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建設業は、複雑な雇用形態や勤怠管理があるため、給与計算に工数がかかります。さらに近年では、労働基準法により労働時間外の規制が強化されており、勤怠情報を正確に把握することがより重要になっています。
本記事では、建設業対応の給与計算ソフトについて紹介します。建設業の労務担当者の方は、ぜひ参考にして業務を効率化させてください。
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建設業対応の給与計算ソフトとは
給与計算ソフトとは、勤怠管理データを入力することで給与が自動計算できるシステムです。
建設業界では様々な現場で業務を行うため、現場ごとに勤怠管理をしています。また、特定の法令遵守に対応する必要があります。このような管理は一般的な給与計算ソフトでは対応できないこともあるため、建設業対応の給与計算ソフトを利用することがおすすめです。
建設業対応の給与計算ソフトは、業界特有の複雑な勤怠管理や雇用形態に対応しています。現場先で勤怠打刻ができるほか、雇用形態にあわせた給与計算も簡単にできるようになります。そのため、
給与計算ソフトの導入は労務担当者の手作業によるミスを防ぎ、業務負担の軽減につながります。
建設業界の給与計算に関する問題点
建設業界の給与計算に関する問題点は主に以下の3点です。
- 直行直帰者の打刻不正や勤怠管理
- 給与計算や勤務状況の管理
- 雇用形態に合わせて給与計算が必要
タイムカードを使用して勤怠管理を行う場合、現場に直行直帰をすると、勤務時間をメモに残すなどして後日申請をする必要があります。このような管理では、出勤時間を書き換えたり、間違った時間を記載してしまったりする恐れがあります。
また、従業員の勤務時間は繁忙期や閑散期、天候によって異なります。そのため、そのときの勤務状況に合わせて時間単位の給与計算が必要です。
建設業対応の給与計算ソフトを導入するメリット
実際にソフトを導入した際に、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。建設業対応の給与計算ソフトは、一般的な給与計算ソフトでは対応できない複雑な勤怠管理に対応しています。
ここでは、建設業対応の給与計算ソフトを導入するメリットを3点紹介します。
直行直帰者の勤怠管理打刻不正を防げる
建設業対応給与計算ソフトを導入することで、直行直帰者の打刻不正を防げます。
建設業界は、建設現場に直接出勤して、勤務が終了したら自宅に直帰する従業員が多くいます。勤怠管理を会社のタイムカードで行う場合、当日の打刻はできないため、後日申請が必要です。
しかし、申請は従業員の自己申告のため、誤った勤務時間を記載して打刻不正になる恐れがあります。
建設業対応給与計算ソフトを使用すれば、建設現場からスマホやパソコンでの打刻が可能です。また、GPS機能で実際に出勤しているかを正確に把握できます。労務担当者が勤務日時を確認する手間が省けるので、業務の効率化に繋がります。
給与計算や勤務状況の管理ができる
建設業対応給与計算ソフトを導入することで、給与計算や勤務状況の把握が簡単にできます。
建設業界は、天候により業務が中断になったり休みになったりする場合があります。また、繁忙期や工事が間に合わないときは残業になることもあります。そのため、時間単位での勤務状況の管理が必要です。
また近年では、長時間労働を防ぎ労働者の健康を確保するために「時間外労働の上限規制適用」が適用されています。建設業界では、2024年4月から適用されています。
建設業対応給与計算ソフトを使用すれば、従業員の勤務状況を正確に管理できます。建設業対応給与計算ソフトの導入は、現場で働く従業員の安全にもつながります。
複雑な雇用形態に合わせられる
建設業対応給与計算ソフトを導入することで、複雑な雇用形態に対応できます。建設業界の雇用形態は、正社員、契約社員、派遣社員、長期アルバイト、日雇いアルバイトなど様々です。
雇用形態によって、給与や手当が異なります。また、契約社員、派遣社員、アルバイトは勤務時間が変則的です。そのため、各従業員にあった給与の計算や勤務時間の調整が必要です。
建設業対応の給与計算ソフトを使用すれば、それぞれの勤務形態に合わせた勤怠情報が管理できます。
建設業対応の給与計算ソフトの選び方
ここまで、建設業界の給与計算に関する問題点や建設業対応の給与計算ソフトを導入した際のメリットを紹介してきました。
では、実際に建設業対応の給与計算ソフトを導入する際に、どのような点に注目してソフトを選べばよいのでしょうか。ここでは、建設業対応の給与計算ソフトの選び方を紹介します。参考にして、自社にあったソフトを選んでください。
自社の給与・雇用形態に対応しているか
まずは、自社の従業員の勤務体系や給与形態を確認しましょう。スタッフには正社員以外にも、時給制のパートタイマーや契約社員も含まれるでしょう。現場の作業者にも、日当制の職人や一人親方がいる場合があります。
建設業の給与計算には工事労務費も必要です。工事労務費は、建設業を行う従業員に対して支払われる賃金や手当、交通費などを指しています。これらの割り当ては、単純な出勤時間では計算できません。そのため、一般的な給与計算ソフトでは対応できない場合があります。
建設業対応の給与計算ソフトを選ぶ際は、各従業員の雇用形態内容を反映できるソフトを選びましょう。
料金プランが自社に合っているか
給与計算ソフトは、会社の規模や利用人数によって料金が異なります。大企業向けのソフトから小規模向けのソフト、利用者が1人増えるごとに料金が増えるソフトなどがあります。
建設業対応の給与計算ソフトを選ぶ際は、現在の従業員の人数だけでなく、今後の会社の規模を想定してソフトを選ぶことがおすすめです。自社の規模と合わないシステムを導入すると、使わない無駄な機能や費用が発生するので注意しましょう。
サポートは充実しているか
給与計算ソフトの使い方に慣れていない場合は、導入後のサポート体制が充実したソフトを選ぶことがおすすめです。
無料で利用できるサポートセンターやチャット機能、ヘルプページがあると安心です。ソフトを導入する前に、サポートはどのような内容なのか、無料で対応してくれるのかなどを確認してきましょう。また、建設業界での導入実績が豊富で、信頼性が高いソフトを選ぶとよいでしょう。
クラウド型かインストール型か
給与計算ソフトは、クラウド型とインストール型があります。それぞれの詳細とメリットデメリットを解説しましょう。
クラウド型
クラウド型は、インターネット上でアクセスして利用できます。サブスクリプション制で、月額または年額の利用金額が必要です。
メリットは、ソフトを導入するときに、初期費用を抑えられる点です。また、自動アップデートが行われるので、常に最新バージョンの機能が利用できます。データのバックアップやセキュリティの管理も自社で行う必要がないので、管理工数がかかりません。しかし、外部のサーバーを使用するため、セキュリティの管理に対する懸念があります。
インストール型
一方インストール型は、ソフトを自社のサーバーや社用パソコン・スマートフォンにインストールして利用できます。ソフト導入時に一括購入となるため初期費用がかかります。
メリットとしては、データを自社で管理する必要があるので、セキュリティの安全を確保できます。また、導入時に費用を支払っているためランニングコストがかかりません。
しかし、機能を追加する際にアップデートする必要があります。さらに、ソフトはインストールされたデバイスでしか利用できないため、複数人で利用が難しい場合があります。
建設業対応の給与計算ソフトおすすめ14選
ここまで、建設業対応の給与計算ソフトの選び方を紹介してきました。
ここでは、おすすめの建設業対応の給与計算ソフトを10選紹介します。
自社の給与や雇用形態に対応しているのか、料金プランは見合っているのかなどを比較しながら、ソフトを導入する際の参考にしてください。
マネーフォワード クラウド給与
引用元:マネーフォワード クラウド給与
マネーフォワード クラウド給与は、小規模から中規模の建設業界で導入実績のある給与計算ソフトです。クラウド型のソフトで、料金プランはも企業規模ごとに3つに分かれています。サポートは、メールやオンラインマニュアルなどが充実しており、給与計算ソフトを初めて導入する企業でも安心です。
年末調整や社会保険などの各種控除も含めた給与計算が全てオンライン上で管理できます。勤怠管理システムとも連携でき、様々なSaaS、金融機関との連動もできます。複数のプランが提供されていて従業員30名以下なら「スモールビジネス」プランで2980円/月で導入可能です。
ジョブカン給与計算
引用元:ジョブカン給与計算
ジョブカン給与計算は、シリーズ累計導入実績20万社、ITトレンド年間ランキング給与計算システム1位に選ばれるなど実績が豊富です。
ジョブカンが別に提供している勤怠管理システムとも連動可能で50種類以上の勤怠データが取得できます。月給、日給、残業手当、賞与などの細かい計算が可能なので、建設業向けの給与計算ソフトといえるでしょう。勤怠データと連動すれば給与の自動計算も可能です。従量課金制で中小企業であれば月額400円/人で利用できます。30日間の無料お試しができるので、まずはお試しで利用してみることがおすすめです。
給与奉行クラウド
引用元:給与奉行クラウド
給与奉行クラウドは、企業ごとに異なる複雑な給与計算に対応しています。雇用形態にあわせた給与や手当も自動計算できます。また、法改正で税率や保険料率が改訂されても、インターネット経由で情報共有し最新情報を織り込んだ給与計算が可能です。
セキュリティの管理も徹底されていて、データはすべて暗号化されているので安全に保管できます。また、Microsoft Azureを利用して24時間365日運用を監視し、安定した可用性を実現しています。料金プランは、従業員の規模にあわせた3つから選べます。
freee人事労務
引用元:freee人事労務
freee人事労務は、複雑な給料計算をITで一気通貫することでミスを無くし、労務担当者の負担を削減します。建設業向けクラウドとAPI連携することも可能で、原価管理セットなど建設業に特化した機能も搭載されています。
従業員の給与変更などのイレギュラーな業務に関しては、アラート機能を設定しておくことで抜け漏れを防げます。
サポート体制は、業務の見直しや要件定義の助言、電話やメール、チャットでの機能についてのサポートなど非常に充実しています。そのため、法律や給与計算に詳しくなくても安心して利用できます。料金プランは、初期費用は0円で1社あたり1,980円/月とお手頃価格です。従業員数は1名〜1000人程度まで企業にあわせて最適なプランが選べます。
ジンジャー給与
引用元:ジンジャー給与
ジンジャー給与は、利用者数18,000社と実績が豊富な給与計算ソフトです。給与計算は、あらかじめ給与計算式を設定しておくことで簡単に自動計算ができます。複雑な手当や控除、役職なども給与計算式に組み込むことが可能です。
社会保険や労働保険、年末調整などの年次業務も自動化できるので、繁忙期でも業務の工数を削減できます。建設業界でも導入実績があります。料金は初期費用に加えて、利用人数×300円〜/月です。
POSUTIVEonCLOUDiS
POSUTIVEonCLOUDiSは、業務スピードを向上させ、業務運用の効率化を図れる給与計算システムです。10万名の大規模な企業の給与計算にも対応しており、4万名の給与計算を10分で行えるなど高速で計算処理が行えます。
さらに、給与業務進捗管理機能を搭載しているため、給与業務を円滑に行えます。給与業務に関わる担当者の進捗が会社全体で把握できます。
EXPLANNER/S
引用元:EXPLANNER/S
EXPLANNER/Sは、NECグループが提供する給与計算ソフトです。人事管理と給与計算が統合されたパッケージになっていて、勤怠管理や周辺システムとも連携して総合的に管理できます。
給与計算に必要な勤怠情報は一括取り込みができます。また、雇用形態や複雑な給与計算に対応した勤怠項目が豊富にあります。そのため、各従業員ごとの給与計算や支給控除手当情報の管理が可能です。
賞与は1社員あたり5回支給でき、変動支給額や変動控除額を登録すれば、正確に計算できます。使用するためにはライセンス費用が必要です。最低価格は20万円〜で、利用する人数が増えると追加ユーザーライセンスの費用が必要です。
Socia給与システム
引用元:Socia給与システム
Socia給与システムは、役員や正社員、パート・アルバイトなど給与形態の異なる給与計算にも柔軟に対応できる給与計算ソフトです。
また、サブシステムとして生命保険や損賠賠償保険が個別に管理できる点も、危険と隣り合わせの建設業にはありがたい機能です。現金支給にも対応しているので、建設業に多い日払い労働者対応も問題ありません。
HRMOS勤怠
引用元:HRMOS勤怠
HRMOS勤怠は、導入企業が累計60,000社と実績が豊富な給与計算ソフトです。勤怠システムと連動しているので、給与計算に必要な勤怠データが自動で集計できます。
人事評価の結果や手当も簡単に給与に反映できるので、手動によるミスを防ぎます。また、給与明細の作成は企業にあわせて項目を柔軟にカスタマイズできます。そのため、フォーマットの作成が簡単です。
さらに、採用管理や労務、給与計算、ワークフローまで1つのデータに集約できて、管理が楽になります。料金プランは、企業の利用計画によって異なります。そのため、直接お問い合わせをすることがおすすめです。
KING OF TIME
引用元:KING OF TIME
KING OF TIMEは、人事労務と自動連携したシステムです。勤怠管理から給与計算まで、一括で管理できます。人事労務と自動連携しているため、勤怠情報と給与計算式で設定した条件に合致すれば、簡単に計算できます。
勤怠締めの際に未処理の従業員がいる場合、エラー表示となり給与計算できない仕組みになっているため、給与計算ミスをすることがありません。賞与計算は、支給対象者の追加と削除、雇用保険料徴収の可否を選択するだけで簡単に行えます。
ALL-IN
引用元:ALL-IN
ALL-INはエステイエスが提供するクラウドサービスで、企業経営に必要な機能がほとんどパックインされています。給与計算機能だけでなく、営業支援や顧客管理、人事やスケジュール管理などバックオフィス業務のほとんどを網羅している便利なサービスです。建設業の経営判断に必要な「受注高推移」もグラフやデータで確認できます。ビジネスツールとしても活用できるので、事業の効率的な拡大をめざす建設業の方にもおすすめです。
PCAクラウド給与
引用元:PCAクラウド給与
PCAクラウド給与は、クラウド導入実績20000法人を誇るピー・シー・エーが提供するクラウド/パッケージに対応した給与計算ソフトです。複雑な給与体系でも各人の給与の一括自動計算が可能で建設業にも適しています。電話やリモートによるサポート体制も充実しており、万が一のトラブルにもバックアップ機能でリカバリーでき安心です。低コストでの運用プランも用意されていて自社に見合ったプランが選べます。
ジームクラウドHR
引用元:ジームクラウドHR
ジームクラウド(ZeeM人事給与)は、システム構築やホームページ制作を手掛けるクレオが提供するクラウド型の給与計算ソフトです。大手企業や中堅メーカー2000社以上に導入された実績があります。人事や労務に関する情報を一括管理できるセットになっているので、人事に関する通常業務の効率化が可能です。導入企業も数百名から数万名までの幅広い規模を網羅しており、複雑な建設業の給与管理にも問題なく対応できます。
やよいの給与明細オンライン
引用元:やよいの給与明細オンライン
やよいの給与明細オンラインは、株式会社弥生が提供するクラウド型の給与計算ソフトです。豊富なテンプレートが揃っているので初心者でも楽に給与明細が作成できます。法改正へも自動的に対応するので計算ミスが軽減され業務の効率向上が可能です。給与明細はWeb配信ができるので、スマホなどで閲覧することもできます。入力した給与データは自動的に賃金台帳や従業員台帳に反映されるので大幅な時間短縮が可能です。従業員30名までの企業に適しています。
コスパを求めるならアウトソーシングもおすすめ
給与計算ソフトを導入し、担当者に使ってもらうという方法もありますが、給与計算に関する業務をアウトソーシングするという方法もあります。経理担当者を採用するよりもコストを抑えることができ、業務が属人化することも防げます。
例えばミナジン給与計算アウトソーシングサービスは、プロの担当者が最新の法令を遵守した給与計算を行ってくれるので、令和6年の定額減税や建設業における様々な法改正にも対応しています。
経理業務をアウトソーシングし、社内の人材はコア業務に集中させたいという方にはとくにおすすめです。
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【まとめ】自社に合った建設業対応の給与計算ソフトを導入して業務を効率化しよう
本記事では、建設業の給与計算に関する問題点や、建設業対応の給与計算ソフトのメリットや選び方、おすすめのソフト10選を紹介しました。
給与計算ソフトは複雑な給与情報を簡単に管理できる便利なツールです。また、建設業は、給与形態や雇用形態が複雑で管理が難しいとされています。
ぜひ本記事を参考に、自社にあった建設業対応の給与計算ソフトを見つけてください。
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