円 82億円 43億円
東鉄工業 1,418億円 172億円 121億円
飛鳥建設 1,320億円 61億円 48億円
銭高組 1,210億円 133億円 50億円

地域密着型の事業を中心に展開しており、規模は小さいですが特定分野や地域において強い影響力を持っています。

建設業における従業員の売上高の平均値

次に、建設業における従業員あたりの売上高における平均を見ていきましょう。先ほど解説した、事業規模ごとに売上高をまとめたものが、以下のリストです。

  • スーパーゼネコン:148.3百万円/人
  • 準大手ゼネコン:124.3百万円/人
  • 中堅ゼネコン:110.5百万円/人
  • 準大手・中堅ゼネコン18社:120.7百万円/人
  • ゼネコン大手23社:134.7百万円/人

やはり事業規模が大きいスーパーゼネコンは、従業員あたりの売上高においても高い金額を生み出していることが分かります。

建設業における利益率の平均値

一般財団法人建設業情報管理センターが令和4年度に行った建設業の経営分析によると、2020~2022年の売上高総利益平均は以下のようになりました。

  • 2020年:25.41%
  • 2021年:25.65%
  • 2022年:25.57%

売上高の利益平均を見ると、大体25%が目安率だと分かります。自社の利益率が25%よりも著しく低い場合は、経営などの見直しを検討してもいいでしょう。

建設業における利益率の計算方法

自社利益を正確に判断するには、建設業における利益率の計算方法を押さえることが大切です。利益率の計算方法を解説します。自社の数値を元に、実際に計算してみましょう。

売上高総利益率

売上総利益率は、粗利益率とも呼ばれている数値です。工事から得られた利益を示す数値であり、営業活動によってどれだけ利益を生み出せるかを判断できます。計算式は以下の通りです。

売上総利益率=売上総利益÷売上高×100(%)

先ほど解説した平均利益率は、この計算式にそれぞれ数値を当てはめて算出したものです。建設業の場合、工事の売上高から高次元かを差し引いた額で算出するため、計算の際は注意しましょう。

売上高営業利益率

売上高営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を指します。この数値が高ければ、園分寧行効率に優れ収益力が高いことが分かります。計算式は以下の通りです。

売上営業利益率=営業利益÷売上高×100(%)

営業利益は売上総利益から販売費や一般管理費を差し引いて求めます。先にこちらを計算しておきましょう。

売上高経常利益率

売上高経常利益率とは、売上高に対する経常利益割合です。企業の収益性を判断する際に活用できます。

経常利益率=経常利益÷売上高×100(%)

経常利益は営業利益に財務活動などの営業外利益を加えたあと、営業外費用を引いて求めます。

自己資本経常利益率

自己資本経常利益率は「ROE」とも呼ばれている用語です。企業への出資者である株主から見た収益性を指します。

ROE=経常利益÷自己資本×100(%)

この数値を計算・チェックすることで、企業が自己資本を元にどれだけ経常利益をあげているかが分かります。数値が高いほど効率よく稼げている会社といえる指標ですが、総資産が同額で自己資本の割合が小さい場合も数値は高くなるため、注意が必要です。

判断の際は、総資本と自己資本の割合もあわせてチェックしましょう。

総資本経常利益率

総資本経常利益率は「ROA」とも呼ばれる指標で、企業が総資本を使ってどれだけ経常利益を上げたかを示します。計算する際は以下の数値を当てはめて求めます。

総資本経常利益率=経常利益÷総資本×100(%)

数値が高ければ高いほどいい傾向に向いていることが分かる指標です。定期的にチェックするといいでしょう。

建設業で利益率をアップさせる方法

ここまでの数値や計算指標をチェックして、自社の利益率に不安を覚えた方もいるかもしれません。次はそのような方のために、利益率アップにつなげる方法を解説します。

原価管理をきちんと行う

利益を左右する要素の1つが、原価です。工事受注後は原価管理を徹底しましょう。
具体的な対策として、以下の方法があります。

  • 施工用の資材や材料の仕入れルートや方法を見直す
  • 外注費などを適切に管理する

なお、工事途中で原価が変動した場合、利益率も併せて変化します。施工を進めている間も定期的に原価を計算・管理しましょう。

工事金額を適切に設定する

利益を確保する方法は、支出を抑えるだけではありません。売上高を高く設定・維持するのも大切です。

売上高を上げるには工事単価を値上げする必要がありますが、ただ価格を釣り上げただけでは元請や施工主の反感を買ってしまいます。このような事態になれば、受注を逃してしまう恐れもあるでしょう。

値上げを狙う場合は、他社にはない自社の強みを生かした施工をアピールしなくてはなりません。元請や施工主が値上げに納得するようなクオリティを提供するために、自社なら何ができるかよく考えたうえで実行しましょう。

作業を効率化する

工事の原価のうち、大きな割合を占めるのが人件費です。材料や資材だけでなく、人件費にかかるムダがないかも欠かさず見直しましょう。また、ムダの有無にかかわらず、効率的に作業できる環境を整えて、作業員にかける費用を最小限に抑えることも大切です。

例えば、作業工程の見直しや、IT化による業務効率の向上などが有効な方法としてあげられます。また、現場だけでなく事務所内の作業も人件費がかかる要因です。事務所内でも作業の見直しや最新ツールの導入を検討しましょう。

効率的な作業は自社の利益を向上させるだけでなく、より的確な人員配置や、作業員の負担軽減にもつながる活動です。積極的に取り組んで行きましょう。

建設業で利益率をアップする際の注意点

建設業で利益率を向上させる活動は多岐に渡ります。これらを一気に実施しようとしても、うまくいかないでしょう。また、実施したくてもできない状態に陥っている企業も多数あります。

無理をして利益率をあげようとしたために、別の問題に直面してしまうケースも珍しくはありません。

利益率の改善に取り組む際は、自社が取り組みやすい活動から取りかかりましょう。資金繰り表の作成や、受注数を増やすための取り組みなど、改善しやすい点から着手してください。

改善点が分からない場合は、まずそれらを洗い出しましょう。利益率向上につながるヒントを得られるはずです。

案件を獲得するためには営業代行サービスもおすすめ

工事案件を獲得できる営業の体制やノウハウがない場合は、営業代行サービスの活用もおすすめです。

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【まとめ】建設業における売上高の平均値を把握し経営改善に役立てよう

自社の経営改善を検討する際は、まず建設業における売上高の平均値を把握しましょう。併せて自社の経営状況を測る指標を計算すれば、自社の状況をより詳細に把握できます。併せて経営におけるムダが発生していないか見直し、改善に役立てましょう。

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