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今回は建設業の方のために、請求書の作り方や注意点について解説した記事です。
「請求書って、そもそも何?」と聞かれると、回答に困りますよね。この記事では、「請求書はどんな位置づけの文書なのでしょう」という原則から、「実際の『手法別』作成方法」、「作成のポイント」「おすすめテンプレート」まで、幅広く説明しています。
この記事を読めば、請求書に関する一通りの知識が身に付きます。そして今後あなたは、自信を持って請求書を作成・発行できるようになるでしょう。
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そもそも請求書とは?
そもそも請求書とは、何でしょうか。辞書的にいうなら「支払いなどの請求のために出す文書」となり、面白くも何ともありません。
もう少し詳しく言うなら、「取引先との仕事のやり取りをする中で、発生した請求すべき代金を、期日までに支払ってもらうことを要請する文書」とでもいうのでしょうか。
つまり、代金請求権を書面で確認しているのです。実は請求書は、法的に定まっている書面ではないので、決まった書式などはないのです。(注)インボイス制度導入のため、国税庁が請求書の一部様式について定めました。
請求書の作成方法4選
前章で述べたとおり、請求書のフォーマットは(国税庁指定項目を除き)決まっていないものですから、その作成方法も結構自由です。以下では、請求書を作成しようと思ったときに、多くの人が思いつく4つの方法を紹介しています。
方法1.Wordで作成する
最初は、Microsoft Wordで作る方法です。日本のワープロ市場の実質的な独占ソフトウェアですから、ワープロ、イコール、ワードとなります。
このように日本市場で大きな地歩を固めているマイクロソフト社ですから、請求書についても自社のサイトでそのひな形を公開しています。
ワードの欠点についていうと、請求書には通常「内訳表」が記載されますが、この表の合計を手計算しなければならないことです。エクセルと連動させる、ということも可能ですが、それくらいなら最初からエクセルで請求書を作成した方がいいかもしれません。
方法2.Excelで作成する
次はMicrosoft Excelを使う方法です。表計算ソフトなので、前項で述べた内訳表の自動計算は簡単にできます。
ただ、表以外の部分の配置は、ワープロソフトほど使いやすくはありません。慣れないと、あまり「格好の良くない請求書」を作ってしまうかもしれません。
それゆえ、webにも多くのテンプレートが存在しますし、「エクセル 請求書」で検索すると、最初の検索候補として「作り方」が表示されます。それらをうまく活用するといいでしょう。
方法3.市販の用紙で作成する
先ほど述べたように、請求書には指定のフォーマットはありませんから、市販の用紙に手書きで作成しても何ら問題はありません。実際今でも、多くの「手書き請求書」を見かけることがあります。
手書きのメリットは、パソコンのスキルが低い人でも、簡単に作成できるということです。また、筆跡が個人ごとに異なるので、偽造がしにくいということもあるかもしれません。
逆にデメリットについては、作成に時間がかかる、過去に作成したものを流用できない、といったことがあげられます。
方法4.請求書作成ソフトウェアから作成する
商売が軌道に乗り、経理的な作業が負担になってきたら、会計ソフトの導入を検討します。そしてこれらソフトには、請求書発行を始め、さまざまな書面を発行する機能が付属しているのが普通です。
さらに請求書機能に関していえば、その発行のみでなく、そのステータス管理ができるものが多いです。ステータス管理とは、「その請求に関して、現在どのような進捗状況にあるのか」を確認できる機能です。
たとえば、「請求済み・入金待ち」「入金済み」などです。請求件数が増えてくると、その管理も煩雑です。便利な機能は、積極的に使いましょう。
建設業での請求書の記載項目
先ほど、「請求書には制定のフォーマットはない」と述べましたが、請求書の目的を達成するためには当然、記載すべき必須項目が存在します。それら項目を、みていくことにします。
宛先
宛先には請求先の基本情報を記載します。請求先の会社名、代表者名、住所などを記載しましょう。請求先の氏名を指定されるケースもあるため事前に確認を取りましょう。
請求書番号
請求番号は、請求に関する問い合わせや確認事項がある際に、請求書を整理するための番号です。請求書だけではなく、同一の取引先の見積書や納品書にも同じ番号を振ることで一括して管理できます。
請求書発行日
請求書の発行日は請求書を作成した日付を記載するわけではありません。先方の締め日や納品日に合わせて発行日を決めることが通例です。取引先にしっかりと確認を取りましょう。
発行者情報
発行者欄には、発行者である自身の名前や、必要に応じて住所や連絡先を記載します。
請求合計金額
請求書の合計額は税抜きで記載した各項目の単価の小計に、消費税を足して計算します。単位は「¥」と「円」のどちらを使用してもかまいません。金額は三桁ごとにカンマを付けましょう。
取引内容
取引内容が複数ある場合は番号を振って、それぞれ項目の名称、数量、単位、単価を記載します。
消費税
請求書には消費税の記載が必要です。消費税額は納税額算出の根拠となるため忘れずに記入しなければなりません。消費税の記載方法を内税にするか外税にするかは、発行者に委ねられています。
支払期日
請求書の支払期日は主に以下の2種類です。
- 月末締め、翌月末払い
- 月末締め、翌々月末払い
支払期日に関する法的な規定はないため、発行者が自由に決められます。一方で取引先の支払業務の手間を減らすために、できるかぎり同じ支払期日を設定しましょう。
振込先
振込先には銀行の名称、支店名、口座番号を記載しましょう。また振込手数料を先方負担してもらう場合はその旨も記載しましょう。
備考
請求書の備考欄には特段記載する事項が無い場合は、空欄でもかまいません。一般的には、支払いの依頼の簡潔な文章、銀行振込の振込料負担の依頼などを記載します。
適格請求書の場合に必要な記載項目
続いて適格請求書に記載する項目をご紹介します。適格請求書に記載する項目は以下の通りです。
- 登録番号
- 軽減税率対象のものはその旨の表示
- 税率ごとに区分して合計した合計金額および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額
登録番号
適格請求書の登録番号は、適格請求事業者に登録した際の固有番号を記載します。法人番号を所持している場合はT+法人番号を記載します。また個人事業主はT+13桁の個人番号を記載します。
軽減税率対象のものはその旨の表示
取引内容が軽減税率対象のものは、請求書内でそのことを明示しなくてはいけません。具体的には軽減税率対象品目に「※」などの記号を付して区別する方法、税率ごとに分けて記載する方法があります。
税率ごとに区分して合計した合計金額および適用税率
税率ごとに区分して合計した合計金額および適用税率には、10%の標準税率、8%の軽減税率に分けて計算した金額の合計額を記載します。
税率ごとに区分した消費税額
税率ごとに区分した消費税額等には、10%の標準税率、8%の軽減税率に分けて計算した消費税の合計額を記載します。
建設業で請求書を作成する際の注意点
続いて建設業で請求書を作成する際の注意点をご紹介します。請求書を作成する際には、下記の2点に注意しましょう。
- 人工費の記載には注意が必要
- 必要な項目はすべて記載する
人工費の記載には注意が必要
人工費とは現場作業員の1日の作業代を指します。人工費は常に依頼をしている大工、作業員の場合は外注費扱いになることもあります。
一方で作業員によっては給与扱いとなるケースもあります。原則として作業員との間に雇用契約がある場合は給与扱いとなるため判断の基準にしましょう。
必要な項目はすべて記載する
請求書には項目を抜けなく記載しなくてはいけません。請求書は、支払いに必要な情報だけではなく納税計算に必要な項目も多くあります。発行する前に記載漏れがないかどうか入念にチェックしましょう。
社印や捺印を必ず確認する
請求書に押印が必要かどうか、事前に確認しましょう。最近は、印鑑レスに対応する企業もずいぶん増えてきましたし、官庁関係も先だっての「印鑑廃止運動」によりかなり対応が変わりました。
印鑑が必要な場合には、社印のほか、担当者印、承認者印などを捺印することが多いです。
無料のテンプレートも活用し、正しい請求書を作成しよう!
ここまで、主として建設業者向けの請求書の書き方などについてみてきましたが、ご理解は深まりましたでしょうか。
たかが請求書、されど請求書です。正しい請求書が発行できれば、支払い企業からも一目置かれるでしょう。
それよりなにより、しっかりした内容の請求書は、間違いなく指定期日に正確な金額が振り込まれます。しっかりしていないと、支払い企業の経理係が問い合わせ電話をかけなければならないなど、迷惑をかけてしまい、結果として請求書発行者の信用度も下がります。
文中でもご紹介したとおり、無料のテンプレートもたくさんあります。有効に利用し、あなたの信用度を高めましょう。
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