【PR】この記事には広告を含む場合があります。
主要な部分に鋼材が使用されている構造物のことを鋼構造物と言います。鉄塔や橋梁など、鋼材が単独で使用されているのが特徴です。そのため、鉄筋鉄骨コンクリートなど、内部に鉄骨や鉄筋が埋め込まれた造りの物は鋼構造物に含まれていません。
この鋼構造物を工事する場合、建設業許可を取得しなければいけません。そこで今回は鋼構造物工事業はどのような工事を行うのか、建設業許可を取るためにはどうすればよいのかを詳しく紹介します。
鋼構造物工事業とは?
鋼板などの鋼材を加工、もしくは組み立てていく工事のことを鋼構造物工事業と言います。主に橋梁や鉄塔など鉄骨工事全般にかかわる工事が挙げられます。鋼構造物工事については、鉄骨とびと鋼構造物工事業の鉄骨工事では異なっている点に注意しましょう。鉄骨とびは加工済みの鉄骨を現場で組み立てます。それに対して鋼構造物工事業は、鉄骨の加工から組み立てまで全て行います。さらに屋外広告工事も鋼構造物工事業になります。もちろん屋外広告工事も、製作から加工、看板の設置まで全てを担当します。
鋼構造物工事業の建設業許可取得の要件
鋼構造物工事業の建設業許可を得るためには、以下の6つの要件を満たしている必要があります。
- 経営業務の管理責任者
- 財産要件
- 欠格要件
- 誠実性
- 専任技術者
- 社会保険への加入
財産要件と専任技術者に関しては、一般建設業の許可を得る場合と、特別建設業の許可を得る場合とで要件が異なります。他の3つは種類に関係なく同じ要件になります。
1.経営業務の管理責任者
適切な運営をするために、一定以上経験を積んでいる人の設置が必要です。要件を確認してみると、
- 経営業務の管理責任者として5年以上の経験がある
- 管理責任者に準ずる役職として5年以上の経験がある
- 管理責任者を補佐する業務の経験が6年以上ある
- 5年以上役員の経験があり、その内2年以上建設業の役員経験がある
- 2年以上建設業の役員経験があり、5年以上役員に次ぐ地位としての業務経験がある
以上となります。詳しくは国土交通省のサイトでご確認ください。
参考:建設産業・不動産業:許可の要件 – 国土交通省
2.専任技術者
専任技術者とは、契約書の締結や注文者とのやり取りなどを行う、専門的な知識を有している人のことです。請負契約や注文者とのやり取りを適正に行うためには、必要不可欠な存在です。外に出て工事を行う作業員とは違い、現場に専任技術者が出ることは滅多にありません。請負契約の締結などは、営業所別に行われます。そのため、各営業所に1名以上専任技術者を配置しなければいけません。専任技術者も、一般建設業と特別建設業では要件が異なります。専任技術者になるための詳しい条件などに関しては後述します。
3.誠実性
建設関連の仕事では、1回の作業で数千万円以上の大金が動くことが多いです。作業の開始から、完了して納品するまで時間も掛かります。このような場合、作業員や会社が信用できるのかがとても重要です。建設工事をする際には請負契約の締結も行いますので、不正や不誠実な人には任せられません。経営者はもちろんですが、役員などの重要な地位にある人も同様です。だからこそ建設業許可取得の要件には、誠実性も含まれているのです。
4.財産的基礎
建設工事の際には、材料の仕入れや加工なども行います。ある程度の資金がないと、資材の購入自体ができなくなります。資材や機械がなければ作業に取り掛かれないため、一定以上の資金が確保できるかも重要なのです。財産的基礎に関しては、一般建設業と特別建設業で異なります。どのように異なっているのか確認していきましょう。
一般建設業の場合
一般建設業の財産的基礎等に関しては、以下の通りとなっています。まずは自己資本が500万円以上あることです。現時点では足りなくても、500万円以上の資金をすぐに調達することが可能であれば問題ありません。さらに許可を得ようとしている時点から遡って5年間、継続して営業してきた実績があるという項目も含まれています。ただし、これらの条件を全て満たしている必要はありません。どれか1つでも満たしていれば、建設業許可を得ることが可能です。
建設業許可に必要な500万円がない場合の対処法
「建設業許可を取得したいけど500万円も手元にない・・・」このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。そのような場合には以下のような対処法で解決できます。
- 複数の口座に入っているお金を1つにまとめる
- 入金のタイミングで残高証明書を取得する
- 資金を調達する
詳しい内容や、資金調達に関する注意点などは以下の記事で分かりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
建設業許可に必要な500万円がない場合はどうする?資本金が足りない場合の対処方法をご紹介!
特定建設業の場合
特定建設業の場合は、一般建設業よりも建設業許可を得る要件が厳しくなっています。
- 欠損金が資本金の20%を超えていないこと
- 資本金が2000万円以上あり、自己資本が4000万円以上あること
- 流動比率が75%以上であること
これら3つの条件を全て満たしている必要があります。
5.欠格要件
建設業許可を得るためには、申請書や添付書類の提出が必要です。提出した許可申請書や、添付書類に虚偽の記載が確認された場合には、建設業許可を得ることはできません。重要な記載が欠けていた場合も同様です。建設業法で定められているので、例外は一切認められません。また、全部で14項目定められている項目に1つでも当てはまると、許可が得られないので注意しましょう。14項目については、国土交通省の公式ホームページを確認しましょう。
6.社会保険への加入
今までは建設業許可の要件に含まれていなかった社会保険への加入が、2020年4月から義務付けられました。新規で許可を得る場合だけではなく、更新する場合も社会保険に加入していなければいけません。対象となる社会保険は健康保険に雇用保険、厚生年金保険の3種類になります。大半の会社は社会保険に加入しているでしょうが、加入していない場合は要注意です。未加入だと即座に取り消しにされることはありません。ただし、更新ができなくなるので、早めに加入しておきましょう。
【一般建設業】鋼構造物工事業の専任技術者の要件
専任技術者の要件は、一般建設業と特定建設業で異なります。今回は一般建設業の専任技術者要件について見ていきます。ポイントとなるのは以下の3点です。
資格
一般建設業で鋼構造物工事の専任技術者になるための条件の1つが、特定の資格を保有していることです。その資格とは、
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士
- 1級建築士
- 1級土木施工管理技士
- 2級土木施工管理技士
- 技術士(建設部門「鋼構造及びコンクリート」もしくは総合技術監理部門建設「鋼構造及びコンクリート」)
- 技能検定の鉄工(選択科目「製缶作業」もしくは「構造物鉄工作業」)※2級の場合は、合格してから3年以上の実務経験が必須
になります。技術士の資格にはいくつか部門が存在しており、建設部門か総合技術監理部門の資格でなければいけません。技能検定は職種と選択作業が設けられています。対象となるのは職種が鉄工、選択作業は製缶作業か構造物鉄工作業です。技能検定には級が設けられており、1級であれば資格を保有しているだけで条件は満たしています。2級の場合には、資格取得後3年以上の実務経験が必要です。
指定されている学科の卒業と実務経験
特定の資格を保有していなくても、学歴や実務経験によっては申請が可能になります。前提となるのは、土木工学か機械工学、建築学の学科を卒業していることです。これらの学科の高等学校を卒業している場合、鋼構造物工事に関する実務経験が5年以上あれば要件を満たしています。大学や高等専門学校であれば、3年以上実務経験があれば申請できます。資格は保有していないけれど、専任技術者になりたい場合には、実務経験があれば申請が可能だと覚えておきましょう。
鋼構造物工事業に関する実務経験が10年以上ある
特定の資格を保有していない、特定の学科を卒業していなくても、実務経験があれば申請することができます。必要な実務経験は、鋼構造物工事に関する業務に10年以上携わっていることです。実務経験は建設業許可保有会社なら、建設業許可通知書や厚生年金被保険者記録照会回答表で証明できます。建設業許可を得ていない会社であれば、工事請負契約書や注文書、請求書などで証明が可能です。
【特定建設業】鋼構造物工事業の専任技術者の要件
特定建設業の許可が取得できれば、元請業者として工事を行う場合、1件の工事につき4000万円以上の発注ができます。建築一式工事であれば6000万円以上の下請工事の発注が可能です。そのため、要件も一般建設業より厳しくなっています。では、専任技術者の要件を詳しく見ていきましょう。
資格
特定建設業の場合、専任技術者の要件は特定の資格を保有している必要があります。その資格は土木施工管理技士か建築施工管理技士、もしくは建築士です。一般建設業の場合は、これらの資格の2級であっても問題ありませんでした。しかし、特定建設業の場合には、いずれも1級の資格を持っていなければいけません。それだけ特定建設業の専任技術者になるのは難しいのです。技術士の建設部門か、総合技術監理部門の資格でも申請は可能です。
建設業許可申請の手順
建設業許可取得の要件を全て満たしており、実際に申請してみたいと思う方はこちらの記事で申請手順や必要書類、申請にかかる費用などを詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
建設業許可申請の流れとは?必要な理由や申請の手順を完全解説!
建設業許可なしで工事を行ったときの罰則や罰金
建設業法で定められた、建設業許可が必要な工事を、許可なしで行った場合は法律違反となるため、罰則や罰金が科されます。
建設業法の違反に対しては、その犯した違反の程度に応じて様々な罰則が課されます。そのなかでも無許可で工事を受注した際には「300万円以下の罰金もしくは3年以下の懲役」という最も重い罰則が科されますので注意が必要です。
以下の記事では、実際に無許可で工事を請負い逮捕された事例なども詳しく紹介していますので、必ず目をとおしておきましょう。
建設業許可なしで請負うとバレる?建設業許可なしで行ったときの罰則や罰金などを解説
【まとめ】鋼構造物工事業の建設業許可取得の際には6つの要件を満たすことが必須
鋼構造物工事業の建設業許可を取得する方法について解説をしてきました。重要なのは要件をきちんと満たしていることです。要件は一般建設業の許可を得る場合と、特別建設業の許可を得る場合では異なります。一般建設業の要件よりも、特定建設業の要件の方がより厳しくなっています。許可を得るには資格を保有していることも重要です。ただし、資格がなくても経験で補うことができます。許可を得るために必要な資格や、必要な経験年数も事前に確認しておきましょう。
※弊社の営業代行サービスツクノビセールスは、
【効果が出なければ全額返金プラン】を新たにスタートさせました!
※詳しくは👆👆👆のバナーをクリック!!