断面図とは?ほかの図面との違いや作成する際の注意点を解説

断面図は建築や設計の現場で頻繁に使用される重要な図面です。しかし、平面図や立面図など他の図面とどのような違いがあるのか、作成時の注意点は何かと疑問に感じる方も多いでしょう。

この記事では断面図の特徴や用途、他の図面との違いについて具体的な解説を交え解説します。また、作成時に気をつけるべきポイントなども詳しく紹介するので、図面について知識を深めたい人の参考になるでしょう。ぜひ最後まで読んでみてください。

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断面図とは

断面図は建設工事において極めて重要な図面です。断面図がなければ、正確に資材の積算ができず、施工においても正しく作業が行えないため、設計者は正確な断面図を作る必要があります。そして、正確な図面を作成するためには、正しく理解しなければいけません。

ここでは断面図について、概要と用途、記載内容の3つのポイントから解説します。それぞれのポイントで解説する内容を参考に、どういった図面なのか、理解を深めましょう。

断面図の概要

断面図は、建物を垂直方向に切断した際に現れる、内部構造を描いた図面です。通常は、建物のつくりや配線・配管など外からは見えない詳細な内部構造を明確に示すために使用されます。

そして、平面図が建物を上から見た視点で描かれるのに対し、断面図は縦方向の視点から描かれる図面です。2階以上の建物などでは、平面図だけでは正しい位置関係を把握しきれません。しかし、構造の細部や高さ関係を正確に示すことで正しく理解できます。

断面図の用途

断面図の主な用途は、内部の詳しい構造を明確に伝えることです。施工時に重要な寸法や高さの情報、壁や床の構造材の種類、配管・配線の位置関係を明示します。これにより、施工業者や関係者が建築物の内部構造を正確に把握できます。

正確な内部構造が把握できることで、現場での誤解や施工ミスを防ぎ、安全かつ正確な施工が可能です。また、施主とのコミュニケーションにも活用され、理解を促進する重要な役割を果たしています。

断面図の記載内容

断面図には、建築物を縦に切断した面の、細かな情報が記載されます。具体的には、壁や床、天井の厚さや素材などです。また、構造体の種類や配管・配線の位置関係、寸法と高さ情報なども記載されます。

ここでは、断面図の記載内容を以下の点に分けて、解説します。

  • 全面断面図
  • 片側断面図
  • 切断線
  • ハッチング
  • 断面にしないもの

それぞれについて詳しく解説していくので、断面図について深く理解する参考にしてください。

全面断面図

全面断面図は、建物全体を垂直方向に完全に切断し、その内部構造を隅々まで記した図面です。平面図などでは、建物の内部構造を隠れ線などで表現することがあります。

しかし、それでは建物のつくりを正しく理解できないことも珍しくありません。断面図を作成することで、階層ごとの構造関係や連続性を理解できるようになります。また、壁や床の厚さ、配管・配線経路などを全体的に把握できます。

大規模な建築物や複雑な構造物においては、全体像を明確に伝えることが重要です。そのため、断面図は施工管理や設計確認を効率化する重要なツールといえます。

片側断面図

片側断面図は、建築物の一部だけを垂直方向に切断して内部を示す図面です。特定箇所の詳細を示す際に用いられ、建物の部分的な構造や設備の状況を具体的に把握する目的があります。

片側断面図は、施工時に特に注意を要する部分や、設備が密集している箇所などを詳細に記載します。この図面を確認することで、建物のつくりを正しく理解し、施工の向上が可能になります。そのため、片側断面図は施工精度の面で重要な役割を担っているといえます。

切断線

切断線とは、建物をどの位置で切断して断面図を作成したかを示す線です。断面図を作成する際、どこで切断したかが分からなければ、施工時に役に立ちません。

そのため、平面図や立面図に示され、通常は太く実線または一点鎖線で表示されます。

また、切断の位置や方向を明確にするため、矢印やアルファベットなどの記号を用いて切断面を示す場合もあります。切断線が明確に示されることで、どの部分の断面を描いているかが正確に把握が可能です。

ハッチング

ハッチングとは、断面図において切断面を明示するために使われる斜線や模様です。断面図を作成しても複数の構造が組み合わさっている場合、区別しなければ、正しく理解できないこともあります。

そこで、ハッチングを入れることで、構造材の種類や材質を視覚的に分かりやすくします。特に複雑な構造や複数の素材が重なる部分で効果的です。ハッチングを使い分けることで、施工者が素材や部材を誤解するリスクを軽減できます。

断面にしないもの

断面図を作成する際、構造や設備の全てを切断して描くわけではありません。一般的には、ボルトやナット、細い配管・配線や標準的な設備器具などは省略します。

なぜなら、これらを含めると図面が複雑化し、本来伝えるべき情報が見えづらくなるためです。断面図で描くべき情報はあくまで建物の構造であり、部品や配管の情報ではありません。重要な情報だけを簡潔に伝えることが、作成する際のポイントです。

断面図とほかの図面との違い

断面図とほかの図面との違いは、主に視点と表現内容にあります。平面図や立面図が外観や配置、建物の形状を示すのに対し、断面図は建物内部の構造や詳細を示すことが主目的です。建物の内部情報を具体的に表現する点では、建築プロジェクトにおいて欠かせない図面と言えるでしょう。

ここでは、ほかの図面との違いを解説します。ほかの図面との違いを理解して、正しく使えるように知識を身につけましょう。

立面図との違い

立面図とは、建物の外観を正面や側面から見た姿を示す図面です。対して断面図は、建物の内部構造を垂直方向に切断し、その詳細を明らかにします。立面図が視覚的な美観やデザインを重視する一方、断面図は内部構造の詳細情報に焦点を置き、施工や設備計画に直接役立つ情報を提供します。

立面図は、建物の完成形をイメージするうえで重要な図面です。ただし、作り上げていく過程では構造情報を記した断面図の方が大切です。建物を側面から示していても、2つの図面は用途が大きく異なります。

矩計との違い

矩計図は、建物の細かな高さを表し、特定部分の細かな寸法や仕様を示す図面です。特定の部分の寸法を詳細に記しているため、その部分の施工を実際に行う作業員や監督者はスムーズな作業が可能です。

矩計図は、建築物の特定箇所を拡大して詳細な情報を示します。一方で、断面図は建物を広範囲にわたって垂直的な繋がりを表す図面です。断面図は建築物全体を俯瞰的に捉え、矩計図は部分的な詳細を深掘りする図面という違いがあります。

断面図を作成する際の注意点

断面図を作成する際は、正確な寸法表記や素材の明示、切断面の明確化が重要です。特に、ハッチングや切断線の使い分けを注意深く行い、施工者が誤解しないよう配慮しましょう。さらに、不要な情報を省略し重要なポイントだけを明確に表現することで、効果的で見やすい図面になります。

断面図は施工を補助する重要な図面です。資材を適切に手配し、施工者が正しく理解できるように、必要な情報だけを記載することが何よりも大切です。

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【まとめ】断面図は物体の内部構造や形状をわかりやすく示す図面!作成方法をよく知ろう

断面図は、建築物の内部構造や設備の詳細を、視覚的に明確に伝える重要な図面です。そのため、断面図がなければ正確に建物を施工できません。平面図や立面図、矩計図といった他の図面との違いを理解し、適切に使い分けることが重要です。

また、ハッチングや切断線の表現方法、記載内容をしっかり把握して施工や設計確認に役立つ効果的な図面を作成する必要があります。今回解説した内容を参考に、適切な断面図とはどういったものか理解し、工事で役に立つ図面を作成しましょう。

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