建設業界が抱える課題とは?解決策も解説!

建設業界が抱える課題とは?解決策も解説!

建設業界は、2020年東京オリンピック・パラリンピックにともなう建設ラッシュのあと、新型コロナウイルスの流行で景気は一時落ち込みました。しかし、建物の老朽化による再建や自然災害からの復旧工事など、建設業界の需要は今後もなくなりません。

リニア中央新幹線や2025年に開催される大阪・関西万博など、大規模な建設プロジェクトも進められています。今後も日本を支えるために、建設業界の課題を認識し解決に向けて行動するべきでしょう。

そこでこの記事では、建設業界が抱える課題とその解決策を解説していきます。建設会社の経営改善にもつながるので、ぜひ最後までご覧ください。

建設業界の強み

建設業は需要減少が叫ばれることもしばしばありますが、常に一定の需要があり今後も成長が見込まれる業界です。建設業は公共工事をはじめとして、老朽化したビルなどの改修工事、戸建てのリフォームなど常に安定した需要があることが強みです。

建設業界の課題

まず、建設業界の課題を解説していきます。その課題は以下のとおりです。

建設業界の課題

・人手不足

・長時間労働

・若手不足

・賃金の低さ

・人材育成の不足

一つずつ順番に見ていきましょう。

課題1:人手不足

一つ目の建設業界の課題は、少子化による人手不足です。2020年に建設業界で働く人はおよそ492万人で、最も多かった1997年からおよそ28%減少しています。

ちなみに、2022年はおよそ479万人であり、建設業界で働く人は今後も減少すると考えられます。建設業界の人手不足を解消するために、雇用をどのように増やすのか考える必要があるでしょう。

課題2:長時間労働

建設業界は、ほかの業界にくらべて労働時間が長いことも課題の一つです。2022年の建設業界の労働時間は月163.5時間であり、全体の労働時間(月136.1時間)よりも長いことがわかります。

また、出勤日数もひと月におよそ20日と全体(ひと月におよそ17. 6日)に比べて多いです。ただし、建設業界の数字はあくまで全体の数字なので、業界のなかでも現場で作業する技術者の労働時間はさらに長いと考えられます。

参考元:毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報|厚生労働省

長時間労働になりやすい理由として、建設業界は工事の受注によって成り立つ業界であることがあげられます。受注した工事の数が売上に大きく影響するため、数多くの工事をこなさなければなりません。また、納期を守るための残業もあるでしょう。

長時間労働の改善には、発注者と受注者間で協力した働きやすい環境づくりが必要だと考えられます。

課題3:若手不足

建設業界で深刻化し課題となっているのが、業界全体の高齢化です。2020年の建設業界で働く人の割合は、55歳以上がおよそ36%、29歳以下がおよそ12%と高齢者層が、若年者層よりもかなりの割合を占めることがわかります。

今後、高齢者層が退職すると考えると、若手不足は建設業界にとって大きな問題です。若手を増やし、専門的な技術をどのように継承するのか考える必要があるでしょう。

課題4:賃金の低さ

建設業界で働く人の賃金の低さも課題の一つです。建設業界は見習いの時期が長く、賃金の低い時期が長いと考えられます。近年建設業界全体の賃金は上昇中ですが、さまざまな現場で働く技術者に対する評価方法は不透明な状況です。

建設業界で働く人を正しく評価し、適切な賃金を支給できているのか見直す必要があるでしょう。

課題5:人材育成の不足

最後に解説する建設業界の課題は、人材育成の不足です。

建設工事では、設計図やスケジュール管理のデジタル化が進む一方、基礎工事や左官など、職人技術でデジタル化されにくい業務があります。職人としての経験が必要で、一人前になるには5〜10年と長い月日がかかるでしょう。

そのようななか、建設業界は人手不足や高齢化が原因で、若手層を育成する十分な時間を確保しにくいと考えられます。

建設業界の課題に対する解決策

今後も建設業界の需要がなくならないことを考えると、課題は早めに解決するべきでしょう。ここでは、建設業界の課題に対する解決策を解説していきます。

その解決策は以下のとおりです。

建設業界の課題に対する解決策

・働き方の見直し

・待遇の見直し

・DXの推進

・女性、外国人労働者の積極採用

・工期の見直し

こちらも一つずつ順番に見ていきましょう。

解決策1:働き方の見直し

これまで、建設業界は人手不足や長時間労働の傾向が強いことから、労働時間の上限規制の適用が猶予されていました。

しかし、2024年4月1日からその労働時間の上限規制が適用されます。「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」の罰則が設けられており、長時間労働を防ぐ抑止力になるでしょう。

建設業界の働き方が見直され残業が減り、完全週休2日が実現しやすくなると考えられます。

建設業では、2024年問題とよばれる課題があります。こちらの記事では、2024年問題について解説しています。

建設業の2024年問題とは?ポイントや対策をわかりやすく解説!

解決策2:待遇の見直し

建設業界の人手不足や業務負担を考慮した待遇の見直しも解決策の一つです。待遇を見直すことで、労働環境の改善や技術者のスキル向上が期待できます。国土交通省は、建設業団体と連携して「建設キャリアアップシステム」の利用を推進しています。

建設キャリアアップシステムとは、建設業界で働く人の所有資格や現場の就業実績を登録し、技術や経験を客観的に評価できる仕組みのことです。

さらに、国土交通省は建設キャリアアップシステムの目的を以下のようにのべています。

「(1)若い世代がキャリアパスや処遇の見通しをもてる、(2)技能・経験に応じて給与を引上げる、(3)技能者を雇用し育成する企業が伸びていける」

引用元:建設市場整備:【CCUSポータル】建設キャリアアップシステムの概要 – 国土交通省

建設キャリアアップシステムを利用すれば、現場の技術者を管理する側が、技術者の就業状況を簡単に確認でき、登録したデータに基づいて適正に評価しやすくなります。建設キャリアアップシステムの利用は、適正な評価は待遇を見直すきっかけになるため非常に有効的です。

解決策3:DXの推進

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革することです。

DXの推進は、建設業界の人手不足解消や技術の継承のために重要だとされています。DXにつながる具体的なデジタル技術は以下のとおりです。

①BIM/CIM

BIM/CIM(ビム/シム)とは、構造物の形状や構造の立体的な情報を関係者間で共有し、建設工事にかかわるすべての過程で活用することです。構造物を立体的にイメージできれば、建設工事をはじめる前に設計ミスや危険がないか細かく精査できます。

また、社内だけでなく顧客や地域住民、自治体との情報共有が容易になり、建設工事の品質向上や効率化が可能です。

②クラウドサービス

クラウドサービスとは、アプリケーションやソフトウェアをネットワーク経由で利用できるサービスです。

インターネット環境があれば、会社と現場間の情報共有がリアルタイムで可能となります。クラウドサービスは、業務の時間削減や効率化につながる非常に便利なサービスです。

③AI(Artificial Intelligence)

AIとは、人間の知能をコンピュータプログラムで再現する技術です。建設業界では、構造物の構造計算や現場の画像分析に活用されています。

AIを活用すれば、膨大なデータもスピーディーに分析処理できるので、業務の少数化や効率化が可能です。

④ICT(Information and Communication Technology)

ICTとは、通信技術を活用したコミュニケーションのことです。建設業界では、建設機械の自動化やドローンによる測量に活用されています。危険な現場でも離れた場所から機械機器を操作できるので、技術者の安全確保が可能です。

DXを推進すれば、現場の生産性向上や少数化を実現しやすくなります。また、技術や知識がインターネット上に蓄積されるので、万が一経験豊富な人材が退職しても技術を継承しやすいと考えられます。

ただし、デジタル技術を活用して構築したシステムも時代にあわせて更新していかなければなりません。IT分野で活躍できる人材の採用・育成が必要です。

建設業のDX化とは?導入された背景や技術について解説!

解決策4:女性、外国人労働者の積極採用

女性や外国人労働者の積極的な採用も、建設業界の人手不足解消に有効的です。

これまで、建設業界は体力仕事であることから女性に敬遠されがちでした。しかし、働き方の多様化や建設機械の自動化によって、女性が働きやすい労働環境に変わりつつあります。

外国人労働者については、2022年10月末時点で182万2,725人で2021年からおよそ10万人増加しています。

外国人労働者は年々増加しており、女性とともに積極的に採用するべきでしょう。

人材の育成には動画システムの活用がおすすめ

女性や外国人の採用後には社内教育の充実が必須となります。
社内教育を行う際、活用すべきなのは動画です。動画はテキストや実演で教育するのとは違い、以下のような特徴があります。

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解決策5:工期の見直し

長時間労働を解決するために重要なのが工期の見直しです。

2020年10月に施行された改正建設業法では、著しく短い工期による請負契約の締結を禁止しています。

発注者は、無理のない工期を提示するよう考慮しなければなりません。また、受注者は短期工事をアピールして仕事を受注しないよう注意するべきでしょう。

工期の見直しは完全週休2日を実現しやすくなり、技術者が働きやすい環境づくりにつながります。

この記事では、建設業での週休2日制の義務化について解説しています。建設業での週休2日制はいつから義務化される?上限規制の内容や対策を解説建設業での週休2日制はいつから義務化される?上限規制の内容や対策を解説

建設業界に将来性はあるの?

ここまでご紹介してきたように建設業界は人材不足をはじめとして様々な課題を抱えており、その将来性を不安視する声も少なくありません。とりわけ若手労働者の不足は深刻であり、将来を担う若い人材の登用が求められています。

このような人材不足の問題を解決するために、経営者側が積極的に労働環境を改善してクリーンな職場であることを内外にアピールすることが求められています。

しかしながら冒頭でもご紹介したように、建設業界は万博等の新規事業や公共事業などによって安定した需要がある業界です。人手不足が問題となるのは需要があることの裏返しであるからです。

また働き方改革などによって労働者の待遇も徐々に改善され、若者が働きたいと思えるような職場環境が整備されつつあります。このような観点から、建設業は将来性のある業界であると言えるでしょう。

【まとめ】建設業界の課題は経営者の働きかけで解決できる!

需要が今後も続き将来性がある建設業界は、日本にとって不可欠な分野です。
しかし、建設業界は人手不足や長時間労働など、解決するべき課題が多数あります。

課題を解決するために、働き方や待遇の見直し、DXの推進が必要です。
これらは、会社全体で取り組むべき内容であり、経営者の働きかけが重要になるでしょう。

ぜひ、建設業界の課題解決に向けて、会社全体での取り組みをはじめてみてはいかがでしょうか。

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