年少者就労報告書とは?作成目的や記入例をわかりやすく解説

年少者就労報告書

「年少者就労報告書ってなに?」
「年少者就労報告書の具体的な記入方法を知りたい」

このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?

危険な建設現場では、事故が起きたときに責任の所在を確かめるために、複数の安全書類が必要です。安全書類の中の1つが、満18歳未満の作業員について報告をする「年少者就労報告書」です。今回は、年少者就労報告書について・記入例について詳しく紹介します。

年少者就労報告書とは

年少者就労報告書について、下記の順に紹介します。

  • 作成目的
  • 就業制限業務

作成目的

年少者就労報告書とは、建設現場で満18歳未満の作業員を自社責任で就労させることを報告する安全書類のことです。

15歳未満の場合は、15歳に達した日以後の最初の3月31日までは土木・建築・その他の工事およびその準備に関わる業務に従事することができないので気をつけてください。

ほかにも、就業制限業務にあたる業務には就労させることができません。

就業制限業務

就業制限業務の一例は、下記の通りです。

  • 深夜業務(午後10時〜午前5時)
  • 坑内労働
  • 土砂崩れが起こる可能性がある場所や深さが5m以上ある場所での作業
  • 高さが5m以上ある場所で落下する可能性のある場所での作業
  • 足場の組立・解体業務
  • 騒音が強烈な場所での業務
  • デリックやクレーンまたは、揚貨装置の運転業務
  • 土木建築用機械(車両系建設機械)の運転業務

年少者就労報告書の記入例

年少者就労報告書の記入例について、下記の順に紹介します。

  • 作業現場名
  • 現場代理人名
  • 所在地
  • 申請会社名
  • 代表者名
  • 一次会社名
  • 氏名
  • 生年月日
  • 年齢(満)
  • 職種
  • 作業内容

作業現場名

「作業現場名」とは、「〇〇作業所」や「〇〇改修工事」など、工事を行う事業所の名前や工事の名称を記入します。

工事を行う作業場や工事の名称を記入するのが一般的です。年少者就労報告書の作業現場名の上には、企業名を記載する場合が多いです。

また、日付の近くに記入する場合が多いのが特徴。間違いのないよう正確に記入するようにしましょう。

現場代理人名

年少者就労報告書の「現場代理人名」には、元請負事業者である現場責任者の氏名を記入します。

現場代理人とは、経営者の代わりとして工事現場を管理する人のことです。工事をスムーズに進めるためには欠かせない存在と言えるでしょう。工程表の作成・スケジュールの調整・仕事内容の確認など幅広い業務を行う場合が多いです。

所在地

「所在地」には、自社名の住所を記入します。記入欄の左側に何次請けかを記入するのが特徴です。

会社の場合、会社の本店が所在する場所を指します。本店所在地の番地まで必ず記載するようにしてください。「本社所在地」「主たる事務所の所在地」といった表現で用いられる場合もあります。間違いのないように記入するようにしましょう。

申請会社名

「申請会社名」には、自社の現場代理人(現場責任者)の氏名を記入するようにしましょう。申請会社名とは、法人や会社が法律上登記する際に使用する名前のことです。また会社名の正式名称である、商号のことでもあります。

会社名を決める際には、似ている会社名を避けたり、同一住所に同じ会社名がないか、確認する必要があります。記入する際は、間違いがないようにしましょう。

代表者名

「代表者名」の記入欄には、申請会社の代表者の氏名を記入してください。階級や団体などを代表する者や代表権を持つ者を記入するようにしましょう。

活動に携われる部門長や代表者と担当者が同じケースなどもあるため、必ずしも代表取締役である必要はありません。代表者は複数いる場合もありますが、基本的には1つの会社に対して、代表者は1人です。

一次会社名

「一次会社名」の記入欄には、一次請負事業者の会社名を必ず記入してください。一次下請けや一次請負と呼ばれることもあります。一次請けとは、元請け(発注者から直接工事を請け負う業者)と契約し、工事の一部を請け負う業者のことです。

また、発注者から直接仕事を請けるのが、「元請け」。その仕事の一部を元請けから委託されたのが「一次受け」です。

氏名

「氏名」の記入欄には、現場で作業をする18歳未満の作業員の氏名を記入してください。必ずフルネームで記入するようにしましょう。

また氏名が漢字の場合は、ひらがなやカタカナではなく、必ず漢字で記載するように気をつけてください。

苗字と名前のスペースを少し空けておくと、見やすくわかりやすいです。漢字の横にひらがななどで、読み方は記載しなくてもよいでしょう。

生年月日

「生年月日」の記入欄には、作業員の生年月日を記入してください。西暦・和暦どちらでも大丈夫です。記載されている内容から年月日が特定できるかどうかが大切です。

例えば「1995/8/15」であれば「/」で省略せず、1995年8月15日と書くのが好ましいでしょう。また、生年月日は「出生年月日」と表現されることもあります。

年齢(満)

「年齢(満)」の記入欄には、作業員の年齢を記入してください。住民票記載事項証明書や本籍地を記載していない「住民票抄本」など、年齢証明書類の写しを添付して提出する必要があります。

例えば「◯歳以上」といった方法で記載するのではなく、正確な年齢を記載するようにしてください。間違えないように記載するようにしましょう。

職種

「職種」の記入欄には、「型枠大工」「電気工事工」「特殊作業員」などといった作業員が該当する工事の役割を記入するようにしましょう。

また、上記で紹介した「就業制限業務」に該当する業務、例えば「坑内労働」「足場の組立・解体業務」「土木建築用機械(車両系建設機械)の運転業務」といった職種は記載しないようにしてください。

作業内容

「作業内容」の記入欄には、例えば「基礎型枠組立」といった作業内容を記載するようにしてください。

また、上記で紹介したように「就業制限業務」に該当する「足場の組立・解体業務」「坑内労働」「騒音が強烈な場所での業務」「土木建築用機械(車両系建設機械)の運転業務」のような職種は記入しないように気をつけてください。

【まとめ】年少者就労報告書は18歳未満の従業員を就労させる際に必要!ミスなく作成しよう

年少者就労報告書についてや記入例について詳しく解説してきました。年少者就労報告書は、安全書類の中の1つで満18歳未満の作業員について報告をする書類のことです。

年少者就労報告書をミスなく記入するには、上記で紹介した記入例を必ず確かめておく必要があるでしょう。この記事で紹介した記入例を参考にすることで、ミスなく年少者就労報告書を作成できます。

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