建設会社の営業にどのようなイメージをお持ちでしょうか?建設会社と言うと一般的には設計と施工の仕事がイメージされますが、会社のために工事の受注を取ってくる営業も大事な仕事です。今回は建設営業の仕事の内容、年収からどのような人が建設営業に向いているかまで詳しくご紹介していきます。
建設会社営業の仕事内容
建設営業の仕事は主に二つあります。民間への営業と公共事業の入札がこれにあたります。かつて建設営業の仕事は公共工事の入札が主な仕事でしたが、現在では民間に対して営業をかけて、新規の顧客を開拓することも重要な業務です。それでは建設営業の職務内容について詳しくご紹介していきます。
民間工事の仕事内容
民間工事の場合、営業相手は主に土地を持つ地主や資産家です。取引相手は自己資産と時間を投資して物件を建てることとなるため、出来上がった物件を通してどの程度の収益が見込めるかを調査し、プレゼンする能力が求められます。また顧客の要望を聞き、時にはクレームに対処するコミュニケーション能力が必要となる仕事です。
公共工事の仕事内容
公共工事を受注する際の建設営業は民間相手への営業とは大きく異なります。公共工事の場合に行う主な業務は入札となるため、国土交通省が定める入札のルールを熟知していることが求められます。公共工事に参入する企業が受ける経営事項審査の概要、工事の予算ごとに行われる入札プロセスの違いなど、事前の入念なリサーチが求められる業務です。
建設会社で営業する魅力
建設営業の仕事では、官民を問わず事前のマーケティング、情報収集が求められる一方で、この労力に見合う形で毎回仕事が取れる保障はありません。しかし案件を受注出来た時の喜びは大きくなります。成果に見合ったインセンティブも高いため、自身の頑張りに応じた報酬を得られる仕事です。
建設会社営業の現状
続いて建設営業の現状を1つの点からご紹介します。1つ目はアナログな連絡手段を好む点です。建設会社は古くから続く会社が多く、セキュリティ上の理由も含めてFAXを使ってやり取りをする会社が数多くあります。2点目は業界独自の風土です。建設業界は業界内の繋がりが特に強固です。昔からの伝統を大事にするため、変化や新しいことが比較的受け入れられにくい一方で、人出不足の隙間を埋めるDX化に関する商材などはニーズがあります。3つ目の特徴は業界の働き方に関する特徴です。他業種と異なり、建設業では役職付きの人材も現場に出る機会が多くあります。デスクワークよりも現場に出る機会が多いことも建設業の一つの特徴です。
建設会社の営業職の平均年収
建設営業の年収は、中小企業であれば400万円、大企業であれば500万円以上が平均です。また給与体系は固定給にインセンティブを加えた形態が基本です。建設営業は未経験でも就業可能な職種です。年功序列ではなく成果主義、実力主義の世界なので成果次第で1000万円以上の年収を目指すことが可能です。
建設会社で取り入れられている営業方法
建設営業の代表的な営業方法は、飛び込み営業、テレアポ、FAXDMですが、現在ではSNSやホームページの運用を通して顧客を獲得している建設会社も数多くあります。それでは建設営業の具体的な営業手法を幾つかご紹介していきます。
テレアポ
テレアポ営業は営業をかけたい相手の情報を雑誌、インターネットから収集して直接電話をかけて行う営業です。電話でのアポイントはマニュアルを準備出来れば、営業初心者でも数をこなせることがメリットです。一方でしつこくアポイントを取ろうとすると、クレームに繋がってしまう点、電話口のみでの応対で話が止まってしまい具体的な商談へと話が発展しないことが多い点がデメリットです。
自社ホームページ・SNS運営
自社のホームページ、SNSを適切に運用することで顧客を獲得出来るケースがあります。ホームページを用いて営業を行う場合、具体的な施工事例を見やすく紹介出来るサイトの制作と、ブログなどを活用した定期的な運用が必要です。費用対効果の高い営業方法である一方で、サイトの自社制作を行う場合はSEOを意識したLPを作成可能な人材が必要となります。TwitterやInstagramを用いた集客方法もまた、コストをかけずに行える営業方法です。SNSは情報の拡散力が高い半面、情報を届けたい顧客に正しく認知されないリスクも生じます。適切なタグ付けを行って狙った顧客層にアピールすることが重要です。
チラシポスティング
チラシポスティングは紙媒体の広告を直接投函する営業方法です。チラシを見る確率が高いのは、年配の方、主婦の方です。この年齢層が多く居住するリフォーム需要のある戸建てなどにターゲットを絞る必要があります。ポスティングは、新聞などに折り込む「折り込みチラシ」、直接チラシを投函する「ポスティング」、郵送や宅配を使って投函する方法の三つに分類できます。それぞれの方法ごとにチラシを見やすい年齢層、かかる費用が異なるためアピールしたい客層に合わせて使い分けることが求められます。
展示会への出展
各都市で行われる展示会に出展することで自社製品をアピールすることが出来ます。大規模な展示会であれば、多くの建設業関係者が集まるため、その場で商談へと発展する場合もあります。一方で展示会への出展は事前の準備に時間を要する他、出展のための登録料など時間とコストがかかる営業方法でもあります。
FAXDM
建設業では業界柄FAXを利用している会社が多くあります。そこでFAXを用いてダイレクトメール(DM)を送る営業方法も有効です。時間と費用をかけることなく多くの相手にDMを送ることが可能ですが、読まれずに捨てられてしまう可能性もあることが難点です。
建設会社営業で抑えておきたい志望動機の書き方
続いて建設会社の営業に転職する際に、志望動機は業界未経験者、建設業経験者によって書き方のポイントが異なります。それでは、それぞれのケースで押さえておきたいポイントをご紹介していきます。
建設業の経験がある場合
建設業経験者の場合は、前職での経験と目に見える成績を提示することで採用される確率が高まります。何よりも実力主義の世界のため、営業職の経験がある方は実績をアピールすることが重要です。
建設業の経験がない場合
未経験者の場合は、何故建設営業職を志望するのかという首尾一貫した動機を書く必要があります。建設業は、テーマパークのリニューアルブームや万博の開催などによって将来的に人材の需要が見込まれる業界です。自分ならば会社にどのような貢献が出来るかを分析し、志望動機としてまとめることも求められます。
建設会社営業の転職で役立つ4つの資格
建設営業に転職する際に所持していると採用される確率が高まる資格について、幾つかご紹介していきます。1つ目は建築士の資格です。建築士の資格は、一級建築士、二級建士、
また木造建築士の三種類があり、それぞれ扱える建造物が異なります。建築士の資格を所持していれば現場とのスムーズなやり取りが可能であり、顧客の疑問にも的確に答えることが出来ます。
2つ目の資格は不動産鑑定士です。この資格所持者は土地の適正価格や不動産のコンサルティングに関するプロであるため、顧客に対する不動産運用の提案に信頼性が生まれます。
3つ目の資格は宅建士です。宅建士は、建設営業が多く所持している資格の一つです。大手の建設会社であれば、建築だけでなく完成した物件を取り扱うこともあります。その際に住宅、マンションの売買には宅建資格が必要なため優先して取得したい資格です。
建設会社営業に向いている人
続いて建設営業職に向いている人の特徴をご紹介します。1つ目は精神的にタフな人です。建設営業は厳しいノルマに加えて、顧客からのクレームも多い職業です。プレッシャーをポジティブに捉えて乗り越えられる強さを持つ人は建設営業に向いています。
2つ目は外交的で、コミュニケーション能力のある人です。顧客と長期的に円満な関係を築くために、高いコミュニケーション能力が求められます。
3つ目はリサーチ力のある人です。建設業界は常に社会状況の影響を受ける業界です。不動産に関する税法などの情報や世間の需要を絶えず収集して営業へと活かす地道な調査を苦と思わない人は建設営業に適正があります。
建設会社の営業の仕事内容や現状を理解し転職・就職を検討しよう!
ここまで建設営業の仕事の概要、転職のポイントなどをお伝えしてきました。扱う商材が高額なためプレッシャーが大きく、精神的な強さが求められる仕事ですが、その分達成感も大きい仕事です。未経験でも飛び込める職種であるため、営業で大きく稼ぎたい、やりがいのある仕事に就きたいという方は是非建設営業職を検討されてはいかがでしょうか?