施工管理技士の資格一覧!7種類の資格のメリットや難易度を徹底解説

施工管理 資格一覧

建設業の国家資格の中で、需要が高いものの1つに施工管理技士があります。施工管理技士は7種類に分かれており、それぞれ1級と2級があるのが特徴です。今回は施工管理技士の資格を取得するメリットや、7種類の資格の特徴や難易度について解説します。建設業の国家資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

施工管理技士とは

施工管理技士とは、日本国内における国家資格の1つで、現場でプロジェクトがスケジュール通りに安全に進行し、品質の高い工事が行えるように監督するためのものです。「施工管理技術検定」に合格したら取得できる資格で、施工管理技士の称号を得れば現場で監理技術者や主任技術者という役職で勤務できるようになります。

施工管理技士の資格を取得する6つのメリット

施工管理技士の資格を取得すると、以下の6つのメリットが期待できます。

  • 役職者を目指せる
  • 給与アップが期待できる
  • 経営事項審査に通過しやすくなる
  • 「専任の技術者」として認められる
  • 転職する際に有利になる
  • 規模の大きな工事にも携われる

役職者を目指せる

前述したように、施工管理技士の資格を取得すると「主任技術者」や「監理技術者」になれます。建設業法で、4,000万円以上の土木一式工事、もしくは8,000万円以上の建築一式工事の場合は主任技術者の配置が義務付けられています。同じように、監理技術者も下請け契約の請負金額の合計額が4,500万円(建築一式の場合7,000万円)の場合、配置が義務付けられており、ともに需要が高い役職です。

給与アップが期待できる

国家資格である施工管理技士の資格を取得することで、一次的な奨励金や月給への資格手当などが会社から与えられる可能性があります。企業によって手当や小れ金の金額は異なるため一概には言えません。しかし、一般的に資格を取得すると月給は5,000~10,000円ほどアップするケースが多いと言われています。

経営事項審査に通過しやすくなる

経営事項審査とは、公共工事を直接請けおう建設業者が必ず受けなければならない、事業者の経営に関するあらゆる項目を数値で評価する審査です。

審査には、企業の規模や経営状況だけでなく国家資格保持者の有無も影響します。2級施工管理技士が在籍して入れば2点、さらに1級施工管理技士がであれば5点も加算されるのです。そのため公共工事を受注したい企業にとって、施工管理技士が在籍していることは非常に大きなメリットになります。

「専任の技術者」として認められる

専任技術者とは、建設業許可を受けるために各営業所に配置が義務付けられている要件の1つです。専任技術者になるためには、2年以上の指導監督経験や大臣認定特別者であることと並び、施工管理技士を含む国家資格の保持が求められます。

専任技術者が一定期間でも不在になると建設業許可が取り消されてしまうため、施工管理技士をはじめとする国家資格保持者が企業に在籍することは大きな意味を持ちます。

転職する際に有利になる

施工管理技士の資格を保有していると、確かな技術があるという証明になるため転職する際に有利になります。技術面だけではなく、前述したように資格を保有していると監理技術者や主任技術者、専任技術者として配置できるため企業にとってメリットが大きくなります。施工管理技士は自分の市場価値を高めたいという方におすすめできる資格です。

規模の大きな工事に携われる

施工管理技士の資格を取得し、監理技術者や主任技術者になれば規模の大きな現場に関われるようになります。施工管理技士の資格は、職人としての技術や知識の証明になるため、腕の良い職人が求められる規模の大きな現場や品質が求められる現場から声がかかるようになるでしょう。そのような経験を積める可能性が高くなるのはキャリアを積む中で大きなメリットの1つです。

施工管理技士の資格の1級と2級の違いとは

施工管理技士の資格は7種類ありますが、すべて1級と2級に分かれます。1級と2級の資格の難易度を比較すると、1級の方が高くなります。
また、資格を取得ごとに配置される要件にも違いがあります。

  • 2級 専任技術者・主任技術者
  • 1級 専任技術者・主任技術者・管理技術者

施工管理技士の難易度

施工管理技士の資格の合格率は全体的に見ると、2級が50%ほど、1級が40〜50%となっています。国家資格の難易度としては「やや難しい〜普通」程度と言えるでしょう。しかし、出題範囲が広く専門的な知識を問われるため短期間の勉強で合格を目指すのは困難です。試験に向けてスケジュールを立て、数ヶ月かけて準備することをおすすめします。

施工管理技士の受験資格

令和5年度まで、施工管理技士の資格を受験するためには業務の経験年数が問われていました。しかし、令和6年度より、1次検定の受験資格が緩和され、経験年数が問われなくなりました。そのため、1級は19歳以上、2級は17歳以上であれば誰でも受験できるようになったのです。
令和6年度から令和10年度までの間であれば、二次検定は旧受験資格と新受験資格のいずれかを選択できます。

施工管理技士の資格一覧

施工管理技士には、以下の7種類の資格があります。

  • 土木施工管理技士
  • 建築施工管理技士
  • 電気工事施工管理技士
  • 電気通信施工管理技士
  • 造園施工管理技士
  • 管工事施行管理技士
  • 建設機械施工管理技士

土木施工管理技士(1級、2級)

土木施工管理技士は、土木工事の現場でスケジュール通りに工事が行なえるよう、現場を管理、指揮するのが仕事です。現場のマネジメントだけではなく、安全や品質の管理も行うため業務の幅が広く、責任が問われるポストと言えます。

令和5年度の合格率は、一時検定が49.5%二次検定が33.2%でした。今後バブル期に建設されたインフラの建て替えラッシュが予想されるため、需要が高い資格の1つとして注目されています。

令和5年度の合格率は以下の通りです。

1級 1次検定49.5% 2次検定33.2%
2級 1次検定52.1% 2次検定62.9%

建築施工管理技士(1級、2級)

建築施工管理技士とは、建築現場を監督しながら、マネジメントや品質管理を行う役職です。建築施工管理技士は、Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(工程、工期)、Safety(安全)、Environment(環境)の5つを適切に管理することが求められます。工期が予定内に終わるよう采配を行う、責任感のある役職の1つです。

令和5年度の合格率は以下の通りです。

1級 1次検定41.6%、2次検定45.5%
2級 1次検定49.4%、2次検定32.0%

電気工事施工管理技士(1級、2級)

電気施工管理技士は建設現場における照明工事や電気設備工事、さらに電線工事や電車線工事などの施工管理を行う電気工事のエキスパートです。電気工事が予定された予算や工期、設計図のとおり行われるよう、安全や品質を管理しながら施工管理を行います。

令和5年度の合格率は以下の通りです、

1級 1次検定40.6% 2次検定53.0%
2級 1次検定43.8% 2次検定43.0%

電気通信施工管理技士(1級、2級)

電気通信施工管理技士は建物の電話やインターネット回線などを使用するための工事の施工管理を行います。前述した「電気工事施工管理技士」と良く混同されますが電気の配線工事を行う電気工事施工管理技士とは異なり、電気通信施工管理技士は情報設備工事やネットワーク設備などを行うという特徴があります。

令和4年度の合格率は以下の通りです。

1級 1次検定59.1% 2次検定37.054.5%
2級 1次検定59.1% 2次検定35.6%

造園施工管理技士(1級、2級)

造園施工管理技士は、公園や私有地の緑地の設計や施工管理を行う国家資格です。造園計画の策定から工事の品質や施工管理、さらに植栽計画までを総括的に行います。近年緑地化がテーマに掲げられているので、今後需要が高まると予想される職種の1つです。

令和5年度の合格率は以下の通りです。

1級 1次検定35,2% 2次検定43.3%
2級 1次検定51.5% 2次検定52.4%

管工事施工管理技士(1級、2級)

管工事施工管理技士はガス、水道、浄化槽、空調設備などの配管工事を行う国家資格です。配管工事そのものは資格がなくても行えますが、安全や品質、施工管理は管工事施工管理技士でなければ行えないため、需要が高い職種の1つです。

令和5年度の合格率は以下の通りです。

1級 1次検定37.5% 2次検定62.1%
2級 1次検定69.6% 2次検定82.3%

建設機械施工管理技士(1級、2級)

建設機械施工管理技士は、土木工事や舗装工事における建設機械を扱う技術者の技術の向上を目的にした国家資格です。資格を保有することで、油圧ショベルやブルドーザーなどの運転が行えるようになるため、建設現場において非常に需要が高い資格と言えるでしょう。

令和5年度の合格率は以下の通りです。

1級 1次検定37.5% 2次検定62.1%
2級 1次検定69.6% 2次検定82.3%

未経験から施工管理技士を目指す場合のキャリアプラン

各種施工管理技士の資格取得は未経験からでも目指せます。未経験から施工管理技士を目指す方のキャリアプランの一例を、以下で3つに分けて紹介します。

  • 現場で実務経験を積み、知識を学ぶ
  • 2級施工管理技士の資格を取得し、さらに実績を積む
  • 1級施工管理技士の資格を取得、主任技術者や監理技術者になる

現場で実務経験を積み、知識を学ぶ

建設業界は人材不足や高齢化が深刻化しているため、未経験からも入社できる企業は少なくありません。前述したように施工管理技士の資格で経験年数は問われなくなりましたが、基本的な知識や技術を学び、自分に適性があるかを見極めるためにもまずは現場で働きましょう。現場で働くことで、現場のコミュニケーション力やトラブル対応力も養われます。

2級施工管理技士の資格を取得し、さらに実績を積む

現場で働き基本的な知識やスキルが身についたら、まず2級施工管理技士の資格にチャレンジしてみましょう。2級施工管理技士の資格に合格すれば専任技術者や主任技術者として現場に配属されるようになるため待遇アップが期待できます。2級施工管理技士に合格したら、責任あるポストでさらに実績を積んでいきましょう。

1級施工管理技士の資格を取得、主任技術者や監理技術者になる

2級施工管理技士に合格したら、1級施工管理技士の資格を受けましょう。もちろん、2級ではなく1級施工管理技士からチャレンジしても構いません。1級施工管理技士に合格すれば、監理技術者として認められ、より規模の大きな現場で働けるようになります。今の企業で働き続けるのも、キャリアアップを目指し転職や独立を視野に入れるのも良いでしょう。

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【まとめ】施工管理技士は需要の高い資格!取得してキャリアアップを目指そう

施工管理技士は、各分野で7種類に分かれておりそれぞれ需要が高いことで知られている国家資格です。取得することで主任技術者や監理技術者として配置されるようになるため、昇給やキャリアアップを目指す方には特におすすめの資格です。令和6年度より、1次検定の経験年数が問われなくなったため、既定の年齢に達すればすべての人が受験できるようになりました。この機会に受験して、国家資格保持者を目指してみませんか。

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