解体工事で追加費用が発生するケースやトラブル回避方法も解説!

解体工事 追加費用

解体工事は老朽化した建物を取り壊す工事のことで、解体工事業者に依頼をして行われます。解体工事では施工前に業者に見積もりを取ってもらいますが、その際に解体工事業者との間で追加費用に関してトラブルになることが多々あります。そこで今回は解体工事の依頼を検討されている方に向けて、解体工事の追加費用が発生するケースやトラブル回避方法について詳しくご紹介します。

解体工事は追加費用が発生する場合がある

解体工事では事前に費用の見積もりを取ってもらいますが、予定外の追加費用が発生することがあります。解体工事で生じる追加費用の原因は様々なものがあり、その原因によって施主が支払うべきケース、支払う必要がないケースが分かれます。続いて解体工事に関する追加費用の相場についてご紹介します。

追加費用の相場

追加費用は、業者ごとの見積もりの取り方により変動するため、一定の相場はありません。一例として、費用の見積もりが一定の解体面積、一定の廃棄物の量に対して単価が決められており、それを超過する追加工事が発生するケースはその単価に基づいて費用が決定されます。

解体工事で追加費用が発生するケース

それでは続いて解体工事で追加費用が発生するケースを具体的にご紹介します。発生するケースは以下の3点です。

  • 建物関連
  • 土地の埋設物関連
  • 近隣とのトラブル

それぞれについて詳しく解説します。

建物関連で追加費用が発生するケース

ひとつ目は建物関連の追加費用です。この場合の建物関連とは、

  • 周囲への粉塵被害を抑える養生費用
  • アスベストの撤去
  • 残置物の撤去
  • 建物面積の測定ミス

などを指します。

養生

解体工事では周囲に粉塵や埃が飛散するのを防ぐために養生シートを用います。通常のケースであれば養生シートの費用は見積もりに記載されていますが、工事に際した騒音が想定以上に大きい場合は、より高性能な養生シートに差し替える場合があります。この場合、養生シートの差し替え代が追加費用に加算されます。

アスベスト

アスベストは、使用が禁止されている有害物質です。解体する建物が古くアスベストが使用されている場合は、撤去費用が追加でかかります。アスベストが使用されている建物は、解体前にアスベストの除去が義務付けられています。また、アスベストには1から3までのレベルが設定されています。レベルが高いほど除去に手間がかかるため、それだけ費用もかかります。

残置物

残置物の撤去が必要な場合、追加費用を請求されることがあります。残置物とは建物の内外に残されている、粗大ごみや家主の持ち物などを指します。これらの残置物の撤去は本来解体前に片付けられていることが望ましく、解体費用には換算されていないことがほとんどです。解体を依頼する前に、ゴミや残置物がないかどうかを確認してみましょう。

建物面積

解体工事では、業者から建物面積の測定ミスを理由に追加費用を請求されるケースがあります。このケースでは、測定に関して施主と業者のどちらに過失があるかどうかが問題です。測定ミスに関して施主に責任がなく業者側の過失である場合、施主が費用を支払う義務はありません。施主は契約の際に提示された金額を支払うだけで十分です。

土地の埋設物関連で追加費用が発生するケース

解体工事では土地の埋設物関連で追加費用が発生するケースもあります。土地の埋設物とは、文字通り地中に埋められている地中障害物のことです。土地の埋設物は、解体工事前に発見することが困難であるため追加費用の原因となります。主な埋設物は以下の通りです。

  • 建築廃材
  • 基礎や杭
  • 井戸
  • 浄化槽
  • 岩石

それぞれについて詳しく解説します。

建築廃材

コンクリート片や木材、瓦などの建築廃材が地中から発見されると撤去作業費用がかかります。建築廃材は、施主の建物のものではなくそれ以前の土地の持ち主に由来するものである可能性があります。現在では建築廃材を含む廃棄物は、廃棄物処理法に基づいて適切に最終処理されることが義務付けられています。一方で、廃棄物処理法適用以前の建築廃材が地中から見つかった際に、依頼者のものではなかったとしても、追加費用を支払って処理しなくてはなりません。

基礎や杭

2つ目の地中埋設物は建物の基礎や杭です。土地の地盤が柔らかく、不安定な地面の上に建築する場合は地中に杭を打つことで地盤を安定させるケースがあります。このような金属杭や土地の基礎が地中にある場合は、追加費用が生じる可能性があります。これらの基礎や杭の有無は、建物の設計図を見ることで確認できます。また上述の建築廃材と同様に、基礎や杭が施主の所有物ではなかったとしても、解体工事に際して発見された場合は施主が費用を支払って撤去しなければなりません。

井戸

井戸もまた解体工事に際して追加費用が発生する要因の1つです。井戸がそのまま残されている場合は見積もり費用の中に井戸の撤去が含まれますが、古井戸などが埋め戻されて、その埋め戻しが十分ではなかった場合は再度埋め戻しが必要です。この際に新たな埋め戻し作業にかかる人件費、作業代が追加でかかります。

浄化槽

井戸と同様に解体工事の過程で浄化槽が発見された場合は、追加費用が生じます。浄化槽とは下水道が整備されていなかった時代に設置されていた設備で、しばしば撤去されずに残されているケースがあります。浄化槽がしっかりと埋め戻されている場合は問題ありませんが、処理が不十分である場合は施主負担での撤去が必要です。

岩石

解体工事は最後に整地をする必要があり、その過程で邪魔になる大きな岩石や建築廃材などは撤去されなければなりません。解体工事中に地中から大きな岩石などが発見された場合は、施主の負担で撤去が必要です。

近隣とのトラブル関連で追加費用が発生するケース

最後にご紹介するケースは、近隣とのトラブルに関する追加費用です。解体工事は粉塵被害や騒音被害などによって近隣とトラブルになりやすい工事です。続いて、解体工事に際して近隣とのトラブルになるケースや対策をご紹介します。

工事の中断による延期

解体工事が予期せぬトラブルによって中断して、工事期間が延長された場合は追加費用を請求されるケースがあります。工事の中断には様々な要因が考えられます。騒音被害などによる近隣からのクレームがある場合は、行政の勧告によって止むを得ず工事が中断するケースがあります。この場合、延期中の人件費などの補填のため追加費用を請求されることがあります。

損害賠償

解体工事中に実際に近隣家屋に被害が出た場合は、損害賠償を支払わなくてはなりません。この場合は過失が誰にあるかによって追加費用発生の有無が決まります。基本的には、解体工事中に発生した損害は解体業者が支払います。一方で、損害が出ることが明らかにわかっているにも関わらず、解体工事を施主が強行したケースなどでは損害賠償を施主が支払います。

事前挨拶

解体工事において近隣とのトラブルを避けるためには、工事開始前から近隣の方々とよい関係を築くことが何よりも重要です。事前に粗品などを持って挨拶を行う、工事に関する丁寧な説明会を行うなど、工事の周知を徹底して行いましょう。

解体工事で追加費用を請求された場合の注意点

それでは続いて解体工事で追加費用を請求された場合の注意点について解説します。解体工事における追加費用は、支払うべきケースと支払う必要がないケースがあり、請求の妥当性をしっかりと確認することが何よりも重要です。

妥当性を確認する

解体工事で追加費用の請求を受けた際には、まずは支払いの妥当性を確認しましょう。ここまでご紹介してきたような、追加費用が発生するケースによって施主が支払うべき場合と支払う必要がない場合があります。いずれにせよ、追加費用が生じた場合は安易に支払わず追加費用の妥当性や、追加費用の項目の内容を精査しましょう。

支払うべきケース

解体工事に際して、施主が追加費用を支払うべきケースは予測が難しい障害が発生した場合です。例を挙げると、

  • 土地の埋設物
  • アスベスト
  • 基礎や杭

などの事前に予想することが難しく、事前に見積もりに含めることが困難な問題が発生した場合は追加費用を支払う必要があります。このような施主が費用を負担すべきケースであっても、すぐに追加費用を支払わず妥当性を確認することは重要です。

支払う必要がないケース

解体工事で追加費用を支払う必要がないケースは、追加費用の原因となった問題の過失の責任が施主にない場合です。例えば、解体工事で発生した騒音などの近隣トラブルや、家屋の破損などの損害賠償は原則として施主が負担する必要がありません。解体工事業者は損害賠償保険に加入して、万が一のトラブルの際に補償を受けることが通例です。しかし、解体工事業者が保険に加入しておらず、賠償の支払いができないなどの場合はトラブル拡大を防止するために臨機応変に対応することが求められます。

解体業者から嫌がらせを受けた場合

解体工事中には費用の支払いなどを巡って、解体工事業者との関係が悪化してしまうこともあるでしょう。トラブルが穏便に解決されれば問題ありませんが、場合によっては解体業者から嫌がらせを受けることもあります。工事の内容を変更する、手抜きで工事をするなどあからさまな嫌がらせを受けた場合は、まずは消費者センターに相談しましょう。それでも問題が解決しない場合は、間に弁護士をはさみ問題解決に取り組みましょう。解体工事業者が悪徳業者である場合は、行政に通報することで資格停止などの処分を受けさせることができます。

解体工事の追加費用によるトラブルを回避する方法

それでは最後に、解体工事で追加費用によるトラブルを回避する具体的な方法をご紹介します。具体的な方法は下記の通りです。

  • 事前に図面や資料を提供する
  • 現地調査を行ってもらう
  • 追加費用が発生する条件を確認する
  • 追加費用が発生しそうな場合は早めに報告をもらう
  • 見積書は作業項目ごとに金額が明記されているか確認する
  • 確認や約束したことは書面で残す
  • 不明な点はすぐに確認する
  • 悪徳業者に注意する

事前に図面や資料を提供する

解体工事において追加費用が発生するのは、事前に予期できない障害物が発見された場合です。事前に建設図面などを業者に提供することで、解体工事業者は建物の仕様や構造を把握することが可能です。図面を共有することで、解体工事業者は施主本人では気付けないような追加費用が発生する要素を念頭において作業ができます。

現地調査を行ってもらう

追加費用の発生を抑えるためには正確な見積もりが不可欠です。多くのケースでは、解体工事業者は見積もり依頼を受けた時点で現地調査を行い見積もりを算出します。現地調査を行うことでどのような重機が必要か、解体の障害になるものはあるかどうかを判断することができるのです。しかし解体工事業者によっては現地調査を行うことなく見積もりを出すことがありますが、このような見積もりは精確性を欠くため、後に追加費用が発生する要因になりかねません。解体工事を依頼する際にはしっかりと現地調査を行ってもらった上で見積もりを出してもらいましょう。

追加費用が発生する条件を確認する

解体工事で追加費用に関するトラブルを防止するために、前もって業者に追加費用が発生する条件を確認することが大切です。確かに地中埋設物などは予期できないため、追加費用の発生は避けようがありません。しかし地中埋設物が見つかった場合、どれくらいの追加費用が発生するかを事前に伝えられていれば納得して支払うことができます。見積もり段階で追加費用の条件を詳細に提示してもらうようにしましょう。

追加費用が発生しそうな場合は早めに報告をもらう

追加費用は施主にとって大きな負担となるため、資金の準備には時間がかかるものです。追加費用が発生しそうな場合は、早めに報告をしてもらうように業者に伝えることも重要です。

見積書は作業項目ごとに金額が明記されているか確認する

解体工事業者が提示する見積もりの記載方法にも注意が必要です。特に作業項目ごとに金額が明記されているかどうかを入念にチェックしましょう。とりわけ「一式工事」と記載されている見積もり書には注意が必要です。この場合、作業項目ごとの単価が把握できないため、追加費用を請求された際にトラブルの原因となりかねません。

確認や約束したことは書面で残す

見積もり書だけではなく、依頼に際して取り決めたことをしっかりと書面に残すこともトラブル防止の観点で重要です。何事も口頭での約束は反故にされた際に、証明が難しいものです。金銭トラブル防止のために、重要な取り決めは書面に残して保管するようにしましょう。

不明な点はすぐに確認する

不明点や疑問点をそのままにせず、できるだけその場で確認することも重要です。これらは解体工事の追加費用だけではなく、工事全体についても当てはまります。些細な確認の漏れが大きなトラブルに発展してしまうことも多々あるため、疑問点はすぐに確認する癖をつけましょう。

悪徳業者に注意する

解体工事業者のなかには、不当に高い費用を請求する、手抜き工事をするなどの悪徳業者がいることもたしかです。悪徳業者ははじめから高額の見積もりを提示するとは限りません。はじめは安い見積もりを提示して、後から多額の追加費用を請求するという手口もあるのです。相場と比較して極端に安い見積もりを提示された場合は注意が必要です。

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【まとめ】解体工事で追加費用が発生する場合は珍しくない!納得した形で向き合おう

今回は解体工事にかかる追加費用に関して、追加費用が発生するケースやトラブル回避方法について詳しくご紹介しました。解体工事では追加費用が発生するケースは決して珍しくはありません。追加費用は事前の見積もりを丁寧に行うこと、支払いの妥当性をしっかりと確認することが何よりも重要です。ぜひ今回の記事を参考にして解体工事の準備をしてみてください。

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