CGパース図の作り方や手順・おすすめツール5選などを解説!

CGパース図(建築パース図)は、建設業において成果物の立体的な完成予想図を意味します。CGパース図は施主の要望をヒアリングしたものをわかりやすく具体化したもので、プレゼンテーションや打ち合わせに欠かせないものです。

CGパース図には作図の知識や専用ソフトウェアの知識が必要なため、作成に一歩踏み出せないという事業者の方もいるのではないでしょうか?そこで今回はCGパース図の作り方や手順・おすすめツール5選などを詳しく解説します。

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CGパース図とは

CGパース図(建築パース図)とは、建築で用いられる立体的な透視図を指し、寸法などが厳密に書かれた完成予想図を意味します。

建設業におけるパース図には手書きパース図とCGパース図の2種類があります。手書きパース図は、文字通り手書きで透視図を作成します。手書きならではの暖かみや彩色が魅力ですが、作成したものを途中で大幅に変更するのには向いていません。

CGパース図はコンピュータのソフトウェアを使用して、3Dデータでパース図を作成します。CGパース図は手書きと比べてより写実的(フォトリアル)な完成予想図が作成できるほか、プロジェクト途中での図面変更のしやすさも特徴です。

CGパース図の作り方

続いてCGパース図の作り方を解説します。CGパース図は自社でも作成できますが、専門の制作会社に外注もできます。

自社で作る

CGパース図を作成するソフトウェア知識がある場合は、自社でCGパース図を作成できます。

ここでは、自社でCGパース図を作るメリットとデメリットを解説します。

自社で作る際のメリット

自社でCGパース図を作成するメリットは、コストを抑えられる点です。

外部の制作会社へ依頼すると数万円から数十万円かかる場合がありますが、自社で対応できれば外注費を大幅に節約できます。

さらに、修正や変更への柔軟な対応が可能になる点も大きなメリットです。

設計内容の変更が発生しても、社内で即時に修正でき、スピード感を保った制作が実現します。

また、ノウハウの蓄積という長期的な効果も見逃せません。社員が制作スキルを身につければ、将来的にクオリティ向上や業務効率化にもつながります。

このように、自社制作はコスト削減・スピード・スキル育成の3つの面で多くのメリットを持つといえます。

自社で作る際のデメリット

自社でCGパース図を作成する場合は、専門的なスキルや知識が必要です。

3Dモデリングやレンダリングには専用ソフトの操作が欠かせず、習得には時間を要します。そのため、担当者の育成や研修にコストがかかる場合があります。

さらに、作業負担の増加によって本来の業務に支障をきたす恐れもあるでしょう。建築や設計担当者が兼任すると、制作作業に時間を取られやすくなります。

また、クオリティの低下リスクも無視できません。照明や質感の表現など、細部でプロとの差が出やすく、完成イメージを正確に伝えにくくなる可能性があります。

このように、自社制作には技術面・時間面での負担が伴うことを理解しておく必要があります。

制作会社に依頼する

CGパース図を作成するノウハウがない場合は、専門の制作会社に依頼してみましょう。

専門家が作るCGパース図は高品質です。自社の制作技術に合わせて自作か外注かを選択することも1つです。

ここでは、制作会社に依頼する際のメリットとデメリットを解説します。

制作会社に依頼する際のメリット

制作会社にCGパース図の作成を依頼するメリットは、高品質なビジュアルを短期間で仕上げてもらえることです。

専門スタッフが在籍しており、照明・質感・構図などの表現に優れているため、完成度の高いパース図を短時間で制作できます。

また、自社の負担を軽減できる点もメリットです。社内でソフトを導入したり人材を育成したりする必要がなく、本来の業務に集中できます。

さらに、第三者の視点でデザインを客観的に確認できる点も魅力です。プロの提案によって、設計段階では気づかなかった改善点や新しい表現方法を見つけられる場合もあります。

このように、制作会社への依頼はクオリティと効率の両面で優れた選択といえます。

制作会社に依頼する際のデメリット

制作会社にCGパース図の作成を依頼する際のデメリットは、コストが高くなりやすい点です。

パースの内容やクオリティ、修正回数によっては数十万円に達する場合もあり、予算に余裕がない場合は負担になります。

また、修正対応に時間がかかる点にも注意が必要です。社内制作のように即時対応が難しく、修正依頼から反映までに数日を要するケースもあります。

さらに、イメージのすり合わせ不足による完成物のズレが生じるリスクもあります。口頭説明や資料だけでは意図が伝わりにくく、再修正が必要になる場合もあるでしょう。

CGパース図を作る際の手順

続いてCGパース図を作る際の手順を解説します。下記の7つのステップをチェックしてみましょう。

1.設計図を準備する

CGパース図を作成する前に、設計図を準備しましょう。

CGパース図を作成する際の事前準備として、建築士が作成した設計図から、寸法や形状などの必要な情報を抜き出しておきましょう。また、施主に対して特にアピールしたいポイントをこの時点で洗い出しておくようにしましょう。

2.3Dモデリングを作る

設計図が準備できしだい、3Dモデリングを作成します。3Dモデリングは専用のCGソフトウェアを使用して行います。3Dモデリングは下記の2ステップで行います。

建物の形状を構築する
ディティールを追加する

建物の形状を構築する

3Dモデリングは建物の外観や内観といった建築物の基本的な形状から行います。建物の形状は、細かなディティールを追加する前の土台作りです。

元の寸法を保ちつつ、図形や立方体などの基本的な図形を組み合わせて設計図を再現していきましょう。

ディティールを追加する

一通り建物の形状を構築し終えたのちに、ディティールを追加しましょう。ディティールとは、窓や天井などの装飾といった細かな装飾要素です。

また、建築物周辺の地形などの要素も細かくモデリングすることで、よりリアリティのあるCGパース図が作れます。これらのディティール要素は、使用するソフトウェアによってはライブラリに出来合いのモデルがあります。

これらのモデルをライブラリからドラッグアンドドロップして配置していきましょう。

3.家具などの素材や質感を設定する

ディティールを追加したら、家具などのマテリアルの質感を調整しましょう。素材の質感を調整することで、CGパース図にリアリティをもたせられます。

天井の素材や床のフローリングの木目などを追加して、質感のあるモデルを作成してみましょう。

4.照明を設定する

CGパース図は照明を任意に設定可能です。照明はライティングとも呼ばれ、作成した3Dモデルに対して太陽光や人工の照明を当てることで、建物の見え方にメリハリをつけます。

ライティングは建物のや素材の形状によってはっきりとした陰影をつけるケース、グラデーションによって影を表現するケースなど様々です。メインの光源だけではCGパースの立体感が生まれない場合は、補助光源を設定してみましょう。

5.カメラを設定する

ライティング処理が完了したのちに、カメラの設定を行いましょう。カメラの設定は、カメラのアングルや焦点距離、被写界深度など、実際のカメラのパラメータと共通の設定が多くあります。

カメラを設定する際は、作成した3Dモデルがもっとも視覚的によく見える構図を選びましょう。

6.レンダリング処理を行う

カメラ設定までの工程が完了したのちにレンダリング処理を行います。レンダリング処理とは、作成した3Dモデルを画像データとして出力する工程です。

仮にレンダリングを省略して画像を出力した場合、複雑な光源処理が行われないため、リアルな質感を伴わないCGパース図が出力されます。3Dモデルを作成したら、必ずレンダリング処理を行いましょう。

7.レタッチを施す

画像が出力されたのちに、レタッチを施し画像を修正しましょう。レタッチ作業は、色調補正や素材の追加や除去をとおして画像のクオリティを高める作業です。

またレタッチでは、フレームの作成やロゴの追加、画像サイズの調整などクライアントの要望に合わせたフォーマットの最適化も行います。レタッチを入念に行うことで完成度の高いCGパース図を完成させましょう。

パース図の作成はアウトソーシングもおすすめ

ツクノビCAD

CADを活用したCGパース図の作成は、アウトソーシングサービスの利用もおすすめです。

なぜなら、社内の人員やスキルが不足していても、外部の専門スタッフに依頼すると、高品質なパース図を効率的に制作できるからです。

特に、建築設計や施工図などの業務でリソースが逼迫している場合、アウトソーシングを利用すれば限られた工数でも全体の生産性を高められるでしょう。

また、専門知識と豊富な実績を持つ担当者が対応するため、短納期でも安定したクオリティを確保できます。

弊社では、建設工事に必要なCADの活用に対応している建設業特化のBPOサービス「ツクノビCAD」を提供しています。CADを活用したCGパース図の作成はもちろん、施工図や仮設計画図の作成、トレース業務など、幅広い業務を代行可能です。

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CGパース図を作るおすすめツール5選

続いてCGパース図を作るおすすめツールを紹介します。下記で5つのおすすめツールを解説します。

Sweet Home 3D

引用元:https://www.sweethome3d.com/ja/
特徴
Sweet Home3Dは2Dデータで住宅を設計し、3Dビューで作成データを確認しながら インテリアなどの配置ができる無料の間取り作成アプリケーションです。直線や円形、傾斜した壁などの複雑な構図もマウスまたはキーボードで簡単に描写できます。

無料ダウンロード版では100個の家具と26個のテクスチャがバンドルされており、Microsoft Storeで入手できる有料版では、追加で1610個の家具と423個のテクスチャパックが入手できます。

Live Home 3D

引用元:https://www.livehome3d.com/
特徴
Live Home 3Dは、誰でも簡単に間取り図と3Dレンダリングを作成できるマルチプラットフォーム対応の住宅デザインソフトウェアです。Live Home 3Dの特徴はユーザーの環境に合わせたマルチプラットフォームです。対応プラットフォームはMac os、iphon/ipad、Vision、Android、Windowsの5つです。

Live Home 3Dのライティング機能は光源の明るさと色を、必要に応じて調整できます。またランプのオン/オフ機能や家のロケーションに合わせたさまざまな照明設定など多彩なライティング機能を備えています。

Live Home 3Dのライブラリには2,400の3Dモデルと2,100のマテリアルがあり、自分好みの素材を試せます。マテリアルの利用方法は簡単で、ライブラリから3Dモデルやマテリアルをドラッグアンドドロップするだけです。マテリアルはそのまま使用できますが、自身で編集することで新たな素材を作れます。

Cedre

引用元:https://cedreo.com/
特徴
Cedreは住宅専門家向けの強力な販売ツールです。Cedreoは3Dホームデザインツールであるだけでなく、建設業者やリフォーム業者、インテリアデザイナーの販売サイクルの短縮、成約率の向上に役立ちます。Cedreは2Dおよび3D設計プロセスを簡略化して実行できます。間取り図を作成し、3Dでレンダリングを2時間で実行できます。

Cedreoはプロジェクトをクラウド上に保存するため、お使いのパフォーマンスに影響を与えることなく、サイズの大きなファイルを操作できます。Cedreo上で他のアプリを起動しながら、バックグラウンドで3Dデータをレンダリングできます。

SketchUp

引用元:https://www.sketchup.com/ja-jp
特徴
SketchUpは全世界で3,300 万人以上の専門家やデザイナーに愛用されている3Dデザインツールです。SketchUpはデスクトップなどのPC、iPad、Web アプリケーションを横断してプロジェクトを共有可能です。

SketchUpには豊富な3Dモデルのライブラリがあります。椅子やドアなど豊富なインテリアを簡単に設計に組み込めます。作成したデータをさらに拡張したい場合はカスタム拡張機能が使えます。拡張機能を導入することで、ワンクリックでジオメトリを曲げたり、写実的なレンダリングを作成できます。

3Dデータを作成した後は、様々なツールを用いてクライアントに情報を共有できます。AR/VR やモバイルアプリを使用して、実寸大の縮尺でクライアントにプロジェクトモデルを紹介できます。

SketchUpにはGo/Pro/Studioの3つのプランがあります。自社に最適なプランを比較検討してみましょう

V-Ray

引用元:https://www.chaos.com/jp
特徴
V-Rayはフォトリアリスティックなレンダリングからリアルタイムの視覚化、3D製品コンテンツなど、建設に関するアイデアを最初から最後まで視覚化するために必要なものがすべて揃った作成ツールです。

V-Rayには他社製の多くの3Dデザインツール、CADツール、その他Chaosソリューションおよびサービスとの互換性があります。SketchUpやRhino、Revit、3ds Max、Cinema4D 、Vantage、Enscapeなどのツールとの間で作成したプロジェクトを転送できます。

V-Rayには3つの料金プランがあります。それぞれのプランでライセンス可能なPCの台数が異なるため最適なプランを確認してみましょう。

【まとめ】CGパース図の作り方を適切に選びプロジェクトに役立つ作品を作成しよう!

今回はCGパース図の作り方や手順・おすすめツール5選などを詳しく解説しました。CGパース図はクライアントに建築物の完成イメージをプレゼンするために欠かせないツールです。CGパース図を初めて作成する場合でも、自社に合ったツールを選び、作成手順を押さえて作ることでCGパース図を完成させられるはずです。

ぜひ今回の記事を参考にCGパース図を作ってみてください。

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