石工に必要な資格とは?主な業務内容や就業する方法などを解説

石工 資格

「石工(いしく、せっこう)」は、石材を加工したり石材によって工作物を築造したりする重要な仕事です。石材施工技能士やコンクリート技士といった資格が石工の業務に役立ちます。石工事の建設業許可で専任技術者になるには、資格や実務経験などが必要です。本記事では、石工の主な業務内容、就業する方法、建設業許可で専任技術者になる要件などを解説します。

石工とは

「石工(いしく、せっこう)」とは、石材を加工したり、加工した石材やコンクリートブロックを積んで工作物を作ったりする仕事です。壁、石垣、柱以外に、墓石、神社の石灯篭、鳥居なども石工が建造します。石材は木材に比べると耐久年数が非常に長いため、エジプトのピラミッドやギリシャのパルテノン神殿のような紀元前の石材建築物を現在でも確認できます。

主な業務内容

石工の業務内容は主に以下の2つです。

  • 採石
  • 石材の加工

それぞれの内容を解説します。

採石

石工の主な業務内容の1つに、採石が挙げられます。採石は、採石場で岩盤から石材を切り出す仕事です。花崗岩(かこうがん)や大理石などの天然石が切り出しの対象です。ジェットバーナーで焼き切ったり、ダイヤモンドワイヤー切断機を使ったりして岩盤から石材を切り出します。膨張剤を流し込んで岩盤を砕いたり、火薬による発破で岩石を崩したりするケースもあります。

石材の加工

切り出された石材を加工して完成させることも、石工の業務内容の1つです。墓石、壁、柱、石垣などで利用できるように、切断、整形、研磨、艶だしなどの加工を実施します。複雑な文字や模様を彫刻することもあります。石仏、鳥居、石灯籠、モニュメントなども石工の製作対象です。石材店で業務に従事することが一般的です。

石工と区分が異なる工事

石工の業務と混同しがちですが、区分が異なる工事がいくつかあります。建設業許可を取得する際に注意が必要です。

  • コンクリートブロック積み工事
  • コンクリートブロック据付け工事
  • エクステリア工事

それぞれの内容を解説します。

コンクリートブロック積み工事

「石工事」の建設業許可を取得すれば、石積み(張り)工事だけでなくコンクリートブロック積み(張り)工事も可能です。コンクリートブロック積み工事のうち、建築物の内外装への石材の貼り付け、法面処理、擁壁としてのコンクリートブロック積み・貼り付けなどの区分は「石工事」です。しかし、コンクリートブロックで建築物を建設する工事は、「タイル・れんが・ブロック工事」に区分されます。

コンクリートブロック据付け工事

根固めブロックや消波ブロックの据付けといった大規模なコンクリート据付け工事、プレキャストコンクリートの柱や梁といった部材の設置工事などは、「とび・土工・コンクリート工事」に区分されます。「とび・土工・コンクリート工事」の建設業許可を取得すれば、鉄骨組立て工事、くい打ち・くい抜き工事、土砂の掘削・盛上げ・締固めなどの工事も可能です。

エクステリア工事

門、庭、駐車場、塀といった建物外の空間・環境の工事は、エクステリア工事と呼ばれます。コンクリートブロックを扱うエクステリア工事の区分は、「とび・土工・コンクリート工事」です。前述したように、建築物の内外装への石材の貼り付け、法面処理、擁壁としてコンクリートブロックを積んだり貼り付けたりする工事などは、「石工事」に区分されます。

石工に必要な資格

石工の業務に役立つ資格は主に以下の3つです。

  • 石材施工技能士
  • コンクリート技士
  • 採石業務管理者

それぞれの内容を解説します。

石材施工技能士

「石材施工技能士」は、石材の施工に関する国家資格です。1級・2級はどちらも、技能検定には学科試験と実技試験があります。実技試験には、石材加工、石張り、石積みの3種の作業があります。

検定の開催時期は、前期と後期の年2回です。石材施工技能士の資格を取得すれば、石工事において建設業許可の要件である専任技術者になれます。

コンクリート技士

「コンクリート技士」は、コンクリートの製造や施工に関わる知識や能力を証明する資格です。コンクリートを扱うのであれば、業務やキャリアアップに役立つでしょう。「公益社団法人日本コンクリート工学会」が実施する試験に合格する必要があります。試験の開催は年に1回です。

受検するためには、コンクリート診断士や一級建築士といった資格または指定年数以上の実務経験などが必要です。

採石業務管理者

「採石業務管理者」は、採石業における災害の防止に関して必要な知識と技能を認める資格です。採石業務管理者を事務所に設置しないと、都道府県知事の登録を得られず、採石業を営めません。採石業務管理者になるには、各都道府県で年に1回開催される試験に合格する必要があります。合格率の全国平均は、毎年30%程度です。

石工に就業する方法

石工として就業するには、石材加工会社や石材店に就職する必要があります。働き手が減少しているため、未経験でも見習いとして採用されやすいでしょう。就職すると、現場で働きながら石材や道具の扱い方を基本から学びます。

技術を磨きながら、前述した石材施工技能士や採石業務管理者といった資格を取得して、キャリアアップします。

石工の平均年収

石工の平均年収はおよそ400万円といわれています。全国各地に働く場所があります。石材の分野にもコンピュータ制御による自動機械加工が導入されていますが、細部の加工には繊細な手作業も必要です。石製品は、住宅や施設だけでなく墓石や神社といった日本の伝統的な構造物にも必要不可欠です。今後も一定の需要が見込まれます。

石工事業の一般建設業許可で専任技術者になる要件

石工事業の一般建設業許可で専任技術者になる要件がいくつかあります。

  • 保有資格
  • 一定期間の実務経験
  • 10年以上の実務経験

それぞれの内容を解説します。

保有資格

以下の資格のいずれかを保有していれば、石工事業の一般建設業許可で専任技術者になれます。

  • 1級土木施工管理技士
  • 1級土木施工管理技士補 + 3年の実務経験
  • 2級土木施工管理技士 +「鋼構造物塗装」、「薬液注入」は5年の実務経験、「土木」は実務経験不要
  • 2級土木施工管理技士補 + 5年の実務経験
  • 1級建築施工管理技士
  • 1級建築施工管理技士補 + 3年の実務経験
  • 2級建築施工管理技士 +「建築」、「躯体」は5年の実務経験、「仕上げ」は実務経験不要
  • 2級建築施工管理技士補 + 5年の実務経験
  • 1級造園施工管理技士 + 3年の実務経験
  • 1級造園施工管理技士補 + 3年の実務経験
  • 2級造園施工管理技士 + 5年の実務経験
  • 2級造園施工管理技士補 + 5年の実務経験
  • 技能検定 1級ブロック建築
  • 技能検定 2級ブロック建築 + 3年の実務経験
  • 技能検定 1級石材施工
  • 技能検定 2級石材施工 + 3年の実務経験
  • 登録エクステリア基幹技能者

一定期間の実務経験

以下のように指定学科を卒業したうえで、一定期間の実務経験や称号があれば、石工事業の一般建設業許可で専任技術者になれます。

  • 土木工学または建築学に関する学科の高校卒業後、5年以上の実務経験
  • 土木工学または建築学に関する学科の大学卒業後、3年以上の実務経験
  • 土木工学または建築学に関する学科の専門学校卒業後、5年以上の実務経験
  • 土木工学または建築学に関する学科の専門学校卒業後、3年以上の実務経験 + 専門士または高度専門士の称号

10年以上の実務経験

資格や指定学科の卒業がなくても、石工事に関して10年以上の実務経験があれば、石工事業の一般建設業許可で専任技術者になれます。石積み(張り)工事やコンクリートブロック積み(張り)工事を実施した経験は、石工事の実務経験として認められるでしょう。契約書、注文書、請求書といった、工事を請け負ったことを証明する書類が必要です。

石工事業の特定建設業許可で専任技術者になる要件

石工事業の特定建設業許可で専任技術者になる要件は以下のとおりです。

  • 保有資格
  • 実務経験

それぞれの内容を解説します。

保有資格

以下の資格のいずれかを取得していれば、石工事業の特定建設業許可で専任技術者になれます。一般建設業許可で専任技術者になれる資格よりも少なめです。

  • 1級土木施工管理技士
  • 1級建築施工管理技士

土木施工管理技士と建築施工管理技士はどちらも、国土交通省が認定する国家資格です。1級の場合、合格率はどちらも約20%です。

実務経験

石工事業の一般建設業許可で専任技術者になる要件を満たしたうえで、請負金額4,500万円以上の工事で指導監督的な実務経験を2年以上有していれば、特定建設業許可で専任技術者になれます。

「指導監督的な実務経験」とは、設計・施工全般にわたって、工事現場主任や現場監督者といった立場として、工事の技術に関して総合的に指導・監督した経験を指します。

測量士の資格試験に必要な勉強時間は?合格率や難易度なども解説の記事はこちら

測量士 勉強時間測量士の資格試験に必要な勉強時間は?合格率や難易度なども解説

現場監督と施工管理の違いは?仕事内容や年収・必要な資格も解説の記事はこちら

現場監督 施工管理現場監督と施工管理の違いは?仕事内容や年収・必要な資格も解説

【まとめ】石工に役立つ資格を理解して自身に必要なものを取得しよう!

石工の主な業務内容、就業する方法、建設業許可で専任技術者になる要件などを解説しました。石材施工技能士、コンクリート技士、採石業務管理者などの資格が石工の業務に役立つでしょう。石工事の建設業許可で専任技術者になるには、資格や実務経験などが必要です。ぜひ本記事を参考に、石工の仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※弊社の営業代行サービスであるツクノビセールスでは、
【効果が出なければ全額返金プラン】を新たにスタートさせました!

詳しくは👆👆👆のバナーをクリック!!