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グリーンファイルとも呼ばれる安全書類は、下請け企業が工事を始める前に必ず必要な書類です。しかし、記入の際に戸惑う方や、どの書式を使用すればよいか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は安全書類の記入例や種類について説明します。
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安全書類とは
安全書類とは、下請け企業が元請け企業に対して提出しなければならない書類群の通称で「グリーンファイル」とも言います。
記載する内容は工事の詳細や人員の配置などです。下請け企業と工事について元請けが正確に把握し、安全を管理するために作成されています。
安全書類の全建統一様式
全建統一様式とは、安全書類の書式の1つで一般社団法人『全国建設業協会』が定めた様式です。
全国建設業協会は各都道府県の地域それぞれの建設業団体約2万社によって構成されている組織で、建設業の問題の改善や公共の福祉の増進を目的に活動しています。
全建統一様式は下請け・元請け双方の事務作業の軽減と、労務安全に関する書類の充実を目的に作られた書式です。ゼネコンから中小企業まで全国の建設業者で普遍的に利用されています。
安全書類の詳細や役割についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
安全書類とは?建設現場での役割や種類・作成するメリットも解説安全書類で全建統一様式を採用するメリット
安全書類を作成する際に、全建統一様式を採用するメリットは以下の2つです。
- 統一された規格で安全書類の作成ができる
- 法律などに則っている記載内容であることが担保されている
以下で詳しく説明していきましょう。
統一された規格で安全書類の作成ができる
全建統一様式は全国で普及しているため、どの現場や事業者においても統一された規格で書類が作成できるというメリットがあります。
独自の書式を使用すると、普遍性に欠けるため元請けや協力会社が事務処理が効率的にできないというデメリットが発生します。普遍的に流通している全建統一様式を使用すれば、作成する側も事務処理する側も労力を抑えて事務処理を行えるのです。
法律などに則っている記載内容であることが担保されている
全建統一様式は、各種法律の法改正の際には書類様式の改定が行われます。また、協会に寄せられる質問が多い項目は記載方法を変えるなど、定期的に検討と見直しが行われているのです。独自の様式だと法改正に対して対応が漏れるなどのリスクがありますが、全建統一様式であれば安心して使用できます。
安全書類の主な種類と記入例
安全書類は、元請けからの指定がない限り全国的に普及している全建統一様式を利用しましょう。次に安全書類の主な書類と記入例を以下の2つに分けて解説します。
- 施工体制台帳関係
- 労務安全関係
施工体制台帳関係
施工体制台帳に関係する安全書類は、以下の8種類です。
書式番号 | 書類名 |
---|---|
第1号ー甲 | 再下請負通知書 |
第1号ー甲ー別紙 | 外国人建設就労者現場入場届書 |
第1号ー乙 | 下請負業者編成表 |
第2号 | 施工体制台帳作成建設工事の通知 |
第3号 | 施工体制台帳 |
第4号 | 工事作業所災害防止協議会兼施工体系図 |
第5号 | 作業員名簿 |
参考様式第2号 | 施工体制台帳(監理(主任)技術者用名札) |
それぞれの書類の記載項目を、全建統一様式の書式の使用を前提に説明します。
再下請負通知書
再下請け負通知書(変更届)は、一次下請け業者がさらに下請け業者に一部事業を委託する場合に、元請け業者に報告するための書類です。
元請け業者が安全に関わる業者を把握するためのもので、フォーマットは原則2枚あります。1枚目には自社の情報を、2枚目には下請けの会社について記入します。
外国人建設就労者現場入場届書
外国人建設就労者建設現場入場届出書とは現場で働く外国人建設就労者を管理するための安全書類です。
そのため定住者や技能実習生の外国人に対して作成する必要はありません。記載する項目は以下の通りです。
- 建設工事に関する事項
- 外国人建設就労者の生年月日や在留期間満了日
- 受け入れ建設企業・適正管理計画に関する事項
下請負業者編成表
下請け負業者編成表とは、どの工事をどの事業者が請け負っているかを記載した安全書類です。
- 工期
- 会社名
- 安全衛生責任者
- 主任技術者
- 専門技術者と担当工事内容
を各工事ごとに記載します。
施工体制台帳作成建設工事の通知
施工体制台帳作成通知書は、施工体制台帳が必要な工事の際に、1次請負業者に交付する安全書類です。
日付や事業者名、工事名称に加えて、「権限及び意見申出方法」を記載します。これは下請け業者との意見のやり取りの方法を記載する項目で、たとえば「文書による」などの表記で指定されます。
施工体制台帳
施工体制台帳とは、ひとつの工事に関する元請け業者から下請け業者までの情報をまとめた安全書類の1種で、作成者は原則元請け業者です。記載する項目は以下の通りです。
- 企業・事業者・発注者の名前と住所
- 建設業許可について
- 工事名称及び工事内容
- 工期
- 契約営業所
- 発注者の監督員・現場代理人名のフルネームと権限及び意見申出方法
- 監理技術者・主任技術者
- 外国人労働者の就労状況
- 健康保険の加入状況
など、工事に関するあらゆる情報を記載します。
施工体制台帳の重要性や書き方についてはこちらの記事で解説しています。
工事作業所災害防止協議会兼施工体系図
工事作業所災害防止協議会兼施工体系図は、施工の分担を下請けまで細かく記入した体系図です。施工体系図の作成目的は以下の通りです。
- 現場における施工体系の明確化
- 主任技術者の設置の確認
また工事作業所災害防止協議会兼施工体系図に記入すべき項目は以下の通りです。
左欄
- 発注者名
- 工事名称
- 元請名・事業者ID
- 監督員名
- 監理技術者・主任技術者名
- 監理技術者補佐名
- 専門技術者名・担当工事内容
- 統括安全衛生責任者
- 副会長
- 元方安全衛生責任者
- 書記
右欄
- 工期
- 会社名・事業者ID
- 代表者名
- 建設業許可番号
- 工事内容
- 特定専門工事該当の有無
- 安全衛生責任者
- 主任技術者
- 専門技術者・担当工事内容
施工体系図についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
作業員名簿
作業員名簿とは、「誰がいつ現場に入っているのか」を把握、監理するための書類です。また、安全衛生管理や労災が起きた際の連絡や作業員の健康状態なども記載します。
全建統一様式第5号の書式だと、別紙に社会保険加入状況を記載する必要があります。事業所や作成日以外に記載する項目は以下の通りです。
- 作業員の氏名、生年月日、住所
- 技能者ID
- 職種
- 特記事項(主任技術者、外国人技術者、18歳未満労働者等記載)
- 最近の健康診断日
- 血圧、血液型
- 特殊健康診断日と種類(有害業務従事者で半年に一度受診している場合)
- 建設業退職金共済制度・中小企業退職金共済制度の加入・未加入
- 雇入・職長・特別教育など教育の有無
作業員名簿の書き方についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
作業員名簿の書き方をわかりやすく解説!作成の目的や注意点も紹介労務安全関係
安全書類の中の労務安全に関係する書類は、以下の8種類です。
書式番号 | 書類名 |
---|---|
第6号 | 工事安全衛生計画書 |
第7号 | 新規入場時等教育実施報告 |
第8号 | 安全ミーティング報告書 |
第9号 | 移動式クレーン / 車両系建設機械等使用届 |
第10号 | 持込機械届済証 |
第11号 | 有機溶剤・特定化学物質等持込使用届 |
参考様式第3号 | 安全衛生計画書 |
参考様式第4号 | 新規入場者調査票 |
参考様式第5号 | 作業間連絡調整書 |
参考様式第6号 | 持込機械等電動工具・電気溶接機等使用届 |
参考様式第8号 | 工事・通勤用車両届 |
参考様式第9号 | 火気使用願 |
それぞれの書類の記載項目を、全建統一様式の書式の使用を前提に説明します。
工事安全衛生計画書
工事安全衛生計画書は工事を安全に進めるための計画を記載した安全書類です。
「工事安全衛生方針」と「工事安全衛生目標」の2つを掲げたうえで、各工事を行ううえで心がける日常安全衛生活動を記します。
新規入場時等教育実施報告書
新規入場者等教育報告書とは下請け業者の作業員が安全教育を受けたことを元請け企業に証明する書類です。記載する主な項目は、以下の通りです。
- 受けた教育の種類
- 講義の実施場所
- 講師
- 講義の内容
- 教育方法
- 受講者名
安全ミーティング報告書
安全ミーティングとは、労災防止のために頻繁に現場で行われるミーティングです。
安全ミーティング報告書は、安全ミーティングが実際に行われたことを元請けに証明する書類です。主に以下の項目を記載します。
- 一次請負会社・施工会社氏名
- 職長氏名
- 作業予定
- 作業に必要な資格及び配置
- リスクアセスメント
- 職長・元請けの確認欄
移動式クレーン / 車両系建設機械等使用届
車両系建設機械など持込機械等使用届は、工事に使用する「移動式クレーン」または「車両系建設機械」の安全性を管理するための書類です。主に以下の項目を記載します。
- 機種
- 運転者
- 持込会社・使用会社名
- 受付年月日と受付№
- 使用期間
- 事業所名
持込機械届済証
電気工具など持込機械等使用届は、作業に必要な電気工具・電気溶接機等の安全性を管理するための書類です。
記入箇所は持込機械の概要記入部分と点検表の2つに大きく分けられます。主な記入項目は以下の通りです。
- 持込会社・取扱者名・事業者名
- 受付年月日と受付№
- 使用期間
- 機械名
- 規格・性能
- 管理番号・受付番号
- 持込年月日・搬出予定年月日
- 取扱者と点検者の氏名
有機溶剤・特定化学物質等持込使用届
有機溶剤・特定化学物質等持込使用届とは、塗料や接着剤などで危険物や有害物が含まれているものを使用する際に作成する安全書類です。
日付や事業所といった基本情報に加えて以下の項目を記載する必要があります。
- 現場代理人
- 使用材料
- 使用場所・保管場所
- 使用期間
- 使用機械または工具
- 作業主任者等
- 換気等対策
- SDS(安全データシート)添付の有無
安全衛生計画書
安全衛生計画書は、工事現場における衛生状態の保持、危険防止のために作成する計画書です。安全衛生計画書に記載する項目は以下の7つです。
- 安全衛生方針
- 安全衛生目標
- 安全衛生上の課題及び特定した危険性又は有害性
- 安全衛生計画
- 作業所共通の重点施策・実施事項
- 安全衛生行事
- 安全衛生管理体制
新規入場者調査票
新規入場者調査票は現場作業員の緊急連絡先などの情報を記載した安全書類です。万が一の事故や災害発生時のために作業員の情報を記載します。記載項目は作業員の氏名、生年月日、血液型、緊急連絡先などです。
作業間連絡調整書
作業間連絡調整書は労災を防止するために作成する安全書類です。工事現場は元請けをはじめ複数の下請けが出入りする混みあった場所です。
作業間連絡調整書は、多くの人が出入りする現場の動線把握のために、各業者の作業日程や状況を記載します。
持込機械等電動工具・電気溶接機等使用届
持込機械等電動工具・電気溶接機等使用届は工事現場における電動工具などの使用状況を届け出る安全書類です。
電動工具や電気溶接機は適切な使用が求められるほか、事前の点検が欠かせません。フォーマット欄内の記載項目は以下の通りです。
- 機械名
- 規格/性能
- 管理番号/受付番号
- 持込年月日/搬出予定年月日
- 点検者
- 取扱者
- 機械の特性、その他その使用上注意すべき事項
- 元請確認欄/受付確認者
工事・通勤用車両届
工事・通勤用車両届とは事業所から現場に向かう通勤車や、現場で使用する工事用車両の管理を目的にした安全書類です。
車両一台ごとの提出と、加入している自動車保険の証券を添付する必要があります。また、運転者を変更する場合は、新たに届出書を作成・提出しなければなりません。
火気使用願
火気使用願は、現場で炎、熱、火花(スパーク)などを生じる作業をする際に提出する安全書類です。事業所名などの基本情報に加えて、以下の項目を記載します。
- 使用場所・使用目的
- 使用期間・使用する時間
- 火気の種類
- 管理方法
- 火気使用責任者
- 火元責任者(後始末巡回者
安全書類の作成代行サービスについてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらでご確認ください。
建設業の安全書類作成代行サービスおすすめ5選!選び方なども紹介【まとめ】安全書類は記入例を参考にスムーズに作成しよう
安全書類には様々な種類があり、1つの工事にあたり莫大な書類を下請け・元請け双方が作成しなければなりません。その事務作業の手間を軽減するために作られたのが、全建統一様式の書式です。最新の法改正にも対応しているため、元請けやゼネコンからの指定がなければ使用することをおすすめします。安全書類をスムーズに正確に作成して、万全の状態で工事に臨みましょう。
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