一人親方の請求書の書き方を徹底解説!人工代などについても

一人親方で請求書にお困りの方はいませんか?

「一人親方で請求書の書き方に慣れない」

「人工代の書き方がよく分からない」

「今の書き方でいいのか不安」と心配することも多いですよね。

また「人工代」は主に建設業で使われる言葉であり、使い慣れない方もいるでしょう。

そこで今回は一人親方の請求書の書き方から人工代の記載について徹底的に解説します!

第一に請求書は事業を行う上で重要な書類です。もし請求書なしに口頭で契約を交わしたら、後々トラブルになるかもしれません。このようなトラブルを回避する為にも請求書は不可欠です。ぜひ今後にお役立てください!

一人親方の請求書に記載が必須な5項目とは

一人親方は基本的に「取引」を行って、仕事を受けるでしょう。その「取引」については取引した内容や条件を書面に残しておくことが重要です。

そこで、役立つのが請求書になります。しかし請求書の内容に不備があれば、請求書の意味がなくなってしまいます。まずは間違いのない請求書を作成できるよう、請求書に記載が必須の5項目から確認していきましょう。

①発行者の氏名もしくは名称

まず誰が発行したのかその発行元が分かるよう発行者の氏名や名称を記載しましょう。発行者の氏名は請求書の右下あたりに書くのがおすすめです。

また氏名・名称の横に押印することもよくあります。この押印は必須ではないものの、発行者の証明として求められることがあるので必要に応じてつけるようにしましょう。

発行者の欄には住所だけでなく電話番号も記載するようにしましょう。請求書の内容に関して取引先から質問などがあった場合、すぐに連絡できるようになります。

②請求書の宛先にあたる事業者の氏名もしくは名称

次に記載すべき項目は誰に請求するのかを示す請求書の宛先です。請求先にあたる事業者の氏名もしくは名称は請求書の左上に書くといいでしょう。

請求先の名称は正式名称で書くようにします。また、宛先は個人名の場合は、氏名の後ろに「様」をつけます。宛先が会社の名称など組織や団体を示す場合は名称のあとに「御中」などの敬称をつけます。

また、これらの敬称「御中」と「様」は併用しないので注意しましょう。

③取引年月日

取引した年月日も記載必須の項目です。もし同じ月に複数の取引があった際は、総じてその月の締め日を記載することもあります。

この取引年月日には請求書の発行日を記載する場合もあります。また、取引先によって締め日のルールが違うこともあります。初めて取引を行う相手とは取引年月日の扱い方をどうするのがいいのかについて確認しておきましょう。

④取引内容

取引内容は特に正確に記載しなくてはいけない項目です。一般的に取引内容に関しては「品名」「数量」「単価」「金額」の項目があります。

この場合、どの取引に対しての請求書か相手に分かりやすく記載することが大切です。例えば外壁塗装であれば工事の内容や塗料の単価、数量などを分かりやすく明記するようにします。

請求書ではこの取引の内容を改めて提示し、双方の認識が一致しているかを確認する意味もあります。

⑤請求金額(税込)

請求金額は税込で取引内容の左上に来るように記載します。請求金額は取引内容の小計に消費税を足します。また源泉徴収があれば、源泉徴収税を引いた最終的な金額になります。

2023年10月1日から始まるインボイス制度には、品目ごとの税率を明記する必要があります。今のうちからインボイス制度に対応した請求書を作成できるようにしましょう。

税率は軽減税率の対象となる場合は8%、通常の場合10%となります。それぞれの税率ごとに分けて金額を記載しましょう。

一人親方の請求書に記載した方がいい項目

つづいて「請求書に記載した方がいい項目」を見ていきましょう。上記の5項目と合わせて書くと、より見やすい請求書を作成できるようになります。請求する相手に内容をより分かりやすく伝えるためや支払いをスムーズにするためにも記載を心がけるといいでしょう。

請求に関する内容について

まずは請求内容に関する項目から見ていきましょう。一人親方の請求書は一般的な請求書と比べて形式は特に変わりません。自分でひな型を作っても良いですが、インターネット上でダウンロードできるものやエクセルなどのテンプレートを利用するのも一つの手です。請求書の内容に合ったものを探してみてください。

①題目

題目は請求書上部の中央に「請求書」と記載します。他の書類に紛れないように、題目は大きく目立つように書いてください。

「ご請求書」や「御請求書」と記載しても問題はありません。また題目に年月を入れて、「〇年〇月請求書」といったようにいつの請求書か分かりやすく記載するのも良いでしょう。

②請求書の通し番号

請求書の右上に通し番号を記載しましょう。通し番号は必須ではないですが、通し番号があると請求先も発行者も請求書がより管理しやすくなります。

たとえば請求書の前に見積書を発行する際、見積書に請求書と同じ通し番号を付けていれば、請求書を発行した際にも見積書と合わせて管理ができますよね。

またこの通し番号は自由に決められますが、取引先の番号や取引した日時などで設定することが多いです。通し番号がほかの請求書と重複してしまうと正確に管理できなくなるので注意しましょう。

③単価

数量の横の欄に単価を記載しましょう。単価は取引一件あたりの金額で税抜表示で記載します。もし単価の算出が難しい場合は、単価も数量と同様に「一式」と記入してください。

④取引内容の納品数量

納品した数量を正しく記載しましょう。取引内容を記載した表の横に、数量の欄を作成してください。そこに実際に取引した数量を入れます。もし数量を表記するのが難しい時は数字の代わりに「一式」と記入することもできます。

⑤税抜金額

単価の横に税抜金額を記載しましょう。税抜金額は「単価×数量」の計算式で、取引は一件ずつ計算してください。単価を書かずに数量を一式と記載したものは、金額のみ記載していれば問題ありません。

金額は請求書でも特に重要な箇所なので、計算に間違いがないかよく確認してください。

⑥値引き金額(ある場合のみ)

もし取引内容に値引きがあれば、値引き金額を記載します。そうすることで元の値段からどれくらい割引したのか分かるようになります。

値引き金額は取引内容の下部に値引き額の行を作成し、値引きした金額を「-(マイナス)数字」で表記してください。値引きがなければ、数字は空欄のままでも問題ありません。

⑦小計

小計は取引ごとの税抜金額を足したものです。小計には消費税や源泉徴収税は含まれません。取引内容の右下に小計の欄を作成し、金額を記載してください。また小計は部分的な合計なので、合計と一緒にならないよう正しく使い分けましょう。

⑧消費税

小計に対する消費税を記載します。基本的に小数点以下は切り捨てますが、取引先と記載方法を決めておくと良いでしょう。

労働に対する消費税は「日当×勤務日数×消費税10%」です。請求書を作成する際は「日当の総額(小計)」「消費税」「請求金額」の項目に分けて記載します。

これらをまとめて記載してしまうと、一見して消費税が含まれているのか分かりにくいです。必ず別々に記入するようにしてください。また前年度の売上高が1,000万円以下の事業者は消費税の納税が免除されます。しかし免税事業者が取引先でも消費税は請求できるので、請求書には消費税を忘れずに記載しましょう。

⑨源泉徴収税

源泉徴収が必要な場合は消費税の下に欄を作成し、金額を記載します。「源泉徴収義務者」とは給与を支払う会社、個人、団体等のことです。

源泉徴収義務者は報酬を支払った金額から所得税及び復興特別所得税を差し引いた額を国に納税しなければなりません。ただ源泉徴収をするかどうかは雇用形態によって変わるので、あらかじめ確認しておきましょう。

支払いに関する内容について

請求書の内容欄を書き終えたら、支払いに関しての情報を記載しておきます。

⑩支払い期限

支払い期限は請求金額を支払ってもらう期日のことです。これは基本的に振込先の上部、もしくは下部に記載しておくと良いでしょう。

期限が定まっていないのにも関わらず請求書に記載すると、後々トラブルに発展する可能性もあります。なので支払い期限は契約をかわす際などに先方の了解を得てから決めましょう。

始めに支払い期限を明確にすると入金を確認しやすくなりますし、取引先にも入金の目安になります。「〇日締め〇日払い」や「〇年〇月末」といったように記載するのがよいでしょう。

⑪振込先

振込担当者の手間をはぶく為に振込先を正しく記載しましょう。振込先は請求書の下部に記載するのがおすすめです。

書くべき項目は「金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義(カタカナ)」の五つです。口座名義はカタカナで書くことを心がけましょう。また銀行コードや支店コードを求められる場合もあります。その場合はコードまで記載するようにしましょう。

⑫備考

上記の他に取引先に伝えたい補足情報があれば、備考欄に書きましょう。通常は請求書の下部に備考欄を設けます。備考欄には振込手数料の負担について等を書くことが多いです。振込手数料はどちらが負担するのか明記しておくと分かりやすいでしょう。

人工代など一人親方の請求書で気をつけること

請求書を作成するにあたって、いくつか気をつけることがあります。特に人工代(人口費)は主に建設業で使われる言葉であり、請求書の書き方に慣れない一人親方も多いと思います。他にも端数の書き方や押印の有無についても詳しく解説します。

人工とは?人工代の書き方

人工代とは1日の仕事に発生する人件費と技術費を含めたものです。もし1日の仕事を1人3万円で勤務した場合、1人工は3万円になります。

同じ条件で3人が3日間勤務した場合、2人×4日間で8人工と言います。これを請求書に書くと、内容は人工代と記載して、人工代の下に(2人×4日間)と加えてください。数量は8、単位は人工と記載します。

金額・端数の書き方

基本的に一円未満の端数は四捨五入、切り捨て、切り上げから任意で処理をします。もし税抜金額が10円単位だと、消費税を計算する際に端数が出てくることがあります。

では税込金額で一円未満の端数はどのように処理したら良いのでしょうか。実はこの処理方法については事業者に委ねられています。しかし端数の処理に関して一方的に決めてしまうと、取引先と数字が合わなくなる可能性があります。事前にトラブルを防ぐためにも、請求書を作成する前に取引先と同じ認識であることを確認しておきましょう。

押印はするべきか

請求書は必ずしも押印が必要な訳ではありません。しかし押印をすると発行者の証明になり、信頼性の高い請求書になります。取引先によっては押印が必須なところもあるので注意が必要です。また印鑑は複製しにくく、請求書の偽造や改ざんのリスクを下げることができます。一人親方が押印する場合、事業用の印鑑を作るのもおすすめです。

【まとめ】人工代など一人親方の請求書の書き方をきちんと理解して作成しよう!

いかがだったでしょうか。今回は一人親方の請求書の書き方について解説しました。請求書は記載しなければならない項目が多く、慣れるまでは大変かもしれません。

場合によって必要な項目と不要な項目もあるので、まずは正しい請求書を作成することが大切です。請求書の書き方を理解していれば、書類を分かりやすく作成でき、取引先との仕事もしやすくなるでしょう。請求書一つにしても、仕事をする上で信頼に繋がります。今回解説した「正しい請求書の書き方」をぜひ参考にしてみてください。

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