建設業界で昇給する方法を解説!平均年収も年代・職種別に紹介

建設 業 昇給

建設業界で働いていて、現在の年収に不満を持つ人も多いのではないでしょうか。収入はただ待っていても上がらないため、なんらかのアクションを起こさなければいけません。

この記事ではそうした建設業界で昇給するための方法を解説します。また、年代や職種別の平均年収も解説します。建設業界で収入のアップを目指したい人はぜひ参考にしてください。

建設業界の職種

建設業界には多様な職種が存在します。例えば、施工管理は現場全体の管理を担い、建築設計士は設計図を描きます。さらに、土木技術者はインフラ整備を、電気工事士は配線作業が主な役割です。

他にも、設備管理やCADオペレーターも重要な役割を果たします。

それぞれの専門性が高く、役割に応じたスキルが必要です。それぞれの職種は、チーム全体の円滑な運営に欠かせない存在であり、現場ごとの協力が成功の鍵を握ります。

建設業界の景気は上昇傾向にある

近年の建設業界は公共事業や再開発が増え、需要が高まっています。特に都市部の再開発やインフラ整備が活発化しており、景気は堅調です。また、震災復興やSDGs対応の建築需要も増加しており、人材不足となっている会社も少なくありません。

こうした状況から、業界全体で採用が活発化し、給与の上昇が期待されています。政府の経済政策や民間投資の増加も追い風となり、今後も市場は拡大が見込まれています。

建設業界で昇給する方法

建設業界の職種や現状について把握したところで、次は昇給する方法について見ていきましょう。建設業界で収入を増やすためには、大きく分けて次の3つの方法があります。

  • 資格を取得する
  • 経験を積む
  • 転職する

それぞれ、どのように実践すれば良いかを理解し、実践できることを検討してみてください。

資格を取得する

資格を取得することで、建設業界では昇給することがあります。なぜなら、有資格者が在籍していることで、会社にとって有利になることがあるからです。

ここでは、収入の増加につながりやすい4つの資格を解説します。それぞれの資格の特徴を踏まえて、自分でもチャレンジできそうか検討してみてください。

建築士

建築士は設計や施工管理で必要な資格です。特に、一級建築士は高い評価を得られ、昇給の大きな要因になります。建築士は、建築物の設計や確認を行える点で建設会社では非常に重要です。

建築士の資格を取得すれば、大きなプロジェクトリーダーで活躍するチャンスが増え、キャリアアップも難しくありません。ただし、取得には実務経験などの条件が必要なため、取得を目指す人は受験条件をチェックしましょう。

電気工事士

電気工事士は、電気配線など電気設備の工事を行うために必要な資格です。電気工事士の資格を持つことで、配線工事や設備設置の仕事を行えるようになります。

建設業界でも需要が高い資格のため、取得すればスキルアップや昇給が期待できるでしょう。現場での専門性が評価され、責任ある仕事を任される機会も増えるため、収入の安定が図れます。

基礎施工士

基礎施工士は建物の基礎工事にかかわる重要な資格です。基礎工事は建物にとって極めて重要な作業のため、有資格者が適切に施工と管理を行わなければいけません。

そのため、この資格を取得することで現場での信頼が高まり、責任のある業務を任される機会が増えるため昇給が期待できます。そして、プロジェクトの土台作りに貢献できるため、チームの信頼を得られるでしょう。

建設CAD検定試験

建設CAD検定試験は、建設CADの技術を認定する資格試験です。準1級から4級の4段階に分かれており、合格すれば設計業務でのスキルが証明されます。

建設CAD検定試験の受験する過程で、図面作成のスピードや精度が向上し、業務効率化に貢献できます。このスキルにより、より高度な設計業務を任される可能性が高まり、収入アップにもつながります。

経験を積む

現場経験を積むことで、スキルや知識が向上し、昇給が期待できます。建設業界では実務経験が豊富な人ほど評価され、重要な仕事を任される傾向にあります。なぜなら、経験が豊富な人ほどトラブルなどの対応にも慣れているからです。

そうしたことを踏まえて、より良い収入を目指すのであれば幅広い現場を経験することが重要です。状況の異なる現場をいくつも経験することで、どのような工事にも対応できる力が身につきます。

転職する

建設業界で働いていて、収入を上げたい場合は転職するのも1つの手段です。建設業界で転職する場合は、同じ職種でより良い待遇を目指すか、高収入が狙える新しい職種に挑戦するかが一般的です。

大手ゼネコンのような企業へ転職すれば、高待遇に加えて充実した福利厚生も期待できます。転職を考える際は、収入面だけでなく福利厚生やライフワークバランスも考慮することが重要です。

建設業界の平均年収

続いては、建設業界の平均年収について見ていきましょう。建設業界には設計から施工までさまざまな職種があるため、収入もそれぞれ異なります。

ここでは、全体と年代別の平均年収、職種ごとの平均年収を解説します。解説する年収を踏まえて、転職や資格の取得など年収を上げる方法を検討してみてください。

建設業全体の平均年収

国税庁の調査によると、建設業界全体の平均年収は、529万円ほどとされています。職種や地域、企業規模によって差がありますが、日本全体の平均年収が450万円ほどのため平均を上回る傾向です。

特に、管理職や専門資格を持つ人材はさらに高い収入を得る可能性があります。統計データによれば、景気の上昇に伴い平均年収は徐々に増加傾向にあります。給与水準の安定性も建設業界の魅力です。

年代別の平均年収

続いては、年代別の平均年収を見ていきましょう。建設業界では60歳を超えても現場で働く人も多いため、他の業界と比べて年代が幅広くなっています。年代別の平均年収は、以下の表の通りです。

年代平均年収
10代243万円
20代355~436万円
30代466~526万円
40代533~583万円
50代628~633万円
60代454~541万円
70代363万円

年齢を重ねるごとに経験が豊富になっていくことから、50代で年収のピークを迎えます。そして、現場での仕事を若手に譲ることが増えてくる60代になると、年収が下降する傾向にあります。

職種別の平均年収

全体と年代別の平均年収を把握したところで、次は職種別の平均年収を見ていきましょう。今回は、以下の職種の平均年収を解説します。

  • 建築士
  • 建設コンサルタント
  • 測量技術者
  • 技術士
  • 大工
  • 鉄筋工
  • 電気工
  • 掘削・発破工
  • 土木作業員・建築作業員

それぞれの職種の平均年収を踏まえて、転職や昇給の方法を検討してみてください。

建築士

建築士の平均年収は、およそ500万円です。建築士は建物の設計を担当する重要な役割のため、他の職種と比べても平均年収が高い傾向にあります。

建築士の中でも、一級建築士資格を持っていれば、平均年収が600万円を超えることも珍しくありません。

建築士は建物の設計という重責を担うため、建設業界でも年収が高い職種です。とにかく高収入を目指したいという人は、建築士資格の取得を検討してみましょう。

建設コンサルタント

建設コンサルタントは、建設工事に関する総合的なアドバイスを発注者に行う職種です。平均年収は499万円ほどで、建築士と並び建設業界でも収入が高くなっています。

建設コンサルタントの仕事には、設計や官公庁との交渉なども含まれ、建設業界でも少し特殊な職種です。経験や技術が重要になる仕事でもあり、平均年収が高い傾向にあります。

測量技術者

測量技術者の平均年収は450万円程度です。測量は工事計画や設計に欠かせない重要な工程であり、精密な作業が求められます。そのため、経験や資格に応じて年収が上昇し、大規模プロジェクトに携わるほど収入が増える傾向にあります。

測量は、現場作業とデスクワークの両方を行わなければいけません。そのため、他の職種と比べてもハードワークになりやすいですが、工事を左右する重要な仕事です。

技術士

技術士の平均年収は550万円ほどと高水準です。技術士は、技術分野の高度な知識と経験を証明するものであり、企業からの評価が高い職種です。特に専門性が求められる業務で活躍するため、建設業界でも高収入が期待できます。

技術士は公共性の高い仕事に従事することも多く、収入面の高さに加えて、社会貢献度が高いという点も魅力です。

大工

大工の平均年収は432万円程度です。大工は住宅や建物の建設に不可欠な役割を担い、経験を積むことで収入が安定します。注文住宅や特殊工事を手掛けると収入が上がる場合もあります。

近年は、大工不足という状況もあり、腕の良い熟練の大工は平均年収を大きく超えることも珍しくありません。そのため、技術で生活していこうという人に向いている職種です。

鉄筋工

鉄筋工の平均年収は460万円程度です。鉄筋工は、建築物の骨組みを作る重要な作業を担うため、専門技術と知識が欠かせません。鉄筋コンクリート造のすべての構造物にかかわるため、建設業界でも必要不可欠な職種です。

主な業務の関係で、鉄筋工は体力勝負の職種ですが、経験を積むことで安定した収入が期待できます。熟練の鉄筋工は、歩合制を選び、平均年収を大きく上回ることもあります。

電気工

電気工の平均年収は420万円前後です。電気配線や設備工事を行う専門職であり、ビルや住宅の工事では欠かせない職種です。その分需要は多く、資格を取得すれば仕事には困りません。

電気工は、他の建設業の職種とは異なり、保守や点検も重要な業務です。そのため、活躍の場は新設だけではなく、幅広い就業先を選べる職種です。

掘削・発破工

掘削・発破工の平均年収は450万円程度です。掘削・発破工は、火薬を使い建築物や岩盤などを破砕する職種です。特にトンネル工事や採石場などの特殊現場で需要が高く、高収入を得られる可能性があります。

火薬を使うことから、掘削や発破は危険を伴う作業のため、適切な資格と経験が求められます。特に、安全には十分注意して仕事を行わなければいけません。

土木作業員・建築作業員

土木作業員や建築作業員の平均年収は410万円程度です。土木作業員は、建設工事の現場で資材の運搬や穴掘り、地ならしなどを行う職種です。現場の補助作業が主な仕事のため、未経験者でもはじめられます。

土木作業員や建築作業員として経験を積むことで、施工管理技士の資格取得が目指せます。この資格を取得すると、現場の管理者になれるため、収入のアップが期待できます。

【まとめ】建設業界で昇給を狙うときは資格の取得や経験値の向上を目指そう!

建設業界は職種によって年収が大きく異なります。そのため、違う職種に転職することで、大きく昇給できることもあります。ただし、専門的な職種は資格や経験が必要なため、簡単に昇給できるわけではありません。

建設業界で昇給し、より高い収入を狙いたい人は、今回解説した内容を参考にしてください。そして、自分に適した職種で活躍し、大幅な収入のアップを目指しましょう。

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