間接工事費とは?直接工事費との違いや内訳・計算方法などを解説

間接工事費

間接工事費とは、直接工事に関わっていないが、間接的に発生している経費のことをいいます。

  • 直接工事費とはどう違うの?
  • 間接工事費はどのように計算するの?
  • 間接工事費を配賦処理する方法は?

このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
今回は間接工事費について詳しく紹介していきます。また、公共建築工事共通費積算基準を利用したときのメリットや間接工事費の内訳なども解説しているので、ぜひ参考にしてください。

間接工事費とは

間接工事費とは、工事に直接関わっている費用ではなく、間接的に発生する費用です。工事費には「直接工事費」と「間接工事費」があります。直接工事費は、工事に直接必要な経費を指し、間接工事費は従業員の給料や材料の運搬費など、間接的に関わる経費のことをいいます。間接工事費や1つの工事現場だけではなく、複数の現場で必要になる経費が多いため共通費という名前で呼ばれる場合もあります。

直接工事費との違い

直接工事費とは、工事現場の施工時に直接関わる経費のことをいいます。建設に使う木材やペンキ、そのほかの材料費などが直接工事費に含まれます。

また、工事現場で使う重機や、作業を行う職人さん、作業員の人件費なども直接工事費として計上します。しかし、電気代や水道光熱費の基本料金は間接工事費に、使用料金は直接経費にになるので気をつけましょう。

間接工事費の内訳

間接工事費には3つの項目があります。

  • 共通仮設費
  • 現場管理費
  • 一般管理費

上記内容をそれぞれ見ていきましょう。

共通仮設費

共通仮設費とは、工事現場での作業のために仮事務所を作ったときに発生した費用のことをいいます。仮事務所を作るときに使った、休憩所設置費用、水道代、光熱費、排水工事、机、ストーブ、イスなどが対象です。工事が終わったあとの仮事務所撤去費用も共通仮設費に含まれます。また、近隣住民への挨拶費や測量の準備費なども含まれます。

現場管理費

現場管理費とは、工事の現場を管理するために使った費用のことをいいます。現場を管理する人の給料や福利厚生費、火災保険料、損害保険料、仮事務所で使った通信費、食事代や通勤手当などが現場管理費として計上されます。

さらに、契約書に使った収入印紙のお金も現場管理費に含まれます。現場管理費が工事費を上回ると大きな赤字になってしまうため、工事現場の監督は予算管理をしっかり行う必要があります。

一般管理費

一般管理費とは、会社で使われる費用のことをいいます。支店や本社で働く人の給料やボーナス、福利厚生、会社の通信費、光熱費、固定資産税、広告宣伝費などが一般管理費として計上されます。

赤字を回避するために一般管理費を減らす企業も多いですが、人件費などを減らしてしまうと工事現場で働く人が減ってしまい、悪循環になる可能性があります。そのため、従業員をしっかり確保して、適正な給料を上げることで、従業員のやる気もアップします。労働環境も整い、離職率も下がるため、メリットになるところはしっかりお金を使いましょう。

間接工事費の計算方法

間接工事費の計算方法を紹介します。

  • 公共建築工事共通費積算基準を利用する
  • 共通費の比率で計算する

上記内容をそれぞれ見ていきましょう。

公共建築工事共通費積算基準を利用する

間接工事費を計算するときは、公共建築工事共通費積算基準を使うのがおすすめです。直接工事費や工事の原価に一定比率をかけて計算をする方法です。ただし、工事の大きさによって比率が変わってくるため、気をつけましょう。間接工事費は項目が多くなるので、漏れや抜けがないようにしっかり計算を行いましょう。間接工事費の計上時間やミスを少なくするために、積算ソフトもあります。無料で使える積算ソフトもあるので、気になる人はインターネットで探してみましょう。

公共建築工事共通費積算基準を活用するメリット

公共建築工事共通費積算基準を使って間接工事費を計上する方法に慣れると、公共工事の入札がスムーズに行えます。また、公共工事の入札に参加できる資格をもらえるメリットもあります。共通費基準は国が作っているので間接工事費に対して精度が高く、適切な計上ができます。

共通費の比率で計算する

共通建設費には3つの比率があり、どれも直接工事費に対しての比率を指しています。

  • 共通仮設費率
  • 現場管理比率
  • 一般管理費率

上記内容をそれぞれ見ていきましょう。

共通仮設費率

共通仮設費率の計算方法を紹介します。
直接工事費×共通仮設費率+共通仮設費率に入っていない費用=共通仮設費です。

Kr=Exp(a+b×Loge P+c×Loge T)
直接工事費(P)、共通仮設費率(Kr)、工期(T)で計上しています。個別の工種(abc)、指数関数(Exp())ネイピア数(e)で表しています。またExcelを使うときは、LN関数やEXP関数を使って計算できます。

現場管理費率

現場管理費率の計算方法を紹介します。

Jo=Exp(a’+b’×Loge NP+c’×Loge T)
純工事費(No)、現場管理費率(Jo)、工期(T)で計上しています。個別の工種(a’b’c’)、Joは小数点第2位までで、第3位以下を四捨五入して計算します。また共通仮設費率と同様、Excelを使用するときは、LN関数やEXP関数を使って計算できます。

一般管理費率

一般管理費率の計算方法を紹介します。

Gp=a”+b”×Log Cp
工事原価(Cp)、一般管理費等率(Gp)、個別の工種(a”b”)で計上しています。Gpは小数点第2位までで、第3位以下を四捨五入して計算します。Excelで一般管理費率を計上するときは、LOG10関数を使いましょう。

間接工事費を配賦処理する方法

間接工事費は様々な工事現場と共有で計算するため、各工事に費用の配分をします。配賦処理をするときは、「間接工事費をグループ化」したり、「配賦基準数値別」にする方法があります。配賦方法を見ていきましょう。

間接工事費をグループ化する

間接工事費をグループ化するには、3つの方法があります。

  • 一括配賦法
  • 費目別配賦法
  • グループ別配賦法
  • 一括配賦法は全部の間接工事費を1度まとめてから基準に合わせて配賦する方法です。

費目別配賦法は、費目ごとに配賦基準を作ってから配賦する方法です。
グループ別配賦法は、似たような費目をまとめて、グループごとに基準に合わせて配賦する方法です。

一括配賦法は非常に簡単に分けられるので、間接工事費の計上が苦手な人や小さい会社におすすめです。

配賦基準数値別にする

間接工事費を配賦基準数値別で配賦処理するには、4つの方法があります。

  • 時間法(直接作業時間法、車両運転時間法、機械運転時間法)
  • 価格法(直接賃金法、直接材料費法、直接原価法)
  • 売価法
  • 数量法(製品の長さ、重さ、個数、材料などを基準にする方法)

配賦基準数値別を使ってどのように配賦処理するかは、会社の大きさや特徴などを考えて決めましょう。

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【まとめ】間接工事費は工事に間接的にかかる費用!よく知って適切に処理しよう

間接工事費は工事に直接関わらないが、間接的に関わった費用を計上するのに使います。また、間接工事費は項目が多いので、公共建築工事共通費積算基準を使ったり、共通費の比率で計算するのがおすすめです。会社の特徴や工事の大きさに応じて、やりやすい計算方法を見つけましょう。

直接工事費の内訳や算出式・見積書への記載方法についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

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