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建築工事の現場で想定していないトラブルに巻き込まれることがあります。現場でトラブルに遭遇して困窮した経験がある人も多いのではないでしょうか。
トラブルに直面したとき「十分に準備しておけば防げた」と振り返っても工期は待ってくれません。
今回は、建築工事で起こりやすいトラブルの内容と解決手段について解説します。事前に準備しておけばトラブルが防げる方法についても説明するので参考にしてください。
建築工事で起こりやすいトラブル10選
最初に、建築工事の現場で起こりやすいトラブルについて説明します。ここで取り上げた内容は次の10項目です。
- 作業員との意見が対立する
- 外国人労働者との意思疎通がうまくいかない
- 近隣住民から苦情が寄せられる
- 工期に遅れが生じる
- 工事が中断する
- 工事の追加や変更が生じる
- 重機の故障や事故が発生する
- 仕上がりイメージが違う
- 労働時間が一致しない
- 工事代金が支払われない
以下、項目別に詳しく説明します。
作業員との意見が対立する
建築工事の現場で気を付けたいトラブルの1つは、現場監督と作業員の意見が対立することです。
建築工事現場で作業員と監督者の意見が対立すると、作業がスムーズに進まなくなり工期の遅れに発展する恐れがあります。意見が対立する主な原因は次の2点です。
- 監督者の指示が明確ではない
- 職場環境が悪い
現場監督の指示が不明瞭で作業者が十分に理解できていないと、認識の違いから出来映えが異なることがあります。特に新人の監督者の場合、不慣れな作業指示からトラブルに発展しやすいので注意が必要です。
また、職場環境が悪いと作業者に余計なストレスがかかることがあります。
外国人労働者との意思疎通がうまくいかない
建築工事に携わる外国人労働者は増加の一途をたどっており、2023年には約14.5万人に達しています。
言語の違いや文化の違いで外国人労働者と意思疎通がうまくいかないことも建築工事におけるトラブル発生の原因です。
言語が通じないと、現場監督や同僚の言っていることが理解できずに認識のズレからミスを起こすことがあります。日本独自の施工方法や作業方法に不慣れで失敗する恐れもあるため、安全面でも注意が必要です。
外国人労働者との意思疎通がうまくいかないと様々なトラブルの原因になります。
近隣住民から苦情が寄せられる
建築工事現場に近隣住民からクレームが寄せられることもあります。クレームの中で最も多いのは騒音トラブルです。原因には以下の点が考えられます。
- 防音・遮音シートが適切でない
- 決められた時間外に作業している
- 近隣住民への事前通知を怠っている
- 通知内容以外の工事
騒音トラブル以外に粉塵によるクレームにも注意が必要です。粉塵トラブルは散水が不足していたり養生シートが適切に使用されていないなどが原因として考えられます。
いずれも近隣住民への配慮を怠った不適切な判断や行動から生まれたトラブルです。
工期に遅れが生じる
建築工事において工期の遅れによるトラブルは重要な問題です。
住宅建築の場合は施主の引っ越しスケジュールに影響します。事業用建築では開業日が遅れる等の原因になりかねません。工期の遅れの主な原因は以下の点が挙げられます。
- 悪天候や自然災害による工事の遅れ
- 設計変更や追加工事が入る
- 作業員の人手不足
悪天候が続いたり自然災害の場合は不可抗力なので求められるのは迅速なリカバリーです。
設計変更や追加工事が必要になった場合や作業員の人手不足も工期の遅れに影響します。
工事が中断する
建築工事が完成せずに長期間中断したり、未完成で終わってトラブルになることがあります。
中断理由は施主が請負契約を解除したり、施工会社の都合で資材の仕入れや下請けに発注できないなど様々です。着工していれば資材仕入れなどの費用が発生しています。
トラブルの主旨は「すでに発生した費用をどちらが負担するか」です。施主と施工会社が双方に責任を追及し紛争に発展することも珍しくありません。
工事中断の責任が施主にある場合、施工会社は損害賠償請求を起こすこともあります。
工事の追加や変更が生じる
建築工事では着工後に追加や変更工事が必要になることが多々あります。
施主の事情で変更が申し入れられる場合や、着工後に自然災害に遭遇し建築物が破損するなど追加・変更理由は様々です。
その場合、変更事案を契約書などで取り交わされていれば問題ありません。しかし、工期を守るために迅速な判断を要求される現場では、往々にして口頭による口約束だけで変更工事を進めることがあります。
変更した契約書がないことで、施主と施工業者間で変更・追加工事の責任に対する認識のズレが生じ、追加分の代金支払いを巡ってトラブルになるので注意が必要です。
重機の故障や事故が発生する
建設工事に必要なパワーショベルなどの重機が故障したり、重機に起因する事故が発生すると、工期の遅延につながり施主と施工会社間のトラブルの原因になります。
重機も機械である以上故障は付き物です。故障すると修理や新たな重機の手配などで時間と費用がかかります。
重機による事故は、死亡事故になりかねない重大な問題です。重機が故障する原因は整備や点検不足が挙げられます。重機による事故は操作する作業員の不注意が主な原因です。
仕上がりイメージが違う
建築工事の施工後に施主からのクレームを受けて工事のやり直しを要請されることがあります。
クレームの主な内容は、出来映えのイメージが当初と異なることへの不満や、施工後の品質や数量などが契約内容と合致していないことなどです。
当初の契約内容と出来映えが合致しない場合、状況によっては民法に定める「契約不適合」に該当し、施工会社が責任を負うことになります。
このトラブルは、施主と施工業者間でイメージの共有ができていないなど、コミュニケーション不足が主な原因です。
労働時間が一致しない
建築工事現場における労働時間は、作業者がタイムレコーダーや日報などで自己申告します。
トラブルが発生するのは申告された労働時間を実労働時間が超過している場合です。
申告時間と実労働時間不一致の原因は以下の3点が考えられます。
- 現場管理者が作業員の労働時間を正しく管理できていない
- サービス残業を美徳とする社内文化が蔓延している
- タイムカードや日報による作業者の申告漏れや不正申告
サービス残業などで実際の労働時間より少なめに申告すると、当然その分の残業代は支払われません。
実労働時間に対する賃金が正しく支払われていないことが発覚すると、施工会社は労働基準法違反に問われます。
工事代金が支払われない
建築工事のトラブルとして工事代金が支払われない問題があります。
施主と施工会社が取り交わす請負契約では、着工時・棟上げ時・引き渡し時などに分けて工事代金を支払うのが通例です。
原因としては、施主側の経済状況が急変、悪化したり工事内容に納得していない場合などが挙げられます。
施主から口頭で依頼された契約外工事の支払いトラブルも原因の1つです。工事途中で代金未払いになると、工事は続けられません。その場合、工事代金清算や出来形(建設途中の建築物)の取り扱いなどで深刻なトラブルになります。
建築工事のトラブルを解決する手段
ここからは、建築工事で起こるトラブルを解決する手段について解説します。トラブル解決手段として考えられるのは次の3点です。
- 当事者間で話し合う
- 裁判外紛争処理機関を利用する
- 建築訴訟を起こす
以下、項目別に詳しく説明します。
当事者で話し合う
建築工事のトラブルを解決する方法として最も好ましいのは当事者間で話し合って和解することです。
和解を成立させるためには、施主と施工会社、施工会社と作業員の間で互いの主張を良く聴きとり歩み合って最適な和解条件を探りましょう。
両者が感情的になってしまい、和解交渉がうまくいかないこともあります。
話し合いだけで和解交渉が難航したときには弁護士に間に立ってもらって話し合いを進めるのも1つの方法です。
弁護士を通すことで話し合いの労力や精神的な苦痛から解放され最適な和解条件が成立するでしょう。
裁判外紛争処理機関を利用する
和解交渉がうまくいかない場合、裁判外紛争処理機関(ADR)を利用する方法もあります。
ADRとは裁判所以外の第三者機関で、民事上のトラブルを中立な立場で仲介して解決に導く機関です。ADRの主な設置機関は2つあります。
- 建設工事紛争審査会
国土交通省が各都道府県に設置した機関で、工事請負契約に関するトラブルが対象です。
- 住宅紛争審査会
住宅品確法に基づき国土交通大臣から指定され全国の弁護士会が設置する機関で建設工事紛争審査会よりも広範囲のトラブルに対処します。
ADRを利用すると、斡旋・調停・仲裁の手続きを通じて紛争解決のサポートが受けられます。
建築訴訟を起こす
建築工事トラブルを解決する最終手段は建築訴訟を起こすことです。
施主の経済状況が悪化して資金繰りがうまくいかずに工事代金が未払いになると、話し合いでは解決できません。
建築訴訟は裁判所によるトラブル解決手続きです。支払い困難な工事代金の回収など解決困難な問題を法的拘束力のもとで解決に導きます。
裁判所のすすめによる和解も可能です。
建築訴訟では専門性の高い技術的な問題点なども細かく立証する必要があり、解決までに時間や費用を要します。
建築工事で起こりやすいトラブルを防ぐ方法
最後に、建築工事で起こりやすいトラブルを未然に防ぐ方法について解説します。トラブル防御方法として取り上げるのは次の5点です。
- ITツールなどを利用して業務を効率化する
- コミュニケーションを大切にする
- 取り決め内容は書面に明記する
- 定期的に点検・整備を行う
- 保険を利用する
以下、項目別に詳しく説明します。
ITツールなどを活用して業務を効率化する
実労働時間が短縮できれば、サービス残業などで生じる実労働時間と申告労働時間のズレや、人材不足による工期の遅れなどのトラブルが防げます。
時間短縮を実現するためにはITツールなどを活用して業務の効率化を図ることが重要です。
労働時間申告の際のヒューマンエラーや虚偽申告防止には出退勤管理システムの導入が役立ちます。
請求書や発注書の管理、日報の作成や報告もツールを利用すれば業務効率も向上し残業時間の削減が可能です。
施工管理システムを導入すれば工事中の変更や遅れもリアルタイムで管理できます。
コミュニケーションを大切にする
近隣住民からのクレームや、設計変更による工事のやり直しなどのトラブルは、事前に担当者間で十分なコミュニケーションをとって具体的に案件を共有することで防げます。
近隣住民には工事日程や1日の作業時間などを具体的に取り交わし十分に説明しましょう。建築工事中でも施主との密な会話は重要です。
施主の意向を共有しておけば設計変更などにもリアルタイムで対応できるので工事のやり直しが防げます。
外国人作業員とのコミュニケーションを図るには、作業に従事する前に日本語の理解レベルを把握し、必要に応じてトレーニングすることも必要です。
取り決め内容は書面に明記する
施主と施工会社間で取り決めた内容は書面に明記して残しておくこともトラブルを防止する方法の1つです。
特に、当初の施工内容に対して変更や追加が生じた場合は、変更内容やかかる費用、工期の調整などを十分に話し合い認識を共有して契約書に明記しましょう。
口頭で伝えただけでは認識のズレが生じて後々「言った」「言わない」のトラブルのもとになります。
変更・追加事項だけでなく、どんな内容でも取り決めたら議事録やメールなどを取り交わす習慣をつけておくと大きなトラブルには発展しません。
定期的に点検・整備を行う
重機の故障や事故も重大なトラブルです。
重機の故障は工期が遅れるだけでなく、新たに手配すると費用もかかります。事故に関しては死亡事故などの重大な責任問題に発展するので注意が必要です。
重機の故障や事故を未然に防ぐには使用する重機の定期的な点検や整備が欠かせません。
必要に応じて部品の交換も実施し、細かいところまで注意を払って整備しましょう。
事故はヒューマンエラーの場合もありますが、点検整備が十分にできていれば防げるものがほとんどです。
保険を利用する
住宅建築の出来映えに対する施主と施工会社間のトラブルは「住宅瑕疵保険」を利用して解決する手段があります。
住宅瑕疵保険とは新築住宅の傷や雨漏りなどの欠陥(瑕疵)が発生した場合に補修費用を補填する保険です。
住宅瑕疵保険が付保されていれば、欠陥改修の工事が発生しても施工業者が巨額の補填費用を負担する必要はありません。施主にとっても、トラブルなくスムーズに補修が進むメリットがあります。
住宅建築の場合は事前に住宅瑕疵保険が付保されているか把握しておきましょう。
建設業の業務効率化ならアウトソーシングサービスがおすすめ

建設業で業務効率化を進めるには、アウトソーシングサービスの利用もおすすめです。従業員のリソースがひっ迫している場合や、業務に対応できる人材が不足している場合などは、アウトソーシングサービスを活用すると、少ない工数で業務を実行できます。
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【まとめ】建設工事のトラブルは多岐に渡る!予防には早期に対処することが重要
建築工事のトラブルは多岐に渡ります。
工期の遅れや完成後の欠陥などから発生する施主と施工会社間のトラブルや、労働時間などの現場管理の問題、近隣住民からのクレームなど様々です。
発生原因も幅広くトラブル発生時の対処にも時間と費用、労力がかかります。トラブル発生時には早めの判断と対処が必要です。対処方法を十分に理解して慌てることなく適切に対処しましょう。
トラブルを未然に防ぐには業務効率の向上や重機故障を予防するための点検整備などが重要です。
日頃から、近隣住民や施主、作業員間のコミュニケーションを心がけ、設計変更や追加工事の際には書面などでエビデンスを残しておきましょう。
建設業における元請けと下請けで起こるトラブルや施工不良が原因のやり直し工事を求められた際の対応などについてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

