建築資材が高騰している6つの原因や対策案をわかりやすく解説

建築資材 高騰

様々な社会情勢から建築資材の高騰が続き、高騰に伴い利益の減少に悩まされている建設業で働かれる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、建築資材が高騰している原因、いつまで高騰が続くのか今後の動向や対策についてご紹介します。

建築資材の高騰推移

建築資材の価格は10年前から上昇傾向にありました。2020年ごろを境に大幅に上昇し、2021年〜2023年までの期間で建築資材価格が約29パーセント上昇しています。
新型コロナウイルス禍からの需要回復に伴う需給ひっ迫、世界中の社会情勢が重なったことで、急激な価格高騰となりました。
各国の経済対策など複合的に様々な要因が絡んでいるため、端的に建築資材の高騰がいつまで続くか断言できない状況です。

建築資材が高騰している6つの原因

建築資材が高騰している原因は、1つだけではなく主に以下のような様々な要因が複合的に関係しています。

  • ウッドショック
  • アイアンショック
  • 電気料金の値上がり
  • 半導体の不足
  • 円安
  • 2024年問題

それぞれ1つずつ解説します。

ウッドショック

新型コロナウイルスの影響で起こった「ウッドショック」が木材価格高騰の主因となりました。リモートワークの普及によって住環境を新しくする流れが生まれ、木材の需要を押し上げています。
そこから日本の低い木材自給率と木材の輸入依存が露呈し、海外からの供給不足が高騰の要因となりました。

ウッドショックがいつまで続くかについてはこちらの記事で解説しています。

アイキャッチ_ウッドショック【2024最新】ウッドショックはいつまで続く?原因や対策を解説

アイアンショック

木材価格と同様に鉄の輸入価格も上昇しています。この、鉄価格の急激な高騰のことをアイアンショックといいます。
鉄筋や鉄骨などは、躯体として大型の建設物に大量に使用されます。コロナ禍の中では、建設が一時中断していた現場も多かったのですが、コロナ後は一気に経済活動を開始することとなりました。
これにより鉄の需要が集中し価格高騰となりました。

電気料金の値上がり

2022年はロシアから天然ガスが輸入できなくなり、天然ガスの輸入コストが上昇したことで電気料金が高騰しました。
ガソリンや電気は、建築資材の加工や製造を行うエネルギー源として利用されています。
そのため、電気料金が上がることで製造単価も上昇します。

半導体の不足

5つ目の原因は、半導体不足です。エアコン、照明器具、床暖房、給湯器などの製品の供給制限が半導体不足により起き、価格が上昇しました。
主な原因はコロナ禍からテレワークの増加により、パソコンやスマートフォンなど半導体を使用する製品の需要が急増したためです。供給量が需要に追いつかなかったため、半導体不足が発生しました。

円安

2022年に円安が進行し、一時的に1ドル=150円台となりました。円安が続くと、輸入時のコストが増えるため、仕入れの金額の負担が増加します。
この円安になっている原因の一つは、日本の低金利政策です。
他国が金利を上げている中、日本の低金利はドル買い優勢となり、円安が進んでいます。これが建築資材の輸入に関連し、高騰の要因となっているのです。

2024年問題

2024年問題は、建設業界において24年4月1日から発効される建設業の働き方改革の1つです。
改革関連法に基づいて時間外労働時間の上限規制が行われるため、人材不足になることが予測されるため2024年問題と呼ばれています。
建設業は従来人手不足に悩まされており、人材確保のためには待遇改善が必要であり、人件費が高騰しています。
そのため、建築費の上昇は避けられなくなり、公共工事設計労務単価も前年度比5.2%引き上げられました。この状況が建設業における人件費高騰の一因となっています。

建築資材の高騰はいつまで続くのか

建築資材の高騰がいつまで続くかは確定的ではありません。木材や電気、その他の資材に関連する様々な要因が絡み合っており、即座に解決するのは難しい状況です。
特に、世界的な需要が急激に変動することは難しく、ロシアへの経済制裁や他の地政学的な要因も影響を与えるでしょう。
ただし、日本の金融政策に変更があれば、円高傾向になり、建築資材価格への影響を軽減の可能性があります。
総じて、建築資材の価格がどの程度の期間高騰し続けるかは、複数の不確定要因が絡んでおり、予測が難しい状況です。

建築資材の高騰対策

これまで建築資材の高騰の原因について解説しました。無防備な状態では、工事費の高騰が利益率や資金繰りに悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
また、建築費の予算オーバーは施主に工事の見直しがなされる可能性があります。
ここでは、建築資材の高騰に対処する3つの対策を紹介します。

早期に仕様を決定し発注する

建築資材の高騰への一つ目の対策は、お客様と業者間で早期の仕様決定と発注を行うことです。
早めに仕様を決定することで、建設業者や下請け会社は余裕を持って材料を発注でき、価格を抑えられるタイミングを狙うことができます。
早期の発注は資材を高確率で抑える利点がありますので、お客様に対してこれらの理由を説明して建築資材や住宅設備の早期決定を促すことが重要となります。納期に追われる中での発注では、輸入までの納期が難しくなる可能性もあるため、早期の行動が資材価格の高騰への対処に効果的です。

スライド条項を適用させる

2つ目の対策は、スライド条項の適用です。
スライド条項は、工事契約後に急激な物価変動が発生した場合に、請負金額の見直しができる規定です。
この条項は資材の高騰だけでなく、労務費上昇などの場合にも利用できます。
ただし、自治体によっては「竣工までの期間が2カ月以上残されている」などの条件があるため、公共工事での適用時は各自治体のホームページで確認が必要となります。また、民間工事では施主の了解が不可欠です。
契約前にスライド条項について詳しく説明し、概要や適用条件、上昇幅などを明確に伝えることが重要です。

業務効率化システムを導入する

対策の3つ目は、業務効率化システムの導入です。
これは、ITやデジタル技術を活用して工務店やリフォーム会社の業務を効率的に管理するためのシステムで、顧客管理、施工管理、原価管理、入出金管理など、様々な業務を効率化を図ることが可能です。
これにより、従業員一人当たりの生産性が向上し、時間外労働や休日出勤による無駄な人件費を削減できます。
業務効率化システムは一時的な対策だけでなく、将来的にも利用可能であり、持続的なコスト削減をもたらす魅力があります。

【まとめ】建築資材の高騰はしばらく続く!上手に対策しよう

この記事では建築資材の高騰の原因、高騰の対策方法を中心にお伝えしてきました。
建設業の建築資材高騰は複合的な要因に伴う結果ということがご理解いただけたかと思います。
建築資材の高騰は、まだしばらく続く事が考えられますので、早期の仕様決定と発注を行うことや、スライド条約の適用、業務の効率化システムの導入など自社で対策を取ることが重要になってきます。
ぜひ自社に合った建築資材高騰の対策に取り組んでみてください。

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